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フランスの航空会社 ウィキペディアから
エールフランス(フランス語: Air France, 定型化: AIRFRANCE, フランス語発音: [ɛːʁ fʁɑ̃s])は、フランスにおけるエールフランス - KLM傘下の航空会社。フランスのフラッグ・キャリアである。
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法人番号 | 6700150006588 | |||
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設立 | 1933年 | |||
ハブ空港 | パリ=シャルル・ド・ゴール空港 | |||
焦点空港 |
パリ=オルリー空港 リヨン・サン=テグジュペリ国際空港 ニース・コート・ダジュール国際空港 | |||
マイレージサービス | Flying Blue | |||
会員ラウンジ | Departures Lounge | |||
航空連合 |
スカイチーム スカイチーム・カーゴ(エールフランス・カーゴ) | |||
親会社 | エールフランス‐KLM | |||
保有機材数 | 223機(88機発注中) | |||
就航地 | 187都市 | |||
スローガン | "Making the sky the best place on Earth" | |||
本拠地 | フランス共和国トランブレ=アン=フランス | |||
代表者 | アンヌ・リゲイユ (CEO) | |||
外部リンク | https://www.airfrance.co.jp | |||
備考 | ||||
「エールフランス」はフランス語の発音である。日本ではこの他に「航空」を後置したエールフランス航空の呼称も用いられる。
1933年10月にフランス国内外路線を運航していた4社[注釈 2] を統合する形で設立された。設立当時より世界各地にあるフランスの植民地を中心に巨大な路線網を持っており、現在も六大州全てに定期便を運航しているなど世界有数の路線網を維持している。なお、設立当時のハブ空港はル・ブルジェ空港だったが、現在のハブ空港はパリ=シャルル・ド・ゴール空港である。
極東路線として、日本へは1952年11月に就航した。現在は羽田空港、成田空港、関西空港へ毎日運航している。パリで乗継ぎヨーロッパ約50都市へ接続可能である。
かつては国営企業で、1976年から2002年にかけて世界初の超音速旅客機であるコンコルドを運航したことでも知られる。また、世界的ホテルチェーンの「ル・メリディアンホテル&リゾート」を所有していたこともある。
2000年6月、デルタ航空や大韓航空、アエロメヒコ航空とともに航空連合「スカイチーム」を設立。
2004年5月には、オランダのKLMオランダ航空と持株会社方式による経営統合が行われ、両社による共同持株会社「エールフランス‐KLM」が設立された。1つのグループとしてネットワークを活かしながら、それぞれ独自のサービスとブランドを展開している。2005年6月6日より、KLMオランダ航空とマイレージプログラムを統合し、「Flying Blue(フライング・ブルー)」 [2] として新たに発足した。
2017年12月、JOONというブランドの新航空会社を設立した[3]が、2019年6月27日に再統合された。
2009年2月からブランドロゴを変更した[4]。AIRとFRANCEの文字が一体化してAIRFRANCEとなり、字体も変更された。これはフランスの独自性や国際性を表すとともに、常に高品質なサービスを遂行する精神、飛行機による充実した旅の提供、乗客の安全と快適な空の旅、環境への配慮を示しているものであるという。トリコロールの青線も四本線から三本線へと減り、わずかなカーブを持つものとなった。
2008年11月と12月は、ファーストクラス、ビジネスクラス、そしてパリへのアクセスのよさをアピールする大規模な屋外広告キャンペーンを東京、大阪の中心部28か所で展開した。
エールフランスが発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は28で、航空機の形式名は777-228ER、777-328ERなどとなる。
欧州の航空会社でありながらボーイング社の機体[注釈 3] もローンチカスタマーとして積極的に導入を進めており、ボーイング777-300ERを世界で初めて有償運航したのもエールフランスである。
機材 | 運用数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | ||||
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F | C | W | Y | 合計 | ||||
エアバスA220-300 | 36 | 24 | - | 20 | - | 128 | 148 | 30機のオプション付き A318,A319を置き換え予定 |
エアバスA318-100 | 6 | - | - | 18 | - | 113 | 131 | 世界最大のオペレーター A220-300に置換予定 |
エアバスA319-100 | 11 | - | - | 20 | - | 122 | 142 | A220-300に置換予定 |
123 | 143 | |||||||
エアバスA320-200 | 36 | - | - | 14 | - | 144 | 158 | |
36 | 138 | 174 | ||||||
18 | 160 | 178 | ||||||
エアバスA321-100 | 4 | ‐ | ‐ | 36 | ‐ | 176 | 212 | |
エアバスA321-200 | 11 | |||||||
エアバスA330-200 | 15 | - | - | 36 | 21 | 167 | 224 | A350に置換予定 |
エアバスA350-900 | 32 | 59 | - | 48 | 32 | 212 | 292 | 40機のオプション付き グループ内で機材の割り当てを柔軟に変更[8] |
34 | 24 | 266 | 324 | |||||
エアバスA350-1000 | - | TBA | ||||||
ボーイング777-200ER | 18 | - | - | 40 | 24 | 216 | 280 | A350に置換予定 |
28 | 24 | 260 | 312 | |||||
28 | 32 | 268 | 328 | |||||
ボーイング777-300ER | 43 | - | 4 | 58 | 28 | 206 | 296 | ローンチカスタマー |
- | 48 | 48 | 273 | 369 | ||||
14 | 28 | 430 | 472 | |||||
ボーイング787-9 | 10 | - | - | 30 | 21 | 228 | 279 | |
エールフランス・オップ | ||||||||
エンブラエル 170 | 13 | - | - | 20 | - | 56 | 76 | |
エンブラエル 190 | 23 | - | - | 20 | - | 80 | 100 | |
貨物機 | ||||||||
エアバスA350F | - | 4 | 貨物 | |||||
ボーイング777F | 2 | - | 貨物 | ローンチカスタマー | ||||
合計 | 260 | 87 |
エールフランスは、特にビジネス旅客の需要が大きい国内線大都市間においてシャトル便を「ラ・ナベット」という名称で運航している。パリ・オルリー空港から、マルセイユ、ボルドー、ニース、トゥールーズ(2016年秋よりモンペリエにも運航予定)、基本的に毎時1便、ピーク時には30分または15分おきに便を運航している。年間で600万人以上の利用者がいる。
エールフランスとKLMオランダ航空共通のマイレージプログラムで、2005年6月6日よりサービスが開始された。
エールフランス、KLMオランダ航空をはじめ、スカイチーム便、日本航空(JAL)をはじめとする提携航空会社やホテル、レンタカー、クレジットカードなどの提携130社以上でマイルの獲得や特典を利用できる。また、獲得したマイルをほかのどの会員にも譲渡できる。さらに同社便・提携会社便の利用回数・距離に応じてアイボリー、シルバー、ゴールド、プラチナの4つの会員となるエリート会員制度を持つ。
他社FFPに比べ特筆すべき点は、ビジネスクラスやファーストクラスの特典交換に必要なマイル数が非常に多いことである。一般にFFPの必要マイル数はビジネスクラスはエコノミークラスの1.5倍、ファーストクラスは2〜3倍程度であるが、当プログラムではビジネスクラスがエコノミーの2倍、ファーストクラスは5倍ものマイルを必要とする。
エールフランスの国際線のクラスは2010年3月からヨーロッパ内・北アフリカ・イスラエルの各路線と長距離・カリブ海・インド洋の各路線とはクラス構成を分離しており、ヨーロッパ内・北アフリカ・イスラエルの各路線ではビジネスクラス、エコノミークラスの2クラスを、長距離・カリブ海・インド洋の各路線では「ラ・プルミエール」(ファーストクラス)、ビジネスクラス「ビジネス」、プレミアム・エコノミークラス「プレミアム・エコノミー」、エコノミークラス「エコノミー」をそれぞれ設定している。
また、新規に2009年秋よりビジネスクラスとエコノミークラスの中間クラスである、他社のプレミアム・エコノミークラスにあたる「プレミアム・ボヤジャー」(2016年9月現在「プレミアム・エコノミー」)を設定した。長距離線で運航するすべてのボーイング777型機、エアバスA340型機とA330型機に階段的に導入され、エコノミークラス普通運賃で搭乗する旅客や、「プレミアム・ボヤジャー」のチケットを購入した旅客が搭乗できる。
2014年より、長距離線で運航中のB777型機(-200ER、-300ER)44機にビジネスクラス、プレミアム・エコノミー、エコノミークラスの機内リニューアルが2016年まで行われ、6月24日のパリ シャルル・ド・ゴール-ニューヨークJFK線を皮切りに順次他路線への展開を進める。東京-パリ線にも10月27日のパリ発AF274から新しいビジネスクラスを搭載した機材にて運航される[21]。
エールフランスの機内では、オン・デマンド方式の映画、音楽プログラム、ゲーム、ニュース番組などがパーソナルスクリーンで放映される。語学学習プログラムやゲームもパーソナルスクリーンを通し提供される。
スカイチームエリート会員は、スカイチーム便の予約、チェックイン、そして搭乗において優先的に案内が受けられる。また、ファーストクラス・ビジネスクラスの旅客およびスカイチームエリートプラス会員は搭乗前に空港ラウンジを利用できる。
第二次世界大戦終結後の1952年に、ロッキード コンステレーションで運航されていた南廻りヨーロッパ線のパリ - ベイルート - カラチ - サイゴン線をアジア極東路線として、フランス領インドシナサイゴン市(現・ベトナム社会主義共和国ホーチミン市)から東京(東京国際空港)まで延長する形で乗り入れを開始した。1958年にはアンカレッジ経由の北廻り線も開設され1960年にはボーイング707を投入しジェット化も行われた[24]。
1960年2月には日本航空と共同運航体制に合意し、アンカレッジ経由の北周り線に用いられるボーイング707には4月より日本航空のロゴをあしらった機体も投入された[24]。
その後は、モスクワ経由のシベリア上空ルートでの乗り入れを経て、極東路線として現在ではパリから羽田、成田、関西の3空港に直行便で乗り入れている。
かつては成田からは、夜21:50前後に出発して、翌早朝にパリに到着する便を「スターウイング」の名で運航していたが、2014年3月の夏期ダイヤより羽田発の深夜出発便が就航したことで、成田発着深夜便は廃止された。ちなみにこの便はパリへの到着時刻を調整するために、ほかの便よりも飛行時間を延長する措置として、成田空港を出発後に、太平洋上空を北上し続けてベーリング海上空に入り、アリューシャン列島と北極の各上空を通過し、ノルウェー海上空を通るルートで航行して、パリにフランス時間の早朝4時台に到着するように設定されていた。
本来であれば、真夜中に成田を離陸することが最適であるが、成田国際空港の離着陸時間が、日本標準時の23時までに厳しく制限されており(それ以外は緊急着陸等でない限りまず認められない)、滑走路上の移動時間やその他の遅延要因を考えて、ぎりぎりの時間に設定していることによる。
日本では一時期「エールフランス国営航空」と名乗っていた時期があった。また、一部では英語読みの「エア・フランス」と呼ばれることもある[25]。なお、関西空港が開港した翌日やサミット時などにコンコルドが数回特別便として乗り入れたことがある。
これら日本便には日本人の客室乗務員が複数名乗務している。かつては、名古屋/小牧線も就航していた。日本航空の国内線にも、エールフランスの便名をつけてコードシェア便の運航をしている。
東京国際空港(羽田)の2010年10月末に、新滑走路開設で配分された国際線発着枠は、深夜早朝限定であったため、効率が悪く機材繰りが難しかったり、公共の交通機関(特に鉄道)が運行しておらず、搭乗客はバスあるいはタクシーの利用を強いられることになるため、就航の意欲を示した欧州勢のブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザドイツ航空は現実的でないとして今回は見送る方針で固めていたが、ブリティッシュ・エアウェイズは2011年2月末から週5便発着枠獲得で羽田就航を表明。エールフランスとルフトハンザは、羽田就航を見送る代わりに成田線にエアバスA380を就航させるが、2011年11月に成田線は2往復ともボーイング777-300ERでの運航となり、捻出されたA380を同年12月5日以降パリ-ドバイ線へ運航させていた[26]。
2012年4月下旬以降は、AF275・AF276を再びA380による運航へ戻した。2014年の国際線昼間発着枠配分でエールフランスを含む欧州各社は、40発着枠増枠(欧州路線最優先枠)での就航を目指し、2014年3月30日からパリ/CDG線を週10便(毎日運航+週3便運航)で就航開始[27][28][29]。
羽田就航前調整便として活用された成田便だが、ロシア迂回以降東京目的地で2空港乗り入れは負担も多く、ニューカレドニアと本国との乗り継ぎ往来需要を担っていたが、2024年のニューカレドニア独立闘争暴動余波により2024年10月26日の運航をもって運休となる[30]。
このうち、東京/羽田 - パリ線の東京深夜発便は、日本航空が座席を買い取るコードシェア便として販売されていたが、2010年10月31日から日本航空が羽田-パリ線自社乗り入れを開始したため、2015年3月にてコードシェアは解消された[31]。
エールフランスにはかつて、「エールフランス・アジー」という系列の会社が存在した。これは、日本航空の傘下である日本アジア航空や、KLMオランダ航空の傘下であるKLMアジアと同種の企業である。台湾へ向かう路線だけは、元のエアライン名を使うことを避けるべきだという風習があった時代があり、1994年にエールフランスアジーが設立された。
労働組合の力は非常に強く、ほぼ毎年ストライキが発生する。特に2013年以降では、頻繁にストライキの予告や実施が行われている。また、2015年10月5日には、経営陣側から提出された人員削減を含む厳しい再建案に対し、一部組合員が反発して暴徒化。役員にけが人が出ている[35]。2017年には経営側の財政健全化策が功を奏して黒字化に持ち込んだものの、給料が凍結されたままの労働者側が反発。2018年2月により散発的にストが行われ、同年4月11日まで計7日間で1億7,000万ユーロの損失を出した[36]。
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