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競技のルール ウィキペディアから
延長戦(えんちょうせん、英語: overtime, extra time)は、スポーツやゲームなどで、規定の時間や攻撃回数を終えるまで競技を行っても決着がつかない場合に、勝負の決着を付けるために競技を継続すること。
サッカーにおいては、サッカー競技規則第10条(試合結果の決定)第2項に「試合またはホームアンドアウェーの対戦が終了し、競技会規定として勝者を決定する必要がある場合、次の方法のみが認められる」ものの一つとして「それぞれ15分以内で同じ時間の前半と後半からなる延長戦」が定められている(他の方式はアウェーゴールルールとPK戦)[1]。また用語としては「試合結果を決定するための方法で、それぞれ等しく15分間を超えないプレー時間を追加した前半と後半からなる」とされている。
通常の試合ではハーフタイムは「15分を超えない範囲」と定められている一方で、延長戦のハーフタイムのインターバルについては、「短時間(1分間を超えるべきではない)の水分補給時間を取ることが認められる」とあり、実質的に延長戦のハーフタイムはほとんど時間が取られない(競技規則第7条第2項)。
延長戦の時間については元々前後半15分のフルタイムを戦うものとされていたが、1993年にJリーグにおいて、いずれか一方に得点が入った時点で試合終了とする「サドンデス→Vゴール方式」が導入され、その後国際大会でも「ゴールデンゴール方式」として導入されるが、2002 FIFAワールドカップ終了後は、ゴールデンゴールに代わり、延長前半に得点があった場合は延長前半終了まではプレーする「シルバーゴール方式」をいくつかの国際大会で導入した。しかし、延長戦を前半だけで終了するのも不公平とのことで、2004年にフルタイム方式に戻った。
なお「延長戦」「アウエーゴールルール」「PK戦」は組み合わせることが可能で(競技規則第10条第2項)、ホーム・アンド・アウェーの場合は「アウェーゴールルール→延長戦→PK戦」で決まる場合も多い。
1950年のスペイン杯準決勝のアスレティック・ビルバオ vs バレンシアCFでは、30分間の延長戦後、時間無制限サドンデス方式の再延長を行った。再延長に入って3分、ビルバオのアグスティン・ガインサがゴールを決め決着となった。
ラグビーユニオンの統括団体であるワールドラグビーが定める競技規則では「5 試合時間」において「試合時間は80分間以内(前・後半各40分ハーフに失われた時間を加えたもの)だが、試合開催者が勝ち残り式の大会において引き分けの試合があり延長戦の実施を認めた場合を除く」と示すのみ[2]で、15人制の大会において延長戦に関する明確な規定はなく、大会毎に必要に応じて定めることとなっている。
ラグビーワールドカップのノックアウトトーナメントにおいては、80分を終えて同点の場合、以下の方式で決着をつけることとなっている[3]。
ラグビーユニオンの7人制に関しては競技規則に定めがあり、延長戦が必要な場合は10分(5分ハーフ)の延長戦を行い、延長戦の前後半の間はインターバルを設けないこととなっている[4]。
ラグビーリーグ(スーパーリーグやNRLファイナルシリーズ等)では先に得点したチームが勝者となる。
バスケットボールでは、延長戦を「オーバータイム」と呼ぶ。バスケットボール競技規則の「第8条 競技時間、同点、オーバータイム」のうち8-7項に「第4クオーターが同点だった場合、1回5分間のオーバータイムを決着がつくまで必要な回数を行う」と示されており[5]、ラウンドロビン・ノックアウトいずれの場合でもオーバータイムが行われる。同一試合で2回目のオーバータイム(再延長戦)を「ダブルオーバータイム」、3回目のオーバータイム(再々延長戦)を「トリプルオーバータイム」と称する。
また、ホーム・アンド・アウェー方式の場合、2戦終えて2ゲームの合計得点が同点だった場合も、タイブレークとして同じくオーバータイムを決着がつくまで行うことと定められている。
バスケットボールの延長記録
ハンドボールの場合、ハンドボール競技規則「競技時間、終了合図、タイムアウト」の「2の2」において規定されており[6]、前後半各30分(計60分、成年・高校生の場合)の正規の競技時間が終了したとき同点で、勝敗を決定しなければならない場合に、5分の休憩後に前後半各5分(計10分)・ハーフタイム1分の延長戦(第1延長戦)を行う。
第1延長戦でも同点の場合は、第1延長戦と同様の時間による第2延長戦を行い、第2延長戦でも決着が付かない場合は大会規定により勝敗を決定する。この場合、多くの大会では「7mスローコンテスト」(サッカーのPK戦に類似する、7mスロー(ペナルティスロー)5本ずつを投げ合う方式)で勝敗を決する。
アイスホッケーでは、リーグや大会により規定は異なる。
野球においては、公認野球規則 7.01(正式試合)bに規定がある。両チームが9回の攻撃を完了してなお得点が等しいときは、さらに回数を重ねていき(延長戦への突入)、
に試合は終了する、とされている。すなわち、延長戦は1イニング単位で行い、イニング終了時に点差が付いていれば決着となる(後攻チームの場合は、先攻チームのそのイニングでの得点を上回った時点でサヨナラゲーム成立)。何回まで延長を行うかや、延長に入った場合の特別ルールの採用などは、リーグや大会によって規定が異なる。
バレーボールでは、ヨーロッパのカップ戦などで採用されている。ホームアンドアウェートーナメントである時、第2レグ終了時に1勝1敗で終わったとき、第2レグ終了後に15点先取制(通常の第5セットと同じもの。先に8点目を取ったチームが出たところでコートチェンジ)による延長戦「ゴールデン・セット」を行う。
日本ではVプレミアリーグ2016-17年度以後、今日のV.LEAGUEに至るまでの「ファイナル3」「ファイナル」が全試合2試合制になるにあたり、両者1勝1敗で終わったとき、終了後に25点先取(13点目でコートチェンジ)の特別ルールで延長戦を行う[8](2021-22年度の「ファイナル3」は1試合制・アドバンテージ付き(2位に1勝分)があり、その試合で3位が勝った場合はゴールデンセットを行っていた。またそれ以前のシーズンは、1勝1敗で終わった場合、年度により別日に第3戦を行う、あるいはセット率・総得点などを踏まえて優劣を決めるというやり方を採用したこともある)
相撲には他の競技と違って延長戦という制度は無いが、力士の疲労を軽減する策として水入りの制度がある。嘗ては立ち合いから4分半を経過したあたりから勝負審判の判断で水入りを挟んでいたが、近年は2分半あたりから水入りを挟むことも多い。水入り後に組んだ状態から再開し、再度動きが止まると二番後取り直し(残りが一番しかない場合は一番後取り直し)となり、両力士にしばしの休憩を与える形となる。このことから、水入り後の取組再開や二番後取り直し(または一番後取り直し)が他競技での延長戦にあたると考えられる。なお、無制限に取り直しが行われるわけではなく、どうしても決着がつかない場合には引き分けにされることもあるが、大相撲の幕内の取組での引分は、1974年9月場所11日目の三重ノ海と二子岳との一番が最後である。
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