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1995年に公開されたアメリカ合衆国の映画 ウィキペディアから
『パワーレンジャー 映画版』(原題:Mighty Morphin Power Rangers The Movie、別題 - Power Rangers The Movie)は、1995年のアメリカ映画で、日本の特撮作品「スーパー戦隊シリーズ」の英語版ローカライズとして制作された[4]テレビドラマシリーズ・『パワーレンジャー』シリーズの劇場版第1作である[5]。米国では1995年6月30日に公開された[5]。日本での公開は1996年4月20日(吹き替え版のみ)[6]。一部地方では『潜望鏡を上げろ』との同時上映も行われた[7]。
パワーレンジャー 映画版 | |
---|---|
Mighty Morphin Power Rangers The Movie | |
監督 | ブライアン・スパイサー |
脚本 | アーン・オルセン |
原案 |
アーン・オルセン ジョン・キャンプス |
製作 |
ハイム・サバン シュキ・レヴィ スザンヌ・トッド |
ナレーター | ガブリエル・フィッツパトリック |
出演者 |
ジェイソン・デイビッド・フランク デイビッド・ヨスト エイミー・ジョー・ジョンソン スティーブ・カルデナス ジョニー・ヨング・ボシュ キャラン・アシュレー |
音楽 | グレーム・レヴェル |
撮影 | ポール・マーフィ |
編集 | ウェイン・ウォーマン |
製作会社 |
フォックス・ファミリー・フィルムズ[1] サバン・エンターテイメント 東映 |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
1995年6月30日[2] 1996年4月20日[2] |
上映時間 | 95分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 日本 |
言語 | 英語 |
製作費 | $15,000,000 |
興行収入 | $66,433,194[3] |
次作 | パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー |
パワーレンジャー初の劇場用作品[5]。シーズン2放送終了後、シーズン3開始までの時期に公開され、シーズン3でも本作品と同じ忍者パワーの展開が行われているが、厳密にはパラレルワールドの物語である[5]。制作は20世紀フォックスのファミリー映画部門であるフォックス・ファミリー・フィルムズが担当[1]。制作は20世紀フォックス主導で行われ、テレビシリーズの制作会社であるサバン・エンターテイメントは制作には関わっていないとされる[8]。パワーレンジャーやロード・ゼッドなどのキャラクターのスーツや基地のセットも劇場用に新規に制作され[9]、日本のスーパー戦隊シリーズからの映像流用は無く、キャラクターデザインの原型のみとなっている[10]。
本作品はオーストラリアで撮影されており[10][8]、一部の登場人物がテレビシリーズとは別の俳優が演じている[11]。
当初、監督はスティーブ・ワンが予定されていたが[12]、製作開始から3ヶ月目でワンが降板したため[13]、本作品が映画デビューとなるブライアン・スパイサーが担当した[14]。
当初、アクション監督は坂本浩一が予定されており、横山誠など10人の日本人スタントマンが参加することが決まっていたが、スティーブ・ワンが降板した影響で取りやめとなった[15]。
20世紀フォックスが日本人の動きができる現地スタントマンを見つけられなかったことなどから制作が難航し、それを解消するためにテレビ版のセカンドユニット監督のジェフ・プルートとスタントマンが数名参加したが、撮影中プルートはフォックス側の判断で降板となったため、アクションはテレビシリーズとは異なるものになっている[8]。鬼塚大輔は格闘シーンのワイヤーアクションの多様などは香港映画の影響と推測している[16]。パワーレンジャー役の俳優6人はほとんどのアクションシーンをスタントなしで演じたとされる[17]。
巨大ロボットによる戦闘シーンが着ぐるみではなくフルCGで描かれるなどの試みが行われたが、これは日本と同じような着ぐるみを使った巨大戦闘シーンをアメリカで制作した場合、高額な制作費と時間が必要になるため、作ることができないという事情があるためとされる[18]。プロデューサーのスザンヌ・ドッドによれば巨大戦闘シーンの計画には8ヶ月の時間がかけられたという[19]。
1995年6月24日にカリフォルニア州ロサンゼルスのマン・ナショナル・シアターで行われた試写会に東映会長の岡田茂とともに参加していた渡邊亮徳はこの時の観客の反応からこの作品のヒットを確信したとされる[20]。
全米2407館で上映され[20]、週末興行成績は第4位となる1310万4788ドル[21]。『アポロ13』や『ポカホンタス』など、サマーシーズンの強力作品を向こうに回して健闘し[22]、最終的な興行収入はアメリカ国内では3818万7431ドル、全世界合計では6643万3194ドルとなった[23]。1995年の子供向け映画の中では10位の記録となっている[23]。テレビを観ていた人がそのまま劇場に来たというケースはアメリカで初めてともいわれた[22]。東映に版権料だけで約20億円が入り[22]、キャラクターグッズの売り上げは莫大な金額になるといわれた[22]。
ロジャー・イーバートは登場人物がアイバンを除いて無個性と評し[24]、カリン・ジェームスは変身前のレンジャーの出番が多すぎることを欠点として挙げている[25]。
ライアン彗星が地球に近づくある日、エンジェルグローブのビルの建設現場から卵状のカプセルが発見される。それはゾードンが6000年前に悪の権化、アイバン・ウーズを封じ込めたものだった。ゾードンはレンジャーたちにカプセルを再封印するように命じるが時既に遅く、ロード・ゼッドの手によりアイバンは復活。復活したアイバンによりコマンドセンターは破壊され、ゾードンは瀕死の重傷を負い、パワーレンジャーのパワーも消滅した。アルファはレンジャーたちに惑星フェイドスに存在する新たな力、ニンジェッティパワーの存在を教える。決して戻った者のいない星に向うレンジャーたち。そのころ、アイバンはリタとゼッドをカプセルに封印し、組織の支配者となり、地球を征服するためにエンジェルグローブの子供たちに自分の粘液を配布してそれに触れた子供たちの親を洗脳、超兵器エクトモーフィコンを発掘するための奴隷としてしまう。フェイドズに到着したレンジャーたちはこの星の女戦士ドルシアと出会う。最初はレンジャーたちに星から去るように警告するが、事情を知ったドルシアはレンジャーたちにニンジェッティの聖なる獣の力を授け、彼らにニンジェッティ神殿のある場所を教えた。そこに向かい、数々の試練を乗り越えたレンジャーたちはついに新たな力を得る。それと時を同じころ、エクトモーフィコンはついに起動し、用済みになった奴隷たちは自殺を命じられる。そこにフェイドスからレンジャーたちが帰還し、エクトモーフィコンに対抗するために聖獣ゾードを呼び出す。同じころ、少年フレッドはアイバンの魔力の虜になっている子供たちを説得、親たちを救うために向かっていった。戦いの末にエクトモーフィコンを1体倒すことに成功するが、アイバンが残ったエクトモーフィコンと合体して巨大化。それに対抗するためにゾードを合体させ、アイバンと共に宇宙に飛び出す。宇宙空間での戦いの末、アイバンはライアン彗星に激突して消滅。自殺を命じられた親たちも元に戻った。基地に帰還するレンジャーたちであったが、時既に遅く、ゾードンは死んでしまう。しかし、ニンジェッティパワーの力によりゾードンは復活。破壊された基地も復元された。そして、リタとゼッドも解放され、再び王座に就くのであった。
基本的な設定はテレビシリーズの項を参照。
変身後のパワーレンジャーのスーツは鎧のイメージで作られ、筋肉を強調したデザインとなっている[19]。スーツの生地はビニールコーティングされたラテックスであり、これはコスチューム・デザイナーのジョゼフ・ポロがこの映画のために開発した物だという[19]。
サウンドトラックはアトランティックレコードより、1995年6月8日にCDとカセットテープで発売[40]。日本では1996年4月25日にCDがリリースされた[41]。発売元はイーストウエスト・ジャパン、販売元はワーナーミュージック・ジャパン[41]。
劇伴を収録したスコア盤CDはヴァレーズ・サラバンド・レコーズより、1995年9月26日に発売[42]。
特記の無いものに限り、販売元は日米ともに、20世紀フォックス ホーム エンターテイメント[45][46][5]。
アメリカ合衆国
日本
本作品の玩具はムービーエディションとしてメッキ塗装が行われ、映画のイメージを表現しているものがある[5]。テレビ版の玩具の中で最大のヒット商品であるオートモーフィンシリーズもムービーエディションが発売されたが、メッキがギミックを阻害することが判明し、新規金型で制作された[5]。1995年当時のパワーレンジャーの人気の高さだからこそ出来たことだとされる[5]。
アメリカで本作品の公開当時、マクドナルドのハッピーミールに本作品が採用されている[5]。
フリーア・コーポレーションよりトレーディングカードが発売された[5]。全194種類(ノーマルカード150種類、インサートカード44種類)[5]。
パワーレンジャーのすべて(Mighty Morphin Power Rangers The Movie: Secrets Revealed)は本作品公開前の1995年6月18日にフォックス放送で放送されたメイキング番組[54]。パワーレンジャー役の6人の俳優が司会を務める。日本ではUHF局などで放送された他、非売品の販促用ビデオとしてもリリースされた[54]。
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