横浜市立大学(よこはましりつだいがく[1]、英語: Yokohama City University)は、神奈川県横浜市金沢区瀬戸22番2号に本部を置く日本の公立大学。1882年創立、1949年大学設置。大学の略称は横市(よこいち)[注 1]、市大(しだい)[3][4]、浜大(はまだい)[5][注 2]、YCU[6]。
年表
- 1871年(明治4年) - 仮病院設立。
- 1872年(明治5年) - 横浜中病院開院(その後、移転)。横浜共立病院開院。
- 1874年(明治7年) - 横浜共立病院を十全病院と改称。
- 1882年(明治15年) - 商学部の起源となる横浜商法学校設立。
- 1888年(明治21年) - 横浜商法学校を横浜商業学校と改称。
- 1892年(明治25年) - 横浜商業学校が町立となる。Y帽章が制定され、Y校の通称が生じる。
- 1898年(明治31年) - 横浜市立十全看護婦養成所設立。
- 1917年(大正6年) - 横浜市に移管され、校名を横浜市立横浜商業学校と変更。
- 1928年(昭和3年) - 横浜市立横浜商業学校の専修科を母体として横浜市立横浜商業専門学校(通称・Y専)開校。
- 1944年(昭和19年)
- 横浜市立横浜商業専門学校を横浜市立経済専門学校に改称。
- 横浜市立医学専門学校開校。
- 横浜市立医学専門学校附属十全病院開院。
- 1947年(昭和22年) - 横浜市立医学専門学校が旧制大学に昇格し、横浜医科大学となる。
- 1949年(昭和24年) - 学制改革により新制大学の横浜市立大学が開学。商学部を設置。
- 1952年(昭和27年) - 横浜医科大学と横浜市立大学が統合し、横浜市立大学となる(医学部と文理学部を設置)。
- 1955年(昭和30年) - 医学部進学課程を設置。
- 1961年(昭和36年) - 大学院医学研究科 (博士課程) を設置。
- 1963年(昭和38年)
- 1966年(昭和41年) - 市立高等看護学校、市立准看護学校が開校。
- 1970年(昭和45年) - 商学部を母体に大学院経営学研究科 (修士課程)、大学院経済学研究科 (修士課程) を設置。
- 1971年(昭和46年) - 市立高等看護学校と市立准看護学校を再編し、医学部附属高等看護学校に改称。
- 1987年(昭和62年) - 福浦キャンパス設置。
- 1989年(平成元年) - 大学院総合理学研究科 (修士課程) を設置。
- 1991年(平成3年)
- 大学院経営学研究科に博士後期課程を設置。
- 大学院総合理学研究科に博士後期課程を設置。
- 1993年(平成5年) - 大学院国際文化研究科 (修士課程) を設置
- 1995年(平成7年)
- 文理学部を改組し、国際文化学部と理学部を設置。
- 看護短期大学部を設置。
- 1996年(平成8年) - 大学院国際文化研究科に博士後期課程を設置。
- 1997年(平成9年)
- 大学院経済学研究科に博士後期課程を設置。
- 医学部附属高等看護学校廃止。
- 1998年(平成10年) - 大学院医学研究科医科学専攻 (修士課程) を設置。
- 2001年(平成13年)
- 連携大学院として総合理学研究科に生体超分子システム科学専攻(博士後期課程)を設置。
- 鶴見キャンパスを設置。
- 2003年(平成15年) - 大学院の医学研究科 (博士課程) を再編。
- 2005年(平成17年)
- 公立大学法人横浜市立大学発足。
- 商学部、国際文化学部、理学部の3学部を統合し国際総合科学部を設置。
- 看護短期大学部を募集停止し、医学部に統合し、医学部看護学科を設置。
- 大学院の経営学研究科、経済学研究科、総合理学研究科、国際文化研究科を統合し、国際総合科学研究科を設置。
- 教養部を廃止。
- 2009年(平成21年) - 大学院国際総合科学研究科を再編し、都市社会文化研究科、国際マネジメント研究科、生命ナノシステム科学研究科を設置。
- 2010年(平成22年) - 大学院医学研究科看護学専攻 (修士課程) 設置。
- 2013年(平成25年) - 大学院に生命医科学研究科を設置。
- 2018年(平成30年) - データサイエンス学部、大学院医学研究科看護学専攻 (博士後期課程) 設置。
- 2019年(平成31年) - 国際総合科学部を再編し、国際教養学部、国際商学部、理学部を設置。
- 2020年(令和2年) - 横浜ランドマークタワー内の産学連携施設「NANA Lv」に「みなとみらいサテライトキャンパス」開設[7]。
※横浜市立大学・Y専・Y校の同窓会である社団法人進交会の沿革[8]も参照のこと。
象徴
- 校歌は、西条八十作詞、古関裕而作曲である。歌詞は大学公式サイト内に掲載されている。
- シンボルマークは英略称"YCU"の3文字を組み合わせたものであり、2005年4月の公立大学法人移行を機に制定された。
- 公式マスコット・キャラクターとして、創立80周年記念特別企画として2008年に大学のイチョウ並木をモチーフにした「ヨッチー」が策定されており、各種グッズ販売などが行われていて、公式サイトも存在する[9]。
組織
学部
2019年度以降の学部構成は以下の通り
2018年度まで
- 国際総合科学部 国際総合科学科[注 4]
- 2012 - 2018年度の学系の構成
学系(国際教養学系、国際都市学系、経営科学系、理学系)
- 国際教養学系 (授与学位: 学士 (国際教養学))
- 国際都市学系 (授与学位: 学士 (学術))
- まちづくりコース
- 地域政策コース
- グローバル協力コース
- 経営科学系 (授与学位: 学士 (経営学), 学士 (会計学), 学士 (経済学))
学系(国際教養学系、理学系、経営科学系、融合領域)
- 国際教養学系 (授与学位: 学士 (国際教養学))
- 経営科学系 (授与学位: 学士 (経営学), 学士 (会計学), 学士 (経済学))
- 融合領域 (授与学位: 学士 (学術), 学士 (経営学))
研究
21世紀COEプログラム
21世紀COEプログラムとして、1件のプロジェクトが採択されている。
- 2003年
- 医学系
- 細胞極性システム研究に基づく未来医療創成(からだの形づくりの仕組みの解明から病気の克服へ)
課外活動
多くの活動団体は、金沢八景キャンパスおよび福浦キャンパスに別個に設置されており、運営組織も独立している。
金沢八景キャンパスでは、学生自治会中央委員会を頂点としており、その下に文化部連合会、運動部連合会、浜大祭実行委員会、生協学生委員会Warpがあり、文化部・運動部はそれぞれの連合会に所属する。
福浦キャンパスでは、医学部碧水会を頂点としており、その下に医学部運動部連合会、医学部文化部連合会、医学祭実行委員会、医学部新聞会、医学科学生会、看護学科学生会がある。
金沢八景キャンパス部活動
2012年2月時点、文化部は40部、運動部は34部が登録されている。
運動部では、東京都の公立大学である東京都立大学との定期戦が毎年6月に行われており、2013年大会で32回の開催を数える。
福浦キャンパス部活動
2012年2月時点、文化部は15部、運動部は18部が登録されている。
大学祭
大学祭も、両キャンパスで別個に開催されている。
金沢八景キャンパスでは浜大祭が、おおむね11月第1週の週末に3日間の日程で開催されている。
福浦キャンパスではYokohama Medical Festivalが、浜大祭の翌週に2日間の日程で開催されている。
産学官連携
- 日本電気(NEC)
- データサイエンス分野での産学連携協定を2020年1月に締結[15]。
- 京急グループ
- 公立大学法人で初めて、授業料等の納付にクレジットカード払の取扱と京急グループポイントサービスの加盟取扱を開始した。大学と京浜急行電鉄株式会社、株式会社ディーシーカード(現:三菱UFJニコス)の三社で、2007年4月から、「横浜市立大学・京急カード」を発行を開始した。横浜市立大学は、公立大学法人化にあわせ、学生サービスの向上、経営効率の改善、新たな財源の確保等の実現に向けて様々な改革を行っており、このカード発行も法人化のメリットを生かした物。
このカードの特徴は、
- クレジットカードの年会費が永年無料。
- カードにて横浜市大の学費を納付する場合、最大6,000円の割引。
また「横浜市立大学・京急カード」のみ以下の特典も付与される。
- カード所有者は、大学から直接シンボルマークグッズを購入する場合、10%割引。
- 横浜市立大学が運営しているエクステンション講座の受講料を300円割引。
発行対象者は、18歳以上の学生本人とその保護者、教職員本人とその家族、卒業生が対象。なお、現在新規発行はされておらず、カードによる授業料引き落としも2011年後期を最後に終了している。
2014年6月個人情報漏えい
2014年6月9日、学務・教務課職員が日本学生支援機構奨学金の申請者181名に対して奨学金審査に関する情報をメール配信した。その際、本来添付すべきファイル(学籍番号のみ記載)とは異なるファイルを添付して送信した。該当のファイルには奨学金が支給される172名分の氏名、生年月日、口座番号や奨学金支給額等の個人情報が含まれていた。大学は、メールを受信した181名の学生の保証人に対し、お詫びと経緯説明のための電話連絡をした[21]。
注釈
横浜市大生協のWeb、メールは「よこいちWeb」、「よこいちメール」と呼称される[2]。
2015年入学生用の大学案内[10]によると、基礎医学系の領域には、組織学、神経解剖学、循環制御医学、生理学、生化学、分子生物学、薬理学、RI研究センター、微生物学、免疫学、病態病理学、分子病理学、臓器再生医学、実験動物医学、遺伝学、社会予防医学、臨床統計学・疫学、法医学、医学教育学、医療情報学、臨床医学系の領域には、免疫・血液・呼吸器内科学、循環器・腎臓内科学、消化器内科学、内分泌・糖尿病内科学、神経内科学・脳卒中医学、外科治療学、消化器・腫瘍外科学、麻酔科学、救急医学、脳神経外科学、産婦人科学、小児科学、泌尿器科学、運動器病態学、形成外科学、放射線医学、精神医学、眼科学、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学、皮膚科学、口腔外科学、肝胆膵消化器病学、がん総合医科学、呼吸器病学、視覚再生外科学、総合診療医学がある。
2015年入学生用の大学案内によると、ナノ物質科学、光物質科学、量子表面科学、計算物質科学、集積情報科学、知覚情報科学、物質計測科学、有機物質科学の8部門がある。
2015年入学生用の大学案内によると、ゲノム科学、遺伝資源科学、応用ゲノム科学、極限環境ゲノム科学、バイオプロダクト科学、環境システム科学、発生システム制御科学、分子細胞ネットワーク科学の8部門がある。
2015年入学生用の大学案内によると、構造医科学、創薬基盤、機能構造、エピゲノム、システム生物学、細胞医科学、オミックス、生体医科学の8部門がある。
2015年入学生用の大学案内によると、教育課程は、看護生命科学分野、看護管理学分野、看護生命科学分野、感染看護学分野、がん・先端成人看護学分野、がん看護学分野、老年看護学分野、小児看護学分野、母性看護学分野、精神看護学分野、地域看護学分野で編成される。なお、がん看護学分野を除く9分野に特別研究コース、感染看護学分野、がん看護学分野、精神看護学分野に課題研究コース(専門看護師課程)を設けている。
図書館を運営。金沢八景キャンパス図書館、鶴見キャンパス図書室、舞岡キャンパス図書室(木原生物学研究所)、医学情報センター(福浦キャンパス)、附属市民総合医療センター
図書室がある[12]。
全ての教員が所属し、領域横断的な研究の推進や、学部間(内)・大学院横断的な教育体制の確立などを目的とする。
出典
『Y-Press vol.4』(横浜市立大学新聞会雑誌局、1989年4月)p32。
『金沢HAKKEN vol.13』(横浜市立大学学生広報ワークショップタウンマッププロジェクト、2013年11月)表紙。
沿革 - 社団法人進交会(2010年10月24日閲覧)
『STUDENT LIFE'91 横浜市立大学』(NTTメディアスコープ、1991年3月)P4。