太田川駅
愛知県東海市にある名古屋鉄道の駅 ウィキペディアから
愛知県東海市にある名古屋鉄道の駅 ウィキペディアから
太田川駅(おおたがわえき)は、愛知県東海市大田町後田にある名古屋鉄道の駅。駅番号はTA09[2]。東海市の代表駅である。
当駅で常滑線から河和線が分岐する。2003年(平成15年)3月から2011年(平成23年)12月まで、前後の線路を含めた高架化工事が行われ、2011年(平成23年)12月17日に3層構造の高架駅となった。ミュースカイの一部も停車する特急停車駅である。
本項ではかつて駅に併設されていた太田川検車区(おおたがわけんしゃく)についても記述する。
名鉄は2005年1月29日に7駅の駅名を一斉に変更したが、当駅においても駅名の変更が検討されていた。
2002年度に東海市が実施したアンケートでは、「太田川駅の駅名変更についてどのようにお考えですか」との問いに対し、「ぜひ変更した方が良い」「変更した方が良い」が合計32.4%、「現在の駅名が良い」が63.1%であった[15]。変更後の駅名としては「東海」「東海中央」「東海市」「新東海」などが挙がった[15]。現状の駅名を支持する意見が多かったにもかかわらず、市が設置した検討委員会は2003年8月、駅名を「東海」に変更すべきとする答申を行い、当時の鈴木淳雄市長は「答申を尊重する」と述べた[16]。その後、2004年1月に実施した大田町内会への説明会で反対意見が出たことや、駅名変更に反対する署名活動が起こったことなどから、同年3月には変更の見送りが決まった[17]。
当駅の高架化は、愛知県が事業主体となる太田川駅付近連続立体交差事業によって行われた[18]。この事業では、名鉄常滑線・河和線の太田川駅付近の約2.7 km区間(常滑線約2.0 km、河和線約0.7 km)が高架化され、「開かずの踏切」である太田川1号踏切(当駅南方にあった踏切)を始めとした、区間内の6箇所の踏切が除却された。2011年(平成23年)12月17日(土)の始発列車から高架路線が使用されている。
また、高架化により、中部国際空港方面の列車と河和線からの列車との平面交差が解消された。
名鉄初となる3層構造の高架駅で、1階がコンコース、2・3階がプラットホームとなっている[注釈 1]。1階には、自動券売機、改札口、駅事務所、多目的を含むトイレ、売店がある。2階に1 - 4番線(2面4線)、3階に5・6番線(1面2線)の計3面6線が設置されている。2階ホームと3階ホームの間には、中3階が設けられて各ホームを連絡している。
すべてのホームに車椅子対応エレベーターとエスカレーターが設置されており、2階の3・4番線(常滑線 金山・名古屋方面)と3階の5・6番線(河和線 金山・名古屋方面)を直結するエスカレーターも設けられている。中3階にはエレベーターと階段が通じているが、エスカレーターは無い。
発車標は種別部分がフルカラーで(3 - 6番線用は加えて到着列車ホーム階・金山駅先着列車案内も付加)、自動放送は種別、行先、停車駅の順に読み上げるタイプとなった。また、6+2や4+2と書かれた停止位置目標が立てられている。
駅東側の駅前広場が2012年(平成24年)3月に完成した。バス乗り場は3月20日に仮駅西口付近から駅東側へ移転した。
駅の高架化以前、河和線の上下本線と交差する常滑線下り線は通過速度が抑えられていたが、仮線移行と同時に高速分岐器が取り付けられ、ミュースカイは当駅も最高速度120 km/hで通過するようになった。
駅南(常滑線側)に留置線が2本設けられており、当駅始発着列車の留置に使用される[19]。
↑ 知多半田・河和・内海方面 | ||
← 神宮前・ 名古屋方面 |
→ 常滑・ 中部国際空港方面 |
|
凡例 出典:[21] 高架化事業資料(2006年1月発行)より作成 |
島式2面4線ホームを持つ地上駅で橋上駅舎を有していた。東口の旧駅舎は付近にある弥勒寺の宝塔を模した特徴的な構造をしており、1986年(昭和61年)の駅舎改築時も旧駅舎から宝塔部分を移設してその造形を維持していた[6] が、高架化事業に伴って2009年(平成21年)2月20日に解体された。自動券売機・自動改札機・自動精算機などの設備はあったが、エレベーターは設置されていなかった。また、河和線からの上り列車は配線の都合上3番線にしか入線できないため、河和線からの普通列車が空港方面からの優等種別に接続する場合、4番線の優等種別が先に発車となり通常とは発車する順番が逆になっていた。
高架化事業に伴い、2008年(平成20年)11月23日に仮駅舎、仮線に移行した。仮駅舎には、エレベーターが各ホームと西口に1台ずつ設置されていた。改札口は橋上の1か所で、出口は東口と西口の2か所であった。LEDタイプの発着案内板が設置され、自動放送も稼働した。旧駅舎では、行灯方式の行先表示機が使われていた(旧駅舎閉鎖当時の名鉄では新可児駅にのみに残っており、2019年3月20日まで使用されていたが形が異なる)が、仮駅本格供用開始時に神宮前駅などと同じLEDタイプの行先表示機に変わり、役割を終えた。当駅に設置されていた行灯方式の行先表示機は、名鉄資料館に移設・展示され、実際に操作することも可能である。
仮駅舎は2012年(平成24年)2月に取り壊され、跡地にはラスパ太田川、ソラト太田川、ユウナル東海などの再開発ビルが順次建設された。
↑ 知多半田・河和方面 | ||
← 神宮前・ 新名古屋方面 |
→ 大野町・ 常滑方面 |
|
凡例 出典:[22] |
↑ 知多半田・河和・内海方面 | ||
← 神宮前・ 名古屋方面 |
→ 常滑・ 中部国際空港方面 |
|
凡例 出典:[23] |
名古屋方面の列車は、常滑・中部国際空港方面からの列車が2階の3・4番ホーム、河和線からの列車が3階の5・6番ホームから発着する。5番ホームの使用頻度は、令和5年3月18日のダイヤ改正前までは臨時列車の運行がない場合は極めて低かったが、同日のダイヤ改正により、毎時4本の上り普通列車のうち2本が、優等列車の待避を聚楽園駅から当駅に変更したため、5番線を使用することとなった。常滑・空港方面からの普通列車は、ほぼ終日当駅止まりである(4番線に入線し乗客を降ろした後、駅南側の引き上げ線に回送し、2番線に入線する。又は一旦本線名古屋側に引き上げ、両渡り線を通って1・2番線に入る。聚楽園駅に回送して折り返すこともある)。常滑・空港行きの普通列車は、一部を除き平日は当駅発着、土休日は金山発着となっている。土休日は中部国際空港又は常滑発の普通は当駅止まりであるが、当駅着後10分程度の停車時間を経て、当駅始発の金山行きとなる。また、一部の列車は当駅で増解結を行う(河和線からの列車は当駅で増結不可)。また、平日には当駅発の急行が名古屋方面に2本、常滑方面に1本、土休日は急行と準急がそれぞれ1本、全て名古屋方面に設定されている。このうち、常滑方面に向かう列車は、途中、西ノ口、蒲池、榎戸の3駅に特別停車する。また、土休日運転の準急名鉄名古屋行きは1200系6両編成の間合い運用となっている。
当駅で常滑・中部国際空港方面からの列車と河和線からの列車との乗り換えには移動が伴うため、平日朝ラッシュ時は聚楽園駅に快速急行4本、急行5本を特別停車することで、当駅での緩急接続を補完している。
河和線側に引き上げ線がないため、同線からの当駅止まりの列車は直接折り返しができない。そのため列車番号を変えて引き続き名古屋方面へ運行されるか、聚楽園駅や大江駅まで一旦回送される。当駅始発の名古屋方面の列車は、河和方面からの回送列車が太田川駅で営業列車に変わる列車を除き、3・4番ホームから発車する。
常滑線・河和線とも数少ない上下線とも待避可能、かつ緩急接続が可能な駅であるが当駅ではあまり行われない。下り列車は当駅を出ると、空港方面は西ノ口駅(準急・急行は常滑駅)、河和線方面は阿久比駅まで、名古屋方面は聚楽園駅(8両編成は大江駅)まで待避ができない(ただし、西ノ口駅に特別停車し通過待ちをする急行が存在する)。
「東海市の統計」、「移動等円滑化取組報告書」によると、近年の1日平均乗降人員は下表のとおりである[27][28]。 常滑線・空港線では、神宮前駅に次いで2番目に多く、河和線では最も多い。
年度 | 1日平均 乗降人員 |
---|---|
2007年(平成19年) | 13,234 |
2008年(平成20年) | 13,176 |
2009年(平成21年) | 12,949 |
2010年(平成22年) | 13,218 |
2011年(平成23年) | 13,784 |
2012年(平成24年) | 14,192 |
2013年(平成25年) | 14,541 |
2014年(平成26年) | 14,818 |
2015年(平成27年) | 17,623 |
2016年(平成28年) | 18,566 |
2017年(平成29年) | 19,445 |
2018年(平成30年) | 20,310 |
2019年(令和元年) | 20,593 |
2020年(令和 | 2年)14,656 |
1985年(昭和60年)まで駅には太田川検車区が併設されていた。愛知電気鉄道が建設した大田川車庫が前身で、戦時中は空襲被害もあり、建屋の梁に弾痕が刻まれていた。常滑線・河和線など知多半島の列車検査を担当していたが、犬山検査場の完成によって整理対象となり廃止された[29]。廃止後も車庫線はそのまま留置線として使用された[19]。
↑ 知多半田・河和方面 | ||
← 神宮前・ 新名古屋方面 |
→ 大野町・ 常滑方面 |
|
凡例 出典:[30] |
周辺の地名、および当駅の所在住所は東海市大田町となっており、駅名とは異なり点が付かない。近くを流れている河川も点のない大田川という名称である。
かつては当駅 - 尾張横須賀駅間に牡丹園駅(1922年廃止)が存在した。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.