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インターネットスラング ウィキペディアから
バカッターは、日本のインターネットにおいて誕生したTwitter(現X)やTikTokなどの利用者による行為の様相を表すインターネットスラング。「馬鹿」と「Twitter」のかばん語。
Twitterの利用者が投稿(ツイート)を通して自らの犯罪、詐欺、嘘、その他の反社会的行動をSNSへ晒け出すことで承認欲求を満たそうとする行為を指す[1][2]。2013年はバカッターに該当する投稿が数多く行われ、同年8月25日の産経新聞ではこれらの現象を一面で報じ[3]、また「バカッター」の語が「ネット流行語大賞 2013」の4位となった[1]。
投稿が公憤を買うような文章や画像、動画であるから炎上することが多い。アルバイトなど勤務先での「バカッター」行為は「バイトテロ」とも呼ばれる。2023年にはTwitter以外のTikTokやInstagramなど各種SNSにおける客の行き過ぎた承認欲求による、各種店舗へ対する損害行為が問題になっている[2]。
Twitterの利用者が投稿するツイートに内容のひどいものが多く見つけられ話題になったことから「バカッター」という造語が広まった。中には個人名を出した上で、非行や犯罪行為を自慢する自己顕示欲のある者などが存在する。
たとえ当該投稿を削除しても、キャプチャされた画像(スクリーンショット)[注釈 1]や、検索エンジンのサーバー(インターネットアーカイブなど)に残ったキャッシュが永久に残り続け、これらの写真や動画に写り込んだわずかな情報(背景、周囲の建造物など)を元に第三者が住所・氏名・学校などの個人情報を特定し、晒し上げることで誹謗中傷がインターネットに拡散される[4]。
また、訴訟・失業・停学・退学や損害賠償により、その人あるいは周囲の人生を大きく変えてしまうケースが少なくない[4][5][6]。
2019年からは、投稿する場がTwitterからInstagramやTikTok、及びYouTube等の動画配信サイトに移ったことから、バカッターから転じて「バカスタグラム」や「バカトック」という言葉が生まれているが[7][8]、言葉が定着したこともあり投稿先のSNSの種類にかかわらず「バカッター」の名称を使うメディアも多い。
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インターネット上で犯罪行為を告白するユーザーの多くはITリテラシーやネットワークの知識が低く、ネットに不慣れな者が多い。このようなユーザーは、次のような者が多い。
加えて、TwitterやInstagram、TikTokではスマートフォンで手軽に動画を投稿できるため、動画投稿の敷居を著しく下げている。これもバカッターの発生原因のひとつとして考えられている。内容に問題がないかを投稿前にゆっくりプレビューする者が少ないツイッターでは特に顕著である[9]。
7月から8月の夏休みシーズンでは、時間が有り余った若者が増えることによってバカッターが続出するという分析もある。この現象はバカッター騒動と総称されることもある[3]。
バカッター騒動によって被害を受けた店舗が多額の損害を受けたり、最悪の場合は自主廃業となった実例がある。また、被害者である企業が証券取引所に上場していた場合、該当企業の株価が下落し、株主にまで被害を与えた事例もある[10][11]。この中には騒動によって直接的および間接的に危害を加えたバカッターユーザーに対して、民事の損害賠償を請求する(または雇用契約の締結時に「故意および過失で損害を与えた場合、損害賠償を請求する」旨の誓約書を書かせる)企業も出ている。
ブロンコビリーで発生した事件(後述)に関して、刑法学者の板倉宏は「(店側は)2000万円ほど請求してみるのもいい。実際に取れるのは500万円ほどになると思う」と意見を述べた[12]。
中学生の場合は高校への進学の道が断たれるのに加え、高校・大学生の場合は退学処分になるだけで済まず[13]、正社員・非正規従業員の場合も懲戒解雇に至った例もある[14]。
ジャーナリストの井上トシユキは、2013年の夏の騒ぎの過熱について、
の3つが相乗的に影響したためだと分析している[15]。
実行者は、刑事裁判では威力業務妨害罪と器物損壊罪、民事裁判では損害賠償請求がなされる[17]。実行者の仲間として当該動画を撮影した者は、刑事では偽計業務妨害罪、民事では偽計業務妨害罪や器物損壊罪に該当する行為で企業へ与えた経済損失に基づく損害賠償を請求されうる[17]。
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