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中央競馬の特別競走において、出走条件に獲得賞金に関連する上限がない競走 ウィキペディアから
中央競馬のオープン特別競走(ちゅうおうけいばのオープンとくべつきょうそう)とは、中央競馬の特別競走のなかで、出走条件に獲得賞金に関連する上限に関する条件(「3勝馬クラス以下(2019年5月までは収得賞金1600万円以下)」などの条件のこと)がない競走である(「収得賞金」については日本の競馬の競走体系#中央競馬を参照)。
広い意味でのオープン特別競走には重賞競走も含まれるが、本項目ではそれ以外の競走について記載する(重賞競走についてはTemplate:中央競馬の重賞競走を参照)。また、2019年度から、オープン特別に於いて、生産の指標において重要になりうる賞金の高い重賞に準ずる競走については、リステッド競走(L格付け)がなされることとなったが、こちらはリステッド競走#JRAのリステッド競走も併せて参照のこと。
トライアル競走もしくはステップ競走とは、特定の競走への出走権(もしくは優先出走権)が得られる競走である。
いずれも国際競走および指定競走である。中央競馬・地方競馬所属馬ともに、上位入着馬に優先出走権が得られる。詳細は各競走の記事を参照。
これまでに地方競馬所属馬のGI競走へのステップ競走として行われた競走としては以下の競走がある。
いずれも指定競走であり、地方競馬所属馬に限り、上位1着に出走権が得られる。
この節で取り上げる中央地方指定交流競走は、指定交流競走の一種であるが地方競馬のサラブレッド系およびアラブ系の古馬が出走可能な競走である。
嚆矢は1973年に創設された地方競馬招待競走で1986年に重賞のオールカマーが地方競馬に開放されたため廃止されたが、1992年からローカル開催の各競馬場に地方競馬所属馬に門戸を開いたオープン特別競走が各競馬場に年1回ずつ設定され、1994年のテレビ愛知オープンでトミシノポルンガ(笠松)、1999年の吾妻小富士オープンでタマルファイター(高崎)が優勝した他、かつてはモリユウプリンス(岩手)やアラブのインターロッキー(園田)、トチノミネフジ(大井)など地方競馬の強豪が出走し話題を集めたが1995年の「交流元年」から数多くの重賞競走にも地方競馬所属馬が出走可能となっている。ただし現在も中央競馬では在籍が認められていないアラブ系競走馬が出走可能な数少ない競走ではあるものの、中央競馬がアラブ系競走を廃止した1996年以降の出走は無い。
なお2007年は馬インフルエンザの影響により地方競馬との交流は取りやめとなり、NSTオープン、小倉日経オープン、札幌日経オープンはそれぞれNST賞、小倉日経賞、札幌日経賞として条件特別戦で実施した。
また、過去に中央地方指定交流競走の古馬のオープン特別として行われた競走としては以下の競走がある。副賞を提供する会社の影響や、番組編成上の都合で他の競走に変更となっている。
年齢表記の変更に伴う記述の煩雑さを避けるため、この項目では過去の競走も全て現在の年齢表記で記述する。
すずらん賞(すずらんしょう)は1960年代後半より行われている競走である。すずらんとはユリ科スズラン属に属する多年草の総称である。1960年代後半より1970年代後半までは条件特別(1971年はオープン特別として施行)で行われてきた。その後1979年〜1980年までは2歳オープンの函館競馬場芝1200mで施行され、1981年〜1986年は同じ函館競馬場芝1000mで施行された。1987年〜1995年までは開催されず、1996年は函館競馬場芝1800mで施行されたが、1997年以降は札幌競馬場芝1200mで施行されている。2013年は札幌競馬場の改修工事に伴い函館競馬場芝1200mで施行された。2024年は同時期に第40回アジア競馬会議が札幌で開催されるのを記念してアジアウィークの特別競走が組まれる関係で休止となる。また札幌2歳ステークスの翌日(2回札幌の最終日)に施行されている。本競走の優勝馬からはリエノテソーロ(2016年)が後にGI優勝馬となっている。
ききょうステークスは1988年より現名称で行われている競走である(1987年以前はききょう特別)。ききょう(桔梗)とはキキョウ科の多年草。現名称に変更以前より1996年まで2歳オープンの阪神競馬場芝1200mで行われ、1997年以降は芝1400mで行われている。1990年〜1991年・1994年・2006年はスケジュールの関係で中京競馬場芝1200m、1995年は阪神競馬場の阪神・淡路大震災による復旧工事のため京都競馬場芝内回り1200mでそれぞれ行われた。2020年〜2022年は京都競馬場の改修工事による変則日程、2024年は阪神競馬場リフレッシュ工事により中京競馬場芝1400mで施行される。本競走の優勝馬からはヤマカツスズラン(1999年)、ダンツフレーム(2000年)、コスモサンビーム(2003年)、タワーオブロンドン(2017年)が後にGI優勝馬となっている。
野路菊ステークス(のじぎくステークス)は1988年より現名称で行われている競走である(1987年以前は野路菊賞)。野路菊とはキク科の花の一種で兵庫県の県花でもある。現名称に変更以前より2歳オープンの阪神競馬場芝1600mの条件で長年親しまれ、阪神競馬場の芝外回りコースの新設に伴い2007年からは芝外回り1800mで行われている。1990年〜1991年・1994年はスケジュールの関係で中京競馬場芝1700m、1995年は阪神・淡路大震災の影響で京都競馬場芝外回り1600m、2006年は中京競馬場芝1800mで施行されている。2020年〜2022年は京都競馬場の改修工事による変則日程、2024年は阪神競馬場のリフレッシュ工事により中京競馬場(2020年は芝1600m、2021年・2022年・2024年は芝2000m)でそれぞれ施行される。本競走の優勝馬からはアインブライド(1997年)、ダンツフレーム (2000年)、メイショウサムソン(2005年)、ラブリーデイ(2012年)[1]、ワグネリアン(2017年)の5頭が後にGI優勝馬となっている。野路菊が兵庫県の県花となっていることから兵庫県競馬でものじぎく賞という重賞が行われている。
カンナステークスは現名称では1989年に一度行われた後、2002年から連続して行われている(1987年以前はカンナ賞)。カンナとはカンナ科の花の一種である。現名称に変更以前より、2歳オープンの中山競馬場芝外回り1200mの条件で行われている。2002年は東京競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により新潟競馬場芝内回り1200mで行われた。2014年も中山競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により新潟競馬場芝内回り1200mで施行された。本競走の優勝馬からはコイウタ(2005年)が後にGI優勝馬となっている。
芙蓉ステークス(ふようステークス)は1989年より現名称で行われている(1988年以前は芙蓉特別)。芙蓉とはアオイ科の落葉低木。現名称に変更以前より、2歳オープンの中山競馬場芝外回り1600mの条件で行われていたが、2015年より2歳馬の距離体系整備により中山競馬場芝2000mで施行されている。1988年・2014年は中山競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により、2002年は東京競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により新潟競馬場(1988年・2002年は芝外回り1600m、2014年は芝外回り1800m)でそれぞれ行われた。本競走の優勝馬からはサクラチヨノオー(1987年)、ライスシャワー(1991年)、ドリームジャーニー(2006年)、ホエールキャプチャ(2010年)がGIを制しており、また2010年は2着になったオルフェーヴルが後に三冠馬となっている。
もみじステークスは1988年から2003年までと、2014年から行われている競走である(1987年以前はもみじ賞)。もみじとはカエデ科カエデ属の木の総称である。1983年から1996年までは2歳オープンの京都競馬場芝外回り1600m(1994年は京都競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により阪神競馬場芝1600mで施行)で行われ、1997年から2001年までと2003年は京都競馬場芝内回り1200m、2002年は京都競馬場芝外回り1400mで施行された。2004年から2013年までは施行されなかったが、2014年より2歳馬の距離体系整備により京都競馬場芝外回り1400mで施行されている。2021年・2022年は京都競馬場の整備工事に伴い、阪神競馬場の芝1400mで施行される。本競走の優勝馬からはサッカーボーイ(1987年)、ビワハヤヒデ(1992年)、フジキセキ(1994年)、ダノンスマッシュ(2017年)、ラウダシオン(2019年)がGI優勝馬となっている。
アイビーステークスは1984年から2003年までと、2014年から行われている競走である。アイビーとはウコギ科キヅタ属のセイヨウキヅタの別名である。1984年から2003年までは2歳オープンの東京競馬場芝1400m(2002年は東京競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により中山競馬場芝外回り1200mで施行)で行われた。2004年から2013年までは施行されなかったが、2014年より2歳馬の距離体系整備により東京競馬場芝1800mで施行されている。2019年からはリステッド競走となる。本競走の優勝馬からはグラスワンダー(1997年)、ソウルスターリング(2016年)[2]、クロノジェネシス(2018年)、ドウデュース(2021年)がGI優勝馬となっている。
萩ステークス(はぎステークス)は1984年より行われている競走である。萩とはマメ科ハギ属の落葉低木の総称である。1984年〜1993年までは2歳オープンの京都競馬場芝内回り1200mで行われ、1994年〜1995年は同じ京都競馬場芝外回り1400mで行われた。1995年は牝馬限定戦として開催され、1996年〜2001年までは開催休止となっていたが、2002年以降は京都競馬場芝外回り1800mで施行されている。2019年からはリステッド競走となる。2021年・2022年は京都競馬場の整備工事に伴い、阪神競馬場の芝外回り1800mで施行される。1995年以前はGI馬は輩出されなかったが、2002年のレース復活以降はスズカマンボ(2003年)、フサイチリシャール(2005年)、タイムフライヤー(2017年)、サートゥルナーリア(2018年)、ダノンスコーピオン(2022年)がGI優勝馬となっている。
中京2歳ステークス(ちゅうきょう2さいステークス)は1960年から行われている競走である。2000年までは中京3歳ステークス(馬齢表示の変更に伴い2001年に改称)。1998年に読売新聞中部支社より寄贈賞を受けており、正式名称はスポーツ報知杯中京2歳ステークス。1971年〜1981年までは2歳オープンの中京競馬場芝1400mで行われ、1982年〜2009年までは芝1800mで行われた。1999年は開催日程の変更により小倉競馬場で行われ「北九州3歳ステークス」として行われた。2003年は降雪のためダート1700mに変更して施行された。2010年・2011年は中京競馬場改修工事のため開催休止となった。2012年からは施行時期が夏季に変更され、距離も芝1400mに変更された。2014年からは距離が芝1600mに再変更された。2020年からは施行時期が12月に、距離も芝1200mにそれぞれ変更される。本競走の優勝馬からはプリマドンナ(1963年)、ニチドウタロー(1978年)、ハッピープログレス(1980年)、メイショウサムソン(2005年)、ダイワスカーレット(2006年)、アドマイヤマーズ(2018年)が後にGI優勝馬となっている。2025年からは小倉2歳ステークスに代わりGIII競走として施行されるとともに距離も芝1400mに変更される予定(詳細は中京2歳ステークスの記事を参照)。
クリスマスローズステークスは2002年より行われていた競走である。クリスマスローズとはクリスマスのころに咲くヘレボルスのことである。2002年より2歳オープンの中山競馬場の芝外回り1200mの条件で行われ、2003年のみ降雪の影響でダート1200mに変更されて施行されている。2020年以降は休止されている。本競走の優勝馬からはGI馬は輩出されていない。
ホープフルステークスは1988年から2013年まで行われていた競走である。有馬記念当日に2歳オープンの中山競馬場芝2000mで施行されていた。1984年から1987年までは同様の競走条件で「ひいらぎ賞」が行われており、このひいらぎ賞は1988年から500万下特別競走(2019年から1勝クラスに名称変更)として行われている。1988年以降の本競走の優勝馬からはウイニングチケット(1992年)、エアシャカール(1999年)、トーセンジョーダン(2008年)、ベルシャザール(2010年)が後にGI優勝馬となっている。
2014年より同競馬場・同距離での同名の重賞競走が施行されているが、これについては2013年までのオープン特別が直接重賞へ昇格したものではなく、2013年まで阪神競馬場で施行されていた重賞競走(この当時の名称は「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」)が中山競馬場へ開催を移し同名称へ変更したものと扱われている(詳細はホープフルステークスの記事を参照)。
ジュニアカップは1985年〜1998年までは3歳オープンの中山競馬場芝2000mで施行され、1999年に京成杯が芝2000mになったことにより、以後は芝外回り1600mで施行されている。開催日程の都合により1996年・2002年は東京競馬場で行われたが、1996年は降雪のためダート1600mに変更となっている。2019年からはリステッド競走となる。本競走の優勝馬からはメジロライアン(1990年)、イシノサンデー(1996年)、サニーブライアン(1997年)、セイウンスカイ(1998年)、キンシャサノキセキ(2006年)、スマートファルコン(2008年)、マイネルホウオウ(2013年)が後にGI優勝馬となっている。名称は「年少者、息子」を意味する「ジュニア」から。
クロッカスステークスは1989年より3歳オープンの中山競馬場芝外回り1600mで施行。主に第2回中山(2月〜3月)で開催された。1998年より現在の1月末〜2月初旬の東京競馬場芝1400mで施行されるようになった。但し、2003年は東京競馬場改修工事のため中山競馬場芝外回り1200mで施行された。2019年からはリステッド競走となる。本競走の優勝馬からはラウダシオン(2020年)がGI優勝馬となっている。名称は「アヤメ科」の花であるクロッカスから。
すみれステークスは1984年に3歳オープンの阪神競馬場芝1600mで施行。翌1985年より現在の芝2200mで開催されるようになった。1984年から1988年・1990年はすみれ賞の名称で施行されている。但し、1991年・1994年は中京競馬場芝2000m、1995年は京都競馬場芝外回り2200mで施行された。2019年からはリステッド競走となる。本競走の優勝馬からはスーパークリーク(1988年)、フサイチコンコルド(1996年)、キングカメハメハ(2004年)がGI優勝馬となっている。名称は「スミレ科」の花であるスミレから。
マーガレットステークスは1973年より3歳オープンの阪神競馬場芝2000mで施行。1976年に京都競馬場芝外回り1400mで開催されたのを除いて1979年まで芝2000mで施行(但し1974年は厩務員ストライキの影響により開催休止)。1980年〜1990年・1992年〜1994年は阪神競馬場芝1600m、1991年・1995年〜1999年は京都競馬場芝外回り1600mでそれぞれ施行。2000年から2017年は阪神競馬場芝1400m、2018年から2024年は阪神競馬場芝1200m、2025年からは京都競馬場芝1200mで施行される。1996年から2017年までは地方馬が1着になった場合に限りNHKマイルカップの優先出走権が与えられていた。2019年からはリステッド競走となる。本競走の優勝馬からはテルテンリュウ(1979年)、シンボリインディ(1999年)がGI優勝馬となっている。名称はキク科の半耐寒性多年草、マーガレットから。
橘ステークス(たちばなステークス)は2002年〜2009年までは3歳オープンの京都競馬場芝内回り1200mで施行され、2010年より芝外回り1400mになっている。2010年から2017年までは地方馬が1着になった場合に限り安田記念の優先出走権が与えられていた。2019年からはリステッド競走となる。2021年・2022年は京都競馬場の整備工事に伴い、中京競馬場の芝1400mで施行された。本競走の優勝馬からはサニングデール(2002年)、ルガル(2024年)がGI優勝馬となっている。名称はミカン科の常緑小高木。
白百合ステークス(しらゆりステークス)は1980年に3歳オープンの中京競馬場芝2000mで施行。翌1981年〜1994年まで阪神競馬場芝2000mで施行された(但し1991年は阪神競馬場改修工事のため、京都競馬場芝内回り2000mで施行)。1995年より再び中京競馬場の施行に変更。1997年に芝1800m、1998年にダート1700mに変更。1999年のみ読売新聞中部支社より寄贈賞を受け、スポーツ報知杯白百合ステークスとして施行される。1999年に900万下(2002年より1000万下)の芝1800mに格下げとなったが、2005年からは東京競馬場で施行されていた駒草賞が休止となったこともあり、再びオープン特別競走となる。同じ週に行われる日本ダービーに出走できなかった馬が出走することもあり、福島競馬場で行われる重賞競走のラジオNIKKEI賞と共に残念ダービーと例えられることがある。2010年からは京都競馬場芝外回り1800mで施行されている。2019年からはリステッド競走となる。2021年・2022年は京都競馬場の整備工事に伴い、中京競馬場の芝2000mで施行された。本競走の優勝馬からはGI馬は輩出されていない。名称はユリ科の一種で花の白いユリのこと。
中央競馬では、降雪や馬場の改修といった事情により芝からダートにコース変更された場合を除いては、2・3歳馬限定のダートのオープン特別が長らく存在していなかった。路線の整備が始まったのは1995年のことで、12月の阪神競馬場の2歳限定戦シクラメンステークスが芝1400mからダート1400mに設定変更され2003年まで施行[注釈 1]。翌1996年には2月の京都競馬場の3歳限定戦バイオレットステークスが、芝1400mからダート1400mに設定変更され2008年まで施行された。
2023年以前、当時6月に東京で行われていたユニコーンステークスまで中央競馬では3歳ダート重賞は実施されておらず、中央馬が出走可能な地方競馬のダートグレード競走も5月に園田競馬場で行われる兵庫チャンピオンシップが最初であった。そのため、5月までに行われる3歳限定のダートオープン特別は、ユニコーンステークスや7月に大井競馬場で行われていたジャパンダートダービーに向けての重要なステップレースと見做されていた。2024年に3歳ダート重賞の整備が行われて以降、これらのレースは特に羽田盃・東京ダービーの優先出走権が与えられる競走の中央馬出走枠に入るための賞金加算という役割を担っている。
これらの競走は地方競馬所属馬も出走できる特別指定交流競走となっている。斤量は全レース同じで牡・セン馬56kg、牝馬54kgの収得賞金1200万円毎に1kg増である。
カトレアステークスは2020年より東京競馬場ダート1600mの2歳オープン特別で施行されている。2015年から2019年まで2歳1勝クラス(500万円以下)の特別競走「カトレア賞」として施行されていた。2016年よりケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』の対象競走に指定されている。本競走の優勝馬からはレモンポップ(2020年)、アマンテビアンコ(2023年)がGI優勝馬となっている。
ヒヤシンスステークスは1985年〜1996年までは東京競馬場芝1400mの3歳オープン特別で施行され、1997年よりダート1600mの3歳オープン特別として施行されている(1988年以前はヒヤシンス賞)。但し、2003年は東京競馬場改修工事のため中山競馬場ダート1800mで施行された。2017年よりケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』の対象競走に指定される[3]。2019年からはリステッド競走となる。過去の優勝馬からはタイキヘラクレス(1999年)、ノボジャック(2000年)、ビッグウルフ(2003年)、カフェオリンポス(2004年)、サクセスブロッケン(2008年)、ゴールドドリーム(2016年)[4]、カフェファラオ(2020年)、ラムジェット(2024年)がダートGIを制している。名称は中近東原産のユリ科の球根性多年草のヒヤシンスから。
昇竜ステークス(しょうりゅうステークス)は2000年より中京競馬場ダート1700mの3歳オープン特別で施行され、2011年と2012年は京都競馬場ダート1400m、2010年と2013年は京都競馬場ダート1800mで施行され、2014年からは中京競馬場ダート1400mで施行されている。過去の優勝馬からはパーソナルラッシュ(2004年)、バンブーエール(2006年)、クリソライト(2013年)、コーリンベリー(2014年)[5]がダートGIを制している。名称は空に昇っていく竜のこと。
伏竜ステークス(ふくりゅうステークス)は2000年より中山競馬場ダート1800mの3歳オープン特別で施行されている(2011年のみ東日本大震災の影響により開催中止)。2019年より『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』の最終戦に位置づけられるようになり、4着までの馬に付与されるポイントも他の競走と比べて大きくなっている。過去の優勝馬からはビッグウルフ(2003年)、フレンドシップ(2006年)、スーニ(2009年)、ハタノヴァンクール(2012年)、コパノリッキー(2013年)がダートGIを制し、『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』のポイント獲得馬からはマスターフェンサー(2019年2着)が本競走の後ケンタッキーダービーに出走している。名称は水中に潜み昇天の機を待つ竜のこと。
バイオレットステークスは1984年に京都競馬場ダート1900m(降雪のため芝2000mから変更)の3歳オープン特別で施行され、1985年から1995年までは京都競馬場芝外回り1400mで施行された。但し、1990年・1994年は阪神競馬場芝1400mで施行された。1996年から2008年まで京都競馬場ダート1400mで施行され、2009年から2023年まで開催休止となっていたが、2024年の3歳ダート路線の整備に伴い阪神競馬場ダート1400mで施行されている。過去の優勝馬からはマックスビューティ(1987年)がGIを制している。名称はスミレの英語名から。
端午ステークス(たんごステークス)は1998年より京都競馬場ダート1800mの3歳オープン特別で施行され、2013年からは京都競馬場ダート1400mで施行されていた。2011年は東日本大震災被災地支援競走いぶき賞に名称を変更して施行された。2021年・2022年は京都競馬場の整備工事に伴い、阪神競馬場ダート1400mで施行された(2021年のみ「ウインズ京都開設70周年記念」の副題としても施行される)。2024年の3歳ダート路線の整備に伴い、本競走は開催休止となった。過去の優勝馬からはレギュラーメンバー(2000年)、ゴールドアリュール(2002年)、カネヒキリ(2005年)、サクセスブロッケン(2008年)、グレープブランデー(2011年)、ハタノヴァンクール(2012年)、ホワイトフーガ(2015年)[6]がダートGIを制している。名称は五節句のひとつ端午の節句から。
青竜ステークス(せいりゅうステークス)は2014年より東京競馬場ダート1600mの3歳オープン特別で施行されている。名称は中国の伝説上の神獣、四神(四象)の1つである青竜から。過去の優勝馬からはノンコノユメ(2015年)[7]がダートGIを制している。
鳳雛ステークス(ほうすうステークス)は2014年より京都競馬場ダート1800mの3歳オープン特別で施行されている。2019年からはリステッド競走となる。2021年・2022年は京都競馬場の整備工事に伴い、中京競馬場のダート1800mで施行された。過去の優勝馬からはカゼノコ(2014年)、キョウエイギア(2016年)がダートGIを制している。名称は鳳凰の雛から。
北九州短距離ステークス(きたきゅうしゅうたんきょりステークス)は小倉競馬場の芝1200mで行われている競走である。レース名の「北九州」とは福岡県北部の政令指定都市である北九州市のことであり、2003年には「北九州市市制40周年記念」の、2023年には「北九州市制60周年記念」の副題がそれぞれつけられた。1984年から2001年、および2003年から2006年にかけて夏季にオープン特別競走として施行された(1998年は小倉競馬場の改修工事に伴い阪神競馬場で施行された)。新設された1983年は1300万円以下の、2002年および2007年から2019年までは1600万円以下(2019年から3勝クラスに名称変更)のそれぞれの条件特別競走となったが、2020年以降は2月の施行となりオープン特別競走に戻るかつ、国際競走としても施行されている。オープン特別競走としての本競走の優勝馬からは1999年に芝1200mの日本レコードとなる1分06秒5のタイムを記録したアグネスワールドと、カルストンライトオ(2001年)がのちにGI優勝馬となっている。
米子ステークス(よなごステークス)は2000年より阪神競馬場の芝1600mで行われている競走である。この競走は2019年からはリステッド競走に格付けされ、2020年からはサマーマイルシリーズの対象競走に指定されている。2000年以降の本競走の優勝馬からは、朝日杯3歳ステークスを勝っていたエイシンプレストン(2001年)が後にGI2勝目を挙げている。2025年からはしらさぎステークスと改称の上で重賞に昇格する予定となっている。
KBC杯(ケイビーシーはい)は1992年より小倉競馬場のダート1700mで行われていた競走である。九州朝日放送(KBC)より寄贈賞を受けていた。1998年は小倉競馬場の改修工事に伴い、阪神競馬場ダート1400mで施行された。1991年に「小倉競馬場開設60周年記念」として施行していた後、1992年から2010年にかけてオープン特別競走として施行された。オープン特別競走としての本競走の優勝馬からはスマートファルコン(2008年)が後にGI優勝馬となっている。2011年から2016年は1600万下条件で施行したが、2017年以降は休止されている。
阿蘇ステークス(あそステークス)は現名称では1991年から行われている競走である(1990年以前は阿蘇特別)。名称は阿蘇山から。1991年より2000年までは1500万円以下および1600万円以下の条件特別で行われた(1998年は小倉競馬場改修工事のため施行せず)。2001年より3歳以上オープンの小倉競馬場ダート1700mで施行されている。2024年は阪神競馬場リフレッシュ工事に伴う開催日割の変更のため休止となる。2001年以降の本競走の優勝馬からはサンライズバッカス(2005年)、グレープブランデー(2012年)、キングズソード(2023年)が後にGI優勝馬となっている。レコードタイムは2006年8月27日に行われたレースで、サンライズキングの1分41秒8となっている。
春季は競走無し。
夏季・秋季は競走無し。
夏季は競走無し。
以下の競走は重賞であったが、オープン特別に格下げとなった。なおこれらはすべてアラブ系を対象とする競走だったが、アラブ系のみのレースが1995年を以て廃止になったため、これらも同年度で廃止された。
1960年代から1980年代中頃までにかけては、現在のグレード制下におけるGIII競走に匹敵する賞金が設定された、競走名が付いていない単発のオープン特別競走が存在しており、この場合は競走名ではなく単に「オープン」として称されていた。また、その結果は雑誌『優駿』でも紹介された。
1970年秋に東京競馬場で行われた「牝馬ステークス」は1着賞金がビクトリアカップと同額の1500万円であったが、これは同年施行を計画していたものの頓挫した国際招待競走の予算をあてたためとされる[28]。
なお、1984年に、グレード制導入による重賞競走の増加や距離体系の整備、および特別競走の充実などのため、競走名のないオープン特別競走は発展的解消(事実上の廃止)を遂げた。1984年以降、競走名のないオープン特別競走は突発的な競馬番組変更時にごくわずかに施行される程度となり、最後の競走名のないオープン特別競走の開催は1995年9月24日函館第8競走での「3歳オープン」であった[29]。
2005年に岡部幸雄騎手が同年3月に現役引退したことに伴い、その功績を讃えオープン特別の東風ステークスを本年限りで「岡部幸雄騎手引退記念」と名称変更して施行された。
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