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『モーレツ宇宙海賊』(モーレツパイレーツ)は、笹本祐一によるライトノベル『ミニスカ宇宙海賊』を原作としたテレビアニメ。MBS、tvk他にて2012年1月から6月まで放送された。全26話。ナレーションは小山力也。映画化も発表され、2014年2月に『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』のタイトルで劇場版が公開された。
ミニスカートの船長服をまとった女子高校生が、免許を受けた「合法的な」宇宙海賊の船長として活躍する物語。
海明星(うみのあけほし)に住む高校1年生の加藤茉莉香(まりか)は、ある日、死んだと思っていた父親・ゴンザエモン加藤芳郎が実はつい最近まで生きており、宇宙海賊船・弁天丸の船長だったと知らされる。さらに、弁天丸が海賊として活動を続けるうえで欠かせない私掠船(しりゃくせん)免状の継承のためには、直系の継嗣である茉莉香が船長になるのが条件と告げられた。茉莉香は女子高生兼宇宙海賊船船長としての生活を送ることになる。
制服は白を基調としたブレザーに、青のミニスカート。なおヨット部員は学年ごとに色が違うヨットパーカーを着用している。
原作では一部を除いて名前すら設定されていなかったが、アニメ版では名前や容姿などを詳細に設定されている(ただし、人数は減らされている)。またアニメ放映後に刊行された原作で、アニメ版のキャラクターが新たに紹介されている。
学年は物語開始時基準。第13話で2年に進級した。
弁天丸の乗組員達が事情で船を離れて仕事を行えなくなり、茉莉香がピンチに陥った際にはセレニティ姉妹(前述)を含めたリン部長以下のヨット部の部員達が乗員の代わりに弁天丸へ乗り込み、「白凰海賊団」として仕事を行った。
また、第26話では卒業生やセレニティ姉妹と共にオデット二世で加勢に駆けつけるが、間に合わなかった。
第13話(原作では第2巻)でジェニーと一緒に卒業した。
リンらと同学年組。
茉莉香らと同学年組。
第13話(原作第2巻)で卒業した3年生と入れ替わりに入学し、ヨット部に入部した。
監督の佐藤によれば、2008年末にキングレコードのプロデューサー・大月俊倫と偶然出くわした際に本作の話を持ち掛けられ、翌年夏になって正式に企画が動き出したという[5]。
アニメ化に際してタイトルが原作の『ミニスカ宇宙海賊』から『モーレツ宇宙海賊』に変更されている。原作者の笹本によれば、当初は原題の「ミニスカ〜」にするつもりだったがクレームがつけられたために変更したという[6]。また、「モーレツ〜」というタイトルを提案したのも笹本自身であり、より酷いものを出せば「ミニスカ〜」に再変更されると踏んでのことだったが、自身の思惑に反して「モーレツ〜」の案が通ってしまう形となった[7]。
原作の第1巻に相当する主人公が宇宙海賊となることを自ら選択するまでの過程は、第1話から第5話までを費やす形で描かれた。その丁寧で緩やかな構成ゆえに、番組の紹介記事の多くには「まるで1990年代後半のテレビ東京夕方6時台アニメ」と言ったような見出しが躍った。佐藤によれば、これは後に他の登場人物を牽引していくことになる主人公の決断を、周囲に流されるのではなく、説得力のある形で描くという意図があったという[5]。
次回予告に続くエンドカードでは、当該エピソードで出てきた台詞から佐藤が選んで揮毫したキーワードや一言が表示される[注 6]。佐藤いわく、本作と自身が総監督を務める『輪廻のラグランジェ』では実験的な試みの意図も込め、恋愛要素は一切排除されているとのこと[8][注 7]。
原作の第3巻がまだあらすじしかできていない時期にアニメ化の企画が動き始めたため、第1話から第18話までは原作の第1巻から第3巻までに準拠した内容となっており、第19話以降は時系列的に現時点ではアニメオリジナルエピソードとなっている(原作10巻巻末時点で、まだ2年目の6月末)。また、当初は2011年後半に放送が予定されていたものが2012年にずれこんだ。そういった時間的余裕もあり、第1話の放送前に全26話の制作を完了した[注 8]。制作に余裕を持てた状況も、前述のような異色の展開や実験に寄与している。原作のスペースオペラ的側面はやや薄められており、異星人的な種族などは登場しない[注 9]。ただし最古参の海賊が存命しているなど、原作の要素は残っていたり、アニメ版からの逆輸入設定も有る。
ニュータイプアニメアワード2012では、メカデザイン賞で第1位、女性キャラクター賞で加藤茉莉香が5位、作品賞(TV部門)で6位をそれぞれ獲得[9]。第44回星雲賞メディア部門受賞[10]。
Blu-ray(初回限定版)の初週売上および順位は以下の通り。
# | 初週売上 | 順位 | 出典 |
---|---|---|---|
1 | 3,734 | 2 | [11] |
2 | 5,343 | 2 | |
3 | 6,352 | 1 | |
4 | 6,516 | 3 | |
5 | 6,826 | 3 | |
6 | 6,534 | 1 | |
7 | 6,773 | 5 |
各話のサブタイトルは、エンディング開始時に表示される。第26話のみエンディング後に表示された。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
SAILING 1 | 海賊、罷り通る | 佐藤竜雄 | 佐藤竜雄 | 筑紫大介 | 竹内浩志 |
SAILING 2 | 私の力、海賊の力 | 水本葉月 | 倉田綾子 | ||
SAILING 3 | オデット二世、出航! | 下田正美 | 佐々木奈々子 | 杉村友和 寺尾憲治 | |
SAILING 4 | 決戦は深夜 | 大脊戸聡 | 山下英美 | ||
SAILING 5 | 茉莉香、決意する | 西村聡 | 近藤一英 | 大河内忍 | |
SAILING 6 | 茉莉香、初仕事する | 佐山聖子 | 福島利規 | 福島豊明 伊佐英朗 興石暁 | |
SAILING 7 | 平穏ままならず | 島津裕行 | 室谷靖 | 小谷杏子 吉川真帆 | |
SAILING 8 | 姫と海賊 | もりたけし | 筑紫大介 | 今西亨 | |
SAILING 9 | 華麗なる船出 | 小野勝巳 | 水本葉月 | いとうまりこ | |
SAILING 10 | 嵐の砲撃戦 | 佐山聖子 | 大野和寿 | 高乗陽子 山村俊了 | |
SAILING 11 | 閃光の彷徨者(ワンダラー) | 伊藤達文 | いとうまりこ | ||
SAILING 12 | 永遠(とわ)よりの帰還 | 西村聡 | 室谷靖 | 山下英美 塩川貴史 | |
SAILING 13 | 茉莉香、招待する | 下田正美 | 大脊戸聡 | 大河内忍 寺尾憲治 | |
SAILING 14 | 茉莉香、募集する | 伊藤美智子 | 島津裕行 | 大野和寿 | 中野彰子 |
SAILING 15 | 密航出航大跳躍 | 倉田綾子 | いとうまりこ | ||
SAILING 16 | 初仕事!白凰海賊団 | 筑紫大介 | 小谷杏子 | ||
SAILING 17 | 意外なる依頼人 | 室谷靖 | 泉保良輔 | ||
SAILING 18 | 打ち上げはジュース | 大脊戸聡 | 今西亨 | ||
SAILING 19 | 四人の絆 | 水野健太郎 | 佐々木奈々子 | 羽多野浩平 | 安藤正浩 |
SAILING 20 | 茉莉香(せんちょう)、波に乗る | 宮崎真一 | 安田賢司 | 近藤一英 | 塩川貴史 いとうまりこ |
SAILING 21 | 決戦!ネビュラカップ | 西村聡 | 筑紫大介 | 大河原晴男 山下英美 | |
SAILING 22 | 海賊狩り | 佐藤竜雄 | 室谷靖 | 泉保良輔 | |
SAILING 23 | 目指せ!海賊の巣 | 水本葉月 | 大河内忍 舘崎大 | ||
SAILING 24 | 傷だらけの弁天 | 下田正美 | 羽多野浩平 | 松下純子 福世孝明 | |
SAILING 25 | 開催!海賊会議 | 佐藤竜雄 | 大野和寿 | 小谷杏子 今西亨 | |
SAILING 26 | そして、海賊は行く | 倉田綾子 | 竹内浩志 |
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
神奈川県 | tvk | 2012年1月7日 - 6月30日 | 土曜 24:30 - 25:00 | 独立局 | |
東京都 | TOKYO MX | 土曜 25:00 - 25:30 | |||
近畿広域圏 | 毎日放送 | 2012年1月7日 - 7月7日 | 土曜 27:28 - 27:58 | TBS系列 | アニメシャワー第4部[注 10] |
千葉県 | チバテレビ | 2012年1月8日 - 7月1日 | 日曜 23:30 - 24:00 | 独立局 | |
埼玉県 | テレ玉 | 2012年1月8日 - 4月1日 2012年4月8日 - 7月1日 | 日曜 25:35 - 26:05 日曜 25:30 - 26:00 | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 2012年1月9日 - 7月2日 | 月曜 26:00 - 26:30 | テレビ東京系列 | |
日本全域 | BS11 | 2012年1月13日 - 7月6日 | 金曜 23:30 - 24:00 | 独立系BS放送 | ANIME+枠 |
AT-X | 2012年1月14日 - 7月7日 | 土曜 23:30 - 24:00 | CS放送 | リピート放送あり | |
ニコニコチャンネル | 土曜 23:00 更新 | ネット配信 | 最新話1週間無料 | ||
バンダイチャンネル | 土曜 24:00 更新 | ||||
ShowTime | 2012年1月16日 - 7月9日 | 月曜 12:00 更新 | |||
アニメワン | |||||
GYAO! | 2012年2月11日 - 7月7日 | 月曜 24:00 更新 | 最新話1週間無料[注 11] |
2012年5月9日発売のBlu-ray第3巻初回限定版は発売初週6352枚を売り上げオリコンBDランキング総合首位を獲得している[12]。
# | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | |
---|---|---|---|---|
初回限定版 | 通常版 | |||
1 | 2012年3月7日 | 第1 - 2話 | KIXA-90165 | KIXA-165 |
2 | 2012年4月11日 | 第3 - 6話 | KIXA-90166 | KIXA-166 |
3 | 2012年5月9日 | 第7 - 10話 | KIXA-90167 | KIXA-167 |
4 | 2012年6月6日 | 第11 - 14話 | KIXA-90168 | KIXA-168 |
5 | 2012年7月11日 | 第15 - 18話 | KIXA-90169 | KIXA-169 |
6 | 2012年8月8日 | 第19 - 22話 | KIXA-90170 | KIXA-170 |
7 | 2012年9月5日 | 第23 - 26話 | KIXA-90171 | KIXA-171 |
# | 発売日 | 収録話 | 規格品番 |
---|---|---|---|
1 | 2012年3月7日 | 第1 - 2話 | KIBA-1929 |
2 | 2012年3月28日 | 第3 - 4話 | KIBA-1930 |
3 | 2012年4月11日 | 第5 - 6話 | KIBA-1931 |
4 | 2012年4月25日 | 第7 - 8話 | KIBA-1932 |
5 | 2012年5月9日 | 第9 - 10話 | KIBA-1933 |
6 | 2012年5月23日 | 第11 - 12話 | KIBA-1934 |
7 | 2012年6月6日 | 第13 - 14話 | KIBA-1935 |
8 | 2012年6月27日 | 第15 - 16話 | KIBA-1936 |
9 | 2012年7月11日 | 第17 - 18話 | KIBA-1937 |
10 | 2012年7月25日 | 第19 - 20話 | KIBA-1938 |
11 | 2012年8月8日 | 第21 - 22話 | KIBA-1939 |
12 | 2012年8月22日 | 第23 - 24話 | KIBA-1940 |
13 | 2012年9月5日 | 第25 - 26話 | KIBA-1941 |
モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵- | |
---|---|
監督 | 佐藤竜雄 |
脚本 | 佐藤竜雄 |
原作 | 朝日ノベルズ刊「ミニスカ宇宙海賊」 |
出演者 |
小松未可子 下田麻美 |
音楽 | Elements Garden |
主題歌 |
ももいろクローバーZ 「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」 |
撮影 | 岩崎敦 |
編集 | 坪根健太郎 |
制作会社 | サテライト |
製作会社 | 劇場版モーレツ宇宙海賊製作委員会 |
配給 |
キングレコード ティ・ジョイ |
公開 | 2014年2月22日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
テレビアニメ版最終話の放送終了後、監督の佐藤竜雄による「劇場で逢いましょう」という文字が書かれたエンドカードや公式Twitterにて劇場版の製作が発表された。その後、2014年2月22日に『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』(モーレツパイレーツ アビス・オブ・ハイパースペース あくうのしんえん)のタイトルで公開となった。
公開に先駆け、2013年3月には一部スタッフが公表された[15]。大半がテレビアニメ版から続投しているが、アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督は堀内修へ交代している。
公開前日の2014年2月21日には、公開記念プロモーション「『モーレツ乗っ取り計画』プレス発表会」が開催され、千葉県船橋市非公認ゆるキャラのふなっしーがPR大使に就任して登壇した[16]。また、同日22:00にはニコニコ動画にて冒頭約6分間の本編や小松未可子と下田麻美によるメッセージ映像が、6時間限定で公開された[17]。
公開初日の2014年2月22日には、新宿バルト9で初日舞台挨拶が開催され、主題歌歌手の中川翔子のほか、声優の小松未可子、金元寿子、松風雅也、原作者の笹本祐一、監督の佐藤が登壇した[18]。
『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』のちび丸によるコミカライズが、『月刊コミックアライブ』(KADOKAWA)にて2014年2月号[19]から11月号まで連載された。
ソーシャルゲーム化されており、2012年夏頃からフィーチャーフォン版の「GREE」[22]と「Mobage」[23]より、ニジボックスが提供している。9月にはスマートフォン版の配信も開始された[24]。また、10月よりフィーチャーフォン版の「mixi」でもリリースされている[25]。内容はテレビアニメに沿った内容であり、海明星で学園生活を送りながら、仲間となるカードの収集・育成を行って海賊船団を強化しつつ、「私掠免状」を獲得したら、定期的に開催されるイベント「海賊の時間」で海賊行為を行なって襲撃数を稼いでいく。襲撃数でランキングを取っており、上位に入ると様々なアイテムがプレゼントされる。
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