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尼崎駅(あまがさきえき)は、兵庫県尼崎市潮江(しおえ)一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である[2]。
尼崎駅[* 1] | |
---|---|
北口 | |
あまがさき Amagasaki | |
所在地 | 兵庫県尼崎市潮江一丁目1番1号[2] |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
電報略号 | アマ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅)[2] |
ホーム | 4面8線[2] |
乗車人員 -統計年度- |
38,064人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1874年(明治7年)6月1日[2] |
乗入路線 4 路線 | |
所属路線 | ■東海道本線(JR神戸線)[* 2] |
駅番号 | JR-A49 |
キロ程 |
564.1 km(東京起点) 大阪から7.7 km |
所属路線 | 東海道本線貨物支線(北方貨物線) |
キロ程 | 12.2 km(吹田貨物ターミナル起点) |
所属路線 | ■福知山線(JR宝塚線)[* 2] |
駅番号 | JR-G49 |
キロ程 | 0.0 km(尼崎起点) |
所属路線 | ■JR東西線[* 2] |
駅番号 | JR-H49 |
キロ程 |
12.5 km(京橋起点) 木津から57.3 km |
備考 |
直営駅[2](管理駅) みどりの窓口 有 みどりの券売機プラス設置駅[3] |
神戸・宝塚・大阪・同志社前方面を相互に結ぶ結節点で、JR神戸線の特急列車、寝台特急を除く各方面に向かう全ての営業列車が停車する。
アーバンネットワーク、および交通系ICカード『ICOCA』の利用エリアに含まれている[6]。
近畿統括本部大阪支社に所属し駅長が配置された直営駅で、管理駅として福知山線の塚口駅と猪名寺駅を管理している。停車場に分類される。
隣の塚本駅との駅間距離はJR神戸線内では最長の4.3kmである[注 1]。
JR線内では、兵庫県内で最東端の駅となる。第4回近畿の駅百選に選定された[7]。
地元や沿線の住民の間では、同じ駅名を名乗りながら直線距離で1.8km程離れている阪神尼崎駅と駅名が混同しないように「J尼」などと呼ばれることが多い。一方で阪神の駅は「阪尼(ハンアマ)」などと呼ばれ区別される[8]。両駅は下記の路線バスで連絡している。
1936年に尼崎市と合併するまでは小田村に所在していたことから[9][10][注 2]、2021年現在でも当駅周辺は「小田地区(地域)」と呼ばれる[10]。
JR西日本では旅客案内上で独自の愛称路線名が使用されており、上記では東海道本線が「JR神戸線」の区間内に含まれている。また、福知山線も当駅から篠山口駅までの区間が「JR宝塚線」と呼ばれている。
以下では、新大阪駅を越えて運行される列車は上記の形態を考慮して「JR京都線」系統として扱う。ただし、JR宝塚線方面からの列車のうち大阪・新大阪駅終着のものについては「JR宝塚線」系統として扱う。
この他にも東海道本線支線(北方貨物線)の登記上の終点となっているが、実際にはJR東西線加島駅の地上付近(厳密には東海道本線で当駅より1つ大阪方の塚本駅の構内となる)で本線に合流している。
なお、隣の駅には特定都区市内制度における「大阪市内」に属する駅(塚本駅と加島駅)があるが、「大阪市内」発着の乗車券で乗車している場合は、大阪市外にある当駅で途中下車しないことを条件に、東海道本線・大阪駅方面とJR東西線方面との乗り換えが認められている。
東海道本線の当駅は、1874年(明治7年)に神崎駅(かんざきえき)として開業。兵庫県内で最も歴史の古い駅の一つである。当時の尼崎の市街地から遠く離れた所に建設された。
1891年(明治24年)には現在の福知山線の前身にあたる川辺馬車鉄道の尼ヶ崎駅 - 伊丹駅間が開業したが、東海道本線との交差地点には連絡線が設置されなかった。
川辺馬車鉄道は1893年(明治26年)に摂津鉄道となり、さらに摂津鉄道を買収した阪鶴鉄道が有馬口駅(現在の生瀬駅)まで延伸開業した1898年(明治31年)、大阪駅乗り入れのために阪鶴鉄道の塚口駅と東海道本線の神崎駅を結ぶ連絡線が設けられた。
尼ヶ崎駅 - 塚口駅間は阪鶴鉄道国有化後は福知山線(国有化当初は、阪鶴線と呼称)の支線として扱われ、尼崎港線・尼港線と呼ばれた。1911年(明治44年)には、この支線上にも1面1線の「神崎乗降場」が東海道本線との交差地点南側に設けられた(この時点では神崎駅と別駅扱いだが、運賃上は神崎駅と同一扱い)が、東海道本線の駅とは約300m離れていた。
1949年(昭和24年)、街の代表駅としての実状を考慮して尼崎港線の尼ヶ崎駅を尼崎港駅、神崎駅を尼崎駅に改称した。1969年に「尼崎乗降場」は当駅と同一駅扱いとなり「尼崎臨時乗降場」に変更された。
「尼崎港駅」と尼崎港線は1981年に旅客営業が廃止された後、1984年に廃止された。
本線の「尼崎駅」は、駅西側に貨物駅を持ち、また麒麟麦酒の工場や周辺の工場への専用線を持つなど、尼崎市における国鉄の貨物取り扱いが中心であった。1964年9月30日までは、当駅で折り返す東海道本線の各駅停車が運転されていたが、翌10月1日の改正で甲子園口駅まで延長された。
当駅に停車するのは、各駅停車と福知山線の快速・普通のみで、東海道本線の新快速・快速は通過していた。特急・急行列車も全て通過していたが、1981年4月の福知山線の宝塚駅までの電化の時に、急行「丹波」が1往復停車し、1986年11月1日改正で特急「北近畿」に格上げされた後も、そのままで受け継がれた。
JR化後も大きな変化は無く、3面9線のやや変則的な配線のままであった。しかし、JR東西線の建設に伴い当駅がJR東西線との分岐駅にもなるため、配線の変更やホーム1面の増設、駅舎の橋上駅化(地下通路は廃止)が行われた。以下、計画の概要をJR西日本がまとめた講演資料に基づき説明する(「課題」「効果」といった事項も同様)[12]。
最初の構内改良計画は1989年2月、運輸大臣より鉄道施設の変更認可を受けた。その内容は次のようなものであった。
しかし、計画作成後、福知山線と東海道本線の輸送量が予想以上に伸張したため、社内で次のような問題点が指摘された。
このため、最終的に決定した計画では次のような考え方が打ち出された。
次のような制約条件・要求が求められ、改良に盛り込まれた。
改良工事は1駅に対する工事としては比較的規模の大きなものとなり、大規模な切り替えだけでも22回に及んでいるが、1997年3月8日のJR東西線開業に間に合わせることができた。
この改良で、次のような課題が社内で意識された。
このため、当駅の大阪方にJR東西線 - 東海道本線内側線を結ぶ渡り線が追加され、1997年9月1日のダイヤ改正より使用を開始した。この改良で上記の問題は解決し、各ホームの行き先を統一した[注 6]。また、一連の改良計画を扱った発表は日本鉄道施設協会より「総合技術講演会最優秀論文」を受賞した[13]。
最初の改良の以前、福知山線上り線は駅西方の貨物線群北側を沿っていた。最初の計画でもその経路を踏襲していたが、計画変更を行った際、貨物線群南側を回り込む下り線に平行する形に変更された。このため、上り線は駅西北の名神高速道路南側の地点に半径304mの曲線が設定された。半径300m程度の曲線は日本の在来狭軌鉄道としては珍しいものではないが、2005年4月25日にJR福知山線脱線事故が発生した後には、「魔のカーブ」として事故当初から一部マスコミがこの経路変更を問題視した[14]。5年後、遺族団体が鉄道事故調査委員会の調査報告を検証する過程で、当該区間の運転経験がある運転士にアンケートを行った。このアンケートに回答した者の21.5%が速度超過の経験があったことや、41.5%が事故前より当該のカーブへATSを設置するべきと考えていたことなどが明らかになっている[15]。
ダイヤ面からは、改良工事後当駅での折り返し列車が復活し、JR神戸線の新快速・快速に加え、福知山線の特急も全列車停車するようになった。このことで乗降客はさらに増加基調が続いた。貨物取り扱いは専用線の廃止や麒麟麦酒の工場の移転などもあって、後に廃止されている。
かつて当駅は日本貨物鉄道(JR貨物)の駅(国鉄時代は貨物取り扱い駅)であり、駅周辺の工場から多くの専用線が当駅に接続していた。専用線はクボタ阪神工場・神崎製紙神崎工場・麒麟麦酒尼崎工場・住友軽金属工業工場へ続くものがあった。
このうち最後まで使用されていたのは駅東側にある神崎製紙(当時は新王子製紙、現在の王子製紙)神崎工場へ続く専用線であった。この線は、東海道本線の北側に沿って東へ向かい、本線の盛土下を通り抜けて、その南側にある工場へ至っていた。主に有蓋車による紙製品の発送で使用されていたため、当駅から飯田町駅へ向かう貨物列車も運行されていたが、コンテナ化により1995年(平成7年)9月29日の発送をもって専用線は廃止された。これに伴い、当駅を発着する定期貨物列車も廃止された。
定期列車が廃止された後も、阪急電鉄が保有する専用線が敷設されていた。立花駅寄りにあるアルナ工機が製造した鉄道車両の搬出用に使用されていたが、2001年(平成13年)11月の発送をもって廃止された[注 7]。
島式4面8線のホームを有する地上駅で、橋上駅舎を有する。南北の自由通路を挟み東西に、改札(東口・西口)が配置されている。
改札内にはJR西日本の子会社が経営する書店やカフェ等が設けられ、改札外には食品スーパー、セブン-イレブン Heart・in等が入居している。
3路線共に、方向別にホームが1つ以上割り当てられており、有効長は全て12両編成分。ホーム間は跨線橋で連絡している。
乗り入れ路線の項にあるように、大阪方面は直通運転先の路線名で記載する。
のりば | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | JR神戸線 | 三ノ宮・姫路方面[28] | 新快速・一部の快速 |
2 | JR宝塚線 | 宝塚・三田・篠山口方面[28] | 丹波路快速・快速・区間快速・一部の普通 |
福知山線 特急 | 福知山・城崎温泉・天橋立方面[28] | 特急「こうのとり」 | |
3 | JR宝塚線 | 宝塚・三田・篠山口方面[28] | 快速・区間快速・普通 |
3・4 | JR神戸線 | 三ノ宮・姫路方面[28] | 快速・普通 |
5・6 | JR京都線 | 大阪・京都方面[28] | 快速・普通(塚本停車) |
5・6・7 | JR東西線・学研都市線 | 北新地・京橋・四条畷方面[28] | 快速・区間快速・普通 |
7 | JR宝塚線 | 大阪・京都方面[28] | 特急「こうのとり」・丹波路快速・快速・区間快速・一部の普通(塚本通過) |
8 | JR京都線 | 大阪・京都方面[28] | 新快速・一部の快速 |
上記の他に、8番のりばの北隣にもホームのない待避線(9番線)がある。
JR神戸線の本線は、外側線が1・8番線、内側線が4・5番線となる。JR宝塚線及びJR東西線の本線は、2・7番線である。
3路線が乗り入れるため、各方面への列車の接続が考慮され、列車によっては対面乗り換えが可能となっている。
各路線の詳細は以下の通り。
2022年度の1日平均乗車人員は41,721人[29]で、尼崎市内の駅としては最多である。阪神電車の尼崎駅より利用者数が多い。JR西日本の駅では第15位で、兵庫県内のJR西日本の駅では三ノ宮駅、神戸駅、姫路駅、明石駅に次ぐ第5位である。
近年は増加傾向が続いており、2010年度に4万人を上回った。
近年の1日平均乗車人員推移は下表のとおりである。
年度 | 1日平均乗車人員 | |
---|---|---|
総数 | 定期 | |
1995年(平成 | 7年)24,223 | 15,523 |
1996年(平成 | 8年)24,274 | 15,707 |
1997年(平成 | 9年)26,546 | 17,178 |
1998年(平成10年) | 27,830 | 17,748 |
1999年(平成11年) | 28,520 | 17,887 |
2000年(平成12年) | 30,107 | 18,844 |
2001年(平成13年) | 30,520 | 19,127 |
2002年(平成14年) | 30,769 | 19,262 |
2003年(平成15年) | 32,626 | 20,710 |
2004年(平成16年) | 33,078 | 21,426 |
2005年(平成17年) | 33,506 | 22,001 |
2006年(平成18年) | 34,499 | 22,631 |
2007年(平成19年) | 35,610 | 23,443 |
2008年(平成20年) | 36,496 | 24,324 |
2009年(平成21年) | 38,959 | 25,546 |
2010年(平成22年) | 40,085 | 26,347 |
2011年(平成23年) | 40,679 | 26,898 |
2012年(平成24年) | 41,793 | 27,629 |
2013年(平成25年) | 42,921 | 28,872 |
2014年(平成26年) | 43,071 | 29,393 |
2015年(平成27年) | 44,125 | 30,112 |
2016年(平成28年) | 44,733 | 30,393 |
2017年(平成29年) | 45,110 | 30,735 |
2018年(平成30年) | 45,439 | 31,121 |
2019年(令和元年) | 45,927 | 31,666 |
2020年(令和 | 2年)37,656 | 27,861 |
2021年(令和 | 3年)38,064 | 27,269 |
2022年(令和 | 4年)41,721 | |
駅前は北側よりも小規模な、飲食店などが立地する商業地で、駅西側は工業地となっているがマンションなどの土地利用転換が見られる[32]。
特記以外は阪神バスが運行。系統番号があるものは尼崎市内線[注 8]。一部は尼崎交通事業振興と共同運行(☆印)または管理委託(★印)。主に市内各地へと向かう路線が発着している。尼崎市内線は11・12番が幹線、その他が地域線と区別されている。
阪神バスの乗り場は北口と南口に3か所ずつあり、1 - 3番のりばが北口、4 - 6番のりばが南口にある。また、阪神バス以外の乗り場は南口に2か所ある。
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