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ラジオカー(Radio Car)は、ラジオ放送局がリポートの拠点とする車。移動中継車ともいう。通常の中継用無線機の電波型式はナローFMが多いが、高い音質が要求される中継で使用されるラジオカーはFMカーと呼ばれワイドFMが使用される。 なお中継用無線機を搭載しておらず、放送局のロゴが描かれているだけの社用車をラジオカーと呼んでいる局もある。
報道・スポーツ(特に駅伝)や、祭事・イベント・交通情報等の生活に密着した情報を屋外からリポートするために使用される。AM放送局(在京局)では、NHKラジオやTBSラジオなどがまず導入し[1]、遅れて1970年3月にニッポン放送も導入した。
また、中国放送で1975年から放送開始した『なんでもジョッキー』で、『山手一義の飛び込みインタビュー』でアポ無し取材を行い、放送開始当時他局は、同様の放送をしていなかった(詳細は中国放送#ラジオカーを参照)[2]。
中継は、リポーター(タレント・アナウンサー)と、無線技師(技士ではない。こちらは免許のこと)の2人で行うのが基本だが、資格を持つリポーター、局専属のリポーター(キャスタードライバー・リポートドライバーと称する局もある)1人だけで中継を行うことも多い。中継先にリスナーが多数集まり混乱が見込まれる場合は、現場ディレクターを加えることがある。
新型コロナウイルスが流行した2020年にRKBラジオの『櫻井浩二 インサイト』ではパーソナリティの自宅にRKBのラジオカー(スナッピー)の機材を持ち込んでテレワーク出演を行った(他局ではSkypeなどのアプリでテレワーク出演を行っているが数秒程度の遅延が発生する)[3]。
中継用無線機の主なメーカーは日本無線・池上通信機・東芝特機電子・日立国際電気であり、使用にあたっては陸上移動局の免許を要する。
電波が届かない等の理由で中継が困難な場合は、間にもう1台中継車(これを専門に使うラジオカーは、FMカーと呼ばれている)を加えて2段中継をしたり、自動車電話・携帯電話・一般加入電話等の電話回線を使用して中継を行ったりすることもある。番組全てを中継で行う場合や、長時間に及びかつ広範囲の移動をしない場合は、ISDNなどの臨時の電話回線を設置して伝送する方法も用いられる。一般の電話機をそのままマイクとして使用すると、歪みやノイズなど不要な音が混ざり放送品質が落ちるため、通称コーデックと呼ばれる専用装置[4]を電話回線に接続し、中継を行うことが多い。この場合、コーデックを使用したもの以外は公衆回線の音声伝送帯域(300Hz - 3.4kHz)がそのままの音質となる。
Skype・zoomなどのビデオ通話アプリを使用した中継も行われる場合もある。
FM放送局(広域・コミュニティとも)では、生中継する必要がない、予算がない、中継用の無線局免許を取得していない[5]か周波数が割り当てられない等の理由から、中継用無線機を所有している局は少なく、それ自体は電話回線のみを導入する形を採ることが多い。
ラジオカーのナンバープレートは希望ナンバー制度導入後、放送局の周波数に合わせた番号を使用していることが多い。
セダンやミニバン・ステーションワゴン・SUV等の比較的室内空間が広い車両がよく使われている。車体が大きくなり移動範囲の制限が出始めたことから、コンパクトカークラスを使う局もある(熊本放送など。同局・ミミーの場合トヨタ・ラクティス→トヨタ・タンク、トヨタ・シエンタ、日産・ノート)。またかつては東海ラジオなどで、スポーツカー(同局の場合、トヨタ・スープラや日産・フェアレディZ)を使用したものもあった。
車体色に関しては、初期の頃から色使いを変えていないものも存在する[6]。
長時間の固定中継用に、マイクロバスに調整室機能を搭載している局もある。
1970年代にはアメリカのラジオ局を真似てヘリコプターを使用していたラジオ局がいくつかあったが、小回りの高さやコストの観点から現在はすべてのラジオ局がラジオカーに移行した。近年まで行われていた例にはラジオ関西の「スカイバード」がある。
通常のワイド番組内で、中継無線が利用できる場所からの生中継を行なう場合で、リポーター1名・技術スタッフ1名の場合の一例をあげる。
特に愛称が付けられているラジオカー・中継車[9]。
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