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毎年10月に宮崎県で開催される日本プロ野球の教育リーグ ウィキペディアから
みやざきフェニックス・リーグは、毎年10月に宮崎県で開催される日本のプロ野球の教育リーグのひとつ。
みやざきフェニックス・リーグ | |
---|---|
競技 | プロ野球 |
参加チーム | 16 |
国 | 日本 |
前回優勝 | 埼玉西武ライオンズ |
最多優勝 | オリックス・バファローズ(4回) |
年2回開催される教育リーグのうち10月のファーム日本選手権終了直後から2-3週間にわたって開催されるいわゆる「秋季リーグ」。過ぎたシーズンを反省して、チーム及び個人の課題を明らかにし、翌シーズンに向けてその克服を目指すのと併せて、公式戦で出番が少なかった若手選手を積極的に起用し、試合を通じて若い選手を育てることを大きな目的としている(リーグパンフレットより)。そのため、各球団は概ね二軍の監督・コーチ陣が指揮を執り、帯同するのはおもに若手選手のみだが、2004年以降、プレーオフ・クライマックスシリーズが導入されたことから、一軍がクライマックスシリーズに進出したチームは、リーグ前半は調整のために一軍の監督・コーチが指揮を執り、主力クラスの選手を出場させるチームも多い[1]。また、2012年に日本代表チーム(侍ジャパン)が常設されて以降は、シーズン終了後に開催される国際大会に出場する日本代表選手が調整のためフェニックス・リーグに参加することも増えている。2017年には、自身の監督初采配となる「2017 アジア プロ野球チャンピオンシップ」を控えた侍ジャパン監督の稲葉篤紀が監督経験を積むため、現役時代に所属した日本ハムの10月25日、26日の試合で指揮を執った[2]。
勝敗はあまり重視されないが、毎年優勝チームを決定しており、優勝チームには賞品として宮崎牛などが贈呈される[3]。特にオリックスは2008年 - 2010年(2008年は前身のサーパス)に三連覇している。フェニックス・リーグに出場した翌年に一軍に定着する選手は多く、いきなりタイトルを獲得する者も少なくない(中村剛也、T-岡田、山田哲人など)。
2016年からはスポナビライブ(終了)やイージースポーツ(旧イレブンスポーツ)、阪神の球団公式動画配信サービス「虎テレ」、パ・リーグのライブ配信サイト「パ・リーグTV」などで一部試合のインターネット配信が行われており、2019年以降はBSスカパーなどで一部試合がテレビ中継されている。
基本的にフェニックス・リーグ期間内はイースタン・リーグ同士、ウエスタン・リーグ同士のカードは組まれていなかったが、2020年以降NPB12球団のみの参加となったことで、ウエスタンのチームと対戦しないイースタンのチームが2チーム出るため、イースタン同士のカードが1日1試合組まれている。また、宮崎県内でキャンプを行っている球団は自身がキャンプを行う球場で多くの試合が組まれる。全試合入場無料。開催期間中は地元ファンとの交流イベントや野球教室に力を入れている。なお、新型コロナウイルスの感染が拡大し、一軍レギュラーシーズンの試合も観客数を制限した2020年、2021年は無観客試合で開催された。また、試合予定のない日には練習試合が組まれることもあり、2019年には「2019 WBSCプレミア12」に向けて宮崎で一次合宿中の侍ジャパンが、フェニックス・リーグ出場中の日本ハム、オリックスと練習試合を行った[4]。主催は一般社団法人日本野球機構、イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ、みやざきフェニックス・リーグ支援実行委員会。
1990年から「秋季教育リーグ」や「ハイサイ・沖縄リーグ」、高知県での「黒潮リーグ」「よさこいリーグ」、関東近郊での「コスモス・リーグ」など開催地や名称、参加球団などさまざまな枠組みで続いてきた教育リーグが、2004年から「フェニックス・リーグ」として当時のイースタン・リーグ6球団によりスタート[5]。名称は全国公募案の約300から選考を行い、「フェニックス・リーグ」に決定した。「フェニックス」は宮崎県の県木で県内至る所に植樹されており、「フェニックス」の「不死鳥」という意味も、当該リーグで明日のプロ野球界を担う若手選手が厳しい練習に耐えて大きく羽ばたくという願いが込められている[6]。
2005年からはウエスタン・リーグの球団も参加し、10年ぶりに12球団での秋季教育リーグ開催となった。2006年からは韓国プロ野球の球団、2007年から四国アイランドリーグの選抜チーム[5]、2009年はNPB混成チーム・フューチャーズが参加し、16球団まで拡大した[5]。
2020年と2021年は韓国プロ野球の球団は不参加となり、NPB12球団のみでの開催に戻るが、2022年には四国アイランドリーグplus選抜が3年ぶりに復帰したのに加えて日本独立リーグ野球機構選抜(対象は四国IL以外のリーグ)が初参加[7][8]。2023年は韓国プロ野球も選抜チームを2チーム送り込む形で復帰し、24年は単一球団が参加する形に戻った。
また、2024年にはファームリーグ拡大により両リーグ1球団ずつが新規参入したが、ウエスタン・リーグに新規参入したくふうハヤテベンチャーズ静岡がこの年からフェニックスリーグにも初参加した[9]。一方、イースタン・リーグに参入したオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブは、四国アイランドリーグplus選抜チームに選手およびコーチが加わる形で参加した[10]。
2009年にリーグを全国へ発信するため「みやざきフェニックス・リーグ」に名称を変更した[6]。2016年まで開催年が名称に付与されていたが、2017年より2004年を第1回として開催回数が付与されている(2017年は「第14回みやざきフェニックス・リーグ」)。
年度 | 期間 | 参加チーム数 | 優勝 | 試合数[注 1] | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2004年 | 10月11日-24日 | 6 | 西武 | 48 | 「フェニックス・リーグ」の名称でリーグを開始(2009年に改称)。イースタン・リーグのみの参加。 |
2005年 | 10月10日-23日 | 12 | 楽天 | 72 | ウエスタン・リーグも参加。 |
2006年 | 10月9日-25日 | 14 | インボイス(西武) | 98 | 韓国から斗山ベアーズ、LGツインズ初参加。 |
2007年 | 10月8日-24日 | 14 | 阪神 | 98 | 四国アイランドリーグ選抜が初参加、LGは不参加。 |
2008年 | 10月7日-24日 | 14 | サーパス(オリックス) | 98 | |
2009年 | 10月5日-22日 | 16 | オリックス | 112 | 現在の「みやざきフェニックス・リーグ」に名称変更。フューチャーズとハンファ・イーグルスが初参加。 |
2010年 | 10月5日-26日 | 16 | オリックス | 145 | LGが復帰。フューチャーズは不参加。 |
2011年 | 10月10日-31日 | 16 | ソフトバンク | 144 | |
2012年 | 10月8日-29日 | 16 | オリックス | 144 | |
2013年 | 10月7日-28日 | 16 | 楽天 | 144 | |
2014年 | 10月6日-27日 | 16 | ロッテ | 144 | |
2015年 | 10月5日-26日 | 16 | DeNA | 144 | 10月17日にリーグ史上初のナイトゲーム(ソフトバンク対巨人)をサンマリンスタジアムにて開催[11]。 |
2016年 | 10月3日-24日 | 16 | 日本ハム | 144 | 虎テレで阪神戦全試合を固定カメラによるライブ配信[12]。 |
2017年 | 10月9日-30日 | 16 | 阪神 | 144 | 韓国のサムスン・ライオンズが初参加。LGが不参加。 スポナビライブにて一日2試合ずつ、計36試合[注 2]をインターネットライブ配信[13]。虎テレも引き続き配信。 |
2018年 | 10月8日-29日 | 16 | ヤクルト | 144 | 主力選手がCSファイナルステージに向けた調整のために出場する10月8日〜12日の西武の試合をパ・リーグTVでライブ配信[14]。虎テレも引き続き配信[15]。 |
2019年 | 10月7日-28日 | 16 | 広島 | 143 | BSスカパーで10試合を生中継。イレブンスポーツも5試合を配信。虎テレは阪神の全試合、パ・リーグTVはパ・リーグ球団の一部試合を引き続き配信。 |
2020年 | 11月8日-29日 | 12 | 日本ハム | 108 | NPB12球団のみの参加。無観客試合での開催。BSスカパーとCSのスポーツ系チャンネル8つ[注 3]で36試合を中継。イレブンスポーツでも25試合をライブ、36試合を録画で配信。虎テレは阪神の全試合、パ・リーグTVはパ・リーグ球団の一部試合を引き続き配信。 |
2021年 | 10月11日-11月1日 | 12 | ソフトバンク[注 4] | 108 | NPB12球団のみの参加。無観客試合での開催。前年同様BSスカパーとCSのスポーツ系チャンネル6つ[注 5](50試合)、イレブンスポーツ(72試合)、虎テレ(18試合)、パ・リーグTV(17試合)で放送・配信(一部試合は録画)。 |
2022年 | 10月10日-31日 | 14 | 広島 | 126 | 四国IL選抜が復帰。ルートインBCリーグ、九州アジアリーグ、北海道フロンティアリーグ加盟球団からなる日本独立リーグ野球機構選抜が初参加。 |
2023年 | 10月9日-30日 | 16 | 西武 | 144 | 韓国プロ野球選抜が2チーム参加[16]。海外のチームの参加は4年ぶり[16]。日本独立リーグ野球機構選抜に日本海リーグも追加。 |
2024年 | 10月7日-28日 | 18 | 巨人 | 162 | この年から新規参入したくふうハヤテが初参加。サムスン、ハンファ、斗山が韓国から5年ぶりの球団単体での参加。 |
2009年以降、2012年と2015年を除き宮崎市観光協会のフェニックス・リーグ公式ホームページより本塁打王も発表されている(NPBの公式な表彰ではない)。
年度 | 氏名 | 本数 |
---|---|---|
2009 | 中田翔(日本ハム) | 6 |
2010 | 中田翔(日本ハム)、崔鎮涬(ハンファ) | 5 |
2011 | 榎本葵(楽天)、柳田悠岐(ソフトバンク) | 3 |
2013 | 梶谷隆幸(DeNA) | 5 |
2014 | 清田育宏、加藤翔平(ともにロッテ)、古本武尊(中日) | 4 |
2016 | 山川穂高(西武)、アレハンドロ・メヒア(広島)、内田靖人(楽天) | 4 |
2017 | 崔元済(サムスン) | 4 |
2018 | 村上宗隆(ヤクルト) | 10 |
2019 | 塩見泰隆(ヤクルト) | 9 |
2020 | 樋口龍之介、海老原一佳(ともに日本ハム)、水谷瞬(ソフトバンク) | 4 |
2021 | 山本大斗(ロッテ) | 5 |
2022 | 鵜飼航丞(中日)、佐藤都志也(ロッテ) | 6 |
2023 | ブライト健太(中日)、林晃汰(広島)、澤井廉(ヤクルト)、仲三河優太(西武) | 3 |
2024 | リチャード(ソフトバンク) | 7 |
その他の特例はメンバー表交換前に対戦チーム間、審判員との協議が必要である。また、この特例については場内アナウンスでも告知する。
2004年には以下の指名代走制度があった。
10月1日時点(2020年のみ11月1日)で支配下選手(育成選手)として登録されている選手。
所属球団から監督、コーチとしてリーグに登録承認済みの者(フェニックス・リーグから帯同する新監督・新コーチ等は、その都度リーグに届出なければならない)。
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