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中国吉林省の省都 ウィキペディアから
長春市(ちょうしゅん-し/チャンチュン-し、中国語: 长春市、拼音: 、英語: Changchun)は、中華人民共和国吉林省に位置する副省級市で同省の省都。総人口約909万人(2022年)。吉林省政府が所在し、省内の政治、経済、文化の中心地となっている。1932年から1945年までは満洲国の首都とされ、新京と呼ばれた。 市内には長春第一自動車製造工場と長春映画製作所が所在し、中国における自動車工業と映画製作の拠点となっている。住民は漢族、満族、朝鮮族、回族、モンゴル族、シベ族など38の民族から構成される。
中華人民共和国 吉林省 長春市 | |
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上から時計回り:吉林省広播テレビ塔付近の鳥瞰、旧満洲国国務院、文化広場の彫像、南湖公園、長春キリスト教会、ソ連軍烈士記念塔 | |
別称:北国春城 | |
旧称:寛城子・新京 | |
吉林省中の長春市の位置 | |
中心座標 北緯43度53分0秒 東経125度19分0秒 | |
簡体字 | 长春 |
繁体字 | 長春 |
拼音 | Chángchūn |
カタカナ転写 | チャンチュン |
朝鮮語 | 창춘 |
国家 | 中華人民共和国 |
省 | 吉林 |
行政級別 | 副省級市 |
建置 | 1800年 |
改制 | 1947年 |
面積 | |
総面積 | 20,571 km² |
人口 | |
総人口(2022) | 908.7 万人 |
経済 | |
GDP(2018) | 7,175.7億元 |
一人あたりGDP | 95,663元 |
電話番号 | 0431 |
郵便番号 | 130000 |
ナンバープレート | 吉A |
行政区画代碼 | 220100 |
公式ウェブサイト: http://www.changchun.gov.cn/ |
市内には、中国最大規模を誇る吉林大学を含む27の国立大学を抱え、中国科学院長春分院、高い研究開発力を有する中国科学院長春光学精密機械研究所、中国科学院長春応用化学研究所、長春人造衛星観測ステーション、東北地理・農業生態研究所、衛生部長春生物製品所など100余の重点科学研究機構も所在する、中国における重要な研究学園都市であり、科学技術人員の比重は中国でもトップクラスである。
また、北東アジア博覧会、長春映画祭、長春ブックフェア、長春国際モーターショー、長春国際農業食品博覧会など開催し、中国でも有数の会議・展示都市でもある。四季の違いが顕著で「北国春城」の異称を有する。
新京時代に満洲国の首都であったことから、市内には当時の建築物が多く残っている。
長春市は吉林省中部、松遼平原に位置する。市の南方の伊通県に源を発する伊通河が市内を貫通して、市の北方で松花江へ流入している。
ケッペンの気候区分では亜寒帯冬季少雨気候 (Dwa) に属し、夏は暑く、冬は非常に寒さが厳しい。1月の平均気温は-14.6℃、7月の平均気温は23.3℃である。
長春市(1986年 - 2015年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 5.6 (42.1) |
14.5 (58.1) |
23.4 (74.1) |
31.9 (89.4) |
35.2 (95.4) |
36.7 (98.1) |
38.0 (100.4) |
35.6 (96.1) |
30.6 (87.1) |
27.8 (82) |
20.7 (69.3) |
11.7 (53.1) |
38.0 (100.4) |
平均最高気温 °C (°F) | −9.5 (14.9) |
−4.1 (24.6) |
4.0 (39.2) |
14.4 (57.9) |
21.7 (71.1) |
26.5 (79.7) |
27.6 (81.7) |
26.8 (80.2) |
22.0 (71.6) |
13.7 (56.7) |
1.9 (35.4) |
−7 (19) |
11.5 (52.7) |
日平均気温 °C (°F) | −14.6 (5.7) |
−9.5 (14.9) |
−1.4 (29.5) |
8.5 (47.3) |
15.9 (60.6) |
21.2 (70.2) |
23.3 (73.9) |
22.2 (72) |
16.2 (61.2) |
8.0 (46.4) |
−2.9 (26.8) |
−11.7 (10.9) |
6.3 (43.3) |
平均最低気温 °C (°F) | −18.9 (−2) |
−14.5 (5.9) |
−6.4 (20.5) |
2.8 (37) |
10.3 (50.5) |
16.3 (61.3) |
19.4 (66.9) |
18.0 (64.4) |
11.0 (51.8) |
2.9 (37.2) |
−7.1 (19.2) |
−15.8 (3.6) |
1.5 (34.7) |
最低気温記録 °C (°F) | −36.5 (−33.7) |
−31.9 (−25.4) |
−28.0 (−18.4) |
−15.9 (3.4) |
−3.1 (26.4) |
4.5 (40.1) |
10.6 (51.1) |
3.9 (39) |
−3.7 (25.3) |
−13.4 (7.9) |
−24.8 (−12.6) |
−33.2 (−27.8) |
−36.5 (−33.7) |
降水量 mm (inch) | 4.3 (0.169) |
6.1 (0.24) |
13.9 (0.547) |
24.4 (0.961) |
54.2 (2.134) |
97.2 (3.827) |
166.1 (6.539) |
120.8 (4.756) |
44.4 (1.748) |
22.2 (0.874) |
15.0 (0.591) |
7.5 (0.295) |
576.1 (22.681) |
平均降水日数 | 5.1 | 4.5 | 5.9 | 6.7 | 10.7 | 13.6 | 14.3 | 11.9 | 7.9 | 6.4 | 6.1 | 6.8 | 99.9 |
% 湿度 | 66 | 58 | 51 | 46 | 50 | 62 | 76 | 76 | 66 | 59 | 62 | 66 | 61.5 |
平均月間日照時間 | 176.9 | 200.2 | 235.6 | 237.7 | 257.4 | 244.6 | 218.9 | 234.6 | 238.0 | 211.1 | 167.0 | 155.4 | 2,577.4 |
出典:中国气象局 国家气象信息中心 2017-01-01 |
夏周代は粛慎(稷慎とも)の居住地であり、漢晋代にかけては扶余の版図に含まれた。南北朝時代以降は高句麗の北辺とされ、唐代に渤海が建国されるとこの地に扶余府が設置された。
遼代になると東京道竜州黄竜府、金代は上京路済州(後に隆州と改称)が設置された。元朝は開元路を設置、明代になると三万衛とし、後に蒙古科爾部の管轄とした。清初は内モンゴル・ゴルロス旗とされたが、この時代までは遊牧地とされており、本格的な農業が進められたのは1791年(乾隆56年)の山東の農民による入植に始まる。
山東の農民人口が増加したことから1800年(嘉慶5年)、清朝により長春庁が設置され、理事通判、巡検各1名が設置され吉林将軍に属し、1889年(光緒15年)には長春府に昇格している。19世紀末、東清鉄道の支線が敷設されたが、日露戦争後のポーツマス条約により日本が長春以南の鉄道支線権を譲り受けて南満洲鉄道株式会社を設立、1906年(光緒22年)には長春駅を新設し、交通の要衝として注目が高まる。 南満洲鉄道は、さらに1907年9月から周辺地域を買受けて鉄道付属地の開拓を進め、後に区画整理して新たな商業並びに住宅地を開発、この近代風建築が並んだ新市街が発展していった。
長春は1931年(民国20年)の満洲事変により関東軍の支配下に置かれた。翌年中華民国は新たに長春市を設置したが、同年に満洲国が建国されると実効支配権を喪失、満洲の首都に定められた長春は新京と改称された。満洲国時代は加藤与之吉ら日本人技師による積極的な都市計画が実施され、現在の市街地が形成されていくこととなった。満洲国時代の新京は、新市街とそれを包囲する形で商埠地が置かれ、新たに執政を行う官公所などの多くの公的機関はこの商埠地に設置され、日本による道路や鉄道等の交通インフラの整備により発展した。
1945年(民国34年)にソ連対日参戦で満洲国が崩壊すると新京は再び長春と改称され、ソ連軍の占領下で進出していた中国共産党が同年11月15日に長春市政府を設立して劉居英が市長となる。国共内戦においては毛沢東・林彪軍による長春包囲戦を受け、長春一般市民の2/3にあたる数十万人が餓死する大惨事となる。その結果として1948年からは人民解放軍の勢力下に置かれ、1949年に中華人民共和国が成立すると、長春は吉林省の省都となり現在に至る。
7市轄区・3県級市・1県を管轄する。
中国東北部の他の都市と同様に、漢民族が大多数(96.57パーセント)を占め、他民族は満洲族2.0、朝鮮族0.69、回族0.61、モンゴル族0.16パーセントとなっている。
長春市の言葉は中国語東北方言で、闖関東民族移動により河北省・山東省の方言の影響を受けてきた。しかし、長春の経済的な発展に伴い、各地から様々な言語の話者が集まってきたため、現在では普通話に近いものになっている[3]。
長春には中国の五大宗教、すなわち仏教、道教、カトリック、プロテスタント、イスラム教が見られる。護国般若寺(中国語)、地蔵寺、長春文廟(中国語)、長春天主教堂、長春キリスト教会、長春大寺[4]など、政府公認の宗教施設が396施設ある。
満洲族の間では、独特なシャーマニズムが守られてきたが、現代ではほとんど残っていないとされる。
長春は中国東北部の主要都市のひとつとして、また吉林省の首都として、あらゆる産業が盛んである。
市内の伊通河流域は肥沃であるため、都市化が進んでいるものの、郊外では農業が盛んである。吉林省ではトウモロコシ、大豆、米が主要作物である。南郊漁場などで淡水魚の養殖も行われている。長春は「東北の三宝」(薬用人参、貂の毛皮、鹿の袋角)の集積地でもある。
自動車産業(第一汽車など)が最大の製造業であり、外国の自動車会社(フォルクスワーゲン、アウディ、トヨタ、マツダなど)との合弁会社による製造も盛んで、自動車の裾野産業の企業も多数ある。飲料産業(百事可楽など)、製薬業(長春和平製薬など)、紡績業(銀竜集団など)、鉄道車両製造(中国北車集団の長春軌道客車)などもある。
特別産業区には、以下の5区があり、共に国内外の企業を誘致している。
交通関連産業、流通業、商業も盛んである。市内南西地区にある長春欧亜売場 (Eurasia Shopping Mall) はアジア最大のショッピングセンターである。満洲国時代からある映画産業(長春映画製作所)は有名で、そのテーマパーク(長春電影城や長影世紀城など)もある。
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