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松原 愛(まつばら あい、本名:山田道子(旧姓は所司[1])、1955年12月9日[1] - )は、日本の女優・歌手。
北海道旭川市春光町生まれ。それまで自社専属の監督や俳優での製作が常識だった邦画界において、同じく外部の商業映画経験が無いCF監督だった大林宣彦と共に大手映画会社である東宝で映画初出演にして初の主演作『HOUSE ハウス』を生み出し、閉塞しきった映画界に革新と新風を送り込んだ、伝説の「ハウスガールズ」リーダー。
彼女の上記初主演作と楽曲は、尾道三部作『転校生』を初めとするその後の大林作品にも絶大な影響を与え海外にも熱狂的ファンを生み出し、国内ではウッチャンナンチャン、アイヤーダイなど分野を超え様々なエンターティナーに多大な影響を与え続けている。1998年5月28日「有限会社ブランニューステーション」を設立、2019年8月現在に至るまで代表取締役となる。夫は作詞家の山田孝雄。
北海道旭川市春光町生まれ[2]。両親は石川県羽咋市出身[3]。父親の転勤で三重県津市に移り、小学校時代は愛知県名古屋市、兵庫県伊丹市で過ごす[2]。中学校からは兵庫県宝塚市で育ち、高校時代に兵庫県立伊丹高等学校から京都府立八幡高等学校に転校[2]。京都の高校時代は医師を志していたが、1973年、青春の思い出にと、週刊少年マガジン連載『愛と誠』(作:梶原一騎)の主題歌を歌うフレッシュ歌手募集に応募し、全国3200余名の中から優勝する。翌年、日大芸術学部に進学と同時にキャニオンレコードより『愛と誠』の主題歌を歌う恒藤信一とのデュオ、「あいまこと」でデビューし、ヒット賞を受賞[4]。
松原の歌った本漫画『愛と誠』は1974~76年に松竹で三部作として映画化、その大ヒットの余波で同時期にTVドラマ化もされ、松原自身もニッポン放送のラジオドラマ版ではヒロイン“早乙女愛”を、同じ梶原一騎原作ドラマ『天下一大物伝』でもヒロインを務め、劇画ブームの先鞭を付ける。
1975年、日本クラウンに移籍。芸名を「松原愛」とし、『雪の朝』でソロデビュー。その後“CM界の黒澤”こと大林宣彦が演出を手がけたTOTOホーローバスのCMに出演し、3代目“おさかなちゃん”となる。続いて1976年11月、大林が数年前から温めていた企画『HOUSE ハウス』のラジオ番組に生出演、翌1977年には大林の初監督作となる東宝映画『HOUSE ハウス』にて、七人の少女(ハウスガールズ)の一人“ガリ”に抜擢され、主役デビューを果たす。
大林と組んだこの松原の初主演作は併映作で当時絶頂だった百友映画『泥だらけの純情』を喰うほどの長蛇の列を生み出し、そのアヴァンギャルドな作風は製作背景やメディアミックス手法も手伝い極端な賛否両論を生むカルト的人気を博し、その後の自主映画人に多大な影響を及ぼした。続いて『瞳の中の訪問者』『ねらわれた学園』と出演し、初期大林映画の象徴的存在となる。松原の才は現代劇に留まらず、1980年、アメリカNBCテレビドラマ『将軍 SHŌGUN』で三船敏郎と共演、同年の黒澤明監督『影武者』[5]にも出演し、実質映画三本目にして第33回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。
2003年、難病指定先天性脳血管障害の「もやもや病」のため、脳梗塞を発症し開頭手術を受ける[6]。2005年、20年ぶりに新曲『横浜e-じゃん』『火の酒』を発売、復帰を果たし、2011年4月には30年ぶりに大林宣彦と組んで『ふたりの時計』『東京枯れすすき』を発表。その6年後には競馬ファン垂涎の名馬たちの祝勝歌集たるアルバム『北の栄光伝説』発売。
2009年、『HOUSE ハウス』が本国公開より30年以上経って北米で異例のリバイバル公開(Janus Films配給)され、翌年にアメリカソフト*メーカーの最高峰「クライテリオン」より初のBD化。
2017年にはジャッキーチェン同様幼少期に本作に心酔したという俳優 映画監督のアイヤーダイから熱烈なラブコールを受け、アイヤーが企画するハウス特集番組『ガリ対談』『HOUSEサントラ談』『伝説の二大守護神 弾(談)』に連続出演。同二番組では劇中の別パートに登場した成田賢や鰐淵晴子と初対面、更には撮影以来42年ぶりとなる盟友クンフーこと神保美喜との再会も果たし、これまで語られなかった驚愕のハウス秘話を次々と大放出、アイヤーが推し進めるハウスプロジェクト「プロジェクトH」[7]を牽引していく。
1976年9月に発表した松原のシングル『ボク女だぞ』の作詞を手がけたのは大林宣彦で、同年11月にオールナイトニッポンで放送されたラジオドラマ『ハウス』での彼女の入場テーマとして作られ、後に大林は同曲の世界観をさらに昇華させて尾道三部作の一作目となる『転校生』を製作。
因みにタイトルの「転校生」は“性”が“転向”する…の大林特有のダジャレである[8]。
『HOUSE ハウス』劇中でも世話焼きお姉さんキャラだった松原は、実際にもハウスガールズの中で当時唯一成人した現役大学生であり、大林から撮影前に「頼みましたよ」と言われた。
実際、化粧が初めてというメロディー役の田中エリ子のドーラン塗りを手伝ったりと面倒見良く沢山のガールズに慕われ、「撮影合間にはみんな愛さんの元に寄り添い、瞬く間に彼女の腕が塞がった」と、クンフー役の神保美喜が述懐する[9]。
『HOUSE ハウス』を撮り終えた時期、松原は東映の時代劇復興を掲げたオールスター大作『柳生一族の陰謀』のオーディション(柳生十兵衛の妹役)に、監督の深作欣二直々の指名で呼ばれた。「馬に乗れるか」の深作の問いに「馬は“ウマ”くありません」と返して、結果落選。
大林仕込みのダジャレで謙虚に言い過ぎた、大変後悔しているという。同役には『HOUSE ハウス』の格闘シーンで現場にも度々訪れた志穂美悦子が選ばれ、松原は今に至るまで当作を観ていない[10]。
(作詞:梶原一騎/作曲:馬飼野康二)
(作詞:梶原一騎/作曲:馬飼野康二)
(作詞:星野哲郎/作曲:小杉仁三)
(作詞:大林宣彦/作曲:佐瀬寿一)
(作詞:池田良作/作曲:中川博之)
(作詞:山田孝雄/作曲:城賀イサム)
(作詞:山田孝雄/作曲:みなみらんぼう)
(作詞:山田孝雄/作曲:やまだゆうすけ)
(作詞:山田孝雄/作曲:聖川湧)
《収録曲》
1ありがとう!レッツゴーターキン
(作詞:山田孝雄/作曲:四方章人/編曲:矢口一馬)
2暗闇で踊れ!ダンスインザダーク
(作詞:十和野あい/作曲:佐瀬寿一/編曲:森田達也)
3大輪の花 ザッツザプレンティ
(作詞:山田孝雄/作曲:山田ゆうすけ/編曲:杉山直樹)
4心の叫び ハーツクライ
(作詞:山田孝雄/作曲:大野弘也/編曲:神保正明)
5砂漠に咲いた花 ハーツクライ
(作詞:山田孝雄/作曲:大野弘也/編曲:神保正明)
6眠れない夜 スリープレスナイト
(作詞:十和野あい/作編曲:松井タツオ)
7ようこそバラの王国へ ローズキングダム
(作詞:十和野あい/作編曲:松井タツオ)
※「十和野あい」は、松原愛のペンネームである。
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