直方駅
福岡県直方市にある九州旅客鉄道・平成筑豊鉄道の駅 ウィキペディアから
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直方駅(のおがたえき)は、福岡県直方市大字山部にある九州旅客鉄道(JR九州)・平成筑豊鉄道の駅である[1]。
直方駅 | |
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駅舎(2017年2月) | |
のおがた Nōgata | |
所在地 | 福岡県直方市大字山部226-2[1] |
所属事業者 |
九州旅客鉄道(JR九州) 平成筑豊鉄道 |
電報略号 | ノウ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム |
2面4線(JR九州)[1] 1面2線(平成筑豊鉄道) |
乗車人員 -統計年度- |
(JR九州)2,674人/日(降車客含まず) -2021年- |
乗降人員 -統計年度- |
(平成筑豊鉄道)1,162人/日 -2021年- |
開業年月日 | 1891年(明治24年)8月30日 |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■筑豊本線(福北ゆたか線) |
駅番号 | JC 19 |
キロ程 | 24.8 km(若松起点) |
所属路線 | ■平成筑豊鉄道伊田線* |
駅番号 | HC1 |
キロ程 | 0.0 km(直方起点) |
備考 |
共同使用駅 JR九州:直営駅 JR九州:みどりの窓口 有 |
JR九州の筑豊本線と、平成筑豊鉄道の伊田線が乗り入れ、接続駅となっている[1]。伊田線は当駅が起点である。また、筑豊本線は愛称の「福北ゆたか線」の区間に含まれている。JR九州には「JC19」、平成筑豊鉄道には「HC1」の駅番号が設定されている。
平成筑豊鉄道の駅については、2009年4月1日に北九州市に本社を置く鉄道車両部品販売・グラフィック業者の藤本興業が命名権(ネーミングライツ)を取得し、藤本興業 studiocanada 直方駅と呼称されていた[2]。2022年9月現在は契約終了しており、直方駅に戻っている。
直方市の代表駅であり、新飯塚駅と並んで筑豊本線の主要駅となっている。駅に隣接して、電車・気動車の車両区である直方運輸センターおよび乗務員区である直方運輸センター[3]、それらを統括する筑豊篠栗鉄道事業部がある。
直方駅は1891年(明治24年)8月30日に筑豊興業鉄道によって開設された。
1899年(明治32年)から、筑豊地区の石炭輸送の拠点駅とするために拡張工事が行われて、筑豊炭田の各地からやってくる石炭車がここで行き先別に編成しなおされて送り出されるようになった。13本の仕分け線が設けられ、2つの出発信号機が設置されて若松・西八幡・上戸畑へと送り出されていた。ヤードには照明灯が設けられ、昼夜を分かたず列車を送り出す作業が行われていた。1910年(明治43年)3月には新駅舎が建設された。
しかし、第二次世界大戦後はエネルギー革命により石炭の出荷が減少するようになり、筑豊地区では1958年(昭和33年)から石炭輸送が減少に転じた。これにより直方駅の作業も縮小されていき、1984年(昭和59年)2月1日に貨物取り扱いが廃止された。
2001年(平成13年)には電化が完成して電車が発着するようになるなど、その後は旅客駅として機能している。
2011年に解体された旧駅本屋は明治時代に建築されたものである。木造駅舎でネオ・バロック様式の駅舎としては供用停止時点で九州最古であった。正面の車寄せには古代ギリシャ建築で用いられるエンタシス風の柱が立つ構造だった。
2006年、直方市が計画している駅周辺整備事業構想の中で駅舎の建て替え計画が浮上した。のち、市が2009年に策定した「中心市街地活性化基本計画」にもとづいて駅を中心とする約105ヘクタールを2010年から整備することとなった。このうち駅舎の改築についてはJR九州が、駅前ロータリーなどを市が事業化することとなり[22][23][24]、駅舎については前記の通り、2011年4月29日に完成式典が行われ供用を開始した[25][26]。
一方、旧駅舎は歴史的価値があるとされることから、建て替え計画当初より市民有志により保存が提唱されていた。2011年1月から直方文化遺産研究会が行った署名活動[27]に対して1万7千人あまりの賛同があり市に提出されたが、これに対しても市は、文化財的価値について調査ののち施設の一部を残し解体するとした既定方針を堅持している[28][29]。最終的に旧駅舎は2011年10月に解体された[30]。
この駅舎は、初代の博多駅を移築したものであるという説があったが、直方市が島根大学総合理工学部の専門家に依頼して建築形式などを後世に残す目的で調査した結果では、明治期の資料に「新築」とあること、初代博多駅舎は吉塚駅に移築したという記録があること、木材の再利用の痕跡が見られなかったことなどから、博多駅舎を移築したものであるという説を否定した[31]。
これに対し、「文化的価値を考慮せずに解体したのは文化財保護法などに違反し、違法」として市民8人が市長を相手取った解体費用9000万円の返還請求を福岡地方裁判所に提訴した[30]。福岡地裁は2013年11月26日の判決で、旧駅舎が初代博多駅の移築であるという原告側の主張を退けながらも「相応の歴史的価値や一定の芸術性がある」と認定したが、市側が保存の検討など最低限の努力義務は果たしたとして、原告側の請求を棄却した[30]。
旧駅舎の一部部材は市で保管されイベント広場に旧駅舎車寄せが移築復元されることになり[32]、約250平方メートルの直方駅前公園が整備されてその中に復元が行われた。幅約5.5メートル、奥行き約4.5メートルで、公園のあずまやを兼ねている[19]。
JRは島式ホーム2面4線、平成筑豊鉄道は頭端式ホーム1面2線を有する地上駅である。JR九州本体による直営駅で、みどりの窓口が設置されている。
2011年4月29日に使用を開始した現駅舎は橋上駅舎となっており、2階建てで瓦葺風の柿渋色の大きな屋根が特徴である。約900平方メートルある駅舎の1階には7店舗が、2階には改札口など駅機能がそれぞれ設置されている[25][26]。
なお、駅舎のデザインはJR九州の車両デザインなどを多く手がける水戸岡鋭治によるものである[29]。旧駅舎にはなかったエレベーターとエスカレーター、公衆便所が設置されており、バリアフリーに対応している。平成筑豊鉄道のホーム入口もスロープとなっており、バリアフリー対応である。
旧駅舎の時はJRと平成筑豊鉄道の駅が離れており不便であった[4]が、新駅が平成筑豊鉄道の駅寄りに作られたことにより乗り換えの便が改善されている。
また、直方市は須崎町土地区画整理事業・直方駅地区交通結節点改良事業として、駅周辺の大規模な区画整理などを行っている。
2006年(平成18年)度から進められた駅周辺の整備事業が直方市により進められ、2011年(平成23年)4月に駅舎が改築された[35]。駅舎建て替えと同時に直方市によって整備された駅前広場も、水戸岡鋭治の監修によるものである[26][29]。
2014年(平成26年)2月、駅前ロータリーにおいて路線バスの停留所とタクシー乗り場、自家用車用の乗降所の供用が開始され[35]、同年には地元直方市出身の元大関・魁皇の銅像が設置された[36]。
旧駅前ロータリーにあるモニュメント「太陽と月と川と」は1997年に設置された2代目のものであるが、駅前整備事業に伴って10メートルほど離れた交差点に移転する予定がある[37]。なお、かつて設置されていたもの(炭坑夫の像)は、遠賀川河川敷に移設されている。
2015年(平城27年)4月1日に西口の「山部口広場」が完成し、タクシー乗り場と駐車場などの供用が開始された[13][14]。
駅構内には複数の店舗が入居している[38]。
各年度の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表のとおり[41][42]。
年度 | 1日平均乗降人員 | 1日平均乗車人員 | ||
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九州旅客鉄道 | 平成筑豊鉄道 | 九州旅客鉄道 | 平成筑豊鉄道 | |
2007年 | 6,223 | 1,653 | ||
2008年 | 6,293 | 1,774 | ||
2009年 | 6,270 | 1,674 | ||
2010年 | 6,424 | 1,620 | ||
2011年 | 6,654 | 1,497 | ||
2012年 | 6,763 | 1,502 | ||
2013年 | 6,777 | 1,456 | ||
2014年 | 6,437 | 1,463 | ||
2015年 | 6,682 | 1,422 | ||
2016年 | 6,600 | 1,520 | ||
2017年 | 非公開 | 1,469 | 3,401[43] | 801 |
2018年 | 1,531 | 3,345[44] | 773 | |
2019年 | 1,534 | 3,353[45] | 776 | |
2020年 | 1,042 | 2,487[46] | 587 | |
2021年 | 1,162 | 2,674[47] |
周辺は市の中心的な市街地となっているほか、ユメニティのおがた(市民ホール)・直方市立図書館・バス停(旧バスセンター)などが駅の近くに立地している。また、駅正面右手の「明治町アーケード」および、直方最大の商店街である「古町アーケード」も近い。駅正面から南へ10分ほど歩くと多賀神社、直方市石炭記念館、ギャラリーのぐち(雑貨・家具・陶磁器などの店舗が並んでいる)などが立地している。
2019年2月現在、JR九州バス(直方線)、直方市コミュニティバスは駅前ロータリーのバス乗り場から発着し、西鉄バス(西鉄バス筑豊)は駅前の直方バス停(旧直方バスセンター)から発着している。
2014年2月、駅前ロータリーにバス乗り場が設置され[35]、JR九州バス、西鉄バス(高速・特急バス除く)、直方市コミュニティバスの各路線の発着場所が集約された。かつては駅前にJR九州バス直方支店と西鉄直方バスセンターがあったが、いずれも解体撤去された。
2018年4月5日、ローソン西鉄バス直方店が開業し、西鉄バスは駅前ロータリー発着の路線バス、高速・急行バス乗降場がローソン横に移動した[48][49]。
かつては直方市東部の内ヶ磯や市南部の武谷、赤池町(現 福智町)の赤池・上野峡、福間駅(福津市)への路線もあった。直方支店の廃止後、仮設バス停を経て、2014年2月より駅前ロータリーに乗り場が設置されている。
※直方線も参照。
2018年4月5日から駅前の直方バス停で乗り降りを取り扱っている(ローソン西鉄バス直方店併設)[48][49]。
長年にわたり駅前に直方バスセンターを設置していたが、2015年の年末に同バスセンターの窓口やコインロッカーが閉鎖された。その後しばらく、待合スペースの椅子は使用可能であったが、2017年に建物自体も解体、撤去された。
福岡市や北九州市とを結ぶ都市間路線と直方市内と近隣を結ぶ路線の基点として、西日本鉄道系列のバスが乗り入れていた。
しかし、筑豊地区の人口減少およびモータリゼーションの進行、平成筑豊鉄道の開業などにより利用者の減少が進んだため、直方市内各方面や小竹町・飯塚市・北九州市折尾・旧赤池町(現福智町)・田川市方面への路線の多くが廃止となった。
2014年2月より、JRバスと同様に駅前ロータリーより発着している。
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