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藤子不二雄の藤本弘による漫画、アニメーション ウィキペディアから
『ウメ星デンカ』(ウメぼしデンカ)は、藤子不二雄名義で発表されたギャグ漫画・SF漫画、また同作を原作としたアニメ作品。1968年から1970年まで雑誌連載、1969年にテレビアニメ化され、1994年に劇場アニメ化された。
故郷のウメ星が爆発してしまったため地球に逃れてきたウメ星国の王室一家が、地球の平凡な一家に居候するギャグ漫画。
前作『21エモン』が、非日常世界(未来)における日常物語というコンセプトで描いたものの、当時の読者の反応が今一つだったことから、再び「日常に入り込んだ異分子」というコンセプトに立ち戻って描かれた作品。藤本の原点に立ち帰った作品だが、テレビアニメ化以外は特に際だった展開にならず人気も今ひとつで終了する。しかし、デンカ一家が乗って来た壷型宇宙船から様々な道具が出てくるというアイディアは、本作の後を受けてスタートした『ドラえもん』の「四次元ポケット」へ活かされている。王室という素材を扱い、しかも小市民宅の二階で祖国復興のために内職にいそしむという極端な設定を用いながらも、風刺よりはおおらかな笑いにつつまれ、藤本作品の中でも一際牧歌的な作品となっている。
本作に登場するロボット・ゴンスケは、『21エモン』のメイン・キャラクターを務めたが、本作でもまたメイン・キャラクターとして登場。藤子作品においては小池さんや神成さんなど複数作品に登場したサブ・キャラクターは幾人かが見受けられるが、メイン・キャラクターが異なる作品にまたがってレギュラー登場した唯一の例である。ただし『21エモン』登場時に比べ、性格・能力がパワーアップされている。
デンカは後に『ドラえもん』(32巻「なんでも空港」)や『チンプイ』にも登場している。
1968年から1970年まで小学館の学習雑誌の『小学一年生』-『小学四年生』・『よいこ』・『幼稚園』に連載、1969年に『週刊少年サンデー』に連載。『月刊絵本』1969年2月号、6月号にも掲載。藤本が『モジャ公』と『ドラえもん』の新連載で多忙になったため、『ドラえもん』と連載期間が重なる回(『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』連載分の合計7本。最終回話2本を含む)の作画を、友人のしのだひでおが担当している(藤本が原稿用紙にラフな人物配置とネームを書き、しのだが下描きとペン入れを行った[注釈 3])。初期の単行本ではしのだ版最終回が使用されたが、のちの小学館コロコロ文庫版では藤本の筆による最終回のみ収録、藤子・F・不二雄大全集版ではしのだ版と藤本版両方の最終回が収録されている。
1969年にはTBS系でアニメ化、1994年には映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』の併映作として『宇宙の果てからパンパロパン!』が製作された。前年の1993年には再テレビアニメ化の企画が持ち上がり、パイロットフィルムも制作され、同年12月31日放送の『大晦日だよ! ドラえもん』にもデンカがゲスト出演したが、『クレヨンしんちゃん』の放送延長により、結局実現には至らなかった。
それから4年後の1998年10月11日、『ドラえもん』のTV放送20周年&映画20周年を記念した特番『秋だ一番! ドラえもん TV&映画20周年!! スーパースペシャル』で、歴代の藤子・F・不二雄アニメキャラと共に、デンカがゲスト出演した(ただし台詞無し)。
2017年には藤子・F・不二雄ミュージアムにて、期間限定の新作アニメーションが公開された。
1996年に香港でも『酸梅星王子』というタイトルで発行された。
1969年4月1日から同年9月23日まで、TBS系列(ネットチェンジ前のため関西地区はABC)で毎週火曜18時 - 18時30分に放送された。15分2話、全26回(全52話)。
放送当時はテレビのカラー化が進んでいたにもかかわらず、予算の都合でモノクロ作品として制作された[注釈 4]。2016年1月6日にDVD-BOXが期間限定で発売(詳細は後述)。
2014年夏、杉並アニメーションミュージアムにて当時開催された「アニメ制作会社スタジオゼロ展」と関連して、第3話Aパート「デンカは強いぞの巻」が館内シアターで上映された。
これらの曲は、『昭和キッズTVシングルスVol.3』、『テレビまんが主題歌のあゆみ』等のCDに収録されている。また「ウメ星デンカの子守唄」「ウメ星国歌」(「ウメ星国の歌」)[注釈 6]という曲も存在し、この2曲は学習誌『小学一年生』1969年6月号の付録ソノシートで発表されたのみでCD化されていなかったが、2024年9月25日発売のCD-BOX『藤子・F・不二雄生誕 90 周年記念 藤子・F・不二雄 MUSIC HISTORY』で「ウメ星国の歌」が初CD化された[1]。
エンディング映像には、DVD-BOX収録の映像とは別テイクのものが存在する。通常のエンディングではベニショーガが登場するが別テイクでは登場せず、また、エンディング終盤のデンカによるナレーション「じゃ、また来週「ウメ星デンカ」を見てね!パンパロパン!」が別テイクでは「じゃ、来週も見てね!パンパロパン!」となっている。LD・VHS『東京ムービーアニメ主題歌大全集 第1巻』およびDVD『トムス・エンタテインメントTV主題歌大全集 VOL.1』には、別テイクのものがノンテロップ版で収録されている。
放送当時、不二家から発売された本作とタイアップしたお菓子のCMソングには、主題歌とは異なり小林亜星がCM用に新たに作曲した曲が使われており、後に『小林亜星CMソングアンソロジー』に収録されている。
放送日 | 回数 | サブタイトル | 脚本 | 制作 |
---|---|---|---|---|
1969年 4月1日 | 1 | ウメ星デンカがこんにちわの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
ウメ星きねん日の巻 | ||||
4月8日 | 2 | でんかのおるすばんの巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
とびだすカメラの巻 | ||||
4月15日 | 3 | デンカくんは強いぞの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
デンカもはたらくよの巻 | ||||
4月22日 | 4 | ハイキングはたのしいなの巻 | 松元力 | 東京ムービー |
王さまガードマンの巻 | ||||
4月29日 | 5 | ベニショーガでござるの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
ウメ星大せんそうの巻 | ||||
5月6日 | 6 | 勉強はきらいの巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
国を買っちゃうぞよの巻 | ||||
5月13日 | 7 | 王さまのたんじょう日の巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
おせっかいなベニショーガの巻 | ||||
5月20日 | 8 | 王さまがおこったよの巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
犬とねこがしゃべったよの巻 | ||||
5月27日 | 9 | いたずらかがみの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
お城をもらったぞよの巻 | ||||
6月3日 | 10 | くん章あげるぞよの巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
王さまのひっこしの巻 | ||||
6月10日 | 11 | あるく時計の巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
おりがみゆうえんちの巻 | ||||
6月17日 | 12 | ウメ星よい国の巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
まほうのつえの巻 | ||||
6月24日 | 13 | へんな女の子の巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
へそまがりナラ子ちゃんの巻 | ||||
7月1日 | 14 | お金のなる木の巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
つぼごとぬすまれたの巻 | ||||
7月8日 | 15 | おへそをかくせの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
ナラ子ちゃんのおみやげの巻 | ||||
7月15日 | 16 | ふしぎなキカイの巻 | 新沼孝夫 | 東京ムービー |
5人でおるす番の巻 | 久貴于賀子 | |||
7月22日 | 17 | 無人島のひみつの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
おらぁゴンスケだの巻 | ||||
7月29日 | 18 | 火星人が来たぞの巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
手品の先生の巻 | 久貴于賀子 | |||
8月5日 | 19 | モーレツゴンスケの巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
デンカと海とゴンスケの巻 | ||||
8月12日 | 20 | プールでおせんたくの巻 | 若林一郎 | 東京ムービー |
こわーいおばけの巻 | ||||
8月19日 | 21 | ゴンスケ部隊出動の巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
ゴンスケと花火の巻 | ||||
8月26日 | 22 | おみこしワッショイの巻 | 久貴于賀子 | 東京ムービー |
しゅくだいはたいへんだの巻 | ||||
9月2日 | 23 | ゴンスケ ナラ子対決の巻 | (不明) | スタジオ・ゼロ |
ゴンスケ・デンカ学校作戦の巻 | ||||
9月9日 | 24 | ふたりの王さまの巻 | 久貴于賀子 | 東京ムービー |
スッパラ祭りの巻 | 中野健次 | |||
9月16日 | 25 | ふたりの季節の巻 | 久貴于賀子 | スタジオ・ゼロ |
ゴンスケ改造の巻 | 若林一郎 | |||
9月23日 | 26 | ケチンボ大臣の巻 | 田村多津夫 | 東京ムービー |
ケチケチ大作戦の巻 |
この節の加筆が望まれています。 |
『ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!』
タイトルは『ウメ星デンカ&ドラえもん「パンパロパンのスッパッパ!」』。藤子・F・不二雄ミュージアム施設内にあるFシアターで、開館6周年の記念日にあたる2017年9月1日より短編映画として公開。アニメ化としては1994年の映画版から23年ぶりであり、前作に引き続き山田栄子がデンカ、一城みゆ希が王妃を演じるが、国王役は映画版でベニショーガ役だった緒方賢一が担当し、ベニショーガは辻親八に変更された。ストーリーは原作の「王国の生きる道」、「スッパラ祭り」を基にしており、ドラえもんが登場キャラクターとして加わっている。
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