仙台スタジアム
仙台市泉区にある球技場 ウィキペディアから
仙台スタジアム(せんだいスタジアム)は、宮城県仙台市泉区の七北田公園内にあるサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどの球技場。施設は仙台市が所有し、仙台市公園緑地協会・日本体育施設グループが指定管理者として運営管理を行っている。
仙台スタジアム ユアテックスタジアム仙台 | |
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施設情報 | |
所在地 | 宮城県仙台市泉区七北田字柳78 |
位置 | 北緯38度19分9秒 東経140度52分54.5秒 |
開場 | 1997年(平成9年)6月1日 |
所有者 | 仙台市 |
運用者 | 仙台市公園緑地協会・日本体育施設グループ |
グラウンド | 天然芝[注 1](139m×79m)[1] |
ピッチサイズ | 105m×68m |
照明 | 1,500Lx / 750Lx / 300Lx[1] |
大型映像装置 | 2基 |
建設費 | 約130億円[注 2][2] |
設計者 | 北海道開発コンサルタント |
建設者 | 鹿島建設・大末建設・奥田建設JV |
使用チーム、大会 | |
ベガルタ仙台(1999年 - 現在) 他は当項目を参照 | |
収容人員 | |
19,694人[1] | |
アクセス | |
#アクセスを参照。 |
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に所属するベガルタ仙台がホームスタジアムとして使用している。
仙台市に本社を置く電気工事会社のユアテックが命名権を取得しており、2006年(平成18年)から「ユアテックスタジアム仙台」(ユアテックスタジアムせんだい、略称「ユアスタ」)の呼称を用いている(後述)[3]。
施設概要
席種 | 席数 |
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メインスタンド | 3,934 人 |
バックスタンド | 5,448 人 |
サイドスタンド | 5,158 人 |
コーナースタンド | 4,706 人 |
車椅子席 | 96 席 |
特別席 | 188 席 |
ロイヤルシート | 36 席 |
記者席 | 128 席 |
合計 | 19,694 人 |
- 46,361m2の敷地面積のうち、16,907m2を建築面積として、延床面積28,193m2のピッチとそれを取り囲む観戦施設(地上4階建て、最高高さ:27.5m、スタンド面積:14,3012)が設置されている[1][2][4][5]。
- 収容人員は19,694人。全ての席が個席で、J1リーグの開催基準を満たしている。予算が付けば増席出来るよう、市が設計図を完成済みであることが、サポーター集会において判明している。なお、メインスタンド3階の中央にある貴賓室の窓は防弾ガラスとなっている[2]。
- 観客席は全席屋根付きなので、前方の席でなければ横降りの雨で濡れない。茨城県立カシマサッカースタジアム(1993年開場)を模して作られた。千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ、2005年開場)はこの仙台スタジアムを模して建設された。
- 陸上トラックの無い球技専用スタジアムである。ラグビーやアメリカンフットボールにも対応するため、サッカーの試合では専用スタジアムに比べてサイドスタンド(ゴール裏)がフィールドから少し離れる。
- ナイター照明は屋根と一体化して設けられている。
- 北側ゴール裏にはLED電光掲示板が、南側ゴール裏には大型映像装置が設置されている(2011年に装置更新)。
- 駐車場(普通車113台、障害者用4台、緊急車両用2台、他)。
- 北側には「アズーリ広場」(北緯38度19分12.8秒 東経140度52分53秒)があり、2002年W杯で仙台をキャンプ地としたイタリア代表選手の足型が展示されている[6]。
- スタジアムエントランスには、ベガルタ仙台のマスコットキャラクター「ベガッ太」の石像が設置されている(北緯38度19分13.3秒 東経140度52分54.6秒)[6]。
- 2007年度の利用者数は、観客436,804人、見学者3,397人。使用内訳は、ベガルタ仙台30試合、ソニー仙台12試合、その他サッカー11試合、ラグビー6試合、アメリカンフットボール2試合、イベント4回、一般利用8試合であった[7]。
- メインスタンド裏のコンコースでは震災支援でアーセナル選手のサイン入りユニフォームとサポーターからの横断幕も展示。ユニの下には『頑張れ日本!』とメッセージがある[8]。
沿革
前史
- グリーンフェアせんだいの跡地を再整備して七北田公園を設置(後に同公園内にスタジアムが建設される)。
- サッカーJSL1部の東日本JR古河サッカー部から、仙台市に15,000人を収容できるスタジアムの建設を打診されるが、ラグビーを中心とした5,000人規模のスタジアム建設案が既にあったため拒否した[9]。
- 5月15日、Jリーグ開幕
- 6月22日、仙台市議会で、15,000人収容の屋根付きスタジアム(仮称・七北田公園球技場:後の当スタジアム)の建設が承認される。
- 11月13日、宮城陸上競技場(現・仙台市陸上競技場)でJリーグ公式戦のジェフユナイテッド市原対ヴェルディ川崎が開催される。この試合の最中に、新スタジアムを2万人収容とする案が仙台市長に打診されると、仙台市長が会見で新スタジアムの規模を「20,000人以上」と公言してしまい、仙台市財政課では25,000人収容スタジアムが建設出来る予算を組み、設計図も作成した。しかし、近隣の民家の日照権問題から2万人収容に縮小。更に、バリアフリー設計により、19,694人収容で建設されることになった[9]。また、同試合を機に、仙台・東北にJリーグチームを設立する機運が高まる[10][11]。
仙台スタジアム
- コンサドーレ札幌がホームである札幌厚別公園競技場が積雪期使用不可のため、主催試合2試合を仙台スタジアムで開催(仙台スタジアムで行われた初のJリーグ公式戦)。
- ソニー仙台がJFL(当時)に昇格し、ブランメル仙台との「仙台ダービー」が行われた(ブランメルが2戦とも勝利)。
- ブランメル仙台がベガルタ仙台と改称してJリーグ ディビジョン2(J2)に参加し、仙台スタジアムをホームスタジアムとした。
- 新世紀・みやぎ国体において成年男子のサッカー会場となった。
- 2002 FIFAワールドカップで、仙台市をキャンプ地としたイタリア代表(アズーリ)が練習場として使用。
- 6月、前年のイタリア代表キャンプ記念事業として、イタリアプロサッカー(レガ・カルチョ)のトップリーグ、セリエAのACキエーヴォ・ヴェローナが来日し、仙台スタジアムでベガルタと親善試合を行った。その試合を最後にビアホフは現役引退した。
- 9月、仙台カップ国際ユースサッカー大会の開催地となる。
ユアテックスタジアム仙台
- 6月16日、IRBパシフィック・ネイションズカップの日本代表対サモア代表の試合を開催。当スタジアム初のラグビー日本代表の公式戦。
- 6月15日、前年に続きIRBパシフィック・ネイションズカップの日本代表戦(相手はトンガ代表)を開催。
- 1月から6月に掛けて改修工事。総工費1億9,400万円で、グラウンドに散水機を60基設置、芝養生用のアンダーヒーティング(地下温水循環装置)を一部設置、透水性向上のため砂利を入れ替え、その上で芝の全面張り替えを行った。その間、ベガルタのホームゲームは宮城スタジアムで11試合、福島県営あづま陸上競技場で1試合を開催。
- 2月、ユアテックとの命名権契約を3年間更新。
- 芝生張替え工事後の杮落としは7月5日の仙台市民ラグビー選手権大会。ベガルタの初戦は同8日のザスパ草津戦(J2第26節)。
- 3月7日、更新工事していた大型映像装置が完成[12]。
- 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で被災。翌日開催予定だった名古屋との当季ホーム初戦をはじめとして、以降の試合が開催中止となった。
- 3月22日・23日、被害状況の点検作業を実施したところ、屋根先端の照明や北口ゲート付近などに損傷が見受けられたが、補修により試合開催が可能とされた[13][14]。
- 3月26日・27日、日本サッカーミュージアム(東京都)に全国から集まった支援物資を大宮(鈴木淳監督…宮城県亘理町出身)のスタッフ・サポーターがトラックで当スタジアムに搬入し、名古屋サポーター1,470人から送られた約47,000本のペットボトル飲料やベガルタサポーターが集めた支援物資とを合わせて仕分けをし、宮城県石巻市・女川町・東松島市などの複数の避難所に届けられた[15][16][17][18][19][20]。
- 4月1日、宮城スタジアムを含む宮城県総合運動公園(グランディ・21)の各施設が救援活動に使用されているため、浦和との当季ホーム初戦を当初予定の宮城スタジアムから当スタジアムに会場変更の上、4月29日に開催すると発表された[14][21]。
- 4月3日、大宮のスタッフ・サポーターがチームバスとトラックに満載した支援物資を当スタジアムに搬入し、山形・浦和・横浜FMなどのJ1およびJ2サポーターが直接持参するなどした支援物資とを合わせて仕分けして、宮城県石巻市や南三陸町の被災者に届けられた[16][17][22]。
- 4月6日、仙台市地下鉄南北線が4月29日の始発から全線で運行再開すると発表され、浦和との当季ホーム初戦のアクセス問題が解決される見通しとなった[23]。
- 4月7日、補修工事開始[24]。東北地方太平洋沖地震の余震が発生し、損傷が拡大した[25]。
- 4月29日、“震災復興キックオフデー”に浦和との当季ホーム初戦で使用再開。
- 7月1日、サッカー国際親善試合:U-22サッカー日本代表vsU-22サッカーコスタリカ代表戦を開催した[26]。
- 12月5日、JFLチャンピオンシップ第2戦:ソニー仙台FCvsヴァンラーレ八戸戦を開催。延長・PK戦の末、ソニー仙台が初のJFL優勝を果たした。
施設命名権
2005年(平成17年)12月[35]、仙台市が所有する仙台スタジアムの施設命名権の売却において、仙台市内に本社を置く企業に限定し、スタジアム名に「仙台」または「杜の都」を入れるという条件で募集したところ、電気工事会社の「ユアテック」(仙台市)1社が応募した。2006年(平成18年)1月31日、年間7,000万円、3年契約(2006年3月1日から2009年2月28日まで)でユアテックが命名権を取得したと発表した[3]。和文表記を「ユアテックスタジアム仙台」、ラテン文字表記を「Yurtec STADIUM SENDAI」、略称を「ユアスタ仙台」とし、同年3月1日より使用開始となった[3]。
2009年(平成21年)2月3日、ユアテックが命名権契約を更新した[32]。命名権取得者であるユアテック側の契約内容は前回同様[32] だが、今回契約より命名権料は仙台市と(株)ベガルタ仙台が折半して受け取ることになった[33]。
2012年(平成24年)2月末、ユアテックとの契約を再更新した。命名権料は年間5,000万円に変更され、仙台市と(株)ベガルタ仙台が年間2,500万円ずつ受け取ることになった[34][36]。
なお、命名権採用後は上記の名称を使うが、クリーンスタジアム規定が適用される国際サッカー連盟及びアジアサッカー連盟主催の国際試合・大会(AFCチャンピオンズリーグなど)では仙台市都市公園条例上の名称の「仙台スタジアム」を使用する[37][38][39]。
開催された主なイベント・大会
開催実績
- 2001年
- 新世紀・みやぎ国体成年男子サッカー会場
- 2002年
- FIFAワールドカップ出場イタリア代表チーム 仙台キャンプ
- 2003年
- 2011年
- 震災復興支援 日伊レジェンドマッチ
- JPFAクリスマス・チャリティーサッカー2011 チャリティーマッチ
- 2012年
- ラグビー・トップリーグオールスター FOR ALL チャリティーマッチ in 仙台
- キリンチャレンジカップ 日本女子代表 vs アメリカ女子代表
- JPFAチャリティーサッカー2012 チャリティーマッチ
- 2013年
- AFCチャンピオンズリーグ2013(ベガルタ仙台ホームゲーム)
- JPFAチャリティーサッカー2013 チャリティーマッチ
ラグビーワールドカップ日本招致活動においては開催地候補として選ばれており、日本開催が決定した後に仙台市も会場に立候補したが落選した。落選した理由として仙台市が消極的だったことが指摘されている[40]。
- 2024年
- ラグビー日本代表 対 ラグビージョージア代表 テストマッチ - 2024年7月13日[41]
サッカー
- ベガルタ仙台(Jリーグ)
- ソニー仙台FC(JFL)
- マイナビ仙台レディース(WEリーグ)
- 日本女子代表
- 仙台カップ国際ユースサッカー大会(2003年 - 2010年、震災発生により以後休止[42])
- U-16インターナショナルドリームカップ(2017年 - 2019年、2022年)
- 全国高等学校サッカー選手権大会宮城県大会 決勝・準決勝
- 高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ
アメリカンフットボール
ラグビー
- 全国高等学校ラグビーフットボール大会宮城県大会 決勝戦
- 全国大学ラグビーフットボール選手権大会出場権獲得戦(関東大学ラグビーリーグ戦グループ5位校vs東北・北海道地区代表校)
- ジャパンラグビーリーグワン
その他
- 当スタジアム完成前、ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)は宮城陸上競技場(現・仙台市陸上競技場。仙台市宮城野区)や宮城県サッカー場(宮城郡利府町)をホームスタジアムとして使用していたが、いずれもナイター設備がなく、平日でも昼間に試合を行わざるを得なかった。そのため、観客動員面では苦戦を強いられていた。1997年(平成9年)にナイター設備も完備された当スタジアム完成後は仙台市地下鉄南北線泉中央駅から徒歩4分(約250m)というアクセスの良さも手伝い、観客動員の増大に繋がった(1試合平均観客動員数は4,567人(1996年)、5,948人(1997年)、4,854人(1998年)、7,470人(1999年)、14,685人(2007年))。
- 宮城県内には利府町に宮城スタジアムがあり、スタンド収容人数では仙台スタジアムの約2.5倍にあたる49,133人を誇るが、仙台市内からのアクセスが悪い(通常時で仙台駅から電車とバスの乗り継ぎで合計30分以上)。ベガルタは2005年以降、宮城スタジアムでの主催試合開催を取りやめ、全て仙台スタジアムで行ってきたが、2008年11月9日に4年ぶりに宮城スタジアムで主催試合(対サンフレッチェ広島)を開催した。
- 芝生が耐用年数の終盤になって、2007年の夏の暑さやクラウンド使用の過多が重なり、芝生のダメージが大きくなったことから、2009年1月から土ごと芝の取替え工事を行うことになった。工事期間中、同スタジアムは使用できなくなるため、その間の仙台のホームゲーム11試合を宮城スタジアムで開催した(それとは別に福島県営あづま陸上競技場でもホームゲーム1試合を開催)。前述の2008年に行った宮城スタジアムでの主催試合はその予行としての意味合いもあった。
- 泉中央駅前のペデストリアンデッキ(泉中央広場)と仙台スタジアム北口を繋ぐ市道泉中央26号線(Google マップ)[注 3] は、泉区まちづくり推進協議会により「ベガルタロード」と名付けられている[43][44]。当道は、同協議会によりベガルタゴールドに近い黄色の花壇で彩られている。また、当スタジアム南側の七北田川堤防にも同協議会が花文字の植栽を施している。これらの活動に対し、当スタジアムの命名権を有するユアテックから「ユアテック感動サポート賞」表彰第1号が2009年12月に同協議会に贈られた。
- 2011年メインスタンド裏のコンコースでは震災支援でアーセナルサポーターからの横断幕も展示。ユニの下には『頑張れ日本!』とメッセージがある。これは本拠地エミレーツ・スタジアムに5月のシーズン終了時まで実際に掲げられていたもので、震災地を代表するクラブであるベガルタ仙台に贈られた。[8] また、横断幕に加え、アーセナルに所属するフランス代表MFサミル・ナスリ、カメルーン代表MFアレクサンドル・ソングからのメッセージ入りサイン&ユニフォーム、20名以上の選手のサインが記されたユニフォームも贈られ、一緒に展示されている。
- Jリーグスマートスタジアム事業 第1号に選ばれた[45]。
- アニメ「Wake Up, Girls!」にユアスタが登場[46]。
- サッカーダイジェスト2018年9月27日号「Jリーグクラブ番付」のスタジアム部門ランキングで2位に輝くなど関係者からの評価は高い。臨場感、快適さ、アクセスのどこから見ても素晴らしく、サッカーへの造詣が深い平畠啓史氏の評は右記である。 「地下鉄南北線の終点 · 泉中央駅からわずか4分とアクセスに優れている。大きすぎず小さすぎず、サッカーを楽しむには最適な規模。サポーターの声援がスタンドを覆う屋根に、ほど良く反響するので、目だけでなく耳でも熱気を味わえる。」[47]
- 漫画「呪術廻戦」にてユアテックスタジアム仙台の屋根や、その近くの橋や通路が描かれた事がある[48]。
- 2023年、最寄り駅である泉中央駅の副駅名は「ベガルタ仙台・ユアスタ前」と命名された[49]。
アクセス
- 仙台市地下鉄南北線(仙台駅から泉中央駅までは約15分)
- 泉中央駅西1口(北緯38度19分23.3秒 東経140度52分50.4秒)から北エントランスまで徒歩4分
- 八乙女駅北3口(北緯38度18分48.3秒 東経140度53分0.8秒)から東エントランスまで徒歩8分(南側サイドスタンド(アウェー側)に近い)
- 東北自動車道
- 駐車場(ベガルタ仙台は公共交通機関での来場を呼びかけている)
- 近隣の民間有料駐車場の相場は100円/時間。但し、大規模イベント開催日には特別料金となるところもある。
- 泉区役所駐車場(1回300円)[50]
バイクや自転車で来場し、敷地内に駐輪する人も多い。駐輪料金は無料。
施設画像
- サポーター自由席から見たメインスタンド及びビジター自由席(2009年12月)
- メインとバックスタンドにはボックスシートを完備(2023年5月)
- コンコース展示の一部(2023年5月、展示は過去の仙台カップ)
- ベガッ太の石像(2023年5月)
脚注
関連項目
外部リンク
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