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アニメ『名探偵コナン』のテレビスペシャルアニメ ウィキペディアから
『名探偵コナン コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー』(めいたんていコナン コナンとえびぞう かぶきじゅうはちばんミステリー)は、2016年1月9日・16日の2週連続で、製作局の読売テレビを含む日本テレビ系列にて放送された、テレビアニメ『名探偵コナン』第804話 - 第805話に当たるスペシャル番組[1][2][3][4]。
テレビアニメ『名探偵コナン』の放送20周年を記念して製作されたスペシャル番組。放送枠を土曜17:30 - 18:30の1時間枠に拡大し2016年1月9日・16日の2週連続で日本テレビ系列にて放送されたアニメオリジナル作品で、歌舞伎役者の市川海老蔵(現:13代目團十郎、以下作品制作当時に倣い「海老蔵」と記載)が本人役で特別出演してアニメ声優にも初挑戦した。今回の出演に関して海老蔵は「名探偵コナンテレビシリーズ20周年おめでとうございます。そして、今回大好きなコナンくんとの共演ができること、今からとても楽しみにしています。コナンくんに負けないように、一生懸命やらせて頂きますので、ご期待ください」とのコメントを寄せている[1][3]。
2週連続の1時間スペシャルは、2009年1月19日と翌週26日放送の第521話「殺人犯、工藤新一」及び第522話「新一の正体に蘭の涙」以来およそ7年ぶりであり、アニメオリジナル作品での2週連続1時間スペシャルは史上初となった[注 1]。また、アニメオリジナルのスペシャルとしては、通算話にカウントされていない『金曜ロードSHOW!』における2時間スペシャルとして2014年12月26日に放送された『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』以来およそ1年ぶりとなる。
本放送に先立ち、2015年11月28日の通常放送から3週連続で「まもなく放送20周年記念!スペシャルプレゼント」と題して視聴者を対象とした電話プレゼントの企画が催され、毎回この電話には海老蔵も出演し、歌舞伎用語の解説を行なっていた[5][6]。
毎年恒例の新年の挨拶(1月9日放送)には、コナンと共に海老蔵も登場した。ちなみに、レギュラーメンバーの中でコナンしか登場しないのは史上初のことである[注 2]。
前編の放送時には、コマーシャル前にかつてオープニングテーマやエンディングテーマを複数回担当した倉木麻衣、BREAKERZ、VALSHE、B'zによるアニメ20周年を祝うメッセージなど視聴者に向けたメッセージが挿入された。
テレビシリーズの第1話から脚本に携わっており、劇場版第10作『探偵たちの鎮魂歌』と第11作『紺碧の棺』の脚本も手がけた柏原寛司が脚本を担当し[1][2][3][4]、『ルパン三世』とのクロスオーバー作品である2作品『ルパン三世VS名探偵コナン』と『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の監督も手がけた亀垣一が前後編を通しての絵コンテと前編の演出を担当した[10][注 3]。
2014年秋に読売テレビ東京支社の諏訪道彦のもとへ、彼と長い付き合いのあるベテラン女性声優が松竹プロデューサーの小林敬宜を紹介したことが、本作が企画されるきっかけとなり、原作者や制作会社、各関係者による協力や了承を得て、番組編成やシナリオの完成に至った[10]。
海老蔵がアニメへの出演依頼を受けてくれるかが最初の難関であり、コラボレーションによるメリットを説明した結果、彼本人が『コナン』世界に登場するということで快諾に至ったが、超多忙な海老蔵がアフレコに参加するには、劇場版並みのスケジュール調整が必要となった[10]。
アフレコ当日の午前中、Tシャツに短パン姿というラフなスタイルでスタジオに現れ、簡単な打ち合わせ後に新年の挨拶から収録に入った海老蔵の姿勢と口上を高評した諏訪は「当たり前ですがその口上があまりにホンモノであり、聞いててオーラがこぼれると言うか、すこぶる縁起の良い物と感じられるんですね。海老蔵さんにとってはほぼ毎日やってるような見得や口上でしょうが、やはりバックボーンに何か日本文化を背負ってる気概みたいなものがあると言う事でしょう。」と感想を述べている。その後も諏訪らスタッフが驚くほど自分自身を自然に演じた海老蔵は、前日からの不安を覗かせながらも勉強になったとして声の仕事に音楽性があることや声優たちの苦しみにも触れたうえで、「歌舞伎十八番の『七つ面』が題材と聞いた時に、これは引き受けざるを得ないなという気持ちになりました。コナンのお仕事としても、歌舞伎のお仕事としても2つの方面で良いお話を頂戴したと思いました。」と感想を述べている[10]。
海老蔵のためのアフレコスケジュールは2日用意されていたが、彼は収録中の打ち合わせ時間を休憩に充てるので充分だと、実質的に無休憩で挑み、初日の午後6時に収録を終えた。これは普通の声優と同様の速さであり、諏訪は4時間以上の歌舞伎公演を1日2回こなす海老蔵の体力を強く感じた。アフレコの2日後、海老蔵はスーツ姿で登場してマスコミ取材を受けたが、この日も想定の約半分の時間で要件をこなした彼を、諏訪は「日常から何事にも集中して全力投球している所以でしょうか」と高評している[10]。
なお、海老蔵の声優としての初演技はTwitterなどのインターネット上でも話題になったほか、妻の小林麻央からは褒められたそうである[11][12]。
少年探偵団と共に公園でサッカーに興じていた江戸川コナンは、ブレーキオイルの漏れた暴走車に気付き、その車を止めて事故を防ぐ。その車の運転手であるトレーディング会社社長の細尾拓也は、歌舞伎役者の市川海老蔵が来月上演する公演「七つ面」で使用する予定の「
翌朝、早くに歌舞伎座を訪れた頭取の薮崎由幸が「二表の面」を盗まれたことに気付くと同時に、細尾の秘書である高橋鈞の遺体も別の場所で首を絞められた状態で、空になった「二表の面」のケースと共に発見される。細尾の死が事件か事故かは判然としないが、コナンはこれらの犯行が歌舞伎関係者のものではないかと推理し、ミステリーファンの海老蔵はコナンに協力して事件の解決に乗り出す。その後、単独で捜査を行うことになったコナンは、カメラマンの金子英司に呼び出された場所で、何者かに連れ去られてしまう。
目を覚ましたコナンは、自分が解体工事中のビルの地下に居ることに気付いて助けを呼ぼうとするが、騒音で誰にも気付かれないうえ、地下なので探偵団バッジも通じない。その頃、歌舞伎座では小五郎と警視庁の刑事たちが関係者に事情聴取を行なっていた。そこに蘭から連絡が入り、コナンが行方不明になっていることを知らされた海老蔵は、蘭たちのもとへ向かう。蘭や少年探偵団と合流した海老蔵は、灰原哀からコナンの携帯電話の発信履歴で最後に残っていた電話番号に合致する知人を検索するよう言われ、金子に当たる。まもなく、地下室の壁に穴を開けることに成功したコナンから探偵団バッジに連絡が入り、近くで工事中のビルへ向かった海老蔵たちはコナンを発見して救出する。コナンは遅れを取り戻すために灰原の協力を得ながら捜査を進め、事件の真相に辿り着く。
翌日、事件の関係者全員が集められた歌舞伎座では眠りの小五郎による推理ショーが始まり、すべての犯行が細尾によるものであることが明かされた。
製作に際し、松竹株式会社、歌舞伎座・新橋演舞場、公益財団法人松竹大谷図書館、松竹ショウビズスタジオ株式会社[13]の全面協力を得ている。劇中で海老蔵は歌舞伎十八番の1つ「七つ面」を演じ、「
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