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東京都八王子市長沼町にある京王電鉄バスの営業所 ウィキペディアから
京王電鉄バス八王子営業所(けいおうでんてつバス はちおうじえいぎょうしょ)は、東京都八王子市長沼町1304番地の3にある京王電鉄バスの営業所。当所を表す社内識別記号は「C」。最寄りバス停留所は「八王子車庫」。八王子営業所が当地に移転する前は「北野車庫」という名称であった[1]。京王線北野駅から徒歩15分程度の浅川沿いにある。
八王子市のJR中央線以南・横浜線以西の地区、日野市・町田市の一部を管轄する。かつては高尾や小仏、八王子市内の長房・城山地区のほか、多摩市や神奈川県内まで路線を伸ばしていたが、京王電鉄バスの分社化後は京王バスや西東京バスへ路線を移管する形で管轄範囲は縮小している。
2022年4月現在、京王電鉄バスとしては、子会社の京王バスを併設していない唯一の営業所となっている。
1923年(大正12年)創業の八王子市街自動車をルーツとする、長い歴史を持つ営業所である。京王電気軌道(現:京王電鉄)は、1938年(昭和13年)3月21日に八王子市街自動車を買収し[2]、翌1939年(昭和14年)、甲州街道沿いの並木町(当時の横山村散田)に八王子営業所を設置した[3]。これにより、八王子市内に京王のバスが走るようになった[4]。これが現在の八王子営業所の起こりである。
1948年の京王帝都電鉄独立時に、中野(A)、国分寺(B)、八王子(C)の3営業所体制で発足した。
京王帝都電鉄の設立後に2回移転しており、1960年に国鉄八王子駅北口の駅前へ移転した。この場所は京王線の八王子駅への延伸計画のための駅用地として確保していた土地を暫定的にバス営業所として利用していたものだったが、京王八王子駅の地下化と延伸計画の中止により1992年に現在地へ移転し、跡地には京王プラザホテル八王子が建設されて現在に至る。
主力となる日野八線や豊八線は、八王子駅北口・京王八王子駅から甲州街道(国道20号、都道256号)を経由し、日野駅や豊田駅北口へ向かう。
国道20号の大和田坂上・明神町を始発とする便は全てが出庫運用で、営業所から国道16号を経由して回送される。豊41の回送経路は、日50や豊56に出入庫を兼用とした運行がされている。
移管後に廃止された路線を含む。
八91 - 八93は、後述の八81、め82と共に、RNやRMが導入されるまでは大型車での運行となっており、長房・城山線との併用ダイヤ等も存在した。
上記は、2023年4月1日のダイヤ改正で高尾担当となった。
他の京王電鉄バスグループの営業所に比べ、日産ディーゼル(現・UDトラックス)製の車両の割合が低めである。八王子営業所の特色として、日野自動車の本社・工場が運行エリアの日野市内の甲州街道(東京都道256号八王子国立線)沿いに所在することもあり、日野自動車製の車両の割合が高いことが挙げられる。
特に1994年までは、当営業所で導入する車両の全てが日野車であり、大型路線車では日野ブルーリボンHT(P-HT・U-HT系)が中心であった。ブルーリボンHTは八王子営業所と中野営業所に集中配備され、他の営業所では見られない車種となっていた[15][16]。
なかでも1988年式から1994年式の車両は、乗務員の負担軽減を図るためイージードライブを目指し、ほぼ全車が機械式AT(日野自動車では「EEドライブ」)を採用し、京王帝都バス時代からの特徴的な仕様となっていた[15]。末期の機械式AT車は全中扉間ワンステップバスで、中扉4枚折戸という外見上も特徴的なスタイルとなっていた。ブルーリボンHTの最終導入車であるC29410(U-HT2MMAA)は、最後まで八王子営業所に残り、2006年に除籍された。これが八王子営業所最後の機械式AT車であった[15]。その後1995年以降、平成6年排出ガス規制(短期規制・KC-代)に適合しモデルチェンジしてからは、ブルーリボンHT/HU系の導入は中止された[16]。
またかつては他の営業所と同様、日産ディーゼル車も多数導入しており、1995年に中型長尺車のJP(U-JP211NTN)を富士重工架装で導入したのを皮切りに、小型車のRNや中型車のRMも導入し、八王子営業所でも一時期は日野車とともに主力となった[17]。1999年にJPが平成11年排出ガス規制(長期規制・KL-代)に適合し、KL-JP252系となってラインナップにノンステップバスが登場した際には、京王初のノンステップバスとしてこれを採用し、西工架装のJP(KL-JP252NAN改)を全社的に大量導入した[17]。
しかし翌2000年、日野自動車からも中型長尺ノンステップのレインボーHRが発売されると、八王子営業所ではレインボーHRを大量導入したため(2000年は八王子営業所で14台、中野営業所で2台を一括導入)[17]、日産ディーゼル車は他の営業所へ転属または除籍となり、2004年にUA系を導入するまでは、ふたたび日野車が主力となった。
レインボーHRの導入は、京王電鉄バスグループ全体でも2000年から2004年まで(KL-代)のわずか4年間にとどまったが、ブルーリボンHTと同様に、八王子営業所と中野営業所のみに集中配備された。なかでも八王子営業所所属の車両が多数を占め、ブルーリボンHTとならび特徴的な車種となった[17][18]。なお、レインボーHRには当時、中型長尺・中型・小型の3種類のバリエーションが存在したが、京王で導入したHRは10.5mクラスの中型長尺車のみで、9m中型車、7m小型車は導入していない[17][18]。
末期のレインボーHRは、主に2001年式と2002年式が他の営業所へ転属し、2003年式が長房団地・城山手線の移管に伴い、西東京バスの恩方営業所へ譲渡後に塗装変更され、当営業所には後述の「日野レインボーHRありがとうイベント」開催時に在籍していた3台が最後まで残っていた。京王からの譲渡車は、フォグランプがないことと中扉下部の明かり窓(セーフティウインドウ)で判別できる。西東京バスへ譲渡された車両が除籍後に地方のバス事業者へ再度移籍した例もある。
2004年と2005年に導入された日産ディーゼルUA(KL-UA452KAN改)も、2021年1月にC40520が府中営業所へ転属され、2022年9月に最後まで残ったC40524が除籍された事に伴い、配置が無くなった。これにより、八王子営業所から日産ディーゼル車が全廃となった。
2022年現在、大型車では2006年より導入されているいすゞ・エルガとの統合モデルであるブルーリボンIIと、2012年より導入されている三菱ふそう・エアロスターが主力となっている。中型車では、2008年よりいすゞ・エルガミオとの統合モデルであるレインボーIIが導入され、2013年には三菱ふそう・エアロミディMK(TKG-MK系)を導入した。UDトラックスがバス製造から撤退したため、三菱ふそう製の車両も増えている[18]。三菱ふそう製エアロスターのうち、2020年導入のC32003及び2022年導入のC32216は、従来の京王電鉄カラーではなく、京王バスカラーで導入された[19]ほか、2020年9月中旬には西62の増発ダイヤに伴い、中野営業所より京王バスカラーでレインボーIIのC21127が転属し、2023年8月にまた桜ヶ丘営業所からC21056が転属された。2023年7月時点で、桜ヶ丘、多摩、中野営業所に配置されている日野ブルーリボンハイブリッド(HL系)は導入されていない。 近年は、路線範囲縮小や減便と共に年々、減車しており、2023年4月現在、2012年式と2013年式のKV234系はラッピングを施されている車輌のみが残り、KV290系は2017年式が全車転出して、2018年式が2台残るのみとなっている。 但し、三菱ふそう製の車輌は全車が生え抜きのまま在籍している。
なお、八王子営業所では、コミュニティバスの受託運行はしていないため、前述の日産ディーゼルRNが全車除籍された後は、日野・リエッセおよびポンチョなどの小型車は導入されていない[18]。
2021年3月、京王電鉄バスグループでは初となる連節バスを導入した[10]。日野ブルーリボンハイブリッド連節バスが、八王子営業所(C22101)と高尾営業所(T22102)に1台ずつ配置された。2024年4月にC22101は高尾営業所に転属(現・T22101)し、八王子営業所での連節バス配置は無くなった。
2000年から2003年にかけて導入された、中型長尺ノンステップバスの日野レインボーHRの、最後まで残っていたC20207、C20214、C20317(KL-HR1JNEE)の3台が、2017年3月をもって全車除籍された[20]。
日野レインボーHRの最後の3台の除籍にあたり、2017年3月18日に「ありがとうHRイベント」と題し、さよならイベントが開催された。イベント会場は八王子営業所ではなく、多摩営業所が使用された。また当日朝には新宿駅西口28番バスのりばから、会場直行の無料シャトルバス(定員制・事前抽選制、日野・セレガ貸切車使用)が運行された[20]。
展示車両はC20317で、多摩営業所構内へ回送の上、京王から西東京バス青梅営業所へ移籍した同型同年式のHR(BK20399)、HRの代替で八王子営業所に導入された新車のブルーリボンKV290系(C21701→T21701)と3台並べて展示された。一般路線バス車種のさよならイベントは珍しいこともあり、インターネットのニュースサイトなどでも多数報道された[21][22][23][24]。
なお、京王電鉄バスグループで行われた一般路線バス車種のさよならイベントは、2012年6月23日から同年7月8日にかけて調布営業所で行われた、日産ディーゼル・RN(KC-RN210CSN)L79952の引退記念イベント「チョロQバス さよなら運転」に続くものとなる[25]。
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