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1973年、オハイオ州ケント州立大学美術学部の学生だったマーク・マザーズボウとジェラルド・キャセールが意気投合して前身となるグループを結成した。そのころふたりはグラフィック・アートの世界に幻滅し、音楽の世界に可能性を見いだそうとしていた。『The Beginning Was The End Knowledge Can Be Eaten』という人文・自然科学の本を読んで影響を受け、その「人間退化論」を音楽のバックボーンにしようと考えた。「ディーヴォ(Devo)」というバンド名は「De-Evolution」の略で、「人間は進化した生き物ではなく、退化した生き物だ」という意味が込められている。
1970年代後半に登場したニュー・ウェイヴ・バンドのうちでも、非常に影響力の強かったバンドである。日本ではクラフトワークとともにテクノ・ポップの成立を語る上で欠かせないバンドであり、のちにPOLYSICSをはじめとするフォロワーが現れ始め、さらにはPEVOのようにそっくりなバンドも生まれた。本国アメリカではニルヴァーナ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンといったバンドがカバーしている。
『欲望心理学』からシングルカットされた「ホイップ・イット」がトップ20に入りヒットする。その後は『オー・ノー!イッツ・ディーヴォ』では名プロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーを起用、『シャウト』ではサンプリング・シンセ、シモンズ・ドラムを導入してサウンドを深化させるなどして精力的に活動を続けたが、1990年代になるとバンド活動への疑問が生まれ、さらに所属していたエニグマ・レコードが倒産したことで活動を停止する。
洗濯機などの機械が発するノイズを用いた、極めて実験的かつ前衛的な音楽で、いまではノイズ・ミュージックの先駆けと評価する人もいるが、当初はキャンパス内で開いた発表会でビール瓶を投げつけられるほど不興を買った。しかし、1977年に最初のミュージック・ビデオ『The Truth About De-Evolution』がアナーバー映画祭で入賞したことにより、評価は一変した。
1974年に、今後は既存のロックの形式を採り入れるしかないと考え、ジェリーとマークは各々の弟と、姻戚関係のないアランを引き入れてバンドを結成した。ジェリーとマークの弟は同じ名前であり、それにちなんでそれぞれボブ1号とボブ2号と命名された。「ボブ」は英語でロバートの愛称である。
初期の活動についてマークは、次のように語っている。
演奏の仕方、使い方がエスタブリッシュされてるもので未来は語れないよ。未来のためには、未来の手段が必要だ。今のミュージシャンは、たとえばシンセサイザーを使うときも、ギターやドラムを使う時と全く同じように使おうとする。つまり、これまでの楽器の代用または延長としてしか見てないのさ。エレクトロニクスにはエレクトロニクスの言葉があるんだよ。ピート・タウンゼントはエレクトロニクスをエレクトロニクスとして使った最初でほぼ最後のギター・プレイヤーだが、他のミュージシャンは、エレクトロニクスをいかに人間の言葉に置き換えるかのみを追求して来たみたいだ。Devoはエレクトロニクスを崇拝してるわけでもないしエレクトロニクスがすべてなんて思ってるわけじゃないけど、エレクトロニクスをエレクトロニクスの次元で、それ自身の言葉で語らせたら多くの可能性をもってると思うんだ。これまでの表現にはなかったコンセプトやアイディアを現実のものにするには、今のところ一番適してるんじゃないかな。
1990年、8枚目のアルバムを発表したのち事実上活動を停止。しかしその後も散発的に活動は行われた。
2006年、ディーヴォの曲を少年少女のメンバーに歌わせる'Devo 2.0'というグループをサポートし、アルバム『Dev2.0』をリリースした。
2007年、1990年以来となる新曲「Watch Us Work It」を発表。
2010年2月のバンクーバーオリンピックのステージから、テーマカラーを青とし、エナジードームも青くなった。6月15日(日本盤は6月23日)、20年ぶりのアルバム『サムシング・フォー・エヴリバディ』を発表。
マーク・マザーズボウは、1980年代後半から映画やテレビドラマのサウンドトラックの作曲家として積極的に活動している。
1980年、M-80 Festivalに“DOVE the band of love”(愛のバンド“ハト”)として登場。平和を希求する偽善者バンドとしてサンバイザーとカジュアルスーツに首から大きなハトのマークが入ったメダルを下げるといった胡散臭い出で立ちで、「忌まわしいディーヴォ・ソング」として「It Takes a Worried Man」「Praying Hands」「Shrivel Up」を演奏。またダブニー・コールマン主演のコメディ映画『Pray TV』(1980年)にも登場。ここでは「Shrivel Up」を演奏している。
ディーヴォにはライブやミュージックビデオ等には退化理論をレクチャーするいくつかのキャラクターが存在する。
ディーヴォには彼らの退化理論を表す幾つかのアイテムが存在する。彼らの公式サイトでも購入が可能なものもある。
マザーズボウは日本の怪獣映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』を十数回も観たというほどの大ファンで、キップ・ハミルトンが歌う劇中歌「The Words Get Stuck in My Throat」(伊福部昭作曲)を耳で覚えてしまい、カバーまでしている。ライブではブージー・ボーイが主に歌っている。
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