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日の丸自動車興業株式会社(ひのまるじどうしゃこうぎょう)は、東京都文京区に本社を置く、主に貸切バス事業を運営するバス事業者である。日の丸リムジングループに属する。
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1963年、東京のタクシー会社・日の丸自動車の貸切バス部門として営業を開始したのが始まりである(1963年5月設立)。当初は東京都内のみを営業エリアとしていたが、1990年代以降は東日本観光バス(祐徳自動車系列)・むらさき観光(キッコーマン系列)・八街観光自動車(一部のみ)・エアポートバス(日本ビューホテル系列)を買収・統合することで事業拡大を図り、現在は1都3県(神奈川県・千葉県・埼玉県)を営業区域としている。
このほかグループ会社として、大東観光バスを傘下に加えてHMC大東を経てHMC東京を設立、これに都自動車のバス部門を統合して東京・千葉で営業する。2015年には明星自動車(京都)のバス部門を傘下に加えて明星観光バスを設立し、関西へ進出。続いて中央交通 (大阪府)を傘下に収めている。
一般貸切バスの他、観光周遊バスとして屋根のない2階建てバス(オープントップバス)を用いた「スカイバス」・「スカイホップバス」および水陸両用バスを用いた「スカイダック」を運行する。また、地域企業をスポンサーにした無料巡回バスの運行も手がけている。
スカイバス東京(スカイバスとうきょう)は、当社が東京都内で運行している定期観光バスと、その車両を使用した募集型企画旅行商品である。
それまで日本には一時的なものを除いて存在しなかった、オープントップバスによる観光ツアーバスで、乗客が国籍を問わず楽しめる観光バス企画として、ビジット・ジャパン・キャンペーンの活動にあわせるように2004年9月10日に募集型企画旅行扱いで運行を開始した。2009年6月18日には国土交通省から定期観光事業の許可を受け、路線バス扱いの定期観光バスとして運行されている[2]。
運行開始直後から好調な滑り出しとなり、後に述べるようにその後日本各地で同種のスカイバスが運行されるきっかけとなった。好調の要因について、運行を担当している日の丸自動車興業では、オープントップバスが目新しいだけでなく、時間や予算に制約がある旅行者のニーズにマッチしたものと自己評価している。
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響で2020年3月28日より土曜・日曜・祝日を臨時に運休[3]、更に4月8日の緊急事態宣言を受けて5月11日までの予定で運休[4]、5月4日には当面の間運休に変更される[5]。5月29日に6月19日より月・金・土・日曜日に平日ダイヤで運行を再開[6]、7月18日より毎日運行を再開した[7]。2021年1月に新型コロナウイルス第3波に伴う外出自粛要請を受けて1月9日から2月7日まで再度運休された[8]。
各コースとも、東京駅丸の内南口・三菱ビル前のスカイバス乗り場(以下、東京駅とする)から出発し、コースを回り、再び東京駅スカイバス乗り場に戻ってくるコースとなっている。途中下車はなく、すべて車窓観光である。
定期コースは基本的に1月1日と東京マラソン開催日以外は毎日運行する。
2009年には横浜市で「スカイバス横浜」が運行された。運行期間は4月28日から9月27日までの開国博Y150会期中で、桜木町駅から横浜みなとみらい21地区→関内→山手→元町→横浜ベイブリッジ(首都高速湾岸線・新山下ランプ - 大黒PA往復)→山下公園を巡り、桜木町駅に戻る約60分の周回コースが設定された。運行期間中はJR桜木町駅構内の野毛地区インフォメーションセンターに特設カウンターが設置されていた。
東京都外での運行だが、後述のように現地のバス事業者に車両を貸し出す形態ではなく、当社は神奈川県にも運行拠点があるため、使用車両は相模ナンバー(当時、現在は営業所移転で横浜ナンバー)に登録変更したものの、運行自体は自社で行った。
当社は、日本の観光都市での「スカイバス」運行に携わっている。JTBグループ・バス事業者と提携、当社は運行ノウハウ提供と車両貸与を行い、実際の運行は現地のバス事業者が担当するものである。一部事業者では定期観光バスとして運行されたことから、2009年のスカイバス東京の路線免許取得:定期観光バス化に影響を与えている。
2006年6月に北都交通の運行により札幌市での運行を開始した後、2007年からは京都市(京都定期観光バスの一環として京阪バスが運行、その後明星観光バスに移管)・那覇市(沖縄バスが運行)においても運行を開始している。また、2006年の北海道日本ハムファイターズの日本シリーズ優勝パレードにも貸し出され、この時はジェイ・アール北海道バスが運行を担当した。
2007年11月から12月にかけては帝産富士交通に貸し出す形で、仙台市でも運行された。2009年5月には長電バスに貸与して長野市で、伊予鉄道(現伊予鉄バス)に貸与して松山市としまなみ海道で運行された。 2013年には東北楽天ゴールデンイーグルスの日本シリーズ優勝パレードで仙台バスに貸し出された。 2014年には名古屋市で名鉄観光バスに貸与して「ナゴヤスカイバス」が運行された。2017年には神姫バスに貸与して神戸市で「スカイバス神戸」が2020年まで運行された。2018年には松本市で開催された松本山雅FCのJ2優勝・J1昇格記念パレードでアルピコ交通に貸し出されたほか、富山地方鉄道に貸し出されて射水市・富山市・魚津市で「スカイバス富山」が運行されている。スカイバス富山は2021年より雪の大谷で知られる立山黒部アルペンルートの室堂でも運行され、標高約2450mの高地を走行した。2021年には茨城交通に貸し出されて偕楽園の水戸の梅祭り会期中に「スカイバス水戸」、山梨交通に貸し出されて甲府市で「昇仙峡スカイバス」が運行された。 2022年7月には道南バスとニセコバスに貸し出され、倶知安町・ニセコ町で「スカイバスニセコ」が運行されている[9][10]。
2020年には星野リゾートと提携、マイクロツーリズムの一環として期間限定で同社系列ホテル宿泊者向けのオープントップバスツアーに起用されている。青森県では十和田観光電鉄に貸し出されて奥入瀬渓流沿いを運行するバスツアー[11][12]、栃木県では日光交通に貸し出されて鬼怒川上流やいろは坂の紅葉を楽しむバスツアー[13]、2022年には静岡県の東海バスに貸し出されて伊豆半島の梅の木平や大室山さくらの里を巡る観桜ツアー[14]、神奈川県の箱根登山バスに貸し出されて芦ノ湖スカイラインから富士山や芦ノ湖の景観を楽しむツアー[15] が企画されている。
「スカイダック」は、水陸両用バスを用いた観光周遊バス(募集型企画旅行扱い)。2013年から東京初の水陸両用バスとして運行開始。2022年10月現在、東京と横浜で運行する。車両は初期のものはアメリカ・サウスカロライナ州のCAMI社製、増備車は墨田川造船製で、日本の法律に適合した陸用・水上用のエンジンが別々に搭載されている。乗務員は大型二種免許(陸上)、一級小型船舶免許(水上)を取得。ドライバーが船舶免許を持ち、水上で船長を務める。
2013年3月17日から「東京スカイツリーコース」(とうきょうスカイツリー駅前営業所→旧中川スプラッシュポイント→同営業所)、18日から「亀戸コース」(亀戸梅屋敷→旧中川スプラッシュポイント→亀戸梅屋敷)の2コースで開始した。
2016年7月27日、横浜市のみなとみらい地区において、横浜の観光名所と水辺をシームレスで結び非日常体験を楽しむことを目的として「スカイダック」の運行を開始した[16]。社会実験の一環と位置付けられ、運行期間は2020年3月末までとされた[16]。
「スカイホップバス」は、コース上の観光地にバス停留所を設けて自由に乗降できるようにした観光周遊バスである。東京と京都で運行されている(京都では傘下の明星観光バスが運行)。運営・企画については当社・JTB・京阪バスの共同で2018年6月に設立した「スカイホップバスマーケティングジャパン株式会社」により行われている[17]。
車両はスカイバスと同様だが、「スカイホップバス」ステッカーが貼られている。また、三菱ふそう・エアロバスに天窓を装備した車両で運行することもある(天候・季節に応じて使用[18])。2019年に導入したウンヴィ・ウルビスでは2階席オープンタイプの他に2階席の前半分をクローズドボディとしたハーフルーフタイプの車両を日本で初めて導入している。
乗車券は各コース共通の一日乗車券タイプで、当初は2日(48時間)用も設定されていたが、現在は1日(24時間)用のみである。有効期限は暦日単位ではなく購入日時から24時間単位となっている(例えば14時に購入した場合1日用は翌日の14時まで有効)。
2012年6月30日から、東京で運行を開始した。丸の内を起点に当初は都内3方向へ運行されたが、2018年11月からは2コースで運行され[19]、後に再度3コース体制に戻る。
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の影響で2020年4月1日より運休していた[20] が、9月5日より土曜・日曜・祝日のみの運行で再開した[21]。12月から2021年2月の運休期間を挟んで2021年3月20日より毎日運行を再開。
「屋根の無い車体」という特徴を生かし、プロスポーツの優勝パレードに参加することがある。それまで優勝チームの監督・コーチ陣・選手たちは、乗用車仕様のオープンカーに分乗したり(例:大相撲など)[注釈 2]、大型トラックにステージなどの装飾を施したり(例:読売ジャイアンツ・阪神タイガースなど)、廃車直前の路線バスを運転席を除き車体の上半分を全て撤去して、特製のオープンバスを仕立てていた(例:横浜ベイスターズ/横浜市営バス・福岡ダイエーホークス/西日本鉄道)が、この車両が登場してからは、特に日本一になった時に大勢の選手が2階部分に乗り込み、訪れたファンに選手たちの表情が見えるよう配慮されている。
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)のチームが利用する場合、各都県に日の丸の営業所があるため自社の乗務員が運行するが、地方のチームのパレードに参加する場合は現地のバス会社に車両を貸し出し、ナンバープレートも登録変更して運行される。
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スカイバス東京の成功を受け、日本の観光都市ではオープントップバスの運行が検討されるようになった。当社が各地へのスカイバス車両の貸し出しに積極的に対応する一方、独自にオープントップバスを導入する事例も見られる。
更にスカイバス東京と競合関係にある、既存の定期観光バスを運行する事業者では、スカイバスを意識した低価格・短時間コースを設定する動きが見られる。
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1970年以降、他社とは差別化した豪華仕様のバスを導入開始し、さらに進める形で1980年代にはドイツ製の輸入車両を相次いで導入、以後の同社の観光バスの特徴となっている。2007年7月現在の輸入車はネオプラン31台・デザインライン8台となっており、これは2007年7月現在の在籍車両の23%に相当する。日本製の車両は大半が三菱ふそう車であるが、2006年には同社としては久しぶりの日野車としてセレガ、無料巡回バスや契約輸送では日野・ブルーリボンシティハイブリッドや日野・レインボーIIが導入されている。
貸切車には全て愛称がつけられており、同社のスタンダード貸切車は「ウエストコースト(West Coast)」である。同業他社の買収直後は、その事業者の車両を引き継いで使用しており、例えば東日本観光バスから引き継いだ車両については「East J」というロゴを「East Coast」に変更した程度でそのまま使用していた。現在使用されていない愛称として「グランプリ(Grand Prix)」、「コンコルド(Concord)」、「ゴールドラッシュ(Gold Rush)」などがあった。
特徴的な車両としては、ネオプラン・スカイライナー(ダブルデッカー)の後半部分を中2階構造とした「アメリカンドリーム(American Dream)」や、2階席がオープン構造になっているオープントップバス「スカイバス」、左ハンドルのまま使用しているネオプラン・スターライナー「ベガス(Vegas)」などがある。特に、スターライナーは日本全国でも14台しか輸入されていない上、左ハンドルでのスターライナー導入は日本唯一の事例。また、無料巡回バスに使用されているデザインライン車も、営業車両としては日本唯一の導入例である。
「スカイバス」の車両については、ネオプラン・スカイライナー15台(2階の座席数52席、台数は他社貸し出し中の車両を含む)・スペースライナー5台(座席数48席)をオープントップに改造した車両が使用される。スカイライナーは屋根を取り去っているが、2013年導入分とスペースライナーは幌で簡易な屋根がかけられるようになっている(乗用車の「キャンバストップ」と同様)。またスカイホップバスには三菱ふそう・エアロバスを改造したサンルーフ付きバス(座席数49席)も導入されている。2019年からはメルセデス・ベンツOC500LEシャーシにスペイン・ウンヴィ 製ボディ"Urbis"を架装した車両が導入され、スカイホップバス向けの車両の一部は2階席の前半分を屋根と空調付きにしたハーフルーフタイプとなる[28][29]。
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