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トヨタ自動車のマイクロバス ウィキペディアから
コースター(COASTER)は、トヨタ自動車が販売するキャブオーバー型のマイクロバスである。
ビッグバン(1ナンバー)やキャンピングカー(8ナンバー)としての登録も多く、テレビ放送局などでのロケバスとしても多く用いられている。また、日産・シビリアン同様、コミュニティバス用として導入している国内バス事業者もある。日本国内での用途廃車後、新興国や開発途上国へ中古車として輸出されるケースが多い車両でもある。
系列の日野自動車にはリエッセIIの車名でOEM供給(3代目中途以降)されている。
輸出仕様には、つり革、非常口、降車ボタンなどを備えた路線仕様も存在し、香港において運行されているミニバス(Public Light Bus)のほとんどがコースターLPGを使用している。また、香港向けに開発された1BZ 型 4.1 L LPGエンジン搭載車も、3代目から日本においてもコースターならびにリエッセIIに設定され幼稚園バス等で使用されている。
欧州では、ポルトガルのサルバドール・カエターノがコースターのシャシに独自の車体を架装し、「オプティモ」の名で販売している。
なお、2014年9月に運転席側・助手席側ともに全車SRSエアバッグが非装備だったピクシストラック(ダイハツ・ハイゼットトラックのOEM)がフルモデルチェンジし、全車運転席側にSRSエアバッグが標準装備化されたため、2015年1月の時点で新車で購入可能なトヨタ車では唯一、運転席側・助手席側ともに全車SRSエアバッグが非装備だったが、2016年(平成28年)12月に実施されたフルモデルチェンジで全車に運転席・助手席SRSエアバッグ(幼児専用車は運転席のみ)がようやく標準装備され、2018年6月の一部改良で衝突被害軽減ブレーキも装備されるようになった。
トヨペット・ルートトラックのはしごフレームにバスボディーを架装したものがコースターの始祖にあたる。
当初は、毎年のようにシャシが改良され、それに伴い型式(かたしき)も変更された。同一フレームがトラック、ルートバン、ライトバスなどで共用されていた。
他社も含め、当時はマイクロバスではなく、ライトバスと名乗っているものが多いようである。
1963年(昭和38年)3月、ダイナのモデルチェンジに合わせ、3R-B型ガソリンエンジン搭載のトヨタ・ライトバス RK170B系が発表された。
170系ダイナでは、バスボディーを架装しやすいよう、スタウトと共通のものから、直線的なフレームに一新されており、ボディーもこれまでより大型のものを新規に設計・開発した。ライトバスの型式は、末尾がB (BUS) とされ、22人乗りがRK170B、25人乗りはRK170B-Bとなった。また、日本のマイクロバスとしては初めてとなる、オルタネーター(交流発電機、日本電装製)を装備していた。
当型式の丸型テールランプとバックアップランプは、2000GTにも流用されている。 以後、コースター登場まで、3度のマイナーチェンジを経る。
トヨタ車体の歴史には、マイクロバスRK160B型(現コースター、旧アラコ製)、トヨタ自動車の歴史ではこのRK170B トヨタ・ライトバス(現・コースター)、とそれぞれ記されており、RK、JK系のバスモデルがコースターにつながったことが示されている。
なお、少数ながら、スタイルの異なるトヨペット整備製の車体を架装したモデルも、傍系として併売されていた。
1965年(昭和40年)6月、サブエンジン方式でクーラー搭載モデルを設定。このエンジンにはパブリカ700用のU型が流用され、最後列の座席を廃した床下に収められた。大型のクーラーボックスをも備えており、外観では屋根上のクーラーダクトと、リアの通気用メッシュが特徴となる。
1966年(昭和41年)2月、パブリカの800cc化に伴い、クーラー用サブエンジンが2U-B型となる。
1966年(昭和41年)2月、エンジンを2000ccの5R型へ変更、型式がRK171Bとなる。
1969年(昭和44年)2月、コースターという名前では初代となるRU18型ほかが登場する。従来どおり、ダイナの姉妹車として開発されており、型式の「U」もダイナと共通である。最前部の屋根のみ少し高くされ(ハイルーフを除く)、運転席と左側最前列席への移動性が向上している。運転席ドアを装備するとともに、ラップアラウンド形状(U字型)のバンパーを採用した。
5R型ガソリンエンジンのほか、J型ディーゼルエンジンも設定され、レントゲン車などの架装に対応して発電用サブエンジンの搭載も可能であった。
1977年(昭和52年)2月、マイナーチェンジ。フレームを補強、ホイールベースも15mm延長され、型式がRU19となる。ブレーキマスターシリンダーがタンデムとなり、真空倍力装置一体型となる。5Rエンジンは圧縮比のアップなどで5 ps・1 kgmの出力向上。外観ではフロントグリルの意匠、外板色や塗り分けを変更。
1977年(昭和52年)6月、ダイナのフルモデルチェンジに先んじ、B10系に型式変更。ダイナから分離され専用型式となったため、運輸省の認可上はモデルチェンジとなるが、外観が踏襲されているため従来型との判別は難しい。ライトバス時代を通しても初となる、カタログモデルとしてのハイルーフが設定された。冷房装置は経済性や騒音面を重視してサブエンジン方式クーラー(2U型エンジン使用)は廃止され、乗用車等で一般的なエンジン直動式コンプレッサーとなっている。大きな車室の冷気を賄うためのコンプレッサーは高出力ととなり、ベルト駆動では信頼性に欠けるため、トランスミッションケース横から長い補助シャフトで伝達するPTO式を採用している。この補助シャフトの技術は、初代エスティマのスーパーチャージャーの駆動にも応用されている(エスティマの動力取り出しはPTOでは無く、クランクプーリーとベルトによる。)。
車両総重量とクーラーコンプレッサーの負荷を考慮してエンジンには若干の余裕を持たせ、3,200 ccの2B型ディーゼルと、2,200 ccの20R型ガソリンが新たに設定された。2B型は、ランドクルーザー40系の排出ガス規制用として、1979年(昭和54年)に日本国内向けのみに搭載されるまで、しばらくはコースター専用であった。
1979年(昭和54年)、一部改良。昭和54年排出ガス規制(排ガス記号:K-)に適合すると共に、シフトレバーの配置がコラムシフトからフロアシフトに、ワイパーがシルバーからブラックにそれぞれ変更された。
1982年(昭和57年)5月、フルモデルチェンジされ2代目が登場する。このモデルより、ロングボデーやオートマチックトランスミッション(1985年10月)もラインナップされる。
全車の前輪がトーションバースプリングを用いたダブルウィッシュボーン式サスペンション(独立懸架)となり、最上級となるEXグレードにはエアサスペンションが新たに採用された。又、スタンダード、幼児車を除き、角形4灯ヘッドランプが採用された。
直列6気筒エンジンがメインとなり、ランドクルーザーに搭載されていた、直列6気筒OHV・4,000 cc、渦流室式の2H型ディーゼルエンジンと、その直噴・ターボ版の12H-T型(1985年〈昭和60年〉10月追加)がコースターにも設定された。他に、直列4気筒 OHV・3,400 cc・渦流室式ディーゼルの3B型、直列4気筒 OHV・3,700 ccの直噴ディーゼル14B型(1988年8月追加)、直列4気筒 OHC・ 2,400 ccガソリン22R型と合わせ、5機種のラインナップとなった。
客用ドアは従来からの折り戸に加え、国産マイクロバスでは初となるグライドドア(アウタースイング式プラグドアのトヨタでの呼称)を設定、どちらも自動・手動切替式とした。
他社に先駆けたこれら一連の装備の採用で、コースターの商品性は大きく向上した。
1984年(昭和59年)8月、普通貨物登録の「ビッグバン」を追加。普通免許(当時)での運転が可能なよう座席を9名とし、車室後半を1.25 t積みの荷室に充て、バックドアは荷役に都合の良い観音開きとした。2007年(平成19年)6月以降は運転免許制度改正に伴い、ロングボディーは車両総重量が5 tを超えて中型自動車となるため、新普通免許での運転は出来なくなった。さらに、2017年3月12日以降は、標準、ロングとも、準中型自動車となるため、準中型免許(標準は5トン限定でも可)でも運転できるようなった。
1990年(平成2年)1月、マイナーチェンジ。6気筒ディーゼルエンジンをH系から、OHC・4,200 cc渦流室式の1HZ型と、同じく直噴式ターボ過給の1HD-T型へ変更し、平成元年排出ガス規制に適合(型式の排ガス記号:U-)。ボディーのカラーリングも変更された。
特装車として、キックアップルーフで後部座席天井に傾斜付きのガラス窓が設けられた「パノラマサルーン」が存在した。架装は北村製作所。
1,500 ccの5E-FE型エンジンを発電用に使ったシリーズハイブリッド車もHZB50系の改造車扱いでラインナップされていた。運転席・助手席の後部に機器を増設しているため、吸気口が外観のアクセントとなる。 1997年3月に発売開始、車両本体価格が約1,500万円と非常に高価なため導入例が少なく、北海道では極寒期の出力減衰という事情もあり、2007年のマイナーチェンジで生産・市販を中止した。導入例としては札幌市の紅葉の名所である豊平峡ダムへの観光客送迎用バス(札幌リゾート開発公社)や東京電力横浜火力発電所見学者用が挙げられる。
トヨタ・コースター(4代目) XZB60/60V/70/70V/80 GDB60/60V/70/70V/80型 | |
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LX 標準ボディ | |
LX 標準ボディ リア | |
GX ロングボディ | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2017年1月 - |
設計統括 | 山川雅弘 |
ボディ | |
乗車定員 |
25人(バス・標準ボディ) 21人 - 29人(バス・ロングボディ) 13人(バス・超ロングボディ) 9人(ビッグバン) 大人3人 + 幼児39人(幼児専用車・標準ボディ) 大人3人 + 幼児49人(幼児専用車・ロングボディ[3]) |
ボディタイプ | 2ドアキャブオーバー |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
2018年6月改良型まで N04C-VJ型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ N04C-VK型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ 2019年7月改良型 N04C-WA型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ N04C-WB型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ 2023年3月改良型 1GD-FTV型 2.8L 直4 直噴ディーゼルターボ |
最高出力 |
110 kW (150 PS)/2,500 rpm (N04C-VJ・N04C-WA・1GD-FTV) 132 kW (180PS)/2,800 rpm (N04C-VK) 129 kW (175 PS)/2,800 rpm (N04C-WB) |
最大トルク |
420 N・m (42.8 kgf・m)/1,400 rpm (N04C-VJ) 461 N・m (47.0 kgf・m)/1,600 rpm (N04C-VK・N04C-WB) 420 N・m (42.8 kgf・m)/1,400 - 2,500 rpm (N04C-WA・1GD-FTV) |
変速機 | 5MT/6AT |
前 |
前:トーションバータイプダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:車軸式半楕円板ばね (前後共にスタビライザー付) |
後 |
前:トーションバータイプダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:車軸式半楕円板ばね (前後共にスタビライザー付) |
車両寸法 | |
全長 |
6,255 mm(標準ボディ) 6,990 mm(ロングボディ) 7,725 mm(超ロングボディ) |
全幅 | 2,080 mm |
全高 |
2,630 mm(標準ボディ) 2,635 mm(ロングボディ) 2,645 mm(超ロングボディ) |
車両重量 |
3,600 - 3,920 kg(バス) 3,450 - 3,600 kg(ビッグバン) 3,460 - 3,700 kg(幼児専用車) |
その他 | |
姉妹車 | 日野・リエッセII(2代目) |
販売網が再編される前の販売店は下記。
なお、前述の通り2020年5月以降も、設備の関係上カローラ店・ネッツ店の一部店舗と東かがわトヨタ自動車販売では取り扱わない。
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東京都交通局の実験的な試みで始まった、ビジネスや買い物客を想定した、低運賃の都心ミニバスにコースターハイルーフが採用された。1974年(昭和49年)2月、クリーム色に水色の帯の美濃部カラーでデビューした。品川営業所の受け持ちで、系統番号は「東01」、運行経路は東京駅北口 - 東京駅南口 - 有楽町駅 - 日比谷 - 警視庁 -(→運輸省)- 霞ヶ関 - 虎ノ門 - 新橋駅であった。
1980年(昭和55年)9月にK-BB11型に代替され、全廃時の都電を彷彿とさせる、黄色地にえんじの帯へ変更された。大型の方向幕とも相まって、都営バスのなかでは異彩を放つものであった。現在の100円バスと同様のコンセプトは先進的であったが、利用客数は低迷し、1983年(昭和58年)8月に廃止された。
その後車両は岩手県の東磐交通に売却され、都営時代のカラーのまま路線バスとして使われ廃車となったが、解体されずに倉庫となり現在に至る。後にこの塗色は、一般の都営バスにも波及したが、都の調査の結果、利用者には不評であったため、短期間で緑とベージュの組み合わせへと変わっている。
1985年(昭和60年)3月に国際科学技術博覧会(科学万博つくば'85)会場内の巡回バス(愛称・ポレポレバス)として採用される。この車体については、乗務員が停留所で運賃収受や車椅子の乗降補助を容易にするため、左ハンドルに設定され、側面の乗降口は運転席のすぐ後ろと、最後部の2箇所に設けられた。また、バリアフリー対策として、オプションの車椅子乗降用リフトも8台中4台に取り付けられた。
九州旅客鉄道(JR九州)が2023年8月から営業運行を開始した「日田彦山線BRT」において、福岡県とコマーシャルジャパンパートナーシップテクノロジーズ(CJPT)が共同で実施する実証実験用燃料電池バスとして、MIRAIの第2世代FCシステムを組み込んだFCバス・FCコースターを製作。2023年11月下旬から2025年春頃まで実証実験を予定している[17]。
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