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日本の男性声優 ウィキペディアから
窪田 等(くぼた ひとし、1951年〈昭和26年〉[5]3月27日[2][3] - )は、日本の男性ナレーター[4]、声優であり、YouTuberでもある。山梨県出身[2][3]。シグマ・セブン所属[2]。
小学校の頃、朗読の時間に担任の教師から「アナウンサーになれば」と声を褒められる[6][7]。その頃、テレビ番組『ディズニーランド』のエンドロールで「ナレーター:黒沢良」を見ていた時に、初めて「へえ〜、顔を出さずに声だけで場面や状況を説明していくという仕事があるんだなあ」と思い、その時、黒沢に憧れていたと振り返っている[7]。しかしナレーターになりたいとまでは考えていなかったという[7]。
子供の頃から飛行機が好きであり、「将来はその整備がやれればいいかな」という漠然とした思いがあり、中学卒業後は工業高校に進学[7]。高校時代はミキシングの作業をやりたいと思い、放送委員会に入部[7]。
先輩による各クラブ紹介が行われていた時に、司会をしていた先輩が良い声だったこともあり、聞き惚れる[7]。
高校3年生の時に飛行機の整備士になりたいという思いは固まっていたため、日本航空の入社試験を受けていたところ身体検査の結果、「腎臓の病気の恐れがある、これは大変だ」と20日間も入院[7]。結果として内定取り消しとなった。
退院後、内定取り消しになり途方に暮れていた所、学校の教師から「富士通って会社があるから受けてみたらどうだ?」と言われて言われるがままに富士通に入社し、試験課に配属[7]。数年程試験課で勤務した後に、マレーシアへの転勤話が持ち上がって悩んでいた時に、偶々通勤で乗っていた東急東横線の電車の中で「CMナレーター養成講座 受講生募集」という吊り広告が目に入った[6]。その時に「おもしろそうだな」と思い、高校時代に放送部でラジオ番組を作ってたことを思い出して応募[7]。「マレーシア転勤の話はちょっと待ってください」と会社に願い出て、ナレーター養成講座に通い始めてナレーターとしての活動を始める[7]。そう日を置かない内に評判を呼び、飛び級で仕事を与えられるようになった。また、仕事を断らない姿勢もあり、どんどん仕事量が増えていき、最終的に富士通の当時の幹部がたまたま見ていたテレビ番組のナレーターが窪田本人であったことで、会社にはナレーターになったことを気付かれた。こういった経緯があり、結果として円満退社という形になっている。
かつては東京俳優生活協同組合に所属していた[8]。
2020年4月21日には、朗読に特化したYouTubeチャンネル『【公式】窪田等の世界』を開設し、同月29日に初めて動画配信を行ってYouTuberとしてデビューした。当時69歳。第1回配信で取り上げた作品は宮沢賢治の文学作品『雨ニモマケズ』(視聴時間 2分27秒)であった。以来、週1回のペースで様々な文学作品の朗読を配信している[9]。2022年8月、チャンネル登録者数が10万人を超え、シルバークリエイターアワード(銀の盾)を獲得した。
2024年10月2日に初の著書『唯一無二の「声」と「間」で紡ぐ 情熱が伝わる言葉の力』をKADOKAWAから刊行した[10][11]。
ナレーターとして『情熱大陸』(毎日放送)[9]や『F1グランプリ』(フジテレビ)関連番組(代表的なものはF1総集編)などで広く認知されている。
明確で分かりやすい口調・過剰に主張しすぎない語り口・抜群の安定感といったナレーション技術に定評がある[5]。「彼の声をメディアで聞かない日はない」と言われるほど、あらゆるメディアでのオファーも多く「日本で最も忙しいナレーター」と言われている[5]。また、基本的に仕事を選ばない姿勢で、何でも引き受けるスタイルあることから、多い場合で月に100本を超える仕事をこなしたこともある[5]。キャラクターの声をあてる一般的な「声優」の仕事も数は少ないが行っている。
声優の城達也と声質が似ていたことから[要出典]F1関連のナレーションを引き継いだ。
同じく声質が似ているとされる[要出典]中江真司が務めていた『ニンテンドーDS』『Wii』のシリーズCMナレーションも引き継いだ。同じく中江がナレーターを務めていたフジテレビ系『トリビアの泉』の2007年11月、2010年2月のスペシャルでもナレーションを担当した。
30年以上も仕事をこなしているにもかかわらず喉が痛くなったり声が嗄れたりしたことがないため、業界内では「業界のオバケ」と言われたこともある[9]。既に古希を越えているが、体調を崩したり風邪をひいたこともなく、風邪のシーズンでも予防のためにマスクをすることもないという[5]。本人は新型コロナウイルスの世界的流行まで、マスクを着用する習慣がなかった。
また、たばこも以前から吸っているが、一時期禁煙をした際に8kgほど太ってしまい、低い声に艶がなくなったような感じがしたという。持ち前の低い声が、高くなってしまったのではないかと感じ、禁煙をやめたとのこと[5]。
仕事をするにあたっては「番組の主役はあくまでも画面に出ている人や生き物や情景で、ナレーションは原稿を読む脇役の仕事」という認識を持っており、声で感情をぶつけたり過剰な表現や主張は極力避けている(ただし、バラエティー番組は「盛り上げる」、情報番組では「距離感を遠く」、深夜番組「ひとりに語るように」といったように番組によって異なる視聴者への距離感は大事にしている、とのこと[5])。
伝え方にも気を配っており、「『はっきり伝えたい』ということだけではなく、『余韻を持たせて伝えたい』とか『雰囲気をもたせて伝えたい』とかそれから『どこを伝えたい』のか。まず自分の中で『こう伝えたい』と思うところを考える」のだという[5]。
なお、自身が嫌いな仕事であっても絶対に断らない主義(「苦しくても楽しいから。ひとつのものを作り上げるのは楽しいから」と語っている)。という姿勢であるため、窪田がナレーションを担当していないジャンルの仕事はほぼないと言っても過言ではなく、過去に担当した仕事は非常に多種多様なジャンルに携わっている。
「窪田さんにナレーションをお願いしたい」と来た仕事で、たとえキャラクターが違うと思っても「何か新しい発見があるかもしれないからやってみたい」と考えるタイプであり、どんな案件であったとしても、仕事を断ったことはない。他の仕事仲間には「そんなに何でもかんでもやらなくてもいいんじゃない?」と言われることもあるという[5]。しかし、本人は全く意に介していないどころか、新しい発見を見つけることこそに楽しみがあると語っている。
2020年10月18日放送のバラエティ番組『スクール革命!』(日本テレビ)にて、「23年間、『情熱大陸』のナレーションを担当している声優」として、VTR出演した。
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