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1995年のスパイアクション映画 ウィキペディアから
『ゴールデンアイ』(『007/ゴールデンアイ』、原題: GoldenEye)は、マーティン・キャンベル監督の1995年のスパイアクション映画。映画「ジェームズ・ボンド」シリーズ第17作。ジェームズ・ボンド役をピアース・ブロスナンが演じた初の作品である。
ゴールデンアイ | |
---|---|
GoldenEye | |
監督 | マーティン・キャンベル |
脚本 |
ジェフリー・ケイン ブルース・フィアスティン |
原案 | マイケル・フランス |
原作 | イアン・フレミング |
製作 |
マイケル・G・ウィルソン バーバラ・ブロッコリ |
製作総指揮 | トム・ペブスナー |
出演者 |
ピアース・ブロスナン ショーン・ビーン イザベラ・スコルプコ ファムケ・ヤンセン ジョー・ドン・ベイカー ロビー・コルトレーン チェッキー・カリョ ゴットフリード・ジョン アラン・カミング マイケル・キッチン セレーナ・ゴードン デスモンド・リュウェリン サマンサ・ボンド ジュディ・デンチ |
音楽 | エリック・セラ |
主題歌 | 「GoldenEye」ティナ・ターナー |
撮影 | フィル・メヒュー |
編集 | テリー・ローリングス |
製作会社 |
ダンジャック イーオン・プロダクションズ メトロ・ゴールドウィン・メイヤー ユナイテッド・アーティスツ |
配給 |
MGM/UA Distribution Co. UIP |
公開 |
1995年11月17日 1995年11月24日 1995年12月16日 |
上映時間 | 130分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $60,000,000[1] |
興行収入 |
$356,429,941[1] $28,297,964 $106,429,941 |
配給収入 | 10億円[2] |
前作 | 007/消されたライセンス |
次作 | トゥモロー・ネバー・ダイ |
当時、イアン・フレミングの007原作は短編『ナッソーの夜』(原題: Quantum of Solace、2008年に『007/慰めの報酬』として映画化) だけが残っていたが、この映画では原作として使用されなかった。また、本作は007小説の後継者とされたガードナーが、前作に続き小説を執筆している。007シリーズとしては初のドルビーデジタル作品でもある。
1990年代に入って冷戦が終結し、またアルバート・R・ブロッコリらシリーズ当初からの製作者が去ったことにより、シリーズ2度目の大きな転換期となった作品である。ボンドが悪の組織と戦う構図は変わらないものの、映画は007シリーズの世界観を大きく変更し、近代化をさせようという意図が見て取れる。
世界観だけでなく、アクションシーンの方向性やカット割も、過去シリーズと大きく変更された。ボンド役もピアース・ブロスナンへ交代した。ブロスナンは『リビング・デイライツ』の際にもボンド役をオファーされていたが、『探偵レミントン・スティール』の契約が残っており受けることができず[3]、本作で出演を果たした。しかし、本作でのボンド役の第1候補はリーアム・ニーソンで、アクション映画に惹かれないという理由で断っていたことが後に明らかとなった[4]。
ソビエト連邦の崩壊前。ソ連・アーカンゲルの化学兵器工場を爆破すべく006ことアレック(ショーン・ビーン)と共に侵入したボンド(ピアース・ブロスナン)だったが、責任者のウルモフ大佐(ゴットフリード・ジョン)に見つかりアレックが拘束され、ボンドの目前で頭を撃たれてしまう。ボンドはやむなく彼を見捨てて爆弾のタイマーを6分から3分に早め、軽飛行機を奪って脱出、工場を爆破して任務を達成した。
それから9年後。20世紀も終わりに近く、ソ連は既に崩壊していた。ボンドはモナコでロシアの犯罪組織「ヤヌス」のメンバーである元ソ連空軍戦闘機パイロットのゼニア(ファムケ・ヤンセン)をマークしていたが、彼女と将軍になっていたウルモフは、対電磁波装甲を施したNATOの最新鋭戦闘ヘリコプター・タイガーを、デモンストレーションを行っていたフランス海軍フリゲート艦上から奪取・逃走する。
その後ゼニアとウルモフは、そのヘリコプターを用いて隠密でロシアのセヴェルナヤにある秘密宇宙基地を訪れる。そこにプログラマーとして勤める職員のボリス(アラン・カミング)は二人と同じヤヌスの一員であり、かねてより二人を手引きしていた。ゼニアとウルモフは抜き打ち査察を装い、ソ連時代に開発された、内蔵した小型核爆弾を用いて発生させた高出力EMPを目標に照射する秘密衛星兵器「ゴールデンアイ」の起動キーを受け取ると、ボリスを除いてそこの兵士と職員を皆殺しにする。また宇宙基地ごと隠滅するために、宇宙空間に存在する「ゴールデンアイ」衛星2機のうち1機を用いてEMPを基地に向けて照射し、宇宙基地は壊滅、警報を受けて飛来していたMIG29戦闘機も墜落する。しかしこのとき女性コンピューター技士のナターリア(イザベラ・スコルプコ)は、奇跡的に生き残り脱出することができていた。この様子をイギリスのMI6から衛星中継を通じて見ていたボンドは、「ゴールデンアイ」とヤヌスの関係の手掛かりを求めてサンクトペテルブルクへと赴く。
一方、ロシアの大臣会議に出席し、セヴェルナヤの事故がシベリア分離派の犯行と推測するという虚偽の報告をしたウルモフは、ミシュキン国防大臣(チェッキー・カリョ)からボリス以外の行方不明者がいることを知らされる。ボンドはサンクトペテルブルクでCIAのジャック・ウェイド(ジョー・ドン・ベイカー)と元KGBのヴァレンティン・ズコフスキー(ロビー・コルトレーン)の仲介を受け、ゼニアと接触することに成功し、彼女を通じてヤヌスの幹部と接触するチャンスを掴む。しかし、そこで待っていたのは9年前ウルモフに殺されたはずのアレックであり、彼がヤヌスの首領であることを告げられる。アレックの両親はコサック出身であり、旧ソ連の共産体制で迫害を受けていたためイギリスに加担しようとしたが、第二次世界大戦後にイギリスがソ連に対してコサックたちを引き渡したため両親が自死を選び、以来イギリスに恨みを持ちながらMI6で二重スパイとして長年生き抜いてきたことを告白する。アレックはボンドを捕らえ、ボリスに接触を図ったためやはり捕まったナターリアとともに、用済みとなったタイガーの中に閉じ込めて爆破しようとするが、間一髪で2人は脱出することに成功する。しかし直後に駆け付けたロシア軍によって捕らえられ、ミシュキンによる尋問を受けることになる。ここでボンドとナターリアはミシュキンに事件の真相を告げるが、割って入ってきたウルモフがボンドの銃を使ってミシュキンを殺害し、ナターリアが連れ去られる。戦車を奪ったボンドはサンクトペテルブルク市内でウルモフを追いかけるうちに、ヤヌスが拠点としている秘密の軍用列車を発見する。列車内でウルモフを倒しナターリアを奪還することに成功したボンドは、ナターリアのハッキングによってヤヌスの隠し拠点がキューバに存在することを突き止める。しかしアレックとゼニアは小型ヘリコプターで逃走。
「ゴールデンアイ」を起動するにはセヴェルナヤと同規模のパラボラアンテナが必要だということから、キューバに赴いた2人はウェイドが用意した小型機に乗って上空からその探索を試みるものの、まったく見つけられずにいた。その時突如攻撃を受けたセスナ機はジャングルに墜落。その後ゼニアがボンドに襲い掛かってくるものの、彼女を倒すことに成功する。一方、隠し拠点にいたボリスとアレックは残った「ゴールデンアイ」1機を起動させるため、湖の底に隠していたパラボラアンテナと基地を出現させて発射準備に入った。基地内部に侵入して発見され、投降したボンドはアレックから、ヤヌスの計画はボリスを用いてイギリスのイングランド銀行に不正アクセスして金を引き出し、その操作記録を「ゴールデンアイ」で隠蔽すると共にイギリス経済に壊滅的な打撃を与える計画であったことを告げられる。しかしナターリアが「ゴールデンアイ」の挙動を書き換えることに成功し、大気圏突入させて自爆させるよう仕向けさせた。そしてボンドは仕掛けておいた爆弾を起動させて基地を爆破し、パラボラアンテナの上に設けられたクレードル上でアレックと一対一の死闘を繰り広げ、彼を突き落とし、爆発して落下するクレードルの下に彼を葬った。崩壊する基地の中、運良く生き延びたと思われたボリスだったが、「ざまあみろ!俺は天才だぁ!!」と叫んだ直後に背後に設置されている液体窒素を蓄積していたタンクが一斉に破裂し、大量の液体窒素を浴びたボリスはそのまま凍死する。ボンドはナターリアが奪ったヤヌスのヘリコプターに間一髪で飛び移り、無事地上に生還。水入らずの時間を楽しもうとした二人だったが、その矢先にウェイドとアメリカ海兵隊によって救出されるのだった。
米国では『消されたライセンス』の3倍のチケットが売れた。1995年の映画の世界興行成績で第3位[5]の約3億5000万ドル(資料により若干相違がある[1][6][7])で、インフレ率を勘案しない場合、過去最高だった『ムーンレイカー』の約2億1000万ドルを上回った[8]。日本では1996年度の外国映画配給収入で第10位[9]。
前作に続き、ベテランR&Bシンガーであるティナ・ターナーが起用され、同タイトル曲を歌った。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位10位と健闘したが楽曲のレベルが低く、アメリカでは「ビルボード」誌R&Bチャートで最高位89位。また、同サウンドトラック・アルバムは、アルバム・チャートで最高位180位だった。
また、主題歌候補としてエイス・オブ・ベイスが「ゴールデンアイ」を歌っているが選考で敗れた[12]。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | テレビ朝日版[13] | ||
ボンド | ピアース・ブロスナン | 神谷明 | 田中秀幸 |
ナターリア | イザベラ・スコルプコ | 塩田朋子 | 日野由利加 |
006/アレック | ショーン・ビーン | 小川真司 | 磯部勉 |
オナトップ | ファムケ・ヤンセン | 弘中くみ子 | 小山茉美 |
ウルモフ将軍 | ゴットフリード・ジョン | 西村知道 | 金尾哲夫 |
ボリス | アラン・カミング | 坂口哲夫 | 牛山茂 |
M | ジュディ・デンチ | 此島愛子 | 森田育代 |
マネーペニー | サマンサ・ボンド | 加藤優子 | |
Q | デスモンド・リュウェリン | 糸博 | 田口昻 |
ズコフスキー | ロビー・コルトレーン | 島香裕 | |
ウェイド | ジョー・ドン・ベイカー | 青森伸 | 島香裕 |
ミシュキン | チェッキー・カリョ | 稲葉実 | 糸博 |
タナー | マイケル・キッチン | 小島敏彦 | 福田信昭 |
キャロライン | セレナ・ゴードン | 麻丘夏未 | 園田恵子 |
少佐 | サイモン・クンツ | 大黒和広 | 伊藤栄次 |
戦艦艦長 | パヴェル・ダグラス | 津田英三 | 小山武宏 |
戦艦士官 | オリビエ・ラジュー | 山野井仁 | 高塚正也 |
コンピューターストア店長 | コンスタンティン・グレゴリー | 稲葉実 | 堀部隆一 |
チャック・ファレル提督 | ビリー・J・ミッチェル | 糸博 | 浜田賢二 |
ディーラー | ウラジミール・ミラノヴィッチ | 津田英三 | 緒方文興 |
ピエール | — | 永野広一 | 野島健児 |
演出 | — | 福永莞爾 | |
翻訳 | 佐藤一公 | たかしまちせこ | |
効果 | — | リレーション | |
調整 | 栗林秀年 | 山田太平 | |
編集 | オムニバス・ジャパン | — | |
プロデューサー | 貴島久祐子 | 圓井一夫 山川英一郎 | |
制作 | ムービーテレビジョン | ||
初回放送 | — | 1999年4月11日 21:02-23:09 『日曜洋画劇場』 | |
※テレビ朝日版はキングレコードから発売の特別版DVDにリピート放送の短縮音源が収録[14]。
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