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日本のコンピュータゲームシリーズ ウィキペディアから
ポケットモンスターシリーズは、ゲームフリークが開発し、株式会社ポケモン(設立以前は任天堂)より1996年2月から発売されているロールプレイングゲームのシリーズである。
ポケットモンスター | |
---|---|
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
開発元 |
ゲームフリーク ILCA |
発売元 |
任天堂 ポケモン |
主な製作者 |
田尻智 杉森建 増田順一 石原恒和 大森滋 |
1作目 |
ポケットモンスター 赤・緑 (1996年2月27日) |
最新作 |
Pokémon LEGENDS Z-A (2025年予定) |
スピンオフ作品 |
ポケモンスタジアムシリーズ ポケモンコロシアム ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア ポケモンバトルレボリューション Pokémon GO 詳しくは「ポケットモンスターのスピンオフゲーム」を参照 |
公式サイト | ゲーム ポケットモンスターシリーズ|ポケットモンスターオフィシャルサイト |
プレイヤーはポケモントレーナーとなり、作中世界に生息する「ポケットモンスター(ポケモン)」と呼ばれる不思議な生き物を捕獲して育てたり、ポケモン同士を戦わせたり、他のプレイヤーと交換をしてポケモン図鑑を完成させるのが目的のゲーム。ポケモントレーナーとはポケモンを育て戦わせる人のことを指す。
理由は作品によって変わる場合があるが、プレイヤーが操る主人公はポケモン図鑑の完成を目的に旅に出ることになる。旅の道中ではライバルと呼ばれるキャラクターや、ジムリーダーと呼ばれる特定のタイプを極めたトレーナーと戦い、ポケモンと共に成長していく。ジムリーダーに勝利することで手に入るジムバッジを8つ集め、ポケモンリーグで四天王とチャンピオンに勝利するとエンディングを迎える。
ポケモンは野生のポケモンやポケモントレーナーの繰り出すポケモンと戦わせることで成長していく。ポケモンには同じ種であっても個体ごとに能力値を表すパラメータや成長の度合いを表すレベルなどが存在するが、主人公にはそれらの概念は存在しない。
本シリーズは、ゲームクリエイターの田尻智が、少年時代に住んでいた東京都町田市で夢中になった昆虫採集や、友達との昆虫の交換・相撲などを元に考案した[1]。具体的なゲームシステム開発では、田尻智自らが、対戦だけでなく、他者との物の交換も楽しむというゴールを提案したという。結果として、1996年2月の『ポケットモンスター 赤・緑』から発売を開始したこのシリーズは、「ポケットモンスター」、通称「ポケモン」と呼ばれる架空の生き物が生息している世界を舞台としたロールプレイングゲームとなった。
構造は『ウルトラセブン』に登場するカプセル怪獣で、スタッフもその旨を明言している。企画当初の名称である『カプセルモンスター』や、ボールから出す際の「いけ」や「頼むぞ」、戻す際の「もどれ」のかけ声もこれを意識したものである。一部のポケモンの中にはウルトラ怪獣を意識した姿をした個体も存在する。
初代ポケモンは初動は振るわなかったものの、子供たちの間で口コミで拡がり、1年も経たないうちに各所で名前が知られるようになった。その後、アニメシリーズに加えて、松本梨香の「めざせポケモンマスター」,イマクニ?の「ポケモン言えるかな?」、バラエティ番組におけるポケモン対戦企画がテレビ番組で放映されたことで人気が爆発し、日本全国で急速にユーザーが増えていった。
モバイル端末の黎明期で、ゲームボーイの通信機能が殆ど利用されていなかったシリーズ開始当初はポケモンのコレクション・育成や、通信による交換・対戦の要素が画期的とされ、時代遅れと見られていたゲームボーイが時代の最先端に返り咲くこととなった[2]。また同時に2つ以上のバージョンをリリースし、それぞれのプログラムを違うものにしてどちらかのバージョンでしか手に入らないポケモンや出現率が異なるポケモンを作り、ユーザー間のポケモン交換の促進を狙うなど、ゲーム的にも商品としても新しい試みに挑戦して話題を呼んだ。
本作発売以後、ゲーム業界全体で様々なコレクション・通信要素を搭載したゲームが登場した。またゲーム以外のメディアに展開された作品も軒並みヒットし、同時に全年齢層へのユーザーの拡がりや世界シェアも獲得したことで、2019年の段階では世界1位の収益を上げるメディアミックスプロジェクトとなった[3][注 1]。
1996 | 赤・緑 |
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青 | |
1997 | |
1998 | ピカチュウ |
1999 | 金・銀 |
2000 | クリスタル |
2001 | |
2002 | ルビー・サファイア |
2003 | |
2004 | ファイアレッド・リーフグリーン |
エメラルド | |
2005 | |
2006 | ダイヤモンド・パール |
2007 | |
2008 | プラチナ |
2009 | ハートゴールド・ソウルシルバー |
2010 | ブラック・ホワイト |
2011 | |
2012 | ブラック2・ホワイト2 |
2013 | X・Y |
2014 | オメガルビー・アルファサファイア |
2015 | |
2016 | サン・ムーン |
2017 | ウルトラサン・ウルトラムーン |
2018 | Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ |
2019 | ソード・シールド |
2020 | 鎧の孤島・冠の雪原(DLC) |
2021 | ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール |
2022 | Pokémon LEGENDS アルセウス |
スカーレット・バイオレット | |
2023 | 碧の仮面・藍の円盤(DLC) |
2024 | |
2025 | Pokémon LEGENDS Z-A |
タイトル | 対応機種 | 発売日 | 売上本数 |
売上本数 |
備考 | ||
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ポケットモンスター 赤・緑 | ゲームボーイ | 1996年2月27日 | 822万本(2000年3月時点での出荷数)[2] | 2,904万本(2009年9月末時点での出荷数)[4] | 3,138万本[5] | 4,602万本[6] | 『ポケットモンスター』(ポケモン)の名を冠する最初の作品。 |
ポケットモンスター 青 | 1996年10月15日 | 201万本(出荷数)[7] | 海外未発売 | 『赤・緑』のマイナーチェンジ版。最初は限定販売、後に一般販売[8]。 | |||
ポケットモンスター ピカチュウ | 1998年9月12日 | 316万本(出荷数)[7] | 1,464万本 | 『赤・緑』のマイナーチェンジ版。最初のパートナーはピカチュウ[9]で固定。ピカチュウを連れ歩き、豊かな表情を楽しめる。 | |||
ポケットモンスター 金・銀 | 1999年11月21日 | 730万本以上(2009年9月末時点での出荷数)[4] | 2,373万本(2009年9月末時点での出荷数)[4] | 2,949万本[6] | 完全新作の2作目でシリーズ初のゲームボーイカラー対応ソフト。前作と通信交換ができ、ゲームボーイでもプレイ可[10]。 | ||
ポケットモンスター クリスタルバージョン | ゲームボーイカラー | 2000年12月14日 | 639万本 | 『金・銀』のマイナーチェンジ版。ゲームボーイカラー専用[11]。 | |||
ポケットモンスター ルビー・サファイア | ゲームボーイアドバンス | 2002年11月21日 | 540万本(2022年末時点)[12][注 2] | 1,614万本(2022年末時点)[14][注 3] | 完全新作の3作目。今作から日本のみ発売元は株式会社ポケモン[16]。 | ||
ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン | 2004年1月29日 | 318万本(2022年末時点)[17] | 1,200万本[18] | 『赤・緑』のリメイク版[19]。 | |||
ポケットモンスター エメラルド | 2004年9月16日 | 208万本(2022年末時点)[20] | 680万本(2022年末時点)[21] | 『ルビー・サファイア』のマイナーチェンジ版[22]。 | |||
ポケットモンスター ダイヤモンド・パール | ニンテンドーDS | 2006年9月28日 | 585万本(2022年末時点)[12] | 1,767万本(2024年9月末時点)[23] | 完全新作の4作目。シリーズ初のインターネット通信に対応[24]。 | ||
ポケットモンスター プラチナ | 2008年9月13日 | 265万本(2022年末時点)[17] | 760万本(2022年末時点)[21] | 『ダイヤモンド・パール』のマイナーチェンジ版[25]。 | |||
ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー | 2009年9月12日 | 397万本(2022年末時点)[12] | 1,272万本(2024年9月末時点)[23] | 『金・銀』のリメイク版[26]。 | |||
ポケットモンスター ブラック・ホワイト | 2010年9月18日 | 554万本(2022年末時点)[12] | 1,564万本(2024年9月末時点)[23] | 完全新作の5作目。 | |||
ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2 | 2012年6月23日 | 307万本(2022年末時点)[17] | 852万本(2022年末時点)[21] | シリーズ初のナンバリングを冠した続編[27]。 | |||
ポケットモンスター X・Y | ニンテンドー3DS | 2013年10月12日 | 457万本(2022年末時点)[12] | 1,676万本(2024年9月時点)[28] | 完全新作の6作目。 | ||
ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア | 2014年11月21日 | 347万本(2022年末時点)[17] | 1,463万本(2024年9月末時点)[28] | 『ルビー・サファイア』 のリメイク版[16]。 | |||
ポケットモンスター サン・ムーン | 2016年11月18日 | 394万本(2022年末時点)[12] | 1,633万本(2024年9月末時点)[28] | 完全新作の7作目。 | |||
ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン | 2017年11月17日 | 272万本(2022年末時点)[17] | 923万本(2024年9月末時点)[28] | 『サン・ムーン』のマイナーチェンジ版[29]。 | |||
ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ | Nintendo Switch | 2018年11月16日 | 218万本(2022年3月末時点)[注 4] | 1,507万本(2022年末時点)[34] | 『ピカチュウ』のリメイク版[35]。本編シリーズでは初となる据え置き型ゲーム機の作品。 | ||
ポケットモンスター ソード・シールド | 2019年11月15日 | 564万本(2022年3月末時点)[注 5] | 2,644万本(2024年9月末時点)[36] | 完全新作の8作目。 | |||
ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール | 2021年11月19日 | 385万本(2022年3月末時点)[37] | 1,492万本(2022年9月末時点)[38] | 『ダイヤモンド・パール』のリメイク版[39]。制作はILCA[40]。 | |||
Pokémon LEGENDS アルセウス | 2022年1月28日 | 364万本(2023年3月末時点)[注 6] | 1,483万本(2023年3月末時点)[41] | 完全新作の9作目。 本編シリーズでは初となるアクションRPG[42]。 | |||
ポケットモンスター スカーレット・バイオレット | 2022年11月18日 | 830万本(2024年11月18日時点)[43] | 2,569万本(2024年9月末時点)[36] | 完全新作の10作目。 シリーズ初のオープンワールド[44]。 | |||
Pokémon LEGENDS Z-A | 2025年(予定) | 万本 | 万本 |
本編の他に据え置き型ゲーム機の対戦用ソフトとして、『ポケモンスタジアム』シリーズ、『ポケモンコロシアム』、『ポケモンXD』、『ポケモンバトルレボリューション』がある。『コロシアム』と『XD』では、上記の全地方から見て「遠く離れた土地」を舞台にした冒険も繰り広げられる[45][46]。
主人公(プレイヤー)が旅をするシリーズの舞台は同一世界中の様々な地域(「地方」と称される)である。また、いずれの地方も現実世界の特定の地域がモデルであり、地理や一部登場キャラクターの設定などがそのモデル地域と大まかに似ていることが多い。
ゲームシリーズ | ポケモンの地方 | モデルとなった地域 |
---|---|---|
赤・緑・青・ピカチュウ・ファイアレッド・リーフグリーン・Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ | カントー地方 | 関東地方・中部地方の一部, 日本 |
金・銀・クリスタル・ハートゴールド・ソウルシルバー | ジョウト地方 | 近畿地方・中部地方の一部・四国地方の一部, 日本 |
ルビー・サファイア・エメラルド・ オメガルビー・アルファサファイア | ホウエン地方 | 九州・沖縄地方, 日本 |
ダイヤモンド・パール・プラチナ・ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール | シンオウ地方 | 北海道, 日本・ サハリン州(樺太), ロシア |
ブラック・ホワイト・ ブラック2・ホワイト2 | イッシュ地方 | ニューヨーク州 ニューヨーク市・ ニュージャージー州の一部(マンハッタン島周辺), アメリカ |
X・Y | カロス地方 | フランス |
サン・ムーン・ウルトラサン・ウルトラムーン | アローラ地方 | ハワイ州, アメリカ |
ソード・シールド
|
ガラル地方
|
イングランド・ ウェールズ, イギリス |
スカーレット・バイオレット
|
パルデア地方
|
スペイン・ ポルトガル(イベリア半島) |
本シリーズに共通しているゲームシステムを述べる。特に本シリーズを代表する要素である、育成・対戦・通信といったものを中心に解説する。
ゲームの主な目的は、多種類存在するポケモンすべてをポケモン図鑑に登録する[注 7]こと、すなわち図鑑の完成と、用意されたシナリオに沿ってイベントを進行させたりバトルしたりしながらエンディングまで到達することの二つに大別することが可能で、特に後者はこのゲームの基礎的な遊び方である。またゲームに登場する各敵組織の野望を打ち砕くこともゲームの内容のひとつでもある。また、バージョン毎に入手可能なポケモンが異なり、他のプレイヤーと手持ちのポケモンで交換・対戦しつつポケモン図鑑を完成させるという、現実の人間関係を利用するゲームシステムが搭載された。
最初のバージョンである『赤・緑』以来、現在まで共通する要素として、一部のスピンアウト作品を除き、ゲームの開始時にそれぞれ「くさ」「ほのお」「みず」のタイプ(世代によっては加えて他のタイプとの複合)を持つ3匹のポケモンから1つを選択して始める。特に、この最初の3匹のポケモンは「御三家」ともいわれる。
同一の世代に分類されるものは、ストーリー等は異なっていてもほぼ同一のゲームシステムであり、高い互換性を持つ。たとえば、『ダイヤモンド・パール・プラチナ』と『ハートゴールド・ソウルシルバー』はストーリーや舞台は全く異なるが同一世代のため、互いに通信対戦や通信交換を行うことができる。一方で、世代の異なる作品同士の互換性は低い。
データの互換性が低くなる理由は、世代が更新されるたびに新たなポケモン・アイテムなどが追加される為である。逆に言えば、世代が更新されない限り新ポケモンや新アイテムが追加されることはない。なお、一部例外はあり、例えば、「はっきんだま」は第四世代の途中『プラチナ』で新たに追加されたアイテムである。そのため、このアイテムには「通信交換できない」等の特殊な制約がある。同一世代であっても後で発売されたソフトで追加された道具・技・フォルムは先に発売されたソフトには転送できない場合[注 9]がある。なお、フォルムチェンジ等に関しては、多くの作品では古い側からは通常のフォルムで表示される。
『ハートゴールド・ソウルシルバー』以前の作品では、ゲーム内での解説文やわざの名前・キャラクターの台詞などには、基本的に漢字は使われず、ほとんどが平仮名表記だった。「円」は例外だが、これは通貨単位としての記号のような扱いである。また、『ルビー・サファイア』以降、「人」「回」も数量表示で使われるが台詞やメッセージには登場しない。しかし、『ブラック・ホワイト』以降では、「ポケモン赤・緑世代の人達にもう一度遊んでもらえるように」と大人にとって読みやすい漢字表記を導入している。なお、従来通りに平仮名のみの表記に切り替えることも可能である。外伝作品では、すでに『ポケモンコロシアム』の段階から漢字が使われていたが、振り仮名が振られていた。
なお、「ポケモンマスター」や「(ポケモンを捕まえるという意味での)ゲット」等の単語はアニメが初出であり、ゲーム本編では使用されていない(ただしピカチュウ版にはピカチュウの「ゲットだぜ」アクションが存在する)。『ダイヤモンド・パール・プラチナ』中の台詞では「ほかく」という単語に置き換えられている。
基本的には「けいけんち(経験値)」の蓄積によるレベルアップという、多くのRPGと同じシステムとなっている。
レベルの最大値はいずれのポケモン・シリーズにおいても100である。レベルアップに伴って能力値も上昇する。ポケモン毎に成長速度が異なる。レベル100になるために必要な経験値の量には、60万、80万、100万、106万(1,059,860)、125万、164万の6種類のタイプがある。nの3乗からとられることが多い。基本的にレベルが高いほど次のレベルまでに必要な経験値が多くなる。最多で68116である。164万タイプのみ、レベルアップするのに必要な経験値が多くなったり少なくなったりする。
バトルにおけるポケモンの能力は、HP(体力)、こうげき(物理攻撃)、ぼうぎょ(物理防御)、とくこう(特攻:特殊攻撃の略)、とくぼう(特防:特殊防御の略)、すばやさ(素早さ)の6つからなり、「ステータス」とも呼ばれる。
第一世代においては「とくこう」「とくぼう」がとくしゅ(特殊)という1つのステータスだった。『金・銀』で「とくこう」と「とくぼう」が新設された際、第一世代のポケモンではもとの「とくしゅ」の能力値をそのまま両方に受け継いだ者もいれば、いずれか一方だけもとの値が保持され、もう一方がより高い / 低い値に設定されたことによって強化 / 弱化された者もいる。
これらの能力は技の効果などで一時的に上下することがある。「めいちゅうりつ(命中率)」と「かいひりつ(回避率)」は上記のステータスではないが、同様に一時的に変化することのあるパラメータである。ゲーム中で「こうげきが あがった」「かいひりつが さがった」などと表示されたときはこの一時的な変化が起こっている。この変化は段階的に起こるものであり、1つの能力に対し上下各6段階まで変化する。「○○があがった / さがった」と表示された時は1段階、「ぐーんとあがった / がくっとさがった」と表示された時は2段階、「ぐぐーんとあがった/がくーんとさがった」と表示された時は3段階、「さいだいまであがった」と表示された時は限界まで上がっている。この変化はあくまで一時的なものであり、ポケモンがバトルから離れたりバトルが終了したりすると元に戻る。
一方、ポケモンコンテストにおける「コンディション[注 10]」やポケスロンでの「パフォーマンス[注 11]」という能力もある。
各々の能力ごとに、隠しパラメータがいくつか設定されている。ゲーム内はもちろん攻略本でも基本的には公開されていないが、公式では「ポケモンごとに個性がある」、「同じポケモンでも微妙な能力の差異がある」、などとその影響を暗示しており、ファンの間では「種族値」「個体値」「努力値[注 12]」と呼ばれている。この俗称は2017年のゲーム関連の書籍にも掲載されている[47]。これらのパラメータが、一見単純な成長システムに奥行きを与えている。なお、第二世代までと第三世代以降ではシステムが大きく異なる。
第三世代から追加された要素。能力値への影響をはじめとして、ポロックやポフィンの好みの味[注 13]、一部のきのみの効果、『エメラルド』のバトルパレスでの行動パターンに影響する。ポケモンの性格は生まれつき決まっており、変化することはない。
例えば、「さみしがり」な性格のポケモンは「こうげき」が伸びやすく、「ぼうぎょ」が伸びにくい。また、「からい」味を好み、「すっぱい」味を嫌う。性格が影響する能力と好みの味の間には関係があり、伸びやすい能力に好きな味が対応している。例えば「こうげき」と「からい」味は対応している。この対応については下の表の最後の行に示す。
「がんばりや」「てれや」「まじめ」「きまぐれ」「すなお」の5つの性格は能力値の変化や味の好みがない。これらの性格の場合、『ダイヤモンド・パール・プラチナ』では「すききらいなし」「なんでも よくたべる」と表示される。
下の表は性格が能力値に与える影響を示したもので、数字は影響する能力値にかかる倍率であり、空欄は1倍である。『ハートゴールド・ソウルシルバー』『ブラック・ホワイト』ではポケモンの能力値表示欄で1.1倍になる能力が赤文字で、0.9倍になる能力は青文字でそれぞれ表示される。
性格 | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ |
---|---|---|---|---|---|
さみしがり | 1.1 | 0.9 | |||
いじっぱり | 1.1 | 0.9 | |||
やんちゃ | 1.1 | 0.9 | |||
ゆうかん | 1.1 | 0.9 | |||
ずぶとい | 0.9 | 1.1 | |||
わんぱく | 1.1 | 0.9 | |||
のうてんき | 1.1 | 0.9 | |||
のんき | 1.1 | 0.9 | |||
ひかえめ | 0.9 | 1.1 | |||
おっとり | 0.9 | 1.1 | |||
うっかりや | 1.1 | 0.9 | |||
れいせい | 1.1 | 0.9 | |||
おだやか | 0.9 | 1.1 | |||
おとなしい | 0.9 | 1.1 | |||
しんちょう | 0.9 | 1.1 | |||
なまいき | 1.1 | 0.9 | |||
おくびょう | 0.9 | 1.1 | |||
せっかち | 0.9 | 1.1 | |||
ようき | 0.9 | 1.1 | |||
むじゃき | 0.9 | 1.1 | |||
対応する味 | からい | すっぱい | しぶい | にがい | あまい |
ポケモンの中には一定の条件がそろうと別のポケモンに「しんか」(進化)するものがある。ここでいう「進化」とは現実世界においてダーウィンが示した進化(ミッシングリンクの概念も含む)とは異なり、「成長」や「変態」の概念に近い。進化は不可逆であり、一度進化すると進化前の姿には戻ることはできない。ただし一部、ヤドランに対して何らかの衝撃が加わり、尻尾に食いついていたシェルダーが外れてヤドンに戻る、ナッシーの頭が落ちてタマタマになり他の仲間をテレパシーで探して群れを成すなど、ポケモン図鑑には「進化前の姿に戻ってしまう」という内容の記述がある。また、ディグダやコイルやダンバルの様に、複数で集まって進化するという記述の例もあるが、この場合ゲーム上ではいずれも通常のレベルアップで進化する。
例えばアチャモは進化するとワカシャモになり、さらに進化するとバシャーモになる。進化すると別のポケモンとなるため能力が変わる。多くの場合は能力が上昇するが、例えばストライクからハッサムへの進化のような一部の能力が下がるものやハクリューからカイリューに進化することによるタイプの追加・変化、ヤルキモノからケッキングの進化における特性の変化、また進化前のポケモンのみの防御力を大幅に上昇するアイテム「しんかのきせき」などが存在し、完全には「進化したほうが強い」とも言い切れない。また、進化させるタイミングによって最終的にステータスに差が出ることは無い。第一世代の一部書籍に「ぎりぎりまで進化キャンセルした方がいい」「遅いレベルで進化させると能力が大幅に上がる」という説明があったが、これはきそポイントが反映されてから進化させた影響によるものである。
一方で、レベルアップによる進化をするとレベルアップで覚える「わざ」を覚えるレベルが遅くなる傾向がある。たとえば、ワカシャモは「スカイアッパー」をレベル50で覚えられるが、バシャーモに進化するとレベル59にならなければ覚えられない。また、一部の覚えられる「わざ」が変わったり、追加されたり無くなったりすることもある。このパターンは『ルビー・サファイア』になってから多くなっている。たとえば、アチャモが覚えられる「ほのおのうず」はワカシャモ以上に進化すると「ビルドアップ」に差し替えられる。また、第八世代や一部のポケモンを除き「しんかのいし」を使って進化させる場合は「わざ」をレベルアップでほとんど覚えられなくなることが多い。ただし通信交換によって進化するポケモンの場合はそのような現象はあまりない。
進化していないポケモンは俗に「たねポケモン」と呼ばれ、後発作品で「進化前」として追加されたポケモンは「ベイビィポケモン」と呼ばれているが、もともとポケモンカードゲームの用語でありゲーム中では用いられない。現在はカードゲームでも「ベイビィポケモン」の呼び名・分類は廃されており、進化しないたねポケモンとして扱われている(例:ポケモンカードゲームLEGENDシリーズのピチューはピカチュウに進化することができない)。
ポケモンの進化は大抵の場合、一定のレベルに達すると起こる(「レベル進化」と呼ばれる)。レベルアップで進化する場合は、進化中にゲーム機のBボタンを押すことによって進化をキャンセルすることができる(レベルアップ以外の方法での進化はキャンセルできない)。また、『金・銀』以降ではポケモンに「かわらずのいし」という道具を持たせることであらゆる進化を未然に阻止することができる。野生のポケモンや一部のトレーナーが使用するポケモンの中には、本来進化するレベルよりも低いレベルで進化後の形態になっているものもいる。なお、レベルを下げる手段は現時点で存在しないため、第7世代まではレベルが100になってしまうと二度とレベルアップによる進化をすることができなかった。しかし第8世代以降ではレベルが100まで到達したポケモンに「ふしぎなアメ(レベルを1つ上げるアイテム)」を更に使用することでレベルはそのままで進化が発生するようになった。また、レベルアップ以外に以下の進化方法も確認されている。
進化とは似て非なる物に、「フォルムチェンジ」がある。これは形質が何らかの要因で大きく変化するが、変化の要因が失われると元の姿に戻る、または新たな要因が加わると更に別の姿に変化するというもので、一時的な変化であり可逆の現象である。例えば、デオキシスは特殊な隕石の力で4種類の姿に変化する。また、これに類似するシステムとして、キュレムやネクロズマやバドレックスが使用可能な「融合・合体」、サトシのゲッコウガのみ使用可能で、特性「きずなへんげ」によって発生する「キズナ現象」がある。
『金・銀』から追加された要素。オスとメスを同時に「そだてや」とよばれる施設に預け、しばらく冒険すると「タマゴ」が手に入り、やがてポケモンが孵る。オスとメスは後述のタマゴグループが同じならば別の種類のポケモンでも構わない。この場合、孵るのは原則としてメスと同じ種類の一番進化前のポケモンとなるが、片方がメタモンである場合はメタモンでない側となる。孵ったばかりのポケモンのレベルはすべて同じ(第二/第三世代はレベル5、第四世代以降ではレベル1)であり、預けたポケモンから「わざ」などを受け継ぐことができる(後述)。そのためタマゴからかえったポケモンは他のポケモンより戦略の幅が広がることが多い。
タマゴの見つかりやすさは、高い方から種類が同じで親が違う>種類も親も同じか、種類も親も違う>種類が異なり親が同じの順番。
なお、タマゴが決して見つからない組み合わせでなければいつかは必ずタマゴが見つかる。ポケモンを預けっぱなしにしてタマゴを複数手に入れることも可能。その場合、先述のタマゴの見つかりやすさに応じてタマゴが発見される。
すべてのポケモンのペアからタマゴが得られる訳ではなく、下記の「タマゴグループ」と呼ばれる分類が一致していなければならない。これは後述の「タイプ」とは別物であり、生物的な雰囲気の似ているポケモンが同じグループに属している。2つのグループを持つポケモンもおり、この場合は少なくとも一方が一致していれば良い。
『ルビー・サファイア』以降で新たに追加された進化前のポケモンのタマゴを得るためには、預けるポケモン(オス・メスどちらでもよい)に特定のアイテムを持たせることが必要となる。第九世代ではこの仕様はなくなった。
タマゴから孵るポケモンは、預けたポケモンのわざを条件次第で引き継ぐことができる。通常は先に述べた孵った時点でのレベルまでに覚えるわざを覚えた状態で孵るが、以下の条件を満たしていればそのわざを優先的に覚えた状態で生まれる。
『金・銀』の冒頭で「今までポケモンがどこから生まれるのか謎だったが、『ポケモンのタマゴ』がついに発見された」という話が語られるが、直接の前作との間ですら矛盾が見られる。例としては『赤・緑』のポケモン図鑑内で、他のポケモンの卵を食べたり産卵のために川を上るポケモンについて触れられている。
哺乳類系や無機物系など、卵から産まれることに違和感のあるポケモンもいる。公式ガイドブックなどによると「『タマゴ』は必ずしも『卵』ではなく、保育器のようなもの」との設定が存在する。
設定ではポケモンが卵を産む瞬間は一切目撃されていないということになっており、「産んだ」証拠がない以上、タマゴはあくまでも「どこからかいつのまにか持ってくる」ものとされている。ゲーム内や(『金・銀』以降の)関連書籍でも決して「産む」という表記はされていないが、「親」「子」などの表現は使用されている。『X・Y』のヒヨクシティにいるおじさんが正確には、ポケモンのゆりかごと語っている。
ポケモン同士が戦うシステムである。ポケモントレーナー(ポケモンを扱う人。本シリーズの主人公もポケモントレーナーである。「トレーナー」と略される)は、ポケモンに対して指示を出す役割を担う。トレーナーは道具を使ってポケモンを援護することもできるが、あくまで補助的なものでありトレーナー自身が直接ポケモンに対して攻撃したり、逆にポケモンを使ってトレーナーを直接攻撃することはできない。ポケモン同士の戦いのみが許される。
バトルには野生ポケモンとのバトルと、ポケモントレーナー同士のバトルがある。野生ポケモンとのバトルは、歩いていると突然野生のポケモンが出現(エンカウント)して発生するバトルである。野生のポケモンが出現する場所は草むら・洞窟・海などの自然地だけで、通常町なかで出現することはない。ポケモントレーナー同士のバトルは、各地にいるポケモントレーナーに戦いを挑んだり挑まれることによって発生する。
トレーナーは6体までのポケモンを「手持ちポケモン」として所持できるが、バトルの時は原則として1体ずつのポケモンを繰り出す(シングルバトル)。バトルが始まるとトレーナーはターンごとに、1.「わざ」を1つ選ぶ、2.戦闘させるポケモンを入れ替える、3.道具を使用する、のいずれか1つを選択する。野生のポケモンとのバトルに限り、4.逃げる(バトル施設や通信対戦時は降参)という選択肢もある。なお、通信対戦では道具の使用はできない。例外は第五世代で、設定を有効にすることでミラクルシューターというアイテムを使うことができる。
マップ上に登場するトレーナー(NPC)の手持ち数はプレイヤーやストーリー進行度によって決まっており(6匹まで、2人以上の場合はチーム全員で計6匹まで)、チャンピオンなどの最終ボスは必ず6体となる。
互いのポケモンは技を繰り出し合い、どちらかのHPが0になるまで戦う。HPが0になるとポケモンは「ひんし」(瀕死)状態となり、戦闘不能となる。どちらかの手持ちのポケモン全員が「ひんし」状態になると、バトル終了となる。野生のポケモンは「ひんし」にさせる以外に捕獲することもできるが、これは捕獲の節で述べる。
「ひんし」状態になった時点で、そのポケモンは強制的にモンスターボールに戻され、「ひんし」状態でない手持ちポケモンがまだ存在する場合は新たなポケモンを繰り出さなければならない。トレーナー同士のバトルで負けたトレーナーは所持金の一部を賞金として支払わなければならない。その上、最後に利用したポケモンセンターに戻されてしまう。なお、野生のポケモンとのバトル時には逃げることもできるが、トレーナー同士のバトルの場合は一度戦いを挑んだり挑まれたりすると逃げることはできない。以上のように敗北時のペナルティはあるものの、バトルで負けることによってストーリー自体は中断されないので、いずれの作品もゲームオーバーの概念は極めて曖昧である。
GBA版以降は、以下に示す特殊なバトル形式が追加されている。通信対戦では、従来通りのシングルバトルかこれらの方式か選ぶことができる。アニメ版では現在の所、ローテーションバトルが行われたことはない。
野生ポケモン、あるいはゲーム中の特定のイベントなどで対峙するポケモンとのバトルでは、そのポケモンを「モンスターボール」などの捕獲道具で捕獲することができる。バトル中にモンスターボールなどの道具を投げつけるとポケモンを捕獲できる可能性があるが、ポケモンのHPが多く残っているなど元気なうちは捕獲成功率は低い。「わざ」を使って相手を弱らせたり、何らかの状態異常にしたりすれば捕獲成功率は上昇するが、HPを0にしてしまうと上述の通りバトルが終了してしまう。アニメではポケモン同士のバトルだけでなく、人間自らがポケモン相手に戦い隙を突いたり弱らせる等して捕獲する描写が何度かある[注 16]が、ゲームでは『赤・緑・青・ピカチュウ』等のサファリゾーンを除いて不可能である。また、他人から直接譲り受けてそのまま自分のポケモンになる描写はアニメ・ゲーム共に何度かある。
基本的に他のトレーナーが所有するポケモンを捕獲して奪うことはできないが、ポケモンコロシアムとポケモンXDにおいて、悪の組織に改造されたポケモンを奪い返すという名目においてのみ許される(この行為は「スナッチ」と呼ばれる)。『コロシアム』では通常のポケモンをスナッチしようとすると作中のヒロインに止められてしまい、『XD』では主人公の持つ機械が作動しない為、いずれもスナッチできない。アニメ版ではトレーナーが所有するポケモンに別のトレーナーがモンスターボールを当てても、そのポケモンには反応しないといった描写がある。
なお、同一世代でも、その世代の一方のバージョンのみに出現する野生ポケモンが存在し、図鑑の完成には対になるバージョンの通信交換を要するものもある。
その他、入手方法がアニメ映画の前売り券などの特典や懸賞などでの期間限定の配布に限られるなど、通常のプレイ進行では捕獲不可能なポケモンが存在し、これらは「幻のポケモン」と呼ばれ、並外れて高いステータスを有するものがほとんどである。特に過去に配布でのみ入手できたポケモンは、現時点では一部を除き入手できる手段が存在しない。また、通常のプレイ進行で捕獲できるポケモンでも、イベントなどで配布されるものについては、通常の方法では覚えられない技を所持しているものがある。
1体のポケモンは、「わざ」(以下「技」と表記)を4つまで覚えることができる。技には相手を攻撃するもの(攻撃技)、自分や相手の能力を変化させるもの、相手を状態異常にするもの、場の天候や状態を変化させるもの、自分のHPを回復するものなどがある。攻撃技以外の技は「へんかわざ」と分類されている。
技以外の攻撃方法、いわゆる「全ての攻撃技の基本となる通常攻撃[注 17]」は本編では基本的に存在しない[注 18]。例外として『ハートゴールド・ソウルシルバー』における「ポケウォーカー」内での戦闘で「こうげき」・「かわす」という技以外の攻撃や防御が行われる。
技はポケモンごとに指定された特定のレベルに達した時に覚えるほか、「わざマシン」「ひでんマシン」「わざレコード」といったアイテムで覚えさせたり、ポケモンが主人公になついている状態で各地にいる特定の人物から教えてもらうことができる。技を4つ覚えた状態で新たな技を覚えさせる場合、覚えている4つの技のうちのどれかを忘れさせる必要がある。このとき、「ひでんわざ」は忘れさせることができないので、予め特定の人物に忘れさせてもらわなければならない。忘れさせた技のうち、レベルアップで覚えた技は、「わざおしえマニア」や「マダムメモリアル(サン・ムーン)」という人物に思い出させてもらうことができる。また、「マダムメモリアル」に限り習得条件を満たしていない技を教えてもらうこともできる。また、一部の技進化のポケモンは技思い出しを使用しないと進化できないことがある。
技には個別に以下のパラメータが設定されている。
技は「ぶつり」「とくしゅ」「へんか」(第四世代以降)の3つに分類されるほか、「フライングプレス」を除いて1つのタイプ(ポケモンのタイプと共通)を持つ。さらに、特殊な効果や使用条件がある技も多く、「とびひざげり」などのように失敗するとペナルティがあるもの、「イカサマ」「ボディプレス」「サイコショック」など、ダメージの計算が特殊なものも存在する。
本項は「わざ」の仕様が述べられているが、技の性質はポケモンや周囲の状況で大きく変わってくる。
他にも様々なポケモン・タイプ・効果が複雑に絡みあっており、ゲームのみならずアニメ・漫画のバトルにおいても奥深い組み合わせと戦い方を生み出している。そのため、アニメ・漫画でのバトル描画はゲーム本来の設定と異なる場合が多々ある。
すべてのポケモンには、その性質を表す「タイプ」が設定されており、これは他のRPGにおける「属性」に相当。第三世代でイメージカラーが設定された。
タイプは全18種類で、ポケモンの種類によって1つまたは2つを持つ。例えばピカチュウはでんきタイプ、ギャラドスはみず・ひこうタイプとなっている。前述のようにポケモンが覚える各種の技にもそれぞれ1種類のタイプが設定されており、ポケモンは自身のタイプと同じタイプの技を多く覚える傾向にある。例えば、ピカチュウなら「でんじは」「10まんボルト」「エレキボール」といったでんきタイプの技を中心に覚える。
各技のタイプと技を受けるポケモンのタイプには相性が存在し、組み合わせによっては効果が大きくなったり逆に効果を失う。でんきタイプの技を例に挙げると、みずタイプとひこうタイプのポケモンには大きな効果を上げるが、くさタイプやでんきタイプのポケモンにはあまり効果的でなく、じめんタイプのポケモンには一切通用しない。ただし、「みらいよち」や「わるあがき」など一部の技は、相手のタイプに影響を受けずにダメージを与える性質を持っている。また、本来は効果がなかったり薄いタイプに対する攻撃を有効にする技[注 21]や特性「きもったま」やアイテムもある。最近では、自他ともにタイプを変更・追加する技(「テクスチャー」「ほごしょく」「みずびたし」など)や特性(「へんしょく」や「へんげんじざい」)も増えた。あるタイプや効果抜群の技を受けても無力化・軽減する特性(「ふゆう」や「あついしぼう」など)に対し、その効果を無視する特性(「かたやぶり」など)もある。
各タイプの詳細を以下に記す。
威力が設定されている攻撃用の技の場合、その技のタイプとそれを出すポケモンのタイプが同じ場合、技のダメージは通常の1.5倍になる。また、特性「てきおうりょく」のポケモンは技のタイプと自分のタイプが同じ場合は無条件で2倍(1タイプ対象の効果抜群に相当)になる(効果がない場合は例外)。
ダメージを与えない技(第四世代以降では「へんかわざ」に分類される)については、原則としてタイプの影響を受けない。例えばゴーストタイプの技「あやしいひかり」は、ノーマルタイプやエスパータイプにも等しく有効である。しかし、相手を状態異常にする技では無効タイプには効果がない場合もある[注 22]。
ジムリーダーや四天王の所有するポケモンは多くの場合、特定の1つのタイプを持つものに偏っている。通常トレーナーでも偏ったタイプを使用する系統が存在する[注 23]。
相手の属性と相性を知っていれば攻略が容易になるため、ポケモンマスターへの登竜門としては適しているが、イメージが主体で純粋なタイプ特化ではないケースも多い。作品上、その属性のポケモンの種類が少ないという関係もある。特に第一世代はこの傾向が顕著であり、キクコ[注 24]やワタル[注 25]がその例である。また、『ダイヤモンド・パール』のデンジはでんきタイプ、オーバはほのおタイプを専門としているにも関わらず、でんきタイプやほのおタイプが少なかったため、デンジは「チャージビーム」を覚えたオクタン、オーバは「ほのおのキバ」を覚えたハガネールなど、専門でないタイプのポケモンを出す例があった。後に『プラチナ』では、クリア前に野生で出現する種類及び図鑑ページを増やすなどの変更がなされ、パーティのタイプが統一された。
左が攻撃側、上が防御側(各ポケモンの持つ特性や場の状況などによる効果は考慮していない)。
攻撃を受けるポケモンのタイプ | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ノーマル | ほのお | みず | でんき | くさ | こおり | エスパー | かくとう | どく | じめん | ひこう | むし | いわ | ゴースト | ドラゴン | あく | はがね | フェアリー | ||
攻撃する技のタイプ | |||||||||||||||||||
ノーマル | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | △ | × | - | - | △ | - | |
ほのお | - | △ | △ | - | ◎ | ◎ | - | - | - | - | - | ◎ | △ | - | △ | - | ◎ | - | |
みず | - | ◎ | △ | - | △ | - | - | - | - | ◎ | - | - | ◎ | - | △ | - | - | - | |
でんき | - | - | ◎ | △ | △ | - | - | - | - | × | ◎ | - | - | - | △ | - | - | - | |
くさ | - | △ | ◎ | - | △ | - | - | - | △ | ◎ | △ | △ | ◎ | - | △ | - | △ | - | |
こおり | - | △ | △ | - | ◎ | △ | - | - | - | ◎ | ◎ | - | - | - | ◎ | - | △ | - | |
エスパー | - | - | - | - | - | - | △ | ◎ | ◎ | - | - | - | - | - | - | × | △ | - | |
かくとう | ◎ | - | - | - | - | ◎ | △ | - | △ | - | △ | △ | ◎ | × | - | ◎ | ◎ | △ | |
どく | - | - | - | - | ◎ | - | - | - | △ | △ | - | - | △ | △ | - | - | × | ◎ | |
じめん | - | ◎ | - | ◎ | △ | - | - | - | ◎ | - | × | △ | ◎ | - | - | - | ◎ | - | |
ひこう | - | - | - | △ | ◎ | - | - | ◎ | - | - | - | ◎ | △ | - | - | - | △ | - | |
むし | - | △ | - | - | ◎ | - | ◎ | △ | △ | - | △ | - | - | △ | - | ◎ | △ | △ | |
いわ | - | ◎ | - | - | - | ◎ | - | △ | - | △ | ◎ | ◎ | - | - | - | - | △ | - | |
ゴースト | × | - | - | - | - | - | ◎ | - | - | - | - | - | - | ◎ | - | △ | - | - | |
ドラゴン | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ◎ | - | △ | × | |
あく | - | - | - | - | - | - | ◎ | △ | - | - | - | - | - | ◎ | - | △ | - | △ | |
はがね | - | △ | △ | △ | - | ◎ | - | - | - | - | - | - | ◎ | - | - | - | △ | ◎ | |
フェアリー | - | △ | - | - | - | - | - | ◎ | △ | - | - | - | - | - | ◎ | ◎ | △ | - |
ダメージにかかる補正は以下の通り。ただし、『ポケモン不思議のダンジョン』では相性による補正値が異なる。
印 | 本編 | 不思議のダンジョン | |
---|---|---|---|
青の救助隊 赤の救助隊 |
時の探検隊 闇の探検隊 | ||
◎ | 通常の2.0倍 | 通常の1.5倍 | 通常の約1.4倍 |
- | 通常のダメージ | 通常のダメージ | |
△ | 通常の0.5倍 | 通常の0.9倍 | 通常の約0.7倍 |
× | 無効 | 通常の0.5倍 |
攻撃側 | 防御側 | 相性 |
---|---|---|
ゴースト | エスパー | × |
どく | むし | ◎ |
むし | どく | ◎ |
こおり | ほのお | - |
アニメや漫画などの関連作品でもタイプによる有利不利があるものの、本編のゲームではダメージになり得ない技が通じることがある。例えばじめんタイプのポケモンにでんきタイプの技を使用しても効果がある(イシツブテにピカチュウの電撃が通用する)といった具合である。ただし、じめん・みずタイプであるヌオーにでんきタイプの技が効かない描写など、同作品内でも場合によって相性の適用方法にばらつきがある。カードゲームや『ポケモン不思議のダンジョン』もタイプによる無効化が存在しない世界観である。
ポケモンが技によって攻撃したときに受けるダメージは、攻撃側の「レベル」「こうげき」「とくこう」、防御側の「ぼうぎょ」「とくぼう」、及び上述のタイプなどに依存する。また、技が急所に当たった場合、ダメージは通常よりも大きくなる。
ポケモンの技は、「ぶつり」(物理)攻撃と「とくしゅ」(特殊)攻撃の2つに大別される。物理攻撃では、攻撃側の「こうげき」が高いほどダメージが多く、防御側の「ぼうぎょ」が高いほどダメージが少なくなる。「とくこう」と「とくぼう」は影響しない。逆に特殊攻撃では、「とくこう」と「とくぼう」が同様にダメージに影響し、「こうげき」と「ぼうぎょ」は影響しない。第一世代のみ、特殊攻撃は攻撃側と防御側の「とくしゅ」がダメージに影響する。第五世代以降は攻撃側の「とくこう」と防御側の「ぼうぎょ」でダメージ計算する技も存在するが、その逆はない。また、能力に関わらず相手のHPを半分にする「いかりのまえば」や、一撃でHPを0(ひんし)にする「ぜったいれいど」など、固定量のダメージを与える技もある。
ある技が物理攻撃であるか特殊攻撃であるかは、第三世代までは以下のように技の属するタイプによって決められていた。
第四世代以降では各タイプにそれぞれ物理・特殊攻撃技が設定されている。例えば「ほのおのパンチ」(ほのお)・「アクアブレイク」(みず)・「かみなりのキバ」(でんき)・「ワイドブレイカー」(ドラゴン)・「つじぎり」(あく)・「じゃれつく」(フェアリー)などの打撃を伴って(相手の体に接触して)攻撃する「直接攻撃」技や、「タネばくだん」(くさ)・「つららおとし」(こおり)・「サイコカッター」(エスパー)のような実体のある固形物などで間接的に攻撃する技は物理技に分類される。「ヘドロウェーブ」(どく)・「むしのさざめき」(むし)・「マッドショット」(じめん)・「ぼうふう」(ひこう)といった固体ではない物(液体、気体、音波など)や、「はかいこうせん」(ノーマル)・「きあいだま」(かくとう)・「パワージェム」(いわ)・「シャドーボール」(ゴースト)・「ラスターカノン」(はがね)・「ムーンフォース」(フェアリー)などの実体のないエネルギーや光をぶつけて攻撃する技は特殊技に分類される。なお、「くさむすび」(くさ)・「しぼりとる」(ノーマル)・「はなびらのまい」(くさ)という技だけは特殊攻撃でありながら直接攻撃(相手に触れる攻撃)扱いになっている。
ポケモンはバトル中に技を受けるなどすることで、ほかのRPGでの「病気」に似た概念である特殊な状態になることがある。これは状態異常と呼ばれる。
ポケモンの状態異常はバトル中、移動中に関わらず、ステータス画面やバトル画面で確認可能である。状態異常は特定のアイテムや技を使ったり、特性が発動したりすることで回復し、状態異常のない普通の状態に戻る。状態異常は重複せず、既に何らかの状態異常であれば他の状態異常になることはない[注 26]。バトル終了後も回復しないが、ポケモンセンターなどを利用することで回復することができる。()内は、第八世代での各状態異常のシンボルマーク。第9世代では一部を除き、その状態異常の付与を得意とするタイプのマークで状態異常を表すようになった。
現実世界と同じように、第二世代以降はバトル中に天気の概念が追加された。特定のタイプによる威力の増減、特定の技による命中率の変化する等の効果があり、第三世代のパッケージを飾るポケモンはすべて天気に関係した特性を有する。
特性「ノーてんき」「エアロック」を持つポケモンが場に出ていると、天気に関する効果はすべて無効になる。
第六世代以降はバトル中にフィールドの概念が追加された。特定の技の威力の増減や状態異常の防止などといった効果がある。ひこうタイプのポケモンや特性「ふゆう」のポケモンはフィールドの効果は働かない。
技「きりばらい」「アイアンローラー」「アイススピナー」「ラジアルエッジストーム」「キョダイフウゲキ」を使用することでフィールドを解除することができる。
トレーナーがバトル中に使用できる道具は、「モンスターボール」などの野生ポケモンを捕獲するもの、「キズぐすり」「おいしいみず」などHPを回復させるもの、「どくけし」「まひなおし」など状態異常を治療するもの、「プラスパワー」「スピーダー」など一時的に能力値を上げる戦闘用のものなどがある。これらは戦闘用アイテムを除き、通信対戦においては使用できない。
第二世代以降は、ポケモンに道具を一つだけ持たせることができる。これは一般的なRPGにおける装備と同じもので、あるタイプの技の威力を高めたり、ある特性のと同じ効果を付加したりする事ができる。また、きのみを持たせることでバトル中に特定のタイミングでポケモンがそのきのみを食べ、自動的にHP回復や能力上昇などができるようになる。さらに、保有する特性や技との兼ね合いで、自ら「やけど」や「もうどく」などの状態異常にするためのアイテムを装備する事で、攻撃力や素早さなどを高める場合もある。
第三世代以降は、新たに「とくせい」(以下「特性」と表記)と呼ばれるステータスが追加された。各ポケモンごとに1 - 3種類の特性が設定されており、通常は2つ設定された特性(通常特性)のうちのどれか1つを有する(もともと1つしか設定されていないものもある)。なお、ブラック・ホワイトからポケモン・グローバル・リンク内のサービスであるポケモン・ドリーム・ワールド(終了済)で入手できた個体は3番目の特性を持っており、「隠れ特性」あるいは「夢特性」と呼ばれる。現バージョンでは群れバトルなど特殊な状態でのプレイで3番目の特性を持つ個体を入手できる可能性がある。
特性によって、次のような効果が発生する(一例)。
通信ケーブルやワイヤレスアダプタ、DSワイヤレス通信などを用いて様々な通信プレイが楽しめることはシリーズの醍醐味の1つである。
シリーズは大きく2つのグループに分けられる。同じグループ内であれば何らかの形で通信プレイが可能だが、別のグループとは直接的にも間接的にも通信は不可能である。
手持ちのポケモンを他のプレイヤーと戦わせることができる。基本的なゲームシステムは本編と同じだが、道具の直接的な使用はできない。ただ、攻撃力や防御力を高めたり、状態異常に陥った際に自動的に回復させたりするための道具をバトル開始前に持たせることは可能で、消費などで失われてもバトル終了時に全て元に戻る。
『金・銀』以降では勝敗数が記録されるが、ここでの勝敗はストーリーに影響が無い(「トレーナーファンクラブ」の人気具合には影響する)。敗北によるペナルティも無い。
統一されたルールの元、全国でチャンピオンを決定する大会も開催される。また、個人的なオフ会においても人気のある通信プレイである。
手持ちのポケモンを交換することができる。一部のソフト・ポケモンを除き、無条件で交換は可能である。ポケモン図鑑を完成させるためには必須な要素でもある。
シリーズで最初に発売される1組2つのカートリッジを揃えれば、少なくともその地方に存在するポケモンのコンプリートは可能。『青』や『エメラルド』などのマイナーチェンジ版は、最初の2バージョン両方が無ければコンプリートができない。
仲間にしたポケモンにはそのプレイヤーと同じ「IDナンバー」が付けられ、他人からもらったポケモンと区別される。IDナンバーが異なる、つまり他のプレイヤーが捕まえたポケモンを送り込むとそのポケモンは経験値を多く貰えるが、ゲームをあまり進めていない状態(全ての「ジムバッジ」を獲得していない状態)では、レベル次第ではプレイヤーの指示を聞いてくれないことがあり、その場合は全ての技が「うまく決まらなかった」扱いになってしまう。ゲームを進めて「ポケモンジム」をクリアし、ジムバッジを手に入れると高レベルのポケモンも扱えるようになる。これらはゲーム内のNPCと交換したポケモンや配達員から直接受け取ったポケモンの場合も同様である。
第四世代以降ではプレイヤーの住む現実の地名を登録しておくことが可能で、交換相手が登録していた地名が地球儀「ジオネット」に記録される。なお、この機能は後述のWi-Fiを利用した通信においても有効である。
通信交換の特殊な形態。特定イベント発生以後利用可能になる。『金・銀・クリスタル』から、前作である『赤・緑・青・ピカチュウ』と通信する場合に利用される。
続編である『金・銀・クリスタル』において、過去の世界と通信するという設定になっている。『赤・緑・青・ピカチュウ』に存在しないポケモン、および存在しない技を覚えたポケモンは送れない(このポケモンをひとつ手持ちに含んだだけで『金・銀・クリスタル』側ではじかれる)が、通常通りの通信交換が可能である。
『赤・緑・青・ピカチュウ』の「けつばん」を『金・銀・クリスタル』に送った場合、『金・銀・クリスタル』で番号が存在するポケモンの場合はそのポケモンに変化する。
厳密には通信交換ではないが、タイムカプセルのように他作品との通信手段である。ニンテンドーDSのダブルスロット機能を利用し、第三世代のソフトにいるポケモンを第四世代のソフトに転送するときに使用する。
第三世代のゲーム内に存在する「パルパーク」という施設にGBA版のポケモンを放して、改めて捕まえ直すことで第四世代のソフトに加えることができる。
ゲーム内でも明示されるとおり第三世代に送り戻すことはできない。
2台のニンテンドーDSを利用し、ダウンロードプレイを活用する形で第四世代のソフトにいるポケモンを第五世代のソフトへ転送する時に使用する。ミニゲームで捕まえ直してから『ブラック・ホワイト』『ブラック2・ホワイト2』で仲間にできるようになる。
パルパークと同様に第四世代に送り戻すことはできない。また道具を持っていくことができず、ポケモンに持たせていても強制的に第四世代側のバッグに戻されてしまう。
なお『ブラック・ホワイト』には「転送マシン」という類似のシステムが存在する。これは映画関連の特別なポケモンを同作へ送るためのもので、エンディング前から利用できる・ミニゲームがないなどの違いがある。送り返せない。
インターネット等を介して行われる特殊な通信である。遠距離のプレーヤー同士でポケモンの通信交換や対戦を行うことができる。
なお、知り合い同士で通信する場合電話やメールなどで連絡を取り合えばよいので特別な意思疎通の手段は必要ないが、DS版のニンテンドーWi-Fiコネクションでは互いに登録した知り合い同士の通信ではマイクを使用しての「ボイスチャット」を利用することもできる。
一方、見ず知らずの人と交換・対戦を行う際のプレーヤー間の意思疎通は制限されている。しかし、『クリスタル』では32文字まで自由に文字入力できるアイテム「メール」をポケモンに持たせ、交換することができた。
『クリスタル』では、モバイルアダプタGBを使用した通信が可能である。
『ダイヤモンド・パール』以降ではニンテンドーWi-Fiコネクションなどインターネット通信を利用して行われる。『クリスタル』同様、知り合い同士及び見知らぬ人との交換・対戦を行えるなどのサービスを行っている。主なサービスは以下の通りである。
作品ごとに存在する特殊な通信プレイを記載する。
ポケットモンスターのビジネスは国際的に展開されており、ゲームもさまざまな言語に翻訳されている。ただし現在のところ日本語以外ではハングル版の『金・銀』および第四世代以降の本編ソフトを除くと欧米の言語のものしか発売されていない。よって中文版などは多数の海賊版が存在する。
『金・銀』以前では他言語版同士の通信は文字コードの問題などで不可能である。強引に行おうとするとデータに異常をきたす恐れがあるとして、公式サイトからも行わないように注意されていた。
『ルビー・サファイア』以降のGBA版同士では、一部制限はあるものの可能であり、説明書などでは明記されていないものの半公認となっている[50]。以下、簡潔に説明する。
『ダイヤモンド・パール』以降では他言語同士の通信がWi-Fiコネクションも含めて全面的に可能である。他国版のプレイヤーが捕まえたポケモンは同じ言語版で交換したポケモンよりもさらに経験値が多めに貰えるなど、積極的な国際交換を促す仕掛けが用意されている。また、『ブラック・ホワイト』『ブラック2・ホワイト2』では日本語版でハングルの表示も可能になり、No.493以前のポケモン(『ダイヤモンド・パール』以前に発見されている)に対応する、発売されている全言語版の図鑑データが収録されている。
『X・Y』では全世界同時発売を目的にゲームが制作された為、どの地域でソフトを購入しても言語が選択でき、全てのポケモンの全原語版のデータが参照できるようになっている(全原語版のデータを所有することが条件である)。
英語版ではポケモン名・地名・人名などが国柄に合わせた形に英訳されている。また民家の仏壇が「ディグダの像」に、道具の「饅頭」「煎餅」が「キャンディバー」「クッキー」に、通貨である「円」が「ポケドル」になるなど日本的なものは一部差し替えられている。なお英語版に続き各国で発売されたソフトは、英語名を元にしている部分が多々ある。
日本語版での『赤・緑』は、日本国外版では星条旗の色と同じ『赤・青』として発売された。ただし、『青』の内容は日本語版での『緑』と同じものである。
ゲーム内容はほぼ変化はないが、『金・銀』で一部ポケモンの出現種類が異なったり、『ポケモンコロシアム』ではボーナスディスクでの入手ポケモンが差し替えられている。『ファイアレッド・リーフグリーン』では主人公の家やタマムシデパートにあるゲーム機のグラフィックが異なっている。また、DS版ではゲームコーナーの内容が変更になっているものもある。
GBソフトである『金・銀』までは名前文字数の関係からか日本国外版との通信は正常に働かないが、GBAになりデータ形式が一新された『ルビー・サファイア』からは日本国外版との通信が可能となっている[51]。一部の通信では一時的に文字化けすることが確認されているが問題はない。
DS版以降では異なる言語のソフトで手に入れたポケモンを通信で手に入れると、ポケモン図鑑にその言語での解説文が追加される(日本国外のGBA版で手に入れたポケモンでも可。『ダイヤモンド・パール』では一部のポケモンに限る)。ニンテンドーWi-Fiコネクション・ニンテンドーネットワークを利用した世界規模の通信が可能であることもゲーム内で示唆されている。
シリーズ第1作目『赤・緑』の「ミュウ」に始まるゲームデータ配信は、シリーズを通して続いている。
配布イベントはさまざまな媒体や店舗などで行われている。無料での配信の場合もあるが、映画の前売り・鑑賞券、雑誌などの購入特典として配信されることもある。また、配信されるポケモンが数種類の内でランダムであったり、タマゴの状態(孵るまでどのポケモンか不明なことも多い)で配信される場合もある。欧米では有料での配信サービスについては、ユーザーがソフト本体以外の金銭を払わずとも日本版と同様のデータを受け取れるようになっている。
タイトル | 発売日 | ゲーム |
---|---|---|
ゲームボーイ『ポケモン』のサウンドがまるごと入って、遊べるCD | 1997年11月1日 | ポケットモンスター 赤・緑 |
GBA ポケモン ルビー&サファイア ミュージック・スーパーコンプリート | 2003年4月26日 | ポケットモンスター ルビー・サファイア |
GBA ポケモン ファイアレッド・リーフグリーン ミュージック・スーパーコンプリート | 2004年5月26日 | ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン |
ニンテンドーDS ポケモン ダイヤモンド&パール スーパーミュージックコレクション | 2006年12月22日 | ポケットモンスター ダイヤモンド・パール |
ニンテンドーDS ポケモン ハートゴールド&ソウルシルバー ミュージック・スーパーコンプリート | 2009年10月28日 | ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー |
ニンテンドーDS ポケモン ブラック&ホワイト スーパーミュージックコレクション | 2010年10月20日 | ポケットモンスター ブラック・ホワイト |
ニンテンドーDS ポケモンブラック2・ホワイト2 スーパーミュージックコンプリート | 2012年7月25日 | ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2 |
ニンテンドー3DS ポケモン X・Y スーパーミュージックコレクション | 2013年11月13日 | ポケットモンスター X・Y |
ニンテンドー3DS ポケモン オメガルビー・アルファサファイア スーパーミュージックコンプリート | 2014年12月3日 | ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア |
ポケモン 赤・緑 スーパーミュージック・コレクション | 2016年4月27日 | ポケットモンスター 赤・緑 |
ニンテンドー3DS ポケモン サン・ムーン スーパーミュージック・コンプリート | 2016年11月30日 | ポケットモンスター サン・ムーン |
ポケモンワールドチャンピオンシップスの前身となる2008年にポケモンゲーム日米交流戦2008が開催された。
ポケモンワールドチャンピオンシップス(ポケモンWCS)は前身の日米交流戦をもとに2009年に本格的に始まったポケモンゲームの公式の賞金付き(奨学金)付き世界大会である。
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