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スロベニアのプロバスケットボール選手 (1999-) ウィキペディアから
ルカ・ドンチッチ(Luka Dončić, [ˈdɒntʃɪtʃ]; 言語発音: [ˈlùːka ˈdòːntʃitʃ]; 1999年2月28日 - )は、スロベニア・リュブリャナ出身のプロバスケットボール選手。NBAのダラス・マーベリックスに所属している。ポジションはガード、スモールフォワード。ニックネームは「Matador」「The Wonder Boy」「Luka magic」
ダラス・マーベリックスでのドンチッチ (2021年) | ||||||||||||
ダラス・マーベリックス No.77 | ||||||||||||
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ポジション | PG / SG | |||||||||||
所属リーグ | NBA | |||||||||||
基本情報 | ||||||||||||
スロベニア語 | Luka Dončić | |||||||||||
国籍 | スロベニア | |||||||||||
生年月日 | 1999年2月28日(25歳) | |||||||||||
出身地 | リュブリャナ | |||||||||||
身長 | 201cm (6 ft 7 in) | |||||||||||
体重 | 104kg (229 lb) | |||||||||||
キャリア情報 | ||||||||||||
NBAドラフト | 2018年 / 1巡目 / 全体3位 | |||||||||||
アトランタ・ホークスから指名 | ||||||||||||
プロ選手期間 | 2015年–現在 | |||||||||||
経歴 | ||||||||||||
2015–2018 | レアル・マドリード | |||||||||||
2018– | ダラス・マーベリックス | |||||||||||
受賞歴 | ||||||||||||
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Stats Basketball-Reference.com | ||||||||||||
代表歴 | ||||||||||||
キャップ | スロベニア | |||||||||||
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スロベニアのリュブリャナでバスケットボールのコーチであり、スロベニアリーグとユーロリーグでプレイした経験を持つセルビア人の父親サシャと、ダンサー、ハードル選手、モデルとして活動し、リュブリャナで美容室を経営するスロベニア人の母親ミリャムの元に生まれた[1][2]ドンチッチの両親は2008年に離婚を申請し、親権は母親に与えられた。[3]。
ドンチッチの家族によると、生後7カ月のときにバスケットボールに触れ、1歳の頃にはおもちゃのゴールでよく遊んでいた[4]。ドンチッチはバスケットボール以外にもサッカーなど様々なスポーツをプレイしていたが、バスケットボールに専念した[5]。7歳のときにリュブリャナの小学校でバスケットボールを始め、自分より背が高く身体能力の高い年上の子供たちと一緒にプレイし、10代前半の頃にはバスケットボールで有名な少年となった[6][7]。
ドンチッチの父親は彼が8歳のときにスロベニアのクラブであるユニオン・オリンピアでプレイしており、チームのコーチがユースチームへと招待した。ドンチッチは8歳でありながらU-11でプレイし、11歳のときにはU-14でプレイさせようとした。リーグ規定により試合には出場出来なかったが練習ではU-14の選手に混じって練習した[8]。
ドンチッチは2011年9月にブダペストで開催されたU-14の大会でオリンピアの選手として出場し、準決勝でFCバルセロナに敗れたにもかかわらず、大会MVPを獲得した[9]。2012年2月にはU-14のスペインの大会に出場するため、レアル・マドリード・バロンセストにレンタル移籍のような形で移籍し、チーム最年少ながら平均13.0得点、4.0リバウンド、2.8アシスト、3.3スティールを記録し、トーナメントではまたもやMVPを獲得した[10][11]。その年の4月にはローマで行われたU-13のトーナメントでは、準決勝で29得点、15リバウンドを記録し、決勝では54得点、11リバウンド、10アシストを記録し、この大会でもMVPを獲得した[12]。
2012年9月、13歳となったドンチッチはレアル・マドリードと5年契約を結び、U-16のチームへ参加した[13]。スペイン語と慣れない環境に適応しながら、2013年2月にはスペイン国内の大会の決勝戦で25得点、16リバウンド、5スティールを記録し、平均24.5得点を記録し、MVPを獲得した[14]。また、3月にはU-16のスペイン選手権でもMVPを獲得した[15]。
2014-15シーズンでは、主にレアル・マドリードのU-18のチームと、Bチームでプレイした。2015年1月に行われたU-18のトーナメントで、16歳だったにもかかわらずそのトーナメントのファーストチームに選出された[16]。5月にはU-18のネクスト・ジェネレーショントーナメントで優勝し、MVPに選出された[17]。
2015-16シーズンにドンチッチはトップチームに昇格した。[18]。16歳2ヶ月2日でのプロデビューは、リッキー・ルビオ、アンヘル・レボロに次いでリーグ史上3番目に若いデビューとなった[19]。
正式にトップチームのメンバー入りとなり、2015年10月8日に行われたNBAのプレシーズンマッチで、ボストン・セルティックスと対戦し、4リバウンド、1アシスト、1ブロックを記録した[20]。10月16日にはユーロリーグにもデビューし、17歳未満でユーロリーグに出場した21番目の選手となった[21]。
2016-17シーズンでは2016年12月4日に行われたバロンセスト・フエンラブラダとの試合で23得点、11アシストを記録し、初めてのダブルダブルを92-76の勝利で飾ったり、この週に初めて週間最優秀選手も獲得した[22][23]。最終的にチームをユーロリーグベスト4に導き、満場一致でユーロリーグのライジングスター賞、リーガACBのベストヤングプレイヤー賞を受賞した[24][25]。
2017-18シーズンはチームのスター選手であるセルヒオ・リュルが2017年に前十字靭帯の怪我により出遅れ、ドンチッチに多くのボールが回ってくるようになった[26]。2018年5月9日、ACB史上7人目(最年少)のトリプル・ダブルを達成した[27]。このシーズンでユーロリーグで活躍し、優勝し、彼はユーロリーグの最年少MVPに輝いた[28]。
ヨーロッパで輝かしい実績を残し、2018年のNBAドラフトへエントリーした。ドラフトではアトランタ・ホークスに全体3位で指名された後に、トレイ・ヤングと将来の1巡目指名権とのトレードで、ダラス・マーベリックスに交渉権が移動した[29]。マーベリックスのリック・カーライルHCは、マーベリックスで長く活躍しているダーク・ノヴィツキーがNBAにすぐには順応出来なかった問題を挙げて、辛抱強く待つ必要があるとしながらも「ルカは特別な才能の持ち主だ。我々にとって特別な選手になってくれる。彼がユース時代、代表チーム、スペインで残した実績を見れば、非常に稀で、特別ということがわかるだろう」とコメントし、期待の高さを伺わせた[30]。
NBAでの1年目となる2018-19シーズン、レアル・マドリードとのバイアウト交渉、ヨーロッパでの疲れなどの問題からサマーリーグは出場しなかったが、9月29日のプレシーズンマッチの北京ダックス戦でマーベリックスデビューを果たし、16得点、6リバウンド、3ブロックを記録した[31][32]。10月17日にフェニックス・サンズとの試合で121-100で敗れはしたが、10得点、8リバウンド、4アシストを記録し、NBAレギュラーシーズンデビューを果たした[33]。10月20日にはミネソタ・ティンバーウルブズとの試合で140-136で勝利し、26得点、6リバウンドを記録した試合でフランチャイズ最年少で20得点を記録した選手となった[34]。2019年1月21日のミルウォーキー・バックス戦で史上2番目の若さ(2人目の10代)でトリプル・ダブルを達成(最年少記録のマーケル・フルツとは10日違い)[35]。2月2日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で2000年以降6人目となる10代で通算1000得点に到達[36]し、2月10日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦では10代で史上初の1100得点を超え[37]、20歳の誕生日前までに記録を1194得点まで伸ばした[38]。2019年のNBAオールスターゲームの投票では西カンファレンス・フロントコート部門でファン投票2位だったが、選手間・メディア投票の結果が悪く、総合5位で落選した[39]。
2019-20シーズン、チームにクリスタプス・ポルジンギスとセス・カリーを招き入れシーズンをスタートした。チームは開幕から絶好調であり、ドンチッチは10月と11月に30.8得点、9.9リバウンド、9.6アシストを記録しウエスタンカンファレンスの月間MVPに選出されている。
2020年9月16日、NBA2年目にして、オールNBAファーストチームに選出した。2年目でのファーストチーム選出はティム・ダンカン以来である[40]。また、MVP投票ではトップ5入りした史上2番目に若い選手となった[41][42]。
2021年2月6日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦で当時キャリアハイの42得点、11アシスト、7リバウンドを記録し、チームは134-132で勝利した[43]。同月12日のニューオーリンズ・ペリカンズ戦では、キャリアハイの46得点、12アシスト、8リバウンド、1ブロック、1スティールを記録し、チームは143-130で勝利した[44][45]。同年5月1日のワシントン・ウィザーズ戦でキャリアハイの20アシストを含む31得点、12リバウンドを記録した[46]。また、30得点・20アシスト以上でのトリプル・ダブル達成は、オスカー・ロバートソン、マジック・ジョンソン、ラッセル・ウェストブルックに次ぐ、NBA史上4人目の選手となった[47]。5月7日、通算で5000得点に達し、22歳68日での達成は、レブロン・ジェームズ、ケビン・デュラント、カーメロ・アンソニーに次ぐ史上4番目の若さで到達となった[48]。5月22日、プレーオフ1回戦のロサンゼルス・クリッパーズとの第1戦目で、31得点、10リバウンド、11アシストを記録し、113-103で勝利した[49]。5月28日の第3戦目では、プレーオフキャリアハイの44得点を記録したが、マーベリックスは118-108の敗北した[50]。6月6日の第7戦目、プレーオフキャリアハイの46得点、14アシストを記録したが、マーベリックスは111-126で敗北し、2年連続1回戦で敗退となった[51][52]。6月15日、2年連続オールNBAファーストチームに選出された[53]。
2021年7月14日、ビデオゲームシリーズであるNBA 2Kの新作NBA 2K22のカバーアスリートになることが発表された[54]。2021年8月9日に史上初めてのスーパーマックスルーキー契約となる5年総額2億700万ドル(約228億3000万円)でダラス・マーベリックスと契約を延長した[55]。2022年2月10日のロサンゼルス・クリッパーズとの試合で、7本の3ポイント成功を含むキャリアハイの51得点、9リバウンド、6アシストを記録し、112-105で勝利した[56]。2連戦となった2月13日には、45得点、15リバウンド、8アシストを記録したが、99-97で敗北した。この2試合で合計96得点を記録し、1967年12月のフィラデルフィア対シアトル戦でウィルト・チェンバレンが記録した100得点以来、同じ相手との2試合での最多得点となった[57]。3月3日、自身2度目のウェスタン・カンファレンス月間最優秀選手に選ばれた。マーベリックスの選手が月間最優秀選手に複数回選出されるのは、ダーク・ノヴィツキーに次いで2人目である[58][59]。マーベリックスはレギュラーシーズンを52勝30敗で終え、プレーオフではカンファレンスセミファイナルで優勝候補であったフェニックス・サンズをシリーズ4勝3敗で打ち負かし、カンファレンス・ファイナルまで進出した。カンファレンス・ファイナルではゴールデンステート・ウォリアーズと対戦したが、ステフィン・カリーなどの選手を抑えることができず、シリーズ1勝4敗で敗退となった。5月24日、自身3回目のオールNBAファーストチームに選出され、ティム・ダンカン以来となるデビュー4年以内に3回目の1stチーム選出となった[60]。
12月27日、ニューヨーク・ニックスとの対戦でキャリアハイを更新する60得点を記録、マブスの選手としては、これまでダーク・ノビツキーが持っていた球団最多記録となる53得点を上回り、新球団最多得点記録となった[61]。
2023年12月7日のユタ・ジャズ戦でレギュラーシーズンでの通算60回目となるトリプル・ダブルを前半のみで達成し、前半のみでトリプル・ダブルを記録した史上初の選手となった[62]。2023年12月25日のクリスマスゲームとして行われたフェニックス・サンズ戦で、NBAのレギュラーシーズンにおいての通算10000得点を達成するなど、クリスマスゲームでの得点としては歴代3位に並ぶ50得点を記録した[63]。
2024年1月26日のアトランタ・ホークス戦でこれまでのキャリアハイである60得点を更新する73得点を記録した[64]。3月9日のデトロイト・ピストンズ戦で39得点、10リバウンド、10アシストのトリプル・ダブルを記録し、6試合連続で30得点以上トリプル・ダブルを記録したNBA史上初の選手となった[65]。レギュラーシーズンでは70試合に出場し、平均33.9得点を記録。リーグトップの平均34.7得点を記録したジョエル・エンビードが僅か39試合出場で規定未到達となり、繰り上がりという形ではあるが自身初の得点王となった。プレーオフに入ると数か所に怪我を抱えることとなったが[66]、それでもファイナルに進出し、ボストン・セルティックスとのファイナルでは5試合で1試合平均29.2得点、8.8リバウンド、5.6アシストの成績を残したが、1勝4敗で敗れて優勝を逃した[67]。
ドンチッチはPG、SG、SFでプレイすることの出来るポジションレスな選手であり、ガードとしては201cm、104kgと大柄な選手となる[68][69]。また、スモールボールが全盛の現在のNBAではPFのポジションまで入ることが可能と言われている[70]。
3ポイントシュート、ミドルシュートや、ポスト付近でのフローターシュートなど、様々なシュートを決められるスキルを持っている[71]。バスケットボールIQも高く、味方とのピックプレイからも様々なオフェンスのバリエーションを持つ[72]。NBAとユーロリーグでコーチの経験のあるエットレ・メッシーナは、彼の年齢にしては精神面で特に驚異的とコメントしている。ただし、ウィングプレイヤーとしてはクイックネスの欠如が課題とされており、今後の成長が期待される[73]。
バスケットボールのジャーナリストでありスカウトであるオースティン・グリーンはポール・ピアースとジョー・ジョンソンと比較しているが、解説者のフラン・フラチラはゴードン・ヘイワードのスキルとマヌ・ジノビリの精神を持った選手としている。また、ヨーロッパで実績を残し、国際大会でも活躍している選手との比較ではデヤン・ボディロガ、ドラジェン・ペトロヴィッチ、トニー・クーコッチと比較される。ユーゴスラビアとセルビアで代表監督に就いていたイボコビッチによると、ペトロヴィッチやクーコッチよりも成熟した選手であると述べている。本人はスキルの多様性で似るベン・シモンズと自分を比較している。
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
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2018–19 | DAL | 72 | 72 | 32.2 | .427 | .327 | .713 | 7.8 | 6.0 | 1.1 | .3 | 21.2 |
2019–20 | 61 | 61 | 33.6 | .463 | .316 | .758 | 9.4 | 8.8 | 1.0 | .2 | 28.8 | |
2020–21 | 66 | 66 | 34.3 | .479 | .350 | .730 | 8.6 | 8.0 | 1.0 | .5 | 27.7 | |
2021–22 | 65 | 65 | 35.4 | .457 | .353 | .744 | 9.1 | 8.7 | 1.2 | .6 | 28.4 | |
2022–23 | 66 | 66 | 36.2 | .496 | .342 | .740 | 8.6 | 8.0 | 1.4 | .5 | 32.4 | |
2023–24 | 70 | 70 | 37.5 | .487 | .382 | .786 | 9.2 | 9.8 | 1.4 | .5 | 33.9* | |
通算 | 400 | 400 | 34.9 | .470 | .347 | .747 | 8.7 | 8.3 | 1.2 | .5 | 28.7 | |
オールスター | 5 | 4 | 23.1 | .412 | .292 | --- | 2.6 | 5.4 | .2 | .0 | 7.0 |
ユーロリーグチャンピオン | |
リーグリーダー |
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG | PIR |
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2015-16 | レアル・マドリード | 12 | 0 | 11.1 | .407 | .313 | .882 | 2.3 | 2.0 | .2 | .3 | 3.5 | 6.2 |
2016-17 | 35 | 15 | 19.9 | .433 | .371 | .844 | 4.5 | 4.2 | .9 | .2 | 7.8 | 13.3 | |
2017-18 | 33 | 17 | 25.9 | .451 | .329 | .816 | 4.8 | 4.3 | 1.1 | .3 | 16.0 | 21.5 | |
通算 | 80 | 32 | 21.0 | .443 | .344 | .828 | 4.3 | 3.9 | .9 | .3 | 10.6 | 15.6 |
リーガACBチャンピオン |
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG | PIR |
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2014–15 | レアル・マドリード | 5 | 0 | 4.8 | .427 | .333 | .750 | 1.2 | .0 | .0 | .0 | 1.6 | 1.8 |
2015–16 | 39 | 0 | 12.9 | .526 | .392 | .708 | 2.6 | 1.7 | .4 | .3 | 4.5 | 5.9 | |
2016–17 | 42 | 11 | 19.8 | .441 | .295 | .785 | 4.4 | 3.0 | .6 | .3 | 7.5 | 11.9 | |
2017–18 | 37 | 21 | 24.3 | .462 | .293 | .752 | 5.7 | 4.7 | 1.1 | .4 | 12.5 | 18.4 | |
通算 | 123 | 32 | 18.3 | .463 | .310 | .754 | 4.1 | 3.0 | .7 | .3 | 7.8 | 11.6 |
ドンチッチは、スロベニア語、セルビア語、英語、スペイン語の4カ国語を話すことができる[75]。スペイン語に関してはマドリードに所属してから学んでいる[76]。
2017年にはマドリード在籍中にナイキと2年間の契約を結んだ[77]。その後、2019年12月にエア・ジョーダンと複数年の契約を結んだことが発表された[78][79]。
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