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リムを丸く囲む帯状の構造で、路面・地面あるいは軌道の上を転がる踏面を形成するものの総称 ウィキペディアから
タイヤ(アメリカ英語: tire, イギリス英語: tyre)は、車輪(ホイール)のリムを丸く囲む帯状の構造で、路面・地面あるいは軌道の上を転がる踏面(トレッド)を形成するものの総称。ここでは最も一般的なゴムタイヤについて述べる。
口語や略称として本稿のタイヤが組み込まれた車輪(ロードホイールASSY)やその周辺部品や応用部品を「タイヤ」と表現される場合もある[注 1]。
車輪の外周にはめ込むゴム製の部品で、路面から受ける衝撃の緩和や車両の操縦安定性向上などを目的としている。自動車、自転車、オートバイ、モノレールや新交通システム、地下鉄などの一部の鉄道車両、航空機(飛行機)、建設機械など、地上を移動する多方面の輸送機器に使用される。
サスペンションには含まれないが、その機能の一端を担う。近年は自転車などの軽車両でもサスペンションの導入が見られるが、過去には重量のあるオートバイでもタイヤの弾力性のみで衝撃を吸収していた例も少なくない。
通常、自動車や自転車などの輸送機器用では、空気や窒素ガスなどの気体を充てんするために、中空構造となっている(中空タイヤ。英語でホロータイヤ-hollow tyre-とも呼ばれる)。中空タイヤは登場以来、気密が破れ荷重を支える弾力を失い走行不能に陥ってしまうパンクが最大の弱点である。これを克服するパンクレスタイヤ、ノーパンクタイヤの研究は長らく続けられている。フォークリフトなど一部の用途では、一輪あたりの負担力を上げるため、中実構造のソリッドタイヤも使われ、自転車用や車椅子用では、パンクの心配が無いメンテナンスフリーを謳った中空部分にゲルなどを充填したものもある。しかしいずれも重量やコストが嵩み、乗り心地でも及ばないものが多く、2021年(令和3年)現在もなお、主流の中空タイヤに取って代わるには到っていない。そのほか、気体が抜けてもしばらくは走れるランフラットタイヤも存在する。
2010年代後半においては、気体を充填密封した構造に依存しない自動車用タイヤの開発が、GM、TOYO TIRE、ミシュランなどで進められ、技術的な発表が行われている[1][2]。
1867年に車輪の外周にゴムを取り付けるようになり、それまでの金属、木の車輪から脱皮する。ゴムとはなったがまだ空気入りはなく、ソリッド(総ゴム)タイプであった。
空気入りタイヤ(pneumatic tire/ニューマチックタイヤ)は1845年にイギリス・スコットランドの発明家ロバート・ウィリアム・トムソンが発明し特許を取得したが、実用化には至らず、1888年にスコットランドの獣医師ジョン・ボイド・ダンロップが自転車用を実用化するまで待たなければならなかった。
自動車用の空気入りタイヤは、フランス人のアンドレ・ミシュラン、エドゥアール・ミシュランのミシュラン兄弟が、1895年に開催されたパリからボルドーまでを往復する、全行程1,200kmのレースに使用したのが最初である。このレースでミシュラン兄弟は100回近いパンクにもめげず、規定時間を超過しながらも完走した。
耐久性に問題があったとは言え、乗り心地、グリップ力、走行安定性に格段に優れていることを証明したため、これ以降空気入りが急速に普及する。
1912年にBFグッドリッチが初めて補強材としてカーボンブラックを使用し、その高い補強性から広く使用されることとなった。これ以降タイヤの色は黒色が一般的となった。それ以前にはタイヤの色は白色や飴色が多く、これは生ゴムの色や補強剤や増量剤として使用されていた塩基性炭酸マグネシウムや炭酸カルシウムの色によるものである。現代、白色や染色したカラータイヤではカーボンの代わりに湿式シリカを用いる。このことからシリカ(二酸化ケイ素)は炭素を含まないにもかかわらずホワイトカーボンの別名がついている。
大きく分けて2種類の構造がある。内部のカーカス(後述)が回転方向に対して垂直になっているものが「ラジアルタイヤ(以下ラジアル)」で、斜め方向になっているものを「バイアスタイヤ(以下バイアス)」と呼ばれる。
一般的に、バイアスは居住性(俗にいう乗り心地)に優れるといわれ、ラジアルは操縦性・走行安定性・トレッド変形が少なめで耐摩耗性に優れ、発熱も少ないなどの利点がある一方、バイアスに比べ強度(特にサイドウォールの強度)が劣りがちであり、それを強化するためにカーカスの外周にベルト(ブレーカーコードとも呼ばれ、カーカスに対する箍の役割を果たす)を巻き付ける工程を追加しなければならず、その分割高となりやすい。
かつてはバイアスが主流であったが、1947年にミシュランがラジアルを最初に実用化し、1978年にはF1でも使われ[3]ることで、耐久性と操作性に優れることが浸透し、量産効果で価格も下がり乗り物用の主流となり、自動車やオートバイでは2008年現在ほとんどがラジアルであり、バイアスはスペアタイヤや小型バイク、農業機械、建設機械などの一部に使われる程度である。なお、バイアスの性質をよりラジアル側に近づけるために、カーカス配置で外周にブレーカーコードを配してトレッドの強化を行ったバイアスベルテッドタイヤ(ベルテッドバイアス)も存在する。
スチールラジアルに入れられている鋼線(鋼)とゴムは接着性が良くないため、銅メッキが施される。この技術的課題の克服が、ラジアルの実用化に時間を要した一因である。加硫によってゴムに数 %含まれる硫黄と銅が強力なイオン結合を形成する。1970年代以降のスチールコードは銅メッキで、現在はより強度に優れるブラス(真鍮)メッキになった。近年は鋼線とゴムとの接着をナフテン酸コバルトを介在させる界面活性剤で解決する方法が見つかったが、環境に悪影響を与える可能性があり、普及には時間がかかる見込みである。 また、ばね下質量が減るため路面追従性が向上するとして、スチールコードの代替にアラミド繊維を使用する例もある。
航空機用は、ナイロン6(PA6、英語版)・ポリエステル・ガラス・鋼のどれかを補強繊維とした繊維強化ゴム (FRR) で母材のゴムは合成ゴムのスチレン・ブタジエンゴム (SBR) を使用している。また構造についてはバイアスによる生産技術がある程度確立されていたことや、離着陸とタキシングを繰り返す過酷な状況での安全性が求められたこともあり、自動車やオートバイでラジアルが広まった後もバイアスが使われ続けていたが、2000年以降は航空機用途でも十分な耐久性と安全性を持ったラジアルが生産・採用されるようになっている[4]。航空機で初めてラジアルを採用したのは、軍用機はF-15E戦闘爆撃機で、民間機ではエアバスA320(ブリヂストン製)である。
かつては内部に空気を閉じ込めるチューブを入れるチューブタイヤが主流であったが、現在の自動車ではタイヤ本体のみで構成され、タイヤ内周のホイールに密着するビードで気密を保持する構造のチューブレスタイヤが主流となっている。チューブレスタイヤの着想は1920年代以降出現したが量産には至らず、実用水準の製品はフランク・ヘルツェグの開発により1947年にBFグッドリッチが発売したものが最初の成功例で、以後急速に普及した。
ただし現代でもチューブタイヤは、自転車、オフロード・トラッカー系、旧車風のバイク、トラクターなどの一部の農業機械や建設機械で使われ続けている。これらはホイールリムをスポークが貫通していることや、空気圧を低くセッティングするなどの理由により、ホイールとタイヤのみでは気密を保てないためである(ただしスポークのニップル等を密閉する等によりチューブレス化するキットも販売されている[5]が、チューブレス用ホイールとビードに接する部分の形状が異なる等でビードが上がらない場合はビードシーラーを要する場合がある。)。
リム組みされた一般的なチューブレスラジアルは、以下のような部位と構造を持っている。
パラゴムノキの樹液からなる天然ゴムと各種の合成ゴムがある[6]。ゴムタイヤの発明時、ゴム素材は天然ゴムしか存在しなかったが、1930年代に合成ゴムが実用水準で量産されるようになり、第二次世界大戦における天然ゴム供給難を背景に、タイヤ用素材として広く用いられるようになった。
カーボンブラック、シリカ、オイル、亜鉛華、硫黄などの配合剤が加えられる[6]。「コンパウンド」は混合物の意で[7]、トレッド部に使用される。
など
構造材としてナイロン、ポリエステル、スチールなどが使用される[6]。
など
タイヤ記号には、メトリック表示とインチ表示の2種類がある。かつてのアメリカではレター表示と呼ばれるものも存在した。
サイドウォールには一般的な寸法表示の他、下記の様々な表示が行われる[10]。
初期のタイヤは木材や金属の車輪が主流だったが、1800年代中盤に空気の入っていないゴム製のソリッドタイヤが生まれ、1800年代後半には空気入りタイヤが次第に普及した[19]。空気入りタイヤは適正量の空気が入っていなければ役割を果たさない。空気が入って初めて車重を支えることが可能になる。
タイヤおよびその使用車種によって適正な空気圧が指定されており、ドライバー側のドアを開けたときに露出するボディ部分にステッカーなどで表示されていることが多い。適正数値は乗用車の場合200 kPa前後[注 7][注 8]、バス・トラックなどの大型車で600 - 900 kPa程度[注 9]が指定されていることが多い。チューブレスで3か月程度、チューブタイプで1か月程度ごとに適正な空気圧を保つことが重要である。時間の経過とともに空気が漏れ出したり、暑い時に適正な空気圧で空気を入れたとしても空気の密度が低いので気温の低下により体積の減少=圧力低下を招いたり、様々な原因で空気圧は低下する方向に作用する[22]。
軍用車両では舗装道路から野戦の不整地まで多様な走行状況に対応するため、車体側からタイヤの空気を加減するタイヤ圧調整装置を備えるものが少なくない[注 10]。砂泥や積雪など軟弱地では空気圧を下げ接地面積を増して沈み込みを軽減し、堅い路面では圧を上げて高速走行時のバーストを避ける。軽度のパンクなら空気抜けを補填して戦闘中の性能低下回避も期待できる。
2010年代以降、乗用車向けに、一部カー用品店やガソリンスタンドで窒素ガスを勧める場合が増えた。空気圧のメンテナンスを軽減することが最大のメリットと言われ、その他に派生的効果として、燃費悪化の防止などの効果も考えられるが、直接的なものではない。また、ロードノイズが低減するという話もあるが、科学的根拠は無い。また、もともと空気中の79%が窒素であるため(下記のようなシビアコンディションでなければ)、コストに見合わないとする声もある。
窒素が使われる理由は、酸素は窒素よりゴムの透過率が高いために失われて内圧が低下しやすい。純窒素を用いたほうが経時的に内圧の低下が小さいので、内圧管理が簡単になる。
しかし空気を充填したとしても先に酸素が透過して失われるので、窒素の分圧が増えてくる。透過して失われた酸素の分だけ空気を充填すると、また酸素が先に透過して失われるので、次第に窒素の分圧が大半を占めるようになるので内圧低下は穏やかになる。
酸素の透過による内圧低下は新品やパンク修理後に最初に空気を充填した時に著しいので、この際に窒素を充填することは内圧低下に一定の効果はあるが、空気充填を繰り返すと窒素の分圧が大半を占めるようになるので、特に窒素を補充する意味はなくなってくる。
一般に普及するきっかけになったのは、高速長距離運転を行う大型トラックに多く採用されたことである。これは高速長距離運転による内圧の変化を抑制するためである。逆に短距離と荒地での運用の多いダンプトラックなどでは普及していない。
空気に含まれる水分に関しては、通常の空気充填システム[注 14]では湿気を吸収するフィルターにより乾燥空気としているので、通常の空気充填と窒素充填でも湿度の影響は殆どない。
航空機(飛行機)用には通常、液体空気から分留した窒素ガスを充填する。これは、酸素を含まないために、火災や爆発の危険が少ない(着陸時、ブレーキや路面との摩擦により高温になるため。外部に酸素があるため安全率の差はわずかであるが、航空機ではあらゆる面においてコストより安全を優先するため選択される)。
F1に於いては窒素では無くドライエアー(強制的に乾燥された空気)が充填されることが多い。これはレースの走行時間が短く頻繁にタイヤを交換するため、酸素透過による内圧低下は無視できるからである。
市場に流通するものの種類や寸法は、その時代によって様々に変遷していく。日本においては1970年代以前はインチ表記のバイアスが主流で、ホイールによってはチューブタイプもしばしばみられた。1980年代以降はほとんどがメトリック表記のラジアルへと移行し、チューブはほぼ姿を消した。軽自動車においてはブレーキ規制が強化された1980年代末を境に、10インチサイズから12インチサイズのラジアルに移行していった。
こうした変遷の中で近年では新車採用されなくなったり、ごく一部の車種にのみ採用されていたサイズ市場流通から姿を消す、あるいは選択できる種類が極端に狭くなる[注 17]などの問題がしばしば発生する。
モータリゼーションの発展とともに消費量は膨大なものとなり、使用済みの廃棄物処理は問題となっている。放置されたものに溜まった水から発生する悪臭や、水に蚊が産卵することによる虫害、野積みされたものの自然発火などの事故も発生している。また他の樹脂製品同様腐敗しにくく、廃棄されると長期にわたって残り続ける。山林などに車ごと不法投棄され、20年程度経過しているものでさえ、車体や内装はぼろぼろに朽ちても、ほとんど侵蝕されず原形をとどめ続ける。
径の大きなものは重くて丈夫なため、公園の遊具やスポーツトレーニング用として利用される。径の小さなものは花壇の外周を装飾するような利用法があり、小学校や幼稚園で見かける。下駄や雪駄の底に平らに伸ばして貼り付けることで、アスファルトとの接触で極度に摩耗しやすい伝統的な履物の耐久性を持たせようとする工夫も見受けられる。
また、中が空洞になっている大きなゴム製品ということを利用して緩衝物として利用することも多々ある。具体例としては適当な大きさのものを集めて、漁船やタグボートなど小型船舶の防舷物とする使い方や、サーキットの「タイヤバリア」(コースアウトした車を突入させて安全に減速させる部分(エスケープゾーン)の壁際に設置する、タイヤを重ねて作ったクッション)などがある。
南アフリカ共和国などでは、私刑として、古タイヤを人の首に掛け、ガソリンをかけて火をつけ焼き殺す「タイヤネックレス」という処刑が行われた例がある。
最もリサイクル用途が高いのは燃料としてのサーマルリサイクルである。日本国内では、半数程度がセメントや製鉄工場の高炉に投入され、含まれているスチールコード類も鉄原料としてセメントの成分や鉄材に残らずリサイクルされている。燃料用途以外には、緩衝材や防音材として利用される他[注 18]、マテリアルリサイクルの原材料として再生品の需要が高い国への輸出も行われている。
2010年代後半には、廃タイヤの国際間取り引きは倍増ペースで増加。イギリスやイタリア、アメリカ合衆国などから大量の使用済みタイヤがインド、マレーシアなどへの輸出された。輸入者の大部分は廃棄物処理などに関する規制をクリアした業者であり、適切なリサイクルが行われるが、一方で簡易な施設でタイヤを熱分解し、船舶用低質油を抽出する零細業者の手法が蔓延。環境汚染が進行している[23]。
航空機用などは、着陸の際にトレッド面の消耗が激しいため、トレッドを張り替えるリキャップで何度も再利用されている。また、大型トラックやバスでは、再生タイヤが後輪に使われていることが多い。トラック用タイヤは廃棄物を減らす意味から、タイヤ製造業者が最初から再生をしやすい構造となるように意識してデザインされていることが通常である。再生についてはJIS K 6329による標準規格化が進んでおり品質も安定している。
一般乗用車用での再利用率は低い。これは、一般乗用車用のタイヤはバスや大型トラック用に比べて品種やサイズ、構造が多様で乗り心地のためにトレッド面も薄いので画一的な再生が困難なためである。唯一タクシー車両用のタイヤはサイズや構造などのバリエーションが少なく再生を意識してデザインされているのでリキャップタイヤが流通している(ただし、主流ではない)。なお前輪への再生タイヤ使用は推奨されていない。
リキャップの再生方法としては
また、トレッドの厚みが残っている場合は、再度トレッド面に溝を掘るリグルーブが行われることがある。
加工を伴わない乗用車用の再利用としては、スタッドレスタイヤの通年利用(履き潰し)がある。 スタッドレスタイヤは、プラットホームが露出する(溝の深さが新品時の8mmから半分の4mmになる)くらいになると、性能が低下するので雪上走行用として用いるには余りに危険である。
そこで、そのようなスタッドレスタイヤの冬季以外での使用も散見されるが、それも大きな危険を伴う。 確かに、法令上ではタイヤ(夏タイヤかスタッドレスタイヤかは問わない)はスリップサインが露出する(溝の深さが1.6mmになる)までは公道走行に使用できる。 しかし、深く細かい溝が多数あるスタッドレスタイヤは、雨の日など路面が濡れているときは、排水性能が低下して高速走行でハイドロプレーニング現象が起き易くなる。 また、スタッドレスタイヤは、夏タイヤと比較して路面と接するゴムが柔らかくできているので、より高温になる夏季の路面では柔らかくなり過ぎてタイヤ自体が歪み、カーブでふらつき易くなる。
材質がゴムのため、路面を走行することで次第に摩耗してゆく。この摩耗の際に発生する微細なゴム粉末は粉じんとなって大気中に漂うほか、路上の小石やブレーキダストなどの他の粒子と結合して比較的大きな粉末として環境中に残留することが、JATMAも参加しているタイヤ業界世界CEO会議の中で調査結果として纏められている[24]。この調査結果によると、摩耗粉による急性の毒性被害は発生しないとされているものの、粒径10μm以下の摩耗粉の健康に対する影響は引き続き調査が必要と結論付けられている。
一般的な市販車両用の摩耗粉は極めて微細な粒子として発生するが、モータースポーツで用いられるスリックタイヤなどから発生するタイヤカスは、日本ではウンコ、アメリカではタイヤマーブルとあだ名されるほど大きな粒径で発生する。レコードライン上の舗装にこびりついたタイヤカスはラバーが乗ったと形容され、グリップ向上の要素として歓迎される反面、こびりつかない大径のタイヤカスは、時として走行車両を妨害する程の厄介な障害物となりうる[25]。インディカーやNASCARなどのオーバルレースでは、タイヤマーブルがクラッシュの直接要因となるため、トラック上に多数散乱しているとオフィシャルに判断されると、直ちにレースが黄旗中断され、専用の路面清掃車がマーブルの除去を行う。今日のようなワンメイクタイヤの使用が主流でなかった時代には、ファステストラップを叩きだした車両が新型装着していた場合、そのタイヤカスをライバルチーム関係者が拾い集め、成分の分析を試みたという。
電気自動車 (EV) は環境性能の高さから普及が進んでいるものの[26]、電動機(モーター)はトルクの立ち上がり方が急であり、また重量のかさむ二次電池(バッテリー)を積載していることから、内燃機関車と比べ30パーセントもタイヤが摩耗しやすいとタイヤメーカーは試算している[27]。アメリカ西海岸では雨が降るとタイヤの摩耗粉が川へと流出し、サケなどの魚が死ぬとの報告が上がっている。このため、車両の軽量化や[28]タイヤの耐摩耗性能の向上、タイヤ摩耗粉回収装置の開発といった研究が行われている[26]。
自動車用タイヤは、ブリヂストン(日)、ミシュラン(仏)、グッドイヤー(米)、コンチネンタル(独)によって寡占化が進行している。ここでは主に日本国内で購入可能なメーカーを中心に記述する。
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