武蔵小杉
武蔵小杉駅周辺一帯の通称 ウィキペディアから
武蔵小杉駅周辺一帯の通称 ウィキペディアから
武蔵小杉(むさしこすぎ)は、神奈川県川崎市中原区における武蔵小杉駅周辺一帯の通称である。タワーマンションが林立しており、日本有数の超高層ビル街となっている。また、区役所が置かれ、中原区における行政及び商業の中心地となっている。
川崎市のほぼ中部に位置し、東京都心から電車で20分ほどの距離にある。もともとは工業地帯であったが、工場の移転に伴い、交通の利便性の高さから跡地にタワーマンションや大型商業施設が次々と誕生した。超高層住宅の集積度は全国有数で、人気の住宅地となっている。人気の主な要因としては鉄道の利便性の高さにある。横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄線直通列車、東横線、目黒線と東京都心に向かう路線が5系統あり、いずれも優等列車停車駅となっている。過去においては、人口の急増により、朝のラッシュ時間帯にダイヤ乱れ等が発生すると、武蔵小杉駅新南口(横須賀線口)改札に入場待ち列が見られることがあり、各種メディアに報じられた。この問題は2018年4月の新南改札口への改札機増設により解決され、さらに横須賀線ホーム新設(2面2線化)と改札口追加増設がJR東日本と川崎市により進められた。横浜・羽沢横浜国大方面の3番線新ホームが2022年12月、新改札の「綱島街道改札」が1年後の2023年12月に供用が開始され、長らく課題に挙がっていた横須賀線ホームから東急線ホームへの乗り換え時間の短縮に貢献した。商業施設も充実しており中原区外からも買い物客を集めている。多摩川、等々力緑地、二ヶ領用水、中原平和公園などの緑地にも恵まれており、生活環境は良好である。
東西方向に走るJR南武線と南北方向に走る東急東横線・目黒線が十字に交差しており、分割される地区ごとで違った性格を持っている。
駅北側の東横線沿いには、古くからの繁華街である新丸子駅周辺から連続する個人商店が点在している。
駅西側は二ヶ領用水が流れ、住宅地となっている他、区役所や警察署、保健所などの行政施設がある。
南西地区には法政通り商店街などがあり、工場地帯に隣接する庶民的な雰囲気の地区として飲食店や風俗店やパチンコ店舗もあり、武蔵小杉で最も商業が盛んな地域となっている。
南東地区はかつては工場地帯であったが、大規模な再開発事業が行われて風景が一変している。新しい商業施設が多い。綱島街道は2車線の狭い道路だったが、再開発と連動して拡幅され広い歩道の付いた4車線道路になった。
1597年(慶長2年)にこの付近には小杉陣屋が築かれ、二ヶ領用水の開発に用いられた。江戸時代には小杉御殿や中原街道の小杉宿が置かれ、二ヶ領用水から取水した水田が広がっていた。明治以降も大きな変化はなく田園地帯であったが、1927年に南武鉄道、1929年に東海道貨物線(横須賀線)が建設されると、武蔵小杉一帯は工業用地として注目されるようになった。特に電機や自動車など、当時まだ新興産業だった企業が多く進出した。
日本電気(NEC)玉川事業場(1936年)や三菱ふそう川崎工場(1937年)、武蔵中原駅近隣の富士通本店・川崎工場(1938年)などは稼働中であるが、工場の閉鎖または移転により高層住宅や商業施設になった例も少なくない。
ちなみに、東京横浜電鉄(現・東急電鉄)のかつての駅名は「工業都市駅」であった。南武鉄道の駅前には横浜正金銀行の運動場があったため「グラウンド前駅」である。太平洋戦争以前、この一帯で商業の中心として栄えていたのは、中原街道に近い新丸子駅周辺であった。
2010年3月13日に、これまでJR南武線武蔵小杉駅付近を通過していた横須賀線、湘南新宿ラインにもホームが設置され、停車するようになった。また、2013年3月16日から、東急東横線と東京メトロ副都心線、西武池袋線(西武有楽町線経由)、東武東上本線との直通運転が開始され、2019年11月30日からは、相鉄線直通列車の運行が開始されるなど、交通結節点としての役割が大きくなってきている。
1889年(明治22年)の町村制施行時点で橘樹郡中原村の所属であった大字小杉は、自治体の合併により1925年(大正14年)に中原町、1933年(昭和8年)に川崎市へ所属を変え、1943年(昭和18年)に大字小杉は小杉町、小杉御殿町、小杉陣屋町、新丸子東の一部となった[2]。それ以来大字としての小杉に該当する地域は存在しないが、川崎市による登記上は町丁名としての「小杉」が残存しており[3]、郵便番号も211-0061が設定されている。
JR東日本4路線(南武線、横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄線直通列車)、東急電鉄2路線(東横線、目黒線)の計6路線の列車が発着する。横浜・東京方面に加え千葉県・埼玉県・栃木県・群馬県にも乗り入れ、関東広域を結んでいる。
「武蔵小杉」の名称は、1927年に南武線(南武鉄道)の駅が開設される際に初めてつけられたものである。当時、富山県には小杉駅が既にあり、区別のために旧国名を置いた「武蔵小杉」とされた。
この地名は定着し、発音上も「武蔵小杉(むさしこすぎ)」と一語の固有名詞として現される。地元住民を中心に「武蔵」を省略して単に「小杉」と呼称されることもあり、若年層などには「こすぎ」と後ろにアクセントを置いて呼ばれることもある。
武蔵小杉地区の再開発にあたり川崎市が「MUSACO(ムサコ)」という愛称を命名したものの、地元では「小杉」と呼ぶことが多く根付いていない[4][5][6]。
川崎市は武蔵小杉を川崎の第三都心(都心=川崎、副都心=溝の口・新百合ヶ丘)に指定して、住・商・医が整った「コンパクトな街」を標榜し、東西南北各エリアごとに再開発と交通インフラの整備がまとめて計画的に策定された[要出典]。
駅周辺の3ヘクタール以上の工場跡地やグラウンド跡地では、超高層マンション群が建設されている。また商業施設としてグランツリー武蔵小杉が開業している。
再開発の影響で著しく地価が上昇し、住宅地としては横浜市の山手町と並んで県内トップとなっている[7][8][9]。SUUMO首都圏住みたい街ランキングでも2015年の5位[10]や2016年の4位[11]をピークに上位をキープしている。2024年は14位[12]。
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