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SX4(エスエックスフォー)はスズキのクロスオーバーSUV・セダンである。
本項目では、フィアットとの共同開発車として登場した[1]2006年から2014年のモデル及び同型式の改造車で参戦したモータースポーツについて記し、2013年から「SX4 S-CROSS」(日本市場における車名)として販売されていたモデル及び後継モデルについてはスズキ・S-CROSSの項目を参考とされたい。
スズキ・SX4(初代) YA11S/YA41S/YB11S/YB41S/YC11S型 | |
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5ドア | |
セダン 後期型 1.5G | |
インテリア(輸出仕様) | |
概要 | |
製造国 |
日本 ハンガリー |
販売期間 |
SX4:2006年7月 – 2014年11月 SX4セダン:2007年7月 - 2014年11月 |
デザイン | イタルデザイン・ジウジアーロ |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
5ドア クロスオーバーSUV (インドは除く) 4ドア ノッチバックセダン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動(5ドアのみ) |
パワートレイン | |
エンジン |
M15A型 1.5L 直4 DOHC VVT J20A型 2.0L 直4 DOHC |
変速機 |
4AT 5MT(海外のみ) |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット |
後 | トーションビーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,500mm |
全長 |
SX4 1.5E 4,115mm その他グレード 4,135mm SX4セダン 1.5F/G 4,490mm |
全幅 |
SX4 1.5E/F/G・2.0S 1,730mm 1.5XF/XG・2.0XS 1,755mm SX4セダン 1.5F/G 1,730mm |
全高 |
SX4 1.5E/F/G 1,585mm 2.0S 1,570mm 1.5XF/XG・2.0XS 1,605mm SX4セダン 1.5F/G 1,545mm |
車両重量 |
SX4 1.5E (2WD) 1,180kg 1.5E (4WD) 1,240kg 1.5L車 (2WD) 1,190kg 1.5L車 (4WD) 1,250kg 2.0L車 (2WD) 1,250kg 2.0L車 (4WD) 1,310kg[注 1] セダン 1.5L車 (2WD) 1,190kg |
その他 | |
新車登録台数の累計 | 3万1019台[2] |
系譜 | |
先代 | エリオ |
後継 | シアズ(セダン) |
フィアットとの共同開発車であった[1]ものの、設計・生産に関してはスズキの生産拠点で製造が行われ、エンジン(ディーゼルを除く)およびプラットフォームもスズキのスイフトと同じものが使用されるなど、非常にスズキ色の強い車である。フィアットでは姉妹車「フィアット・セディチ」として販売されていたが2014年に終了し500Xにバトンタッチした。スズキでは(車両コンセプトは多少異なるが)エリオの後継車種に相当する。
デザインはジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインが担当している。「X-OVERREVOLUTION(クロスオーバーレヴォリューション)」を開発コンセプトとし、スポーティーコンパクトカーとSUVを融合(クロスオーバー)させたモデルとして開発された。運動性能を重視したハッチバックタイプのコンパクトカーでありつつも、全高1,585mmと高めのボディに加え「X○」系のグレードにはフェンダー部にサイドクラッディング(モール)を入れるなど、SUV的要素が取り入れられている。当時、スズキでは「スポーツ・クロスオーバー」と称していたが、実際には日本ではそれまでほとんどなじみのなかったコンパクトクロスオーバーSUVの嚆矢ともいえるモデルでもある[3][4]。なお全幅が1,730mm~1,755mmのため、日本国内では全車3ナンバーとなる。エンジンはガソリン2種類(1.6L・2.0L)と、フィアット製の1.9Lディーゼルターボが用意される(日本仕様車はガソリンエンジンのみ)。ホイールはこのクラスのFFベース車に採用される事が多いPCD100・4穴ではなく、PCD114.3・5穴を採用している。
WRカー化を前提にしたスポーツコンパクトとしても開発されており、同社スイフト比でねじり剛性で10%以上、曲げ剛性では20%以上、リヤサスペンションの取付剛性も190%以上強化された。
2007年3月にジュネーヴモーターショーでセダンモデルが発表された[5]。エリオセダンの後継との位置づけで、日本および北米に先駆けて中国およびインドで先行発売され、日本では同年7月に発売された。
SX4 WRC (2008年) | |||||||
カテゴリー | FIA ワールドラリーカー | ||||||
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主要諸元[11] | |||||||
サスペンション(前) | マクファーソンストラット コイルスプリング | ||||||
サスペンション(後) | マクファーソンストラット コイルスプリング | ||||||
全長 | 4,135 mm | ||||||
全幅 | 1,770 mm | ||||||
全高 | 1,450 mm | ||||||
ホイールベース | 2,500 mm | ||||||
エンジン | J20 1,997 cc 水冷4気筒16バルブDOHC ターボ | ||||||
トランスミッション | シーケンシャル5速 マニュアル 前後:機械式LSD センター:アクティブ | ||||||
出力 |
235 kW (315 bhp) / 4,000 rpm - 4,500 rpm 590 N⋅m (60 kg⋅m) / 3,500 rpm | ||||||
重量 | 1,230 kg | ||||||
タイヤ | ピレリ | ||||||
主要成績 | |||||||
チーム | スズキ・ワールドラリーチーム | ||||||
ドライバー |
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出走時期 | 2007 - 2008 | ||||||
初戦 | 2007年ツール・ド・コルス | ||||||
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2006年3月のジュネーブモーターショーで2007年8月からのWRC(世界ラリー選手権)へのフル参戦が発表され、WRCコンセプトカーが参考出品車された。同年7月4日の日本での新車発表会の場においてプロトタイプが展示され、テスト走行の動画も公開された。実際のマシンの開発やオペレーションはJWRCも担っていた田嶋伸博率いるスズキスポーツが担う。開発責任者はプジョーのWRカーでタイトル連覇の経験も持つミシェル・ナンダンが当初務めた。
なおWRCは2007年シーズンを全9戦の開催とし、2008年シーズンを2007年8月から開催するウインターリーグ制の導入を検討していたため、スズキはこれにあわせて2007年8月からのフル参戦を予定していた。しかし、2006年7月5日に国際自動車連盟 (FIA) はウインターリーグ案を白紙撤回、2007年はこれまでどおり全16戦で行われることになった。そのため、当初の予定より半年早く参戦するか、逆に半年遅らせるかの選択を迫られた。その結果2006年7月20日、スズキは当初より半年遅らせ2008年からのフル参戦を発表した。
2007年は10月12~14日のツール・ド・コルスと11月30日~12月2日のラリーGBにテスト参戦した。ナンダンは2008年のラリー・モンテカルロのテスト直前に電撃離脱したため、三菱自動車で30年以上ワークスマシン開発に携わっていた稲垣秋介[注 2]が後任となった。しかし引き継ぎは全く行われず、資料もフランス語のものばかりでナンダンの意図を想像しながら解読せざるを得ず、実質的に開発は振り出しに戻ってしまった[12]。
フル参戦デビューとなった2008年は、開幕戦ラリー・モンテカルロで若手のパー・ガンナー・アンダーソンが8位入賞という好調な滑り出しとなった。しかしその後はエンジンやサスペンションなどにトラブルが発生し、前半戦はどちらか1台が走り、2台ともデイリタイアというイベントも多かった。そこでフィンランドからは、それまで発生していたトラブル抑止と軽量化(車重は1,230kgで変わらず)を狙った改良版を投入した。その結果地元の日本(北海道)で10月31日から開催されたラリージャパンでは、札幌ドームで行われたスーパーSSで初のトップタイムを記録した[13]上、アンダーソンがスズキ最高位の5位入賞を果たしている[14]。
一方で体制面は迷走しており、1月に就任したばかりのチームマネージャーの川田輝が第4戦ラリー・アルゼンチンで離脱[13]。またこのアルゼンチンを最後に最後に代表の田嶋と監督の粟津原豊もラリーの現場に姿を見せなくなり、第11戦ラリー・ニュージーランド終了後には田嶋と粟津原も「国内業務に専念する」という理由で辞任、稲垣が監督も兼務することとなった[13]。予算も不足しており、テスト走行も開幕戦以降一度も行えていなかったという[12]。
翌2009年シーズン開幕一ヶ月前の2008年12月15日、スズキはリーマン・ショックによる経営上の判断によるWRC参戦休止を表明した[15]。しかし結果的に、これが事実上の撤退宣言となった。
稲垣によるとSX4はサスペンションストローク量を確保しやすい足回りと、WRカーに適したボディ構造から素性は良く、「ちゃんと開発すれば絶対に勝てる」と断言している[14]。しかしエンジンは素性は悪くなかったものの、ナンダンの目標値が低く開発不足であったためグループNと同等のトルクしか無く、特にターマックラリーを苦手とした[14]。またSUVゆえの重心の高さや前面投影面積の大きさから、高速ラリーでの不利を指摘されてもいた[16]。小回りの利く短いホイールベース・全長が武器で、エンジン性能の差が出にくい低摩擦路面ではそのシャシーの真価が発揮された[14]。
先代 | スズキスポーツ・XL7・ヒルクライムスペシャル | ||||
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主要諸元[17] | |||||
シャシー | パイプフレーム | ||||
サスペンション(前) | ダブルウィッシュボーン | ||||
サスペンション(後) | ダブルウィッシュボーン | ||||
全長 | 5,200 mm | ||||
全幅 | 1,960 mm | ||||
全高 | 1,580 mm | ||||
トレッド | 前:1620 mm / 後:1610 mm | ||||
ホイールベース | 2,818 mm | ||||
エンジン | Monster Spl V6 3,071 cc 水冷V型6気筒4バルブ ツインターボ | ||||
トランスミッション | シーケンシャル 6速 | ||||
出力 |
910 hp (680 kW) / 8,750 rpm 90.5 kg⋅m (888 N⋅m) / 5,850 rpm | ||||
重量 | 1,100 kg | ||||
オイル | Mobil 1 Full Synthetic | ||||
主要成績 | |||||
チーム | チームGoProモンスタースポーツ with BC | ||||
ドライバー | 田嶋伸博 | ||||
出走時期 | 2009 - 2011 | ||||
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2009年にはそれまでのXL7に変わり、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのベースマシンとして採用。今まで同様、チューナー・ドライバーともに田嶋伸博である。名前と本体形状こそSX4だが、鋼管フレームベースの徹底的に軽量化された車体に、最高出力885PSを誇る2.7L・V6ツインターボエンジンをミッドシップに搭載し、巨大なエアロパーツを付けた「モンスター」である。前回に比べてやや路面状況が悪かったものの10分15秒368のタイムを記録し、総合優勝を遂げた[18]。また、この年のパイクスピークは田嶋を含む参加した日本人選手全員が完走を果たしている。
2010年4月27日、2010年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに出走するためのスペシャルマシン「SX4・ヒルクライムスペシャル」が発表された。排気量を3.1 Lに、そして最高出力を910 PSまでスープアップしている。同年6月27日、決勝にて10分11秒490を記録[19]。目標であった「10分の壁」は破れなかったが、2位のポール・ダレンバック選手に28秒差をつけ総合優勝5連覇を達成。また、決勝日は田嶋の60歳の誕生日でもあり、還暦を自らの優勝で祝った。
2011年、舗装路が増えていくパイクスピークの路面状況に合わせ、マシンの各部品を細かくアップデート。エンジン等のスペック上は2010年モデルとほとんど変わらないように見えるが、高速化に対応した設定を施される。
同年6月26日、決勝当日のパイクスピークの天候は快晴。前日の予選をトップタイムで通過した田嶋はこの日も快調に走り続けたが、フィニッシュ手前2つ目のヘアピンでファンベルトが切れ、ウォーターポンプが停止するというトラブルが発生。それにより水温が急上昇してオーバーヒート状態になり、パワーステアリングも徐々に機能を失っていった。しかし、それらのトラブルを抱えながらもリタイアすることなくゴールし、9分51秒278を記録[20]。直前で大きなトラブルに見舞われながらも、「10分の壁」を破ることに成功した。2012年以降のパイクスピークの路面はすべてアスファルト舗装されたため、2011年の記録はダートを含むコースでの最高記録となった。
SX4はスズキ初の普通乗用車サイズの燃料電池自動車のベース車にもなっており、2008年6月24日にSX4-FCVの国土交通大臣認定を取得、同年7月の洞爺湖サミット・環境ショーケースでお披露目された。ワゴンRFCV/MRワゴンFCV同様ゼネラルモーターズ製の燃料電池(最高出力80kW)を搭載するが、スズキの燃料電池自動車では初めてエネルギー回生吸収および動力アシストを採用するためキャパシタを搭載する。最高速度は時速150km、設計航続距離は250km。
この節の加筆が望まれています。 |
「S」はSPORTまたはSPORTYのそれぞれの頭文字、「X」はX(=CROSS)-OVER(クロスオーバー)の頭文字、「4」は4WDと4SEASONS(四季)のそれぞれの頭文字を組み合わせて命名されている。
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