Loading AI tools
アメリカの映画作品 ウィキペディアから
『グレムリン』(Gremlins)は、1984年に公開されたアメリカ合衆国の映画[2]。ジョー・ダンテ監督作品。クリスマスに贈られた珍しいペットの飼育方法にまつわる騒動を描いたSFブラックコメディである。
グレムリン | |
---|---|
Gremlins | |
監督 | ジョー・ダンテ |
脚本 | クリス・コロンバス |
製作 | マイケル・フィネル |
製作総指揮 |
スティーヴン・スピルバーグ フランク・マーシャル キャスリーン・ケネディ |
出演者 |
ザック・ギャリガン フィービー・ケイツ ホイト・アクストン フランシス・リー・マッケイン ポリー・ホリデイ |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
撮影 | ジョン・ホラ |
編集 | ティナ・ハーシュ |
製作会社 | アンブリン・エンターテインメント |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
1984年6月8日 1984年12月8日 |
上映時間 | 106分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $11,000,000 |
興行収入 | $153,000,000 |
配給収入 | 31億8200万円[1] |
次作 | グレムリン2 新・種・誕・生 |
1990年、ダンテ監督により本作の続編である『グレムリン2 新・種・誕・生』が制作された。
発明家のランダル・ペルツァーは、自分の発明を売り込むために訪れた街で息子のクリスマスプレゼントを選ぼうと、チャイナタウンの骨董店に行った。埃っぽい店の中を物色していると、布で覆われた籠から歌が聞こえてきた。中を覗いたランダルはそこにいた生き物をすっかり気に入り、店主に値段を聞くが、店主に「モグワイは売り物ではない」と販売を断られてしまう。しかし店主の孫が、家庭が貧窮していることを理由に逆にモグワイを買って欲しいと告げ、店主に内緒でランダルにモグワイを譲ってくれた。ランダルはモグワイを連れて家に帰る。
冬の季節を迎えているキングトン・フェールズの町では、豊かではないが互いに思いやりの心を持った妻のリンと、素直に育った息子のビリーが一緒にクリスマスを祝おうとランダルを待っていた。モグワイをプレゼントされ喜ぶビリーに、ランダルは骨董店の少年と交わした「3つの約束」を守って育てるように約束させる。一家は素直で愛らしい仕草を見せる利口なモグワイにギズモと名づける。しかし、偶然の重なりから3つの約束は一つずつ破られてしまい、その度に田舎町で不思議な事件が起こる。とうとうその原因がギズモから分裂した悪戯好きで残酷なグレムリン(小鬼)の群れによるものと分かった時には、街はグレムリンの暴走でパニックに陥り、死傷者を出していた。ビリーとギズモ、それにビリーの恋人・ケイトは、グレムリンのリーダー格・ストライプ率いるグレムリン軍団を相手に奮闘する。
一夜が明け、町のいたるところが惨状となりながらも、キングトンにはどうにか平穏が戻った。その夜、ペルツァー家をあのチャイナタウンの老人が訪れ、ランダルとビリーに「約束とはどういうものか分かったでしょう」と語りかける。再び引き取られていくギズモの心にも、ビリーの心にも確かな友情が残っていた。老人は語る。「いつか君たちにもモグワイを飼う資格を得る時がくる」と。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
フジテレビ版 | ソフト版 | テレビ朝日版 | ||
ビリー・ペルツァー | ザック・ギャリガン | 関俊彦 | ||
ケイト・ベリンジャー | フィービー・ケイツ | 岡本麻弥 | 玉川紗己子 | |
ランダル・ペルツァー | ホイト・アクストン | 富田耕生 | ||
リン・ペルツァー | フランシス・リー・マッケイン | 此島愛子 | 池田昌子 | |
ルビー・ディーグル | ポリー・ホリデイ | 高橋和枝 | 京田尚子 | |
マレー・フッターマン | ディック・ミラー | 八奈見乗児 | 西川幾雄 | |
ロイ・ハンソン先生 | グリン・ターマン | 中尾隆聖 | 江原正士 | |
ミスター・ウィング | ケイ・ルーク | 藤本譲 | 石井敏郎 | |
ジェラルド・ホプキンス | ジャッジ・ラインホルド | 立木文彦 | 小野健一 | 堀内賢雄 |
フランク保安官 | スコット・ブレイディ | 加藤精三 | 村松康雄 | |
ピート・ファウンテン | コリー・フェルドマン | 渕崎ゆり子 | 小宮和枝 | 坂本千夏 |
ブレント保安官補 | ジョナサン・バンクス | 秋元羊介 | 島田敏 | 小野健一 |
コーベン頭取 | エドワード・アンドリュース | 今西正男 | 吉水慶 | 藤本譲 |
シェイラ・フッターマン | ジャッキー・ジョセフ | 竹口安芸子 | 羽村京子 | 寺内よりえ |
ジョー・ハリス | ベリンダ・バラスキ | 藤枝成子 | さとうあい | |
モロー先生 | ジョン・C・ベッカー | 石森達幸 | 秋元羊介 | |
ギズモ(モグワイ)(声) | ホーウィー・マンデル | 滝沢久美子 | ||
ストライプ(声) | フランク・ウェルカー[3] | |||
ロッキン・リッキー・リアルト(声) | ドン・スティール | 山寺宏一 | 島田敏 | 小野健一 |
グレムリン(声) | フレッド・ニューマン マーク・ドドソン マイケル・ウィンスロー ピーター・カレン ボブ・バーガー マイケル・シーハン | |||
その他 | 菊池英博 中庸助 峰恵研 | 徳永浩之 柳沢紀男 伊井篤史 西宏子 | ||
演出 | 小山悟 | 田島荘三 | 福永莞爾 | |
翻訳 | 岩本令 | 戸田奈津子 | ||
制作 | 東北新社 | ワーナー・ホーム・ビデオ トランスグローバル | ムービーテレビジョン | |
初回放送 | 1988年4月2日 『ゴールデン洋画劇場』 21:03-23:09 | 1990年6月20日 発売のVHSに初収録 | 1992年12月27日 『日曜洋画劇場』 21:02-23:06 | |
ノベライズされた際に追加された設定によれば、何世紀も前、宇宙の遥か彼方にある、科学が高度に発達した惑星で、モグターメンという科学者が、どんな気候や条件にも適応し、かつ繁殖可能な、性格温和で知的な生物「モグワイ」を作り出した。
モグターメン博士は試しにその内の1匹(ギズモ:gizmo。ガジェットと同義)を地球に送り込み、そのモグワイが着いてしまったところが台湾だった。そこで中国から来た老人に拾われて飼われるようになった。モグワイが持っていた下記の欠点は博士も予想していなかったというが、それではなぜ骨董屋の主人がこの欠点を知っていたかは不明である。
手足の指は3本だが、手先は器用。調整されていたギズモとは違い、増殖したモグワイは皆個体差が激しいが、リーダーの「ストライプ」を筆頭にいたずら好きということは共通している(ギズモを除く)。
モグワイの飼育の際には以下の3点に気をつけなければならない。
モグワイ変身後の姿。身長70cm程度に巨大化している。頭部を除き体毛が無くなった代わりに、全身が爬虫類を思わせる皮膚に包まれ、鋭い牙と爪を持つ。変身前と比べて一部を除き知能は低下し、好奇心や悪戯好きはそのままに凶暴かつ悪辣な性格となる。そのため、悪戯も車輌で家に突っ込むなど人命にかかわる危険なものになるが、白雪姫の映画を楽しんで観たり、酒場で泥酔したり、ギャンブルやダンディズムに興じたりと人間臭いユーモラスな面も多く見られる。ギズモをいたぶる(いじめる)場面があるのは映画版2作共通。
同種間で会話をしており、独自の言語を持つとみられる。加えて”caca”や”light bright”(続編ではジョン・ウェインを愛称で”Duke”と呼ぶ)といった幼児語、初歩的で短い英単語も発している。
『グレムリン』の劇中では数十匹にまで増殖したが、ビリーとケイトの策略により映画館でのガス爆発に巻き込まれ、リーダー的存在であるストライプを除いて全滅した。
本作はスティーヴン・スピルバーグが、当時大学生だったクリス・コロンバスの作っていた脚本を気に入り映画化したもので、スピルバーグに見出されたコロンバスはスピルバーグ設立の映画会社アンブリン・エンターテインメントに入社し、本作公開の翌年に再びスピルバーグと共に『グーニーズ』や『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』を製作している。
映画公開当時は日米経済摩擦が問題になっており、変身後のグレムリンは「集団で自分たちに危害を加える日本人」をイメージした、という説が噂された。これはグレムリンがチャイナタウン由来のものであることなどから想起されたものであると思われるが、物語のラストでミスター・ウィングは、ルールや自然との調和を重視しない人間を批判し、「責任のない社会は希望のない社会。責任とは大事が起きるのを見越して賢明な行ないをすること。事が起きた後でそうするのは経験であり反省だ」と述べている。
ジョージ・ガイプによるノベライズ版(訳:浅倉久志)によると、グレムリンは外宇宙より飛来した存在=宇宙人であるという設定であり、ギズモは劇中でのグレムリンのような悪意への衝動を理性によって抑え込んでいるという描写がある。
タイトルバックを中心とした広場の映像は、翌年公開の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同じユニバーサルスタジオのセットである(コートハウス・スクエア)。本作では時計台の針を使うなどのアクションがなかったために意識されないが、後に発売されたDVD版スタッフ・キャストの解説によると、同スタジオで「夜が舞台の別の映画」も撮影中だったと語られている。別の映画が何であるかは明言されていないが、「柱を立てて暗くしていたので、柱が映らないようにするのに苦労した」ともあるので、撮影は同セットを使用した同時期の映画だったことがうかがえる。そしてワーナー・ブラザース(『グレムリン』)、ユニバーサル・スタジオ(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)と、配給元が違う両作品に製作総指揮としてスピルバーグ、キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャルが名を連ねている。また、予算は1100万ドルと1984年当時にしては低予算だったと同じく語られているが、撮影所と分かるような作り物っぽさを強調した撮影方法となっているのは、同撮影所を使用した往年の名作をパロディ化したかったからだとも語られている。
劇中『素晴らしき哉、人生!』、『スピード王』、『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』、ディズニー映画『白雪姫』といったクラシック映画が度々登場する。さらに、『タイム・マシン』らしき乗り物を、とあるシーンで見ることができる。
2013年には本作のリブート企画の始動が発表され[5]、セス・グレアム=スミス、デヴィッド・カッツェンバーグがプロデュースを務めることが報じられたが、2022年3月現在、続報はない。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.