お色気大賞(おいろけたいしょう)とは、TBSラジオの『大沢悠里のゆうゆうワイド』『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』で放送していた、投稿コーナーである。
- 「大沢悠里のゆうゆうワイド」時(1986年4月8日 - 2016年4月1日)
- リスナーから「笑える、ユーモアのある、色っぽい」体験談を募集し、大沢がリスナーから届いた葉書、封書を読み、大沢、さこの2人が突っ込みを入れる。投稿された内容を大沢曰く「話を膨らませて」おり、大沢悠里の落語、演芸好き、特に『らんまんラジオ寄席』を担当した際に間近で、大物落語家を見聞きしたことが大きな力になっている[1]。
- 採用者にはその内容により、5,000〜20,000円(5,000円区切り)の賞金。TBSラジオの特製ボールペン、バスタオル等のノベルティ グッズが贈られていた。ただし、スペシャルウィーク時[注 1]に採用された場合は採用者全員に、20,000円の賞金が贈られていた。
- ゆうゆうワイド終了が発表された2016年1月、1週早い2016年4月1日で終了することを番組内で発表したが、2016年4月9日より『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』の1コーナーとして放送されること[注 2]となった。
- 「大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版」時(2016年4月9日 - 2017年4月1日)
- 「大沢悠里のゆうゆうワイド」過去の傑作選が放送されていたが、2017年2月にこのコーナーを終了することに大沢が番組内で触れ、2017年4月1日でコーナーが終了した。
- 大沢悠里のゆうゆうワイド時
- 毎週金曜日 9:00 - 9:17頃
- 『 - ゆうゆうワイド』午前9時台のコーナー「悠里の世間ニュース」で放送。スペシャルウィーク期間中はコーナーを拡大し、「悠里のおしゃべりカフェ」「ゆうゆうトークガーデン」「悠里の人生ゆうゆうトーク」「話のエッセンス」など、通常はゲストを交えたトーク枠でも作品を発表していた。平日版末期は慢性的なネタ不足のため新作の投稿・発表が無くなり傑作選となっていた。また、大沢の体調が優れない場合も傑作選となっていた。
- 毎週金曜日 12:05 - 12:20頃
- 『大沢悠里のゆうゆうワイド 昼もゆうゆう120!』午後12時台のコーナー「ゆうゆうお昼のスーパートーク」で「お色気大賞コレクション」と題して、傑作選を放送していた。
大沢・さこが海外出張(阪急交通社ツアーへの同行)などで休みの場合は傑作選を含め、放送されなかった。小学校・中学校の夏休み、冬休み期間中は基本的に通常通り放送するが、稀に「小学生が聞いている」という理由で放送されないことがあった。また、重大な事件・事故や災害、国外を含む社会情勢の悪化といった突発的なニュースのため大沢の判断で放送を取り止めたケースも少なく無かった(土曜日版への移行後も同様)。
- 大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版時
- 毎週土曜日 16:33 - 16:45頃[2]
- 『大沢悠里のゆうゆうワイド』で採用されたリスナーから届いた体験談の中から、傑作選が放送されていた。
発表される作品は『大沢悠里のゆうゆうワイド』時代は、放送前日の木曜日午後、大沢が一人で、葉書・封書を選んで決定し、スタッフ・パートナーのさこは「どのような内容の体験談が読まれるかは事前に知らない」こと、「放送の際はスタッフ以外はスタジオに入れない」など、集中して放送していることを明らかにしている[3][出典無効][4][5]。
コーナーはパーシー・フェイス・オーケストラ演奏の「追憶」[注 3]をバックに、大沢が声色を駆使して面白おかしく作品を読み上げ、さこが笑いながら、合いの手を入れるパターンで進行する。
下記の人物のほか、話が盛り上がってくると講談風、浄瑠璃・義太夫風、時代劇風、ご詠歌風に口演することもある[6][7]。
体験談に登場する「マドンナ役」のさこの名前が随所で登場するが、大抵は大沢・さことの「掛け合い漫才」的な、コメディーリリーフ役としての登場である[8][出典無効]。
作品の締めには、男性機能の老化がらみの色艶話では、陣内貴美子が「このっ、役立たずっ!!」と罵るなど、歌謡曲や『ゆうゆうワイド』に限らず、TBSラジオ出演者の過去の発言を加工したものが、おちゃらかしとして掛けられる。
通常は放送事故の際に使われる音源(「ただ今、一部お聞き苦しい点がありましたことを、お詫びいたします」)でさえも、おちゃらかしとして(わざと)使われては、大沢・さこが「こんな事言われてたら、4時間半みんなお聞き苦しいよ」と自虐的に言うことがある[注 4]。
締めに使われる主な音源パターン
なお、CDへの収録の際は著作権に触れるもの(歌のワンフレーズなど)は原則として使用されない。
起源は1979年(昭和54年)、大沢が初めて担当した平日帯ワイド番組『大沢悠里ののんびりワイド』に遡る。大沢は、各曜日パートナーをお色気キャラクターにした寸劇を仕立てたりしていた[注 9][9]。
現在のパターンが確立されたのは1983年(昭和58年)、艶笑話のパートナーが都家かつ江から、さこに代わった『のんびりワイド』末期。だが、『全国こども電話相談室』の模倣系色艶話をしていたこと[10][出典無効]などから「昼間からエロ話をするとは何事だ!!」という苦情が来てしまい、やむなく1985年(昭和60年)に『大沢悠里のがんばってますかー!昼はまるごと歌謡曲』の終了とともに封印された。
終了後、今度は「笑える色艶話がなくなって残念だ」と復活を希望する投書が届き、『大沢悠里のゆうゆうワイド』の1コーナーとして復活した。リスナーにとって「金曜朝の代名詞」と呼ばれたが、放送内容に苦情がなくなった訳ではなく、『ゆうゆうワイド』で賛否両論の意見を紹介することが近年にもあった[11]。
『のんびりワイド』『がんばってますかー!』時代の録音は、当時マスターテープが高価で使い回していた関係で末期しか残っていないが、『ゆうゆうワイド』時代の録音は第1回よりストックされ、それらの特選集がカセットテープとCDで発売されている。その後、2010年にコロムビアミュージックエンタテインメントから「新選お色気大賞」として、CD2枚組として発売された[注 10]。
- 古くから個人情報保護に取り組み、「絶対匿名」で通し[注 11]、過去にトラブルが起きていないという。
- 花屋でワレモコウを見た女の子が「ママ、ワレマンコウあるよ!!」、男の子がラーメン屋で餃子の餡(あん)を意味する「なまのアンコ」という文字を「ママのマンコ!!」などといったきわどい表現を含んだ作品もあり、これらが傑作選で再放送されるたび、大沢は「辞表を提出しよう…」「だめだな、若気の至りだ…」などとこぼしている。
- 大沢はじめ自他共に「金曜日は人が変わる」「本来の大沢さんでしょ」とやりとりされる程、大沢悠里が入れ込んで語っている回が多数見受けられる[12][出典無効]。
- 元TBSアナウンサーの小林悠は、このコーナーの大ファンであることを公言。大沢との対談の際、お色気大賞のCDを大沢からプレゼントされた。小林は自身のラジオ番組「ザ・トップ5」に大沢・さこをゲストに呼び「お色気大賞トップ5」として、過去のお色気大賞傑作選を放送した[13]。
- 2014年10月24日はスペシャルウィーク恒例の「お色気大賞・特集!」だったが、大沢の体調が優れない為に中止となり、同年11月7日に改めて行う予定だったが、大沢の喉の調子が戻らず、中止となった[14]。
- 『ゆうゆうワイド土曜日版』終了後、2022年6月16日の『アフター6ジャンクション』(『アトロク』)では、19時台の「LIVE&DIRECT」のコーナーで高野政所が「プロハンバーガー」名義として出演し、大沢悠里公認の「大沢悠里のゆうゆうワイド お色気大賞REMIX」として、当コーナーの内容をミックスさせた音源を披露した。この音源を聴いた直後に『アトロク』の木曜日パートナーとして出演していた宇内梨沙(TBSアナウンサー)が大爆笑してしまい、その様子が同年末の『爆笑問題の日曜サンデー』における「TBSラジオ珍プレー好プレー大賞」にノミネートされた[15]。
- 『36年の感謝を込めて 大沢悠里のゆうゆうワイド お色気大賞スペシャル』(TBSラジオで2022年3月18日の19:00 - 20:00に放送)
- 『ゆうゆうワイド土曜日版』が2022年3月26日で終了することを機に、『ゆうゆうワイド』シリーズが36年間の歴史、大沢が半世紀以上にわたるラジオパーソナリティ生活に幕を下ろすことを踏まえた特別番組。放送日は金曜日で、大沢・さこが過去に放送された投稿作品を振り返ったほか、「お色気大賞の大ファン」という鈴木もぐら(空気階段)の自選による作品も紹介された。
- 本来は『アトロク』の生放送を実施している時間帯(18:00 - 21:00)に『こども音楽コンクール スペシャル』(18時台)『つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート2022』(20時台)と合わせて編成されたため、『アトロク』では、当日の関東ローカル向け放送と18・19時台の制作を休止。その一方で、当時はJRN加盟局の一部(14局)で金曜日に部分ネットを実施していたため、20時台に限って上記ネット局への裏送り方式で放送した。
- 「お色気大賞」特選集 1〜23 情報センター出版局 (CD,カセットテープ)
- 大沢悠里のゆうゆうワイド 新選 お色気大賞 1〜5 コロムビアミュージックエンタテインメント (CD)
- 大沢悠里のゆうゆうワイド 特出しお色気大賞 TBSラジオ(CD3枚組)
注釈
併せて『女のリポート』『グッドグッドミュージック』も土曜日版に継続される事、鳥越俊太郎がレギュラーで継続出演する事が伝えられた。
ソニーから発売の音源を使用。「お色気大賞」のカセット、CDでもそのまま使用され、ソニーから音源提供を受けていることがブックレット等[要文献特定詳細情報]に記載されている。
謝罪の音源は『大沢悠里のゆうゆうワイド』金曜日のコーナー「悠里のおいしいものをありがとう」にレギュラー出演していた、平野寿将の何気ない色艶話に使われた事があり、火曜日のコーナー『ゆうゆう なぞかけ大賞』でも使われる事があった。
さこが必ず「なんで、自分のことだけ褒めてるんだよ!」と、突っ込む。
「な〜ぜ〜さ〜こ〜みちよのう〜た〜はうれな〜い〜 わ〜ら〜いは〜げ〜ひんだ〜」などと、適当なお経を読み上げる。
ただし、おちゃらかしに使われている音源は著作権の関係上、別のものに差し替えられている場合がある。
そのため、放送上ではうっかり名前を読み上げてしまったことはない。
出典
『月刊・文藝春秋』四月号(2016年4月1日発行)pp.351 - 352
新選 お色気大賞 DISC4「恐山のイタコのお告げ」より
例:2014年12月12日放送の投稿
大沢「…そんな中、剣道部の先輩に『さこ先輩』という人がいました」
さこ「お、こりゃいい女だ」
大沢「ブスです」など
TBSラジオPRESS 2016年2・3月号 「祝30周年インタビュー『ゆうゆうワイド30周年の区切りに…』」(TBSラジオ発行)p.3
例えば、無着成恭の声色を真似たり、電話相談室のお姉さん風に「お化粧濃くして、皆さんからのお電話待ってます」「口紅濃くして待ってます」などと茶化し、無着から「あのね、子供番組だから言っちゃダメなの」とアドバイスされた。と、2015年8月28日放送のゆうゆうワイド内で語っている。
文藝春秋『月刊・文藝春秋』四月号(2016年4月1日発行)、p.354
2016年4月1日の「ゆうゆうワイド」『お色気大賞コレクション』ラストでは、
大沢「女性専用車、分かりやすくしてほしいね」
さこ「例えば、ピンク色にするとか?」
大沢「いやいや、東京都のマークとか」
さこ「水道局とかはやめてね」
大沢「こうアワビをデフォルメして、壁面に…」
さこ「恥ずかしくて女性が乗れないでしょ。乗るのは男ばかりでしょ」
大沢「そうかい? じゃあ妥協しておっぱい」
等とはしゃぎ、「ただ今、一部お聞き苦しい点が…」との謝罪音源を流された
投票で上位に入らなかったが、番組内では反響としてTBSオンラインショッピングで販売されていた『お色気大賞』のCDが売り切れになったことが伝えられている。