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一度形成された都市や集落が廃墟化して、居住していたことを示す建物や痕跡のみが残されている場所 ウィキペディアから
ゴーストタウン(英語: ghost town、幽霊都市)とは、一度形成された都市や集落が廃墟化して、居住していたことを示す建物や痕跡のみが残されている場所のこと。ただし実際にはごく少数の住人がいる場合もある。
集落の存在理由が特定の産業(鉱業、企業城下町、娯楽産業等)に依存している場合においては、その産業が持続的なものではなく、衰退した場合には集落の存在意味を失うことになる。その意味において生活の伝統も基盤もない地域に人工的につくられた集落が自然消滅するというのは、ゴーストタウン発生の典型例として認められている。
アメリカ合衆国(コロラド州、モンタナ州、カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州)やカナダ(ユーコン準州、ブリティッシュコロンビア州、ノバスコシア州)にはゴールドラッシュの際に出現した集落が多数存在する。ほとんどは金鉱を目当てに集まった者たちによって形成された町であったが、これらの金鉱および採掘作業は鉱業と呼べる産業形態には及ばず短期的に消耗されるものであったため、金鉱が掘りつくされるとほとんどの集落がゴーストタウンと化した。
ナミビアのコールマンスコップは、ダイヤモンド採掘の労働者の居住地として1908年以降に建設されたが、第二次世界大戦後のダイヤモンドの暴落に伴い衰退し、1956年に放棄された。
日本でも、北海道や九州北部の炭鉱跡を中心に同様の元鉱山町が存在する。多くは、大きな都市の一部の集落が廃村になったものであるが、長崎県の端島は採炭のための人工島だったため、島そのものが完全にゴーストタウンと化している(現在は長崎市の一部)。他にも北海道釧路市阿寒町の雄別炭礦(石炭)跡、夕張市の大夕張、北見市のイトムカ鉱山(水銀)、羽幌町の羽幌炭鉱、岩手県八幡平市の松尾鉱山(硫黄)跡、埼玉県秩父市(奥秩父)の秩父鉱山、沖縄県北大東村の沖大東島(ラサ島、燐鉱)などがある。
南極半島周辺(デセプション島、サウスジョージア島、グリトビケン)には20世紀前半にかけて各国の企業が建設した捕鯨基地が存在し、主に鯨油の採取が行われていた。しかし大恐慌の発生とともに石油の値段が下落したために鯨油は利用されなくなり、採算の取れなくなった企業は基地を放棄した[1][2][3]。それに加えてデセプション島にて1967年と1969年に火山が噴火したため、基地の荒廃が更に進んだ[4][5]。
高速道路や新しい鉄道の開通によりゴーストタウンが生み出されることがある。かつてルート66を走行していた車の多くが州間高速道路の開通により沿道にあった町を迂回するようになり、多数の町がゴーストタウンと化した[6]。
また、カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡のケルソーは蒸気鉄道の重要なハブであり、蒸気機関車が修理や給水のために停車する町であったが、鉄道の電化のために寂れていった(現在はモハーヴェ国立保護区内に編入され、かつての町並みが保全されている)[7]。
中世ヨーロッパの三十年戦争では、ドイツの多数の農村が廃村になったといわれている。ここには、第二次世界大戦以降における顕著な事例が列記されている。
自然災害の規模が大きい場合、個人の被害程度ではなく社会基盤が破壊されるため復旧すら放棄されることになる。
スペインでは世界金融危機で住宅バブルが崩壊すると、住宅ローンを払えない多くの人々が家を手放したことで、ゴーストタウンが形成された[19]。中華人民共和国では、史上最大ともされる不動産バブルで『鬼城』と呼ばれる様々なゴーストタウンがつくられ[20][21]、世界の名所の建築を模倣した都市もあり[22]、特に内モンゴル自治区オルドス市は、世界最大のゴーストタウンとして知られている[23]。
ゴーストタウンによっては、その後町そのものが映画のセットとして使われたり、逆手を取ってゴーストタウンであることを売り物にダークツーリズム化した所もある。
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