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日本のミュージシャン、キーボーディスト ウィキペディアから
福田 裕彦(ふくだ やすひこ、1957年5月3日 - )は、日本の音楽プロデューサー及び作曲家・編曲家、キーボーディスト。東京都板橋区出身。早稲田大学第一文学部卒業。株式会社大頭(だいず)代表取締役[1]。
東京都立竹早高等学校卒業後の1976年、早稲田大学第一文学部に進学。1978年には、YAMAHA東京支店主催のバンドコンテスト「EAST WEST '78」[2]決勝大会に「夢職人」として出場、優秀賞を受賞する。
早稲田大学卒業後の1980年にベーシスト鳴瀬喜博(現・カシオペア)、ドラマー岡井大二(元・四人囃子)らと結成したバンド「QUYZ」のキーボーディストとしてプロデビュー[2]。
翌1981年、ギタリスト山岸潤史のソロアルバム『ALL THE SAME』にセッション・ミュージシャンとしてレコード・デビュー[要出典]。同年、斎藤英夫らとのバンド「YOU」[2]でメジャー・デビュー。
1982年に爆風スランプのデビュー前のツアーに、1983年には南こうせつのツアーに参加以降、スタジオ・ミュージシャンとして、シブがき隊、松田聖子、佐野量子、KODOMO BAND、浜田省吾、村下孝蔵、尾崎豊、大沢誉志幸、KAN、爆風スランプに至るまで、1000曲を超えるレコーディングに参加する。
生方則孝と共にYAMAHAのデジタルシンセサイザーDX7用音色ソフト「生福」を開発し、1984年に発表。当機は国内のスタジオ業界を席巻、海外でも高い評価を得た[要出典]。シンセサイザー関係の著書もある(#著作」節を参照)。
1988年、前述の「生福」ユニットでオリジナル・アルバム『内容の無い音楽会』[注 1]を発表、カルト的人気を獲得する。同年より2年間鈴木雅之のツアーに参加。鈴木のオファーにより、J-WAVEの音楽番組にコントを執筆する。1989年、同ユニットでファミリーコンピュータソフト『キャプテンED』を制作する。
1988年から1989年には、80年代に音楽活動を通じて得た自身のノウハウを全て総括し、SF小説仕立ての『福田裕彦のスーパーロックキーボード』を執筆した[3]。
1990年から「エンペラー福田」名義で爆風スランプのツアーに再び参加。同年、編曲を担当した小泉今日子の「見逃してくれよ!」がオリコンチャート第1位を獲得、ビクターヒット賞を受賞する[4]。以降は主に作曲・編曲家として活動し、宍戸留美、中江有里、NoB、MASAKI、おおたか静流、鈴木結女、宇都宮隆、谷村有美、木村由姫、玉木宏他、数多くの作曲・編曲を手がける一方で、スーパーボンバーマンシリーズ[注 2]、『ジェリーボーイ』、『天外魔境II 卍MARU』[注 3]、『エメラルドドラゴン』などのゲーム音楽、『11人いる!』『ビースト三獣士』『ヘリタコぷーちゃん』などのアニメ音楽も制作している。他方では放送作家、コラムニスト、コミック原作者、作詞家[注 4]活動を展開し、マルチな才能を発揮した。
1996年以降、俳優の岸谷五朗の発起により始まったチャリティLIVEイベント「A.A.A.(Act Against AIDS)バラエティin武道館」の音楽監督を務めた。テーマ曲を作曲している[注 5]。
1998年からは、浜田省吾の4年をかけたロングツアー『ON THE ROAD 2001』にキーボード、ストリングスアレンジで初参加[6]。その後も2022年現在[update]まで24年に亘って、浜田のツアーとアルバム・レコーディングに帯同している[注 6]。浜田省吾とは、PS2専用のゲームソフト『OVER THE MONOCHROME RAINBOW featuring SHOGO HAMADA』の企画・総監督としても関わる(2003年[7][8])。
福田は音楽教師の父親と熱心なクラシック音楽ファンである母親の指導のもと、4歳でピアノのレッスンを始めるが、厳しいレッスンのストレスから6歳でチック症を発症、ピアノレッスンの強要は無くなった、と後に語っている[要出典]。
その後、アニメや特撮番組の耳コピーをして数年過ごすが、10歳の時クラシックピアノのレッスンを再開、17歳まで「なんとなく」(本人談)続ける[要出典]。中学を卒業するまでは「クラシック音楽にあらずんば音楽にあらず」という両親の頑なな態度が崩れず、中学になって好きになったエルトン・ジョンのアルバムなどを両親の留守を狙って聞いていたと言う[要出典]。
早稲田大学進学後は「いわゆる五月病が卒業するまで抜けず」、クラブにも属さず、高校時代に組んだ友人たちとのバンドサークルを維持。定期コンサートを行ううち、1978年に現・YAMAHA主催のバンドコンテスト日本楽器「EAST WEST '78」に自己のインストゥルメンタルバンド「夢職人」で出場、優秀賞を受賞する[注 7]。
1979年、「知り合いに頼まれて」ソウル系のバンドを組織し「EAST WEST '79」に出場した際に、予選会の審査員だったギタリストの山岸潤史に見出され、同年秋YAMAHAがカルロス・サンタナを招聘して行ったライブイベント「サンタナ・ギターウォーズ」にキーボーディストとして参加する[要出典]。これが実質的なプロ・デビューとなった。同年、福田はYAMAHAのシンセサイザー拡販事業の一環であるスクールの講師となると、神田の宮地楽器でシンセサイザーを教え始める。イエロー・マジック・オーケストラの登場などで市場は活況を呈し、このスクールも多くの生徒を集めた。1981年入学の生徒には、シンガーソングライターの飯島真理もいた[要出典]。
1999年には、日本テレビの番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ』のコーナーで、ポケットビスケッツが3人それぞれソロでCDデビューした際に内村テル(内村光良)がソロ楽曲「青の住人」のピアノ演奏を弾いておらず、代わりに福田が弾いていた事が発覚して有名になる[注 8]。その後、福田は内村が生放送で「青の住人」の演奏をする特番に再び登場し[注 9]、この頃から「アノマロカリスのおじさん」と呼ばれる。後にウリナリ実行委員会の面々とCD発売を賭け勝負した際もアノマロカリスを持ってきて、「アノマロカリスの歌(「大きな古時計」の替え歌)」を披露していた。
2006年、実相寺昭雄プロデュースのDVD『怪獣のあけぼの』に音楽協力する。同年7月に株式会社大頭を設立、「多種多様なクリエイターによる「創出物」のジャンル的境界とクリエイター間の垣根を取り払い、幅広くフレキシブルなクリエイターのネットワークを創出する」ことを設立の趣旨とした。新レーベル「大頭視聴覚」より「世界初のフィッシュロックバンド『漁港』」のアルバムなど、様々なCDを送り出した。
現在[いつ?]、趣味的音楽活動として、オペラ歌手の高野二郎(『電人ザボーガー』の主題歌を歌唱)と、実写特撮ソングだけを演奏するアコースティックユニットでもある「JURAN JURAN」を結成、年に2~3回のライブを行っている[要出典]。
中学校時代の福田の学業成績は極めて優秀で、両親から常に学年でトップであることを義務付けられていたプレッシャーから逃れるため、逆に月に原稿用紙500枚以上のSF小説を書き散らしていた。竹早高校進学後は、友人とロックバンドを組み、文芸部の部長として機関紙を発行しながら映画を撮り、「実に正しい文化系不良としての3年間を過ごした」が、「基本的には鬱であり毎日が本当にしんどかった」とも述懐している。17歳の時、自費出版のLPアルバム『ROTTEN PEACH』を発表している。
福田はブログを始めとする様々な文章において、自らを「パロディスト」「かなり激しく屈折した性格」と呼び、「センターを取るよりも周辺に位置して自由な立場をキープしていたいタイプ」と定義している。過去には「映画作家を目指して早稲田文学部に進学したのに、4年間であっさり変節してミュージシャンになってしまった薄弱な意志の持ち主」との記述もある。
福田自身は基本的にはユーモアを好み、「ユーモアのないものは芸術ではない」と明言したため、『内容の無い音楽会』発表時には「拍手よりも笑い声を聴きたい」と語り、その後も鈴木雅之のJ-WAVEの番組に1年間にわたりコントのシナリオを提供していた。1989年にTBSテレビのお笑い新人発掘の深夜番組から「生福」での出演依頼が舞いこんだが編曲の仕事が忙しく果たせず「もしあの番組に出演していたら、自分は音楽家よりも放送作家の道を選んだかも知れない」とも語っている。
『パソコンライフ』に「デスクトップ・ミュージック入門」シリーズを寄稿(1996年[9][10][11][12])。著作の『ピアノコードワーク入門』(1996年音楽之友社[13])、『CDで学ぶ作曲入門』(1999年ナツメ社[14])はともに2006年に加筆修正版が上梓された[注 10]。
『デジタル・シンセサイザーヤマハDX7パーフェクト活用法』は、当時、難解とされたFM音源のロジックを明解に説明した解説書として広く売れ、英訳バージョンも上梓された[要出典]。
『パソコンライフ』に「デスクトップ・ミュージック入門」シリーズを執筆。以下の書誌はいずれも国立国会図書館収蔵、デジタル版は館内限定公開。
本文の典拠。
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