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『グランディア』(GRANDIA)は、ゲームアーツが1997年12月18日に発売したセガサターン用コンピュータRPG作品である。制作には、ゲームアーツの呼びかけで設立されたESPの支援を得ている。
ジャンル | ロールプレイングゲーム(RPG) |
---|---|
対応機種 |
SS(オリジナル) PS Nintendo Switch Microsoft Windows(Steam) PlayStation 4 Xbox One |
開発元 | ゲームアーツ |
発売元 |
ゲームアーツ・ESP ガンホー・オンライン・エンターテイメント・アメリカ(HDリマスター) |
美術 | 草彅琢仁 |
人数 | 1人用 |
メディア |
CD-ROM2枚 ダウンロード販売(HDリマスター) |
発売日 |
セガサターン: |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
売上本数 | 約40万本(SS版・日本) |
その他 |
CESA大賞'97 優秀賞 第3回日本ゲーム・オブ・ザ・イヤー 準グランプリ |
制作が発表された1996年当時、『グランディア』はセガサターン最大のキラータイトルになると期待された。そのため、セガとゲームアーツは『ファイナルファンタジーVII』と同様、各種雑誌に開発中の広告を打ち出したり、無料体験版を配布したりと精力的に宣伝を行った。しかし、1997年1月に発売された『ファイナルファンタジーVII』がヒットするなどしてPlayStationはシェアを拡大、セガサターンは劣勢に立たされた。当初1997年春発売予定とされていた『グランディア』も、半年ほど発売が延期され12月になった。
『グランディア』はセガサターンソフトとしてはヒットしたが、ゲームソフト市場全体でみた場合はPlayStationソフトには及ばず[注 1]、本体の販売台数にも大きくは寄与しなかった[6]。セガは1998年5月にドリームキャストを発表。セガサターンの巻き返しは、セガが自ら兵を退く形で失敗に終わった。しかし作品としての『グランディア』は高く評価され、「CESA大賞'97」(現 日本ゲーム大賞)においてセガサターン用ソフトとしては唯一、賞(優秀賞)を獲得している[7]。
1998年5月28日には、ファンディスクとして『グランディア デジタルミュージアム』が発売された。 2000年12月22日には、派生作品としてゲームボーイカラーソフト『グランディア パラレルトリッパーズ』が発売された。
2007年には、今作との関連性が強いMMORPG『グランディア ゼロ』がサービス開始予定であったが、2007年12月28日に投資事業有限責任組合オンラインゲーム革命ファンド1号(OGRファンド)に26億円で売却された[8]。その後、タイトルを『グランディアオンライン』に変更し、2009年8月26日に正式サービスが開始され、3年後の2012年9月28日にサービス終了となった。
1999年にはPlayStationへと移植された。
2018年にはNintendo SwitchおよびSteamでのHDリマスター版発売が発表された。Switch版は『グランディアII』とのセットになっている[9]。
2019年10月15日に、Steam版『グランディア HDリマスター』が日本語字幕に非対応の状態で発売された。
2020年3月25日、Switch版『グランディア HDコレクション』が発売され、Steam版に日本語字幕がアップデートで追加された[10]。
2023年11月21日、PSゲームアーカイブ『グランディア』PlayStation Plus版が発売された。
2024年3月26日には、『グランディア HDリマスター』がPlayStation 4とXbox Oneに向けて配信開始された。
本作では、キャラクターのレベルと経験値以外に、武器と魔法にもレベルと経験値が設定されている。また、技や魔法はキャラクターのレベルではなく、武器と魔法のレベルアップよってのみ習得できる。
キャラクターごとに使える武器系統が1~3種類決まっており、レベルが上がるごとにその武器に設定されている能力値も上がる。魔法は、4つの基本属性(火、風、水、土)にレベル・経験値が設定されていて、レベルが上がるごとにその魔法に設定されている能力値も上がる。合成属性魔法の場合には、例えば雪属性魔法なら風と水の両方の属性が上がる。
SP・MPは技・魔法を使用してスキル経験値を溜め、スキルレベルが上がると上昇する。そのため、通常攻撃ばかりしているとSP・MPが上昇しない。
本作では、武器屋でマナエッグを使用すると、4つの基本属性(火、風、水、土)から1つ、初期魔法が覚えられる。
基本属性が4種類(火、風、水、土)、合成属性が4種類(稲妻、吹雪、森林、爆裂)、全部で8種類の属性がある。隣接する2つの基本魔法を使い続けてレベルを上げると、合成魔法を習得できる。例えば、火と風を使用していくと稲妻、水と土を使用していくと森林を覚えられる。
マナエッグはマップ上に落ちており、ショップなどでは購入できない。マナエッグは最大4個使うことができるが、使えないキャラもいる。基本的に、大人のキャラは新たにマナエッグを使用することはできない。キャラクターに使用できる最大数より多くマナエッグは落ちているため、きちんと拾っていけばキャラクターを最大まで強化できる。
スーはストーリー中盤の折り返し地点で、パーティーから途中離脱してしまう。そのため、スーの魔法経験値の1/3を引き継げるアイテムが用意されており、それまでの苦労が無駄にならない救済措置となっている[注 2]。
こうした要素により、攻撃力はないが素早いキャラクターでキャンセル攻撃を多用して敵の大技を防ぐ、敵の行動順が間近な時に回避コマンドで敵から離れて攻撃を避けつつ次の行動順を早くする、といった駆け引きと戦略性を生んでいる。この戦略性は、ボス相手でさえ上手く立ち回ればまったく攻撃を受けなくできる一方、全く気にしなくてもクリアはできる程度に調整されている。
遥かなる太古の昔、精霊が光翼人に与えたという祝福の証「精霊石」。光翼人はその精霊石の恩恵を惜しみなく人に分け与え、この時より人の繁栄が始まった。しかし、人々が更なる豊かさを求めて自らが光翼人になろうとした結果、その欲望が精霊石をくもらせてしまい、精霊石は7つに砕けて光翼人と精霊は去ってしまった。かつて光翼人によって繁栄を極めた古代文明「エンジュール」は、冒険者や考古学者たちの夢と空想を掻き立てた。彼らは海を渡って新大陸を駆け巡り、まだ見ぬ新世界を目指したが、やがて空まで届くほどの巨大な壁「世界の果て」がそびえ立っていることが分かり、大航海時代は終わりを告げようとしていた。
15歳の少年・主人公のジャスティンは、冒険家であった父の形見であるエンジュール神話の「精霊石」が本物であると信じ、エンジュール神話の世界が実際のものであったと疑わなかった。ある日、博物館の所長から遺跡発掘場への紹介状をもらったことから、幼馴染みの8歳の少女スーと共に、ガーライル軍が調査をする古代遺跡サルトへ向かう。精霊石の光に導かれるように遺跡の最深部にまでたどり着いたジャスティン達は、遺跡の機械が映し出した謎の少女リエーテに、はるか東の地にあるという遺跡「アレント」まで来るよう促される。冒険者として旅立ったジャスティン達は、新大陸の街ニューパームへと向かう船上で、凄腕の冒険者として名の知られる15歳の快活な少女フィーナと出会う。幽霊船の探索やフィーナの結婚騒動などを通して信頼を得たジャスティン達は、フィーナを仲間に加えて冒険をすることになる。ドム遺跡にて、リエーテの言葉からアレントが世界の果ての向こうにあると確信したジャスティンは、3人で向こう側の世界へ行こうと決意し、霧の樹海を抜けて世界の果ての頂上へとたどり着く。
世界の果ての向こう側は、亜人たちの住まう世界であった。大柄で寡黙な竜陣剣の使い手ガドインと出会い、順調にいくつかの街や遺跡を探索していくジャスティン達であったが、幼いスーが無理をして倒れてしまい、「神隠しの丘」の転送装置から故郷の街パームへと送り返すことになる。その後も、口が悪いが仲間想いな忍術使いの少年ラップ、圧倒的なパワーを誇る女戦士ミルダ、ウサギのような容姿をした博識な商人ギドといったメンバー達との出会いと別れを通して、子供だったジャスティンは一歩ずつ冒険者へと成長していく。しかしそんな中、バール将軍率いるガーライル軍が、エンジュール文明を手中に収めようと画策していた。バール将軍の息子でもあるミューレン大佐と、その副官でありフィーナの双子の姉妹リーン、そしてミューレン大佐の指揮下の部隊長サキ、ナナ、ミオらガーライル3人娘が、道中でジャスティン達の行く手を遮る。ジャスティン達一行は、冒険の旅の中でエンジュール文明の謎と、世界の危機に立ち向かうことになる。
ガーライル軍は「禍いの塔」にて、腐敗をもたらす「ガイア」という植物のような古代生命体を研究していた。ガイアの一部に寄生されているバール将軍は、ガイアの思念によって操られてガイア復活を進めており、精霊石を使ってパワーアップした「ガイア」を復活させ、世界を征服して自分の思い通りに作り変えようとしていた。一方、空中都市アレントに到着したジャスティン達は、リエーテから「エンジュール文明の真実」を説明される。ジャスティンの精霊石は、エンジュール時代の光翼人によって鍛造されたアーティファクトであり、光翼人から授けられた「人類への贈り物」であったこと。しかし、人間たちが欲望のままに精霊石を利用した結果、「ガイア」を生み出して世界を滅ぼしかけたこと。そして光翼人は、地球と人類を救うために自らを犠牲にしてガイアを滅ぼし、将来ガイアが復活した場合に備えて「光翼人の双子が生まれ、次のガイアの復活まで世界を救うために犠牲になる」というシステムを作って遺したという。「フィーナとリーンが復活した光翼人であること」を知ったジャスティンは、ガイアと融合したバールから彼らを救うため、リエーテを仲間に加えて出発する。ガイアが世界を滅ぼす脅威であると知ったリーンは、光翼人としての運命を受け入れ、ガイアの力を弱めるために自分自身を犠牲にする。ミューレンは「ガイアのために犠牲になってほしい」とフィーナに懇願するが、ジャスティンは「ガイアは復活するだけなので、犠牲を払っても問題は解決しない」と主張する。ガイアは巨大な触手を広げてガーライル軍を駆逐し、巨大な世界樹のような形状となってその腐敗を世界中に広めようとする。ジャスティンは仲間たちの助けを借りて勇気を振り絞り、ガイアそのものの地下中心部へと降りていき、ガイアと精霊の石を完全に破壊する。ガイアの破壊により、亡くなったと思われていたリーンも復活する。
10年後、エンジュール文明の真実を発見し、「世界を救った英雄」となった冒険者ジャスティンの名前は世界中に知られるようになっていた。18歳の美少女になったスーは、10年近くの冒険を終えて「5人の幼い子供たち」を連れて帰ってきたジャスティンとフィーナと再会したところで、物語は幕を閉じる。
セガサターン版を基準として、各ハードごとの変更点や相違点を記載する。
『グランディア デジタルミュージアム』は、1998年5月28日に発売されたセガサターン用ゲームソフト。『グランディア』の唯一のファンディスク。通称『デジミュー』。
グランディアが中古市場に流れないようにするブレーキ役として立案された[12]。『グランディア』のセーブデータを引継いだ場合に開放される要素がある(後述)。グランディアのゲームシステムをそのまま流用しており、ダンジョン攻略がメインの内容であるが、本編には収録されなかった必殺技の台詞や勝利台詞が追加されていたりと一部変更点が存在する。
行動の拠点となるアレント博物館内に、以下の項目がある。
初めからすべての内容が閲覧できるわけではなく、ダンジョンを探索・クリアする事により順次開放されていく。
原作を元に若干のアレンジを加えたノベライズ(全3巻、細江ひろみ著、カバーイラスト・口絵・本文イラスト本谷利明 角川スニーカー文庫)。
(※実際の巻数は、菱形の中に数字。)
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