コーチェラ・フェスティバル
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コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル(Coachella Valley Music and Arts Festival)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州インディオの砂漠地帯“コーアチェラ・バレー”(コロラド砂漠の一角)にて行なわれている野外音楽フェスティバルである。正式名称は「コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」だが、一般的にはコーチェラ・フェスティバル、あるいは単にコーチェラ(Coachella)と簡略化されて呼称される。
1993年にパール・ジャムが行ったインディオでの大規模野外ライブを前身として、その興行ノウハウを整えた運営組織がアメリカ合衆国西海岸のロックフェスとして1999年に開催をスタートさせる。当初は2日間の開催(2000年は開催せず、2001年の第2回のみ1日開催)であったが、2007年より3日間開催に移行。さらに2012年より金・土・日のラインナップを固定して行う2週間開催に拡大した[1]。現在その開催規模はロラパルーザ、ボナルーと並びアメリカ合衆国最大を誇り、今や世界屈指の音楽フェスとして認知される。上記ボナルーやイギリスのグラストンベリー、日本のフジロックと同様に大自然の中で開催される巨大フェスティバルである。
開催時期が毎年4月中旬ごろに定められている関係から、他に先んじて一足早く北半球を中心とした世界のフェス・シーズン幕開けの先陣を切る存在であり、その後本格的に到来する各地のフェスブッキングや、諸バンド・ミュージシャン達の夏季ツアーのスケジュールを占う上でも非常に注目されるフェスティバルでもあるといわれる。
コーチェラは、他フェスに先んじてサプライズの多いブッキングを行うことで毎年話題を呼ぶ。第2回の2001年、主要アクトとしての出演が内定していたエイフェックス・ツインが急遽キャンセルを発表した際には、同じワープ・レコーズからスクエアプッシャーをすぐさま追加招聘し、その素早い対応ぶりを見せつけた。
ザ・キュアーとレディオヘッドの強力布陣を揃えた2004年に初めてのソールドアウトを達成、すでに完売していたチケットがさらに天井知らずの高騰をみせた2006年は、デペッシュ・モードとマドンナという2大巨頭を一度に同じロックフェスにエントリーさせたことで大きな話題となった。
2008年、当初2日目はポーティスヘッドがヘッドライナーとしてアナウンスされていたが、実は準ヘッドライナーであると明かし、開催の2週間前になって突如プリンスを真のヘッドライナーとして発表、世界中の音楽ファンやメディアに大きな衝撃を与えた。この際にプリンスには出演料として500万ドルが支払われたと報道されている[2]。
2000年代は、2度のヘッドライナーを務めたザ・キュアーを始め、ニュー・ウェイヴ世代の大御所が起用されることが多く、アメリカ合衆国のフェスではあるもののイギリス出身のいわゆる「ロック・レジェンド」を数多く出演させてきた実績のほか、アート・オブ・ノイズやクラフトワークまで古今東西のダンス・ミュージックに明るく、他方でジェイ・Zを先頭にパブリック・エナミーやゴーストフェイス・キラーなどヒップホップ勢のヘッドラインにも強さを発揮した。
2010年はアイスランド南部で起きた、火山噴火の影響で約6000機の航空機の欠航の被害を受け、ゲイリー・ニューマンやバッド・ルーテナント、ザ・クリブスなど渡航不可により急きょ出演キャンセルを余儀なくされたアーティストが発生した。
2010年代は、インディー・ロック中心のラインナップから徐々にダンスミュージックやヒップホップ、ポップアクトへと比重を傾けていく。また、客層は純然たる音楽ファンからセレブカルチャーやインフルエンサーを好む層へと変化していった。その結果、コーチェラフェスティバル自体がポップカルチャーの中心地として巨大な存在になっていく。
2011年のカニエ・ウェストによるヘッドライナー公演は豪華なライブセットと演出が話題を呼び、ハリウッド・リポーター誌は史上最高のヒップホップライブだったと報じた[3]。
2018年のビヨンセによるヘッドライナー公演(通称ビーチェラ)は広範囲にわたって称賛を受け、メディアの多くに「歴史的なショー」だったと報道された[4]。翌年ビヨンセは同公演を収めたコンサート映画とライブアルバムを発表した。
2022年に3年ぶりに復活。
年 | 日付 | ヘッドライナー | その他主な出演者 | ||
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1999年 | 1日目(10月9日) | ベック |
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2日目(10月10日) | レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン |
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2001年 | 1日目(4月28日) | ジェーンズ・アディクション |
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2002年 | 1日目(4月27日) | ビョーク |
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2日目(4月28日) | オアシス |
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2003年 | 1日目(4月26日) | ビースティ・ボーイズ |
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2日目(4月27日) | レッド・ホット・チリ・ペッパーズ |
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2004年 | 1日目(5月1日) | レディオヘッド |
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2日目(5月2日) | ザ・キュアー |
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2005年 | 1日目(4月30日) | コールドプレイ |
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2日目(5月1日) | ナイン・インチ・ネイルズ |
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2006年 | 1日目(4月29日) | デペッシュ・モード |
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2日目(4月30日) | トゥール |
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2007年 | 1日目(4月27日) | ビョーク |
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2日目(4月28日) | レッド・ホット・チリ・ペッパーズ |
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3日目(4月29日) | レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン |
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2008年 | 1日目(4月25日) | ジャック・ジョンソン |
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2日目(4月26日) | プリンス |
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3日目(4月27日) | ロジャー・ウォーターズ |
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2009年 | 1日目(4月17日) | ポール・マッカートニー |
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2日目(4月18日) | ザ・キラーズ |
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3日目(4月19日) | ザ・キュアー |
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2010年 | 1日目(4月16日) | ジェイ・Z |
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2日目(4月17日) | ミューズ |
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3日目(4月18日) | ゴリラズ |
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2011年 | 1日目(4月15日) | キングス・オブ・レオン |
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2日目(4月16日) | アーケイド・ファイア |
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3日目(4月17日) | カニエ・ウェスト・ザ・ストロークス |
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2012年 | 金曜(4月13日・20日) | ザ・ブラック・キーズ |
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土曜(4月14日・21日) | レディオヘッド |
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日曜(4月15日・22日) | ドクター・ドレー&スヌープ・ドッグ |
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2013年 | 金曜(4月12日・19日) | ザ・ストーン・ローゼズ・ブラー |
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土曜(4月13日・20日) | フェニックス |
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日曜(4月14日・21日) | レッド・ホット・チリ・ペッパーズ |
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2014年 | 金曜(4月11日・18日) | アウトキャスト |
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土曜(4月12日・19日) | ミューズ |
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日曜(4月13日・20日) | アーケイド・ファイア |
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2015年 | 金曜(4月10日・17日) | AC/DC |
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土曜(4月11日・18日) | ジャック・ホワイト |
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日曜(4月12日・19日) | ドレイク |
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2016年 | 金曜(4月15日・22日) | LCDサウンドシステム |
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土曜(4月16日・23日) | ガンズ・アンド・ローゼズ |
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日曜(4月17日・24日) | カルヴィン・ハリス |
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2017年 | 金曜(4月14日・21日) | レディオヘッド |
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土曜(4月15日・22日) | レディー・ガガ[11] |
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日曜(4月16日・23日) | ケンドリック・ラマー |
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2018年 | 金曜(4月13日・20日) | ザ・ウィークエンド |
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土曜(4月14日・21日) | ビヨンセ |
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日曜(4月15日・22日) | エミネム |
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2019年 | 金曜(4月12日・19日) | チャイルディッシュ・ガンビーノ |
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土曜(4月13日・20日) | テーム・インパラ |
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日曜(4月14日・21日) | アリアナ・グランデ |
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2020年(中止) | |||||
2021年(中止) | |||||
2022年 | 4月15日-17日、4月22日-24日 | ハリー・スタイルズ ビリー・アイリッシュ スウェディッシュ・ハウス・マフィア ザ・ウィークエンド | |||
2023年 | 4月14日-16日、4月21日-23日 | バッド・バニー BLACKPINK フランク・オーシャン ブリンク 182 | |||
2024年 | 金曜(4月12日・19日) | ラナ・デル・レイ |
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土曜(4月13日・20日) | タイラー・ザ・クリエイター |
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日曜(4月14日・21日) | ドージャ・キャット |
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