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インダストリアル・ライト&マジック
アメリカ合衆国のSFX及びVFXの制作会社 ウィキペディアから
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インダストリアル・ライト&マジック(Industrial Light & Magic)[注 1]は、ジョージ・ルーカスによって1975年5月26日に設立されたアメリカ合衆国の特殊効果及び視覚効果の制作会社である[8]。ルーカスが設立した映画制作会社ルーカスフィルムの一部門であり、「スター・ウォーズ」(現在ではスカイウォーカー・サーガのエピソード4)のオリジナル版の制作を開始した際に誕生した[9]。
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ILMはカリフォルニア州ヴァン・ナイズで設立され、その後1978年にサン・ラファエルに移転し、2005年からはサンフランシスコ・プレシディオにあるレターマン・デジタル・アーツセンターを拠点としている。2012年、ウォルト・ディズニー・カンパニーはルーカスフィルム買収の一環としてILMを買収した[10]。2024年現在、インダストリアル・ライト&マジックはアカデミー視覚効果賞を15回受賞している[1]。
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歴史
要約
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1975年7月、当時『スター・ウォーズ』を作ろうとしていたジョージ・ルーカスが、今までにない特殊効果を生み出したいと考え、カリフォルニア州、ロサンゼルス郊外のヴァン・ナイスに最初のILMを開設した。 ジョン・ダイクストラを中心としたモーション・コントロール・カメラの開発など一作目の『スター・ウォーズ』のSFX/VFXはここで開発、撮影をした。しかし制作終了後、ギャランティの問題などでダイクストラはルーカスと訣別、同社はそのまま彼のスタジオ「アポジー」に移行した。この社屋は現在はモデル制作、レンタル・スタジオのグラント・マッキューン・デザイン社が使用している。グラント・マッキューンは一作目の『スター・ウォーズ』以来、アポジーを経て、ずっとこの場所で模型を作っている。
1978年、サンフランシスコ郊外のマリンカウンティ、サン・ラファエルにリチャード・エドランド、デニス・ミューレン、フィル・ティペット、ケン・ローストンら残留スタッフを中心に新たなILMを設立。『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』以後、2004年までILMはこのサン・ラファエルのスタジオでSFX/VFXの仕事をした。
ルーカスが1979年に設立したCG/ハードメーカー部門が1986年にピクサーとしてルーカスフィルムから独立した後に、ILMは新たに1987年にCGI部門を設立。以後、CGI、デジタル合成、デジタルリムーバル、モーフィングなどその後のデジタルVFXの研究、開発、発展に大きな貢献した。
1999年にHDRI画像ファイルフォーマット「OpenEXR」を開発し、2003年に公のものとして発表[11]。
2005年にサンフランシスコのレターマン・デジタル・アーツセンターに移転。VFX/CGI専門のスタジオになり、2009年現在1500人の社員が働いている。
現在、サン・ラファエルの巨大なスタジオは元ILMアナログ製作部門のスタッフによって、カーナー・オプチカル(Kerner Optical)社として活動している。同社はミニチュア制作、アニマトロニクス制作、モーション・コントロール撮影、スタジオのレンタル、3D映画の撮影、2D→3D変換サービス等を行なっている。ちなみにこの社名は、ILM時代に所在を隠すために掲げていた偽の看板の社名をそのまま流用している。
2007年までにアカデミー視覚効果賞を15回受賞(2023年時点で受賞は2006年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』が最後)。さらにこれとは別に約20のノミネートを受けている。また、22のアカデミー技術賞も受賞している。
輝かしい功績の一方、1986年には『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』という迷作に関わってしまったことから、第7回ゴールデンラズベリー賞の最低視覚効果賞を受賞。
『スター・ウォーズ』シリーズの他にも、『インディ・ジョーンズ』シリーズ等のスピルバーグ作品や、その他多くの作品の特殊効果/視覚効果を手がけており、近年では『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『ハリー・ポッター』シリーズ、『トランスフォーマー』等のVFXも制作している。
2011年に同社初のフルCGアニメーション作品『ランゴ』でアカデミー長編アニメ映画賞を受賞。同年、カナダ・バンクーバーに支社を設立[13]。
2012年10月30日、ウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収したため、ILMもディズニーの傘下となった[14][15][16][17][18]。ディズニーはILMの運営をすぐに変更する計画はないと述べたが[10]、翌年4月までにスタッフのレイオフを開始した[19] 。2013年4月のルーカスアーツの再編に伴い、ILMはスタッフが溢れかえりILMの視覚効果部門のみを担当するために人員が削減された[20][21]ILMは2014年10月15日、ロンドンのソーホー地区に本社を置くロンドン・スタジオを開設した[22]。
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これまでの軌跡
- 1975年: ビスタビジョンを復元、モーション・コントロール・カメラを初使用(『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』)
- 1980年: 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のクリーチャー、トーントーンのアニメーションにゴー・モーションが初めて使用される。
- 1982年: 『スタートレックII カーンの逆襲』の「ジェネシス計画」において、初めてCGを駆使した映像を製作。 (それ以前の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のCGはILMの外部で行われた)。
- 1985年: 『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』の "ステンドグラスの騎士"が初めてCGのキャラクターである。
- 1988年: モーフィングを使った初めての作品(『ウィロー』)
- 1989年: 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のクライマックスで、デジタルを駆使した実写映像の初の合成を披露。
- 1989年: 『アビス』のクリーチャー 「シュードポッド」(偽足)と名付けられた3Dキャラクターが初めてCGで作られ、感情を表現した。
- 1991年: 『フック』で、従来のマットペインティングを3Dジオメトリに対応させ、カメラの視差を可能にした。
- 1991年: 『ターミネーター2』のT-1000が、初めて一部CG化されたメインキャラクターとなる。
- 1992年: 『永遠に美しく…』で、初めて人間の肌の質感をコンピュータで再現。
- 1993年: 『ジュラシック・パーク』の恐竜が、初めてデジタル技術で完全かつ細部まで再現され、ILMは13回目のオスカーを獲得。
- 1994年: 『フォレスト・ガンプ/一期一会』の登場人物に、歴史的映像やストック映像のデジタル処理を初めて大々的に使用。
- 1995年: 『キャスパー』で、初めて主役となる、明確な個性と感情を持ったCGキャラクターを登場させる。
- 1995年: 『ジュマンジ』で、初めてフォトリアリスティックな毛髪と毛皮をCG化(ライオンとサルに使用)。
- 1996年: 『ドラゴンハート』で、初めて完全にCG化されたメインキャラクター、ドラコが登場。
- 1999年: 『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』のイムホテップがCGキャラクターとして初めて完全な人間の骨格を持つ。
- 1999年: 『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のジャージャービンクスが初めてモーションキャプチャーを使用した実写映画の中で完全にCG化されたキャラクターとなる。
- 2000年: OpenEXR画像フォーマットを作成。
- 2006年: コンピュータ・ビジョン技術を使って撮影現場の実写パフォーマーを追跡するiMocapシステムを開発。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のデイヴィ・ジョーンズと船員の映像制作に使用される。
- 2011年: ILMが製作した初の長編アニメーション『ランゴ』。
- 2019年: 『マンダロリアン』でリアルタイムレンダリング(Unreal Engineを使用)とデジタルLEDディスプレイをバーチャルセットとして初めて使用した(ステージクラフトまたはThe Volumeとして知られる)。
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有名なクリエイターとクライアント
要約
視点
Photoshopは、画像処理ソフトとしてインダストリアル・ライト&マジックで初めて使用された。Photoshopは、ILMの視覚効果スーパーバイザーであるジョン・ノールと弟のトーマスがひと夏のプロジェクトとして作成した。『アビス』で使用された。ノール兄弟は、この映画の公開直前にプログラムをアドビに売却した[23]。トーマス・ノールは現在もアドビでPhotoshopの開発に携わっており、Photoshopのスプラッシュ・スクリーンに登場する。ジョン・ノールは現在もILMの視覚効果スーパーバイザーとして活躍しており、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の制作総指揮兼脚本家のひとりである[24]。
ジョージ・ルーカスのための仕事に加え、ILMはスティーヴン・スピルバーグが監督・製作する多くの映画でも協力している。デニス・ミューレンは、これらの作品の多くでコンピューター・アニメーション・スーパーバイザーを務めている。1993年の『ジュラシック・パーク』では、ILMはViewpaintというプログラムを使用し、視覚効果アーティストがCGモデルの表面に色やテクスチャを自由にペイントできるようにした[25]。元ILMのCGアニメーター、スティーブ・"スパズ"・ウィリアムズによれば、CGの恐竜が登場するショットが完成するまでに1年近くかかったという[26]。この映画は、CGを使った画期的な映像として注目され[27][28][29]、視覚効果の歴史に残る作品として評価されている[30][31][32]。また、1994年の『フォレスト・ガンプ』などでは、道路を広くしたり、エキストラをデジタル合成で増やしたり、アーカイブ映像に役者を合成するなど、細部にまでこだわった特撮も手がけている[33][34][35]。
アダム・サベージ、グラント・イマハラ、そして『MythBusters』で有名なトリー・ベルチもILMで働いていた[36]。
ILMはコマーシャルでも有名である。そのクライアントには、エナジャイザーや[37]オールズモビルなどがある[37]。また、2012年にイギリスで放送されたボーダフォンのCMシリーズでは、ヨーダのアニメーションも手がけている[38][39][40]。
俳優のマシ・オカは、プログラマーとして『シスの復讐』などILMの主要作品に携わった後、NBCの番組『HEROES』にヒロ・ナカムラ役で出演した[41]。
アメリカの映画監督デヴィッド・フィンチャーは、1980年代前半に4年間ILMに勤務していた[42]。
映画監督のジョー・ジョンストンは、視覚効果アーティストであり、アートディレクターでもあった[43]。
映画監督のマーク・A・Z・ディッペは、1997年に公開された『スポーン』を監督した視覚効果アニメーター[44]。
日本人では山口圭二、3DCGモデラーの成田昌隆、コンセプトアーティストの田島光二らが在籍している。また、マットペイントアーティストの上杉裕世などが在籍していたことも有名である。
ILM 作品一覧
要約
視点
※インターネット・ムービー・データベース[45]および会社サイトより引用[46][47]。
VFX
1970年代 - 1980年代
1990年代
2000年代
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関連項目
脚注
参考文献
外部リンク
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