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スズキのハッチバック型乗用車 ウィキペディアから
バレーノ(BALENO)は、スズキが日本国外で販売しているハッチバックタイプの乗用車である。また、日本市場においては2016年(平成28年)3月から2020年(令和2年)7月まで販売された。
スズキ・バレーノ(初代) WB32S/42S型 | |
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英国仕様 SZ3 DUALJET 1.2 フロント | |
英国仕様 SZ3 DUALJET 1.2 リア | |
インテリア | |
概要 | |
別名 |
インド : トヨタ・グランツァ アフリカ : トヨタ・スターレット(6代目) |
製造国 | インド |
販売期間 |
インド: 2015年10月26日 - 2022年2月22日 日本: 2016年3月9日 - 2020年7月31日 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック |
駆動方式 | 前輪駆動 |
プラットフォーム | HEARTECT(ハーテクト) |
パワートレイン | |
エンジン |
K12C型: 1,242cc 直列4気筒DOHC K10C型: 996cc 直列3気筒 直噴DOHCターボ |
最高出力 |
K12C型: 67kW (91PS)/6,000rpm K10C型: 82kW (111PS)/5,500rpm (2016年3月-2018年5月) 75kW (102PS)/5,500rpm (2018年5月-) |
最大トルク |
K12C型: 118N・m (12.0kgf・m)/4,400rpm K10C型: 160N・m (16.3kgf・m)/1,500-4,000rpm (2016年3月-2018年5月) 150N・m (15.3kgf・m)/1,700-4,500rpm (2018年5月-) |
変速機 |
K12C型:CVT K10C型:6AT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット式コイルスプリング |
後 | トーションビーム式コイルスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,520mm |
全長 | 3,995mm |
全幅 | 1,745mm |
全高 | 1,470mm |
車両重量 | 910-950kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:リーディング・トレーリング |
系譜 | |
後継 |
日本: 既存の4代目スイフトに統合 |
第85回ジュネーブモーターショーに出品したコンパクトカーのコンセプトモデル「iK-2」[1]をベースに市販車化したもので、第66回フランクフルトモーターショーで世界初公開[2]。製造はインドの現地法人であるマルチ・スズキ・インディアのマネサール工場で行われ[3]、インドから全世界向けに供給される[4]。日本市場にも投入されるが、マルチ・スズキ製(すなわち「インド製」)のモデルが投入されるのはスズキとして初めてで[5]、日本の自動車メーカーとしてもインドで生産された車両を輸入するのは前例がないという[3][注 1]。この施策について、スズキ会長の鈴木修は「一番量が売れるのがインドだからインドでつくる。(インド・マネサールの)工場は日本のレベルに到達し、日本でつくるよりコスト的にもメリットがある」と説明している[6]。
イタリア語で「閃光」の意味を表す「バレーノ」("BALENO")の車種名は元々、3代目カルタス(クレセント)の欧州での車種名として使用されており、再起用される形となった。
インド市場では2021年の年間売上でワゴンR、スイフトに次いで3番目となる172,241台を売り上げ[7][注 2]、マルチ・スズキの主力車種の1つを担っているが、日本市場では年間6,000台の販売目標の20%以下にとどまり[8]、2020年上半期での終売となった。
一方、2018年3月29日に発表されたトヨタ自動車との完成車相互供給の基本合意に基づき、2019年春ごろよりトヨタへOEM供給予定とされ[9]、2019年6月6日にインド市場向けモデルとして「トヨタ・グランツァ(GLANZA)」の名で販売されることが正式に発表された[10]。なお、グランツァ(GLANZA)の名称はかつてトヨタが日本市場向けにスターレットのグレード名に使用していたものである。その後、2020年9月1日にはトヨタグループの商社である豊田通商を通じて、アフリカ市場向けモデルとして「トヨタ・スターレット」の名で販売されることが発表された[11]。
プラットフォームにはBセグメント用(北米でいうサブコンパクトカークラスに相当)の新開発プラットフォームを採用した。バレーノが本プラットフォームを採用する最初の車種であり、今後、スズキが発売するBセグメント車にも採用する予定である。骨格部を連続する滑らかな形状とすることで補強部品を減らし、板厚を見直して最適化することでボディ全体の軽量化に貢献するとともに、高い剛性も両立している。また、前輪タイヤの切れ角を大きめに設計できるようにすることで、2,520 mmのロングホイールベースを採用しながら最小回転半径を4.9 mに抑えている。
車格としてはスイフトと同じだが、ボディサイズはスイフトより全長と全幅を一回り広げ[注 3]、車高をやや下げ、ラゲッジスペースを広くとる形としている[6][13]。チーフエンジニアの伊藤邦彦はこのスタイリングについて、日本メーカーの同クラス車種(トヨタ・ヴィッツ(ヤリス)、ホンダ・フィット、マツダ・デミオ(MAZDA2)、日産・ノートなど)が「居住性の良さが訴求ポイントのメインになっていって、だんだん背が高くなっている」として、これらとは一線を画し、「格好良さと居住性をバランスさせることを目標に開発している」と述べ、フォード・フィエスタ、フォルクスワーゲン・ポロ、ヒュンダイ・i20などの日本国外のメーカーのコンパクトカーを競合車種として想定しているという[14]。
パワートレーンについては、日本市場向けには1.2 L直列4気筒「デュアルジェットエンジン」のK12C型と、ダウンサイジングコンセプトの1.0 L直列3気筒ガソリン直噴ターボエンジン「ブースタージェットエンジン」のK10C型の2種類が用意される。「デュアルジェットエンジン」はソリオ・イグニス用と同じもので、インジェクターを燃焼室の近くに配置し、1つの気筒に2つ設置することで熱効率を高める「デュアルインジェクションシステム」と、排気ガスの一部を冷却して燃焼室内に戻し、燃焼温度を下げることでノッキング抑制効果を高める「クールドEGRシステム」を採用しており、「平成17年基準排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」と平成32年度燃費基準を同時に達成している。日本市場初投入となる「ブースタージェットエンジン」は直噴化と過給器によって1.0Lの小排気量ながら1.6LのNAエンジンに相当する高出力・高トルクを実現すると同時に、「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」認定取得と低燃費(JC08モード燃費 20.0km/L)も両立している。トランスミッションはエンジンによって異なり、「デュアルジェットエンジン」にはCVTを、「ブースタージェットエンジン」には6速AT(マニュアルモード付)をそれぞれ採用する。「デュアルジェットエンジン」もインドで生産されるが、「ブースタージェットエンジン」は日本で生産した後インドへ輸出し、現地で組み立てる形をとる。
安全面ではミリ波レーダー(レーダー部はフロントのSマークエンブレムと一体化されている)方式の衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポートII」を標準装備しており、前方衝突警報機能、前方衝突警報ブレーキ機能、前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能、自動ブレーキ機能で構成されている。さらに、ESP、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドコントロール(坂道発進時にブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる際、一時的にブレーキ(最長2秒間)を保持して車両の後退を防ぐ機能)も標準装備されている。
2代目モデルでは、初代モデルのパッケージングを維持しつつ、内外装の刷新と装備の充実化が図られた。また販売は初代と同じくNEXAで行われる。
外観はルーフライン後方にかけて傾斜が強調され、ボディーサイドのキャラクターラインは大胆さを強調するためデザインを変更。フロントグリルは下部にクローム加飾が配置され、初代モデルよりもワイド化された。
装備面では9インチタッチパネルを搭載したディスプレイオーディオが採用され、全方位モニターに対応したほか、日本ではワゴンRなどに採用されているヘッドアップディスプレイを採用。また、日本ではスペーシアシリーズから導入されているコネクテッドサービス「スズキコネクト」に対応し、それに伴って車載通信機が標準装備された。 Android AutoおよびApple CarPlayによるスマホ連携や音声操作に対応したインフォテインメントシステムも可能になる。
後席のシートクッションの素材や形状を変更し、エアコン吹き出し口を後部座席にも配置し、USB充電ソケットなども装備された。
グレードはエントリーの「デルタ」と上級のゼータの2つになる[27]。
CNG仕様では、燃料として圧縮天然ガスおよびガソリンのどちらも使用できる1.2リッターエンジンを搭載し、圧縮天然ガス使用時が77.49ps/98.5Nm、ガソリン使用時が89.73ps/113Nmとなる[27]。トランスミッションはMTのみ設定する[27]。
なお、2代目モデルについても日本市場への再投入が検討されたが、日本市場でのニーズを考慮し、バレーノではなくバレーノとプラットフォームを共有するコンパクトSUVのフロンクスを投入することとしている[28]。
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