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トヨタ自動車のトールワゴン型乗用車 ウィキペディアから
ファンカーゴ(初代ヴィッツ派生)の後継車種として、2代目および3代目ヴィッツをベースに開発・販売されていた。既存のヤリス(日本名・ヴィッツ)同様、かつてのトヨタにおける世界戦略車でもあった。
トヨタ・ラクティス(初代) SCP10#/NCP10#型 | |
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前期型(2005年10月 - 2007年12月) | |
後期型(2007年12月 - 2010年11月) | |
概要 | |
販売期間 | 2005年10月3日 - 2010年11月20日 |
設計統括 | 多田哲哉 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドア トールワゴン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | トヨタ・Bプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
2SZ-FE型 1,296cc 直列4気筒DOHC 1NZ-FE型 1,496cc 直列4気筒DOHC |
変速機 |
CVT(Super CVT-i、FFのみ) 4速AT(Super ECT、4WDのみ) |
前 |
前:ストラット式 後:トーションビーム式 (四輪駆動はド・ディオン/トーションビーム式) |
後 |
前:ストラット式 後:トーションビーム式 (四輪駆動はド・ディオン/トーションビーム式) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,550mm |
全長 | 3,955mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,640 - 1,660mm |
車両重量 | 1,120 - 1,200kg |
その他 | |
開発主査 | 多田哲哉 |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 29万3008台[1] |
系譜 | |
先代 | トヨタ・ファンカーゴ |
開発主査は後に2代目ウィッシュ、初代86、5代目スープラを手掛けた多田哲哉である[2]。
「思い通りのレスポンス、カッコイイスタイル、かつてない開放感、広大なスペース、低燃費低排出、軽快な走り」を追求した「高速大容量スタイリング」をコンセプトに開発された。1.3 - 1.5Lと小排気量のエンジンを積みながらも広い居住空間を追求しているため、居住性がよく、かつ経済走行性に優れる(1.5L・FF車〈1NZ-FE搭載車〉は18.6km/L〈10・15モード〉)一方、車両本体価格が最大160万円程度と比較的低価格に関わらず高速走行時に効果を発揮するクルーズモードを搭載する(1NZ-FE搭載車のみ)など、街乗用にも長距離走行用にも適用できる仕様となっている。
1.5Lの1NZ-FEエンジンは型式こそ同じであるが、駆動方式により若干構造が異なり、FFでは1.3Lの2SZ-FE同様、ローラーロッカーアームが採用されるが、4WDには非採用(直打式)となる。よって、エンジンヘッドカバーも各々で異なり、互換性は全くない。
2代目ヴィッツのプラットフォームをベース[注釈 1]とするため、前部衝撃吸収構造に優れる。基本的に前部からの衝撃はバンパリインフォースメント、左右サイドメンバ、並びに従来はただの保持部材であったラジエーターサポートをユニット化して強度部材とし、それぞれに衝撃吸収構造を設けて極力エネルギーを吸収する構造になっている。それでも吸収しきれないエネルギーは左右Aピラーを通してルーフ部に逃がすか、サイドメンバからフロントトルクボックスを通じて床下のフロアメンバに逃がすようになっている。また、万が一衝突でエンジンが後退してもフロントパネルの前部に設けられたリインフォースメント(強度部材)が受け止め、そのエネルギーを両サイドのフロントトルクボックスに逃がす構造となっており、衝突時の生存空間を極限まで残すようになっている。更に、ラジエーターサポートをボルト止めとして交換を容易にしていることも特徴である。後方からの衝突、側面からの衝突に対しても、パネルに強度を持たせるのではなくリアサイドメンバやセンターピラーなど強度部材によって衝撃吸収を行う構造となっているため、損傷波及がしにくく生存空間を極力残すようになっている。
インテリアについては、駆動方式によってリヤシートのアレンジが大きく異なり、FFでは片手で楽に収納できる「ダイブインシート」を採用し、簡単に広大なスペースを造り出すことが可能。4WDの場合はプロペラシャフトの追加に伴って床高が上がるためにダイブインシートは装着できず、代わりにダブルフォールディング式を採用することでFFに迫る空間を生み出している。
そのほか、コンパクトカーには珍しく大径16インチタイヤ(175/60R16 81H)、ゲート付きシフトレバー、本革巻きステアリング+シフトノブ、クルーズコントロール、テレスコピックステアリングを装備する。また、トヨタ初の装備としてはCVT専用パドルシフト[注釈 2]、サイドターンランプ付きドアミラー、新開発の装備としてヴィッツの4倍細かい制御の電動パワステ、アクティブCVTシステム(7速モード付)が挙げられる。その他、低いハンドルの上に望むバノラマビューメーター(オプティトロンメーター)がある。
開発主査の多田によると、開発期間は僅か9カ月半であり[注釈 3]、これは2023年現在でもトヨタ車では最短記録である。
欧州などでも販売された先代のファンカーゴとは異なり、発売当初は日本国内専用車であったが、後期型となった2009年10月より中華圏特別行政区の香港およびマカオでも販売された。またロシアや東南アジア各国・東アフリカ各国・ニュージーランド等、日本の中古車輸入が活発な国に多数輸出された。
先代(ファンカーゴ)との大きな変更点は、以下のことが挙げられる。
トヨタ・ラクティス(2代目) NSP120/NCP12#/NLP121型 | |
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後期型 1.5S フロント | |
後期型 1.5S リヤ | |
概要 | |
別名 |
スバル・トレジア 欧州 : トヨタ・ヴァーソ-S |
販売期間 | 2010年11月21日 - 2016年9月30日(日本) |
設計統括 | 三浦清克 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドア トールワゴン |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動(日本向けのみ) |
プラットフォーム | トヨタ・Bプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
1NR-FE型 1,329cc 直列4気筒DOHC 1NR-FKE型 1,329cc 直列4気筒DOHC(日本向け・後期型) 1NZ-FE型 1,496cc 直列4気筒DOHC(日本・香港・マカオ向けのみ) |
変速機 | CVT (Super CVT-i)(日本・香港・マカオ向けのみ) |
前 |
前:ストラット式 後:トーションビーム式 (四輪駆動はド・ディオン/トーションビーム式) |
後 |
前:ストラット式 後:トーションビーム式 (四輪駆動はド・ディオン/トーションビーム式) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,550mm |
全長 | 3,990mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,585mm |
車両重量 | 1,090 - 1,170kg |
その他 | |
開発主査 | 三浦清克 |
系譜 | |
後継 |
カローラ店: トヨタ・ルーミー トヨペット店: トヨタ・タンク ※ただし、両者それぞれ約2ヶ月の空白期間あり。 |
開発主査 (CE) は多田に代わり、istやハイエース/レジアスエースなどの開発主査を歴任した三浦清克[4]。富士重工業(現・SUBARU)のエンジニアが100名規模で参加した初の共同開発車種でもある。
先代とは異なり、「ヴァーソ・S(Verso-S)」として欧州でも販売された。欧州ではBセグメントのMPVに分類される。また、香港・マカオでは「ラクティス・プラス」(2014年7月の改良で「ラクティス」に変更)、イスラエルでは「スペース・ヴァーソ」の名称でそれぞれ販売された。
先代と同じ5ナンバーサイズを維持しつつ、室内幅を40mm拡大した。また、FF車にはコンパクトクラスでは初めて、ラゲージスペース側面のレバー操作のみで簡単に格納できる6:4分割チルドダウン機構付リアシート(4WD車は6:4分割ダブルフォールディングリアシート)の採用により使い勝手を高めた。さらに、後席の座面奥行きとシートバック高をそれぞれ30mm拡大、クッション厚を10mm厚くし、前席のシートを薄く作ることで足回りのゆとりを拡大するなど、先代の弱点とされていた後席の居住性を大幅に改善した。半面、先代で設定されていたテレスコピックステアリングは国内仕様では廃止され、走行安定性を向上させるために先代比で全高を50mm以上落としたことで、相対的に室内高も低くなった。フロントのエンブレムはトヨタのCIマークのエンブレムに変更された。
1.3L車のエンジンはDual VVT-iを搭載した1NR-FE型に置換、1.5L・4WD車はトランスミッションをCVT(Super CVT-i)に変更。合わせて、空力性能の改善と車体の軽量化も行われたことで燃費が向上し、FF車は「平成22年度燃費基準+25%」を、1.5L・4WD車は「平成22年度燃費基準+15%」をそれぞれ達成した。欧州仕様には1.4Lディーゼルターボエンジンの設定もあった。
今回のモデルチェンジでワイパーが払拭性を考慮して1本となり、ホイールが4穴から5穴に変更された(PCDについては100.0mmで変更なし)。さらに4WD車の駆動システムについては、ビスカスカップリングを使用したVフレックスフルタイム4WDから電子制御カップリングを使用したアクティブトルクコントロール4WDに変更された。助手席シートベルト非着用警告灯は、運転席警告灯と兼用になった。
当初、日本・香港・マカオ仕様車の生産は関東自動車工業岩手工場(現・トヨタ自動車東日本岩手工場)が担当していたが、同工場で生産されるアクアの増産に対応するため、2012年5月より同社東富士工場(2020年12月末を以て閉鎖。後のウーブン・シティ)に移管された。
先代との大きな変更点は、以下のことが挙げられる。
グレード体系は従来からの「X」・「G」に加え、専用デザインのフロント周りやインテリアカラーを採用した「L'épice(レピス)」のグレードを設定。欧州仕様と同等の設定の専用ユーロサスペンションやパドルシフトを採用し、走りを追求した「S(1.5L・2WD車のみ)」が追加。さらに、後述の「ウェルキャブ」から「車いす仕様車(タイプI)助手席側リヤシート付」が車いす仕様車では初となる型式指定を取得し、カタロググレードとしてラインナップされた。
後期型では「L'épice」に替わり、専用のシート表皮やシルバーステッチ(ステアリング・シフトノブ)などを採用した「G"PRIME STYLE"(1.5L・2WD車のみ)」が新設された。
一方、香港・マカオ仕様はベースグレードの「Young」とパノラマルーフやアルミホイールなどを装備した上級仕様の「Verso」の2グレードのみの設定となり、ともに1.5Lのみが組み合わされていた。
ベーシックグレードの「Terra」、「Terra」にフォグランプ・6スピーカーなどを追加した「Luna」、「Luna」にプライバシーガラス・クルーズコントロールを追加した「Luna+」、「Luna+」に16インチアルミホイール・オートエアコンなどを追加した「Sol」の4つのグレードで構成される。運転席・助手席エアバッグ、運転席・助手席サイドエアバッグ、カーテンエアバッグのほか運転席ニーエアバッグの合計7つのエアバッグ、VSCが全車で標準装備となっていた。
2代目ではトヨペット店扱いの車両のみ、車両型式の末尾に「(B)」が付与されていた。
英語で「Run」の「R」と、「activity」の「acti」と、「space」の「s」と言う意味を組み合わせた造語[注釈 8]。また、2代目前期に設定されたレピス(L'epice)はフランス語で「隠し味」「スパイス」を意味する。
ラインナップとして下記の5種類を設定。中でも車いす仕様車には、ウェルキャブ初のインライン架装(高岡工場生産)を実施。インライン架装を実施することにより、価格を抑えることが可能となった。また、車いす仕様車タイプIIでは、子供(搭載可能な車いすサイズに制限あり)を1.5列目(ほぼ助手席)に車いすごと乗せることが可能だった。
なお、2009年10月の一部改良に伴い、新たにリモコン操作でルーフ上に設置されたボックス内に車椅子を電動格納できる「ウェルキャリー」を搭載したフレンドマチック車「タイプII」、フレンドマチック取付用専用車「タイプIII」・「タイプIV」を新たに設定した。なお、同年8月25日に施行された特定改造自動車のエネルギー消費効率相当値の算定実施要領により燃費値が算定できるようになったため、1.3L車の一部仕様と1.5L・FF車がベース車と同じく環境対応車普及促進税制(エコカー減税)を受けられた。
2代目では屋根部分をハイルーフ化することにより、室内高は初代比プラス40mmになると同時に、ベース車プラス120mmの全高とすることで、車椅子使用時における室内空間を確保。また、「車いす仕様車(タイプI)助手席側リアシート付」が車いす仕様車としては日本初となる型式指定自動車となった。車いす仕様車は改造車扱いであり一般車と異なる登録や車検が必要だったが、型式指定を受けることで一般車と同じ扱いになり、登録や車検に必要な手間が大幅に軽減されるようになった。
なお、初代・2代目とも車いす仕様車には専用装備として、車椅子での乗降をスムーズに行う目的でリヤにエアサスペンションが備わった。2016年8月生産終了。
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