HD 63765:太陽系から約106 光年の距離にあるG型主系列星で8等星[16]。国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でボリビアに命名権が与えられ、主星はTapecue、太陽系外惑星はYvagaと命名された[17]。
HD 95086:太陽系から約282 光年の距離にある若いA型星[18]で、7等星[19]。2013年に太陽系外惑星HD 95086bが発見された[18]。2022年から2023年にかけてIAUが実施したキャンペーン「NameExoWorlds 2022」でギリシャ共和国からの提案が採用され、主星はAiolos、太陽系外惑星はLevantesとそれぞれ命名された[20]。
その他によく知られた恒星として以下のものがある。
η星:「高光度青色変光星 (LBV, Luminous Blue Variable)」に分類される大質量星[21]。観測記録が残る16世紀から21世紀に至るまでその明るさを大きく変化させており、天の川銀河内で次に超新星爆発を起こす天体の有力候補の1つとされている[22]。変光星としては「かじき座S型変光星 (SDOR)」に分類され、約5.54年の周期で変光している[23]。19世紀半ばには "Great Eruption" と呼ばれる大増光が起こり、ピーク時にはカノープスを凌ぐ-1.0 等まで増光した[24]。その後急激に減光し、1870年代には肉眼で観測できなくなった[24]が、1950年代から増光が始まり、2010年代後半には4.0 等前後まで増光している[25]。太陽の100倍以上の質量を持つ超大質量星であると考えられており、直接の証拠は見つかっていないものの、恒星風の衝突に起因する衝撃波によって熱せられたガスから放射されるX線の光度変化から、40M☉程度の質量を持つ伴星が存在すると考えられている[26]。この連星系を取り囲むように広がる双極性の星雲は、19世紀の Great Eruption で放出されたガスと塵によって生成されたものであり、1944年に初めて観測された際にその姿が人型に見えたことから[27]「ホムンクルス星雲(人形星雲、英:Homunculus Nebula)」の通称で呼ばれる[21]。
ミスティック・マウンテン:イータカリーナ星雲の中にあるガスと塵からなる柱状の構造[41]。2010年4月にハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ20周年を記念して、広視野カメラ3 (Wide Field Camera 3, WFC3) によって撮像された姿に対して命名された[41][42]。約3 光年にもわたる柱状構造の内部では星が生成されており、誕生した星や周囲の星からの恒星風で数百万年後には散逸してしまうと考えられている[41]。
NGC 3324:イータカリーナ星雲中の星形成領域。2022年7月12日、赤外線宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」の最初の成果として、NGC 3324の「宇宙の断崖 (英:Cosmic Cliffs)」と呼ばれる領域の撮像が公表された[43]。
NGC 2516:太陽系から約1,350 光年の距離にある散開星団[44]。かに座のプレセペ星団 (英:Beehive Cluster) と似ていることから「The Southern Beehive Cluster」とも呼ばれる[45]。コールドウェルカタログの96番に選ばれている[7]。
IC 2602:太陽系から約500 光年の距離にある散開星団[46]。星団で最も明るく見えるθ星の名を取って Theta Carinae Cluster、またおうし座のプレヤデス星団と似ていることから「南天のプレヤデス[5](英:Southern Pleiades)」とも呼ばれる。コールドウェルカタログの102番に選ばれている[7]。
アルゴ座に、Corps du Navire (船体) 、Pouppe du Navire (船尾) 、Voilure du Navire (船の帆) の3つに小区画を設けた。これらは、ラカイユの死後1763年に出版された星表『Coelum australe stelliferum』では、それぞれラテン語で Argûs in carina(アルゴの竜骨)、Argûs in puppi(アルゴの船尾)、Argûs in velis(アルゴの帆) とされた[59]。
Corps du Navire、Pouppe du Navire、Voilure du Navire の星のうちギリシア文字の符号が付されていないものに対しては、小区画ごとにラテン文字の小文字で a、b、c……z 、続いて大文字で A、B、C…… Z と符号を付けた[55][注 4]。
ラカイユによるこれらの改変によって生まれた小区画の1つ Corps du Navire または Argûs in carina が、りゅうこつ座 (Carina) の原型となった。
ラカイユはプトレマイオスの権威を尊重し、それまでの天文学者らと同じくアルゴ座を1つの星座と見なしていた[57][63]。これは19世紀の天文学者らも同様で、19世紀半ばにイギリスの王室天文官を務めたフランシス・ベイリーが編纂した全天星表『The Catalogue of Stars of the British Association for the Advancement of Science』、いわゆる『BAC星表』でも Carina は独立した星座ではなく、あくまでアルゴ座の小区画 (subdivision) として扱われた[64]。
1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が提案された際、ラカイユ以降に「アルゴ座」とされていた領域は、Carina(りゅうこつ座)、Puppis(とも座)、Vela(ほ座)の3つに分割されることが決定され、りゅうこつ座の星座名は Carina、略称は Car と正式に定められた[67]。
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