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トヨタ自動車の高級自動車ブランド ウィキペディアから
レクサス(英語: LEXUS)は、トヨタ自動車が展開している高級車のブランド(プレミアムブランド)。1989年(平成元年)9月[1]から北アメリカで展開が開始され[2]、2005年8月から日本でも展開された[3]。グローバルブランドスローガンは「EXPERIENCE AMAZING[4]」。
LS400(1989年) | |
種類 | 自動車 |
---|---|
所持会社 | トヨタ自動車 |
使用開始国 | アメリカ合衆国 |
主要使用国 | 世界中 |
使用開始 | 1989年 |
ウェブサイト | https://lexus.jp/ |
1980年代までのアメリカ合衆国では、リンカーン(フォード)やキャデラック(GM)に代表される重厚で威厳を持つデザインの高級車こそが、アメリカンドリームを勝ち得た「成功者のシンボル」であり、日本車が普及した当時も高級車の市場は、2大ブランドや類似したデザインのアメリカ車が中心であった。しかしそうした威圧的なデザインの伝統的な車種を好まない富裕層が一定数存在すること、将来顧客の候補となる若年層にとっては「古臭い」と見えていることを、トヨタ自動車は市場調査で把握していた。
そこでトヨタは、伝統や威厳を前提とした旧来の高級車のあり方を否定し、機能性や高品質によるプレミアムを模索した。すなわち、メルセデス・ベンツやBMWなどの西ドイツ(現ドイツ)製高級車に匹敵する品質や安全性と、日本車ならではの信頼性や経済性とを両立させ、なおかつリーズナブルな価格設定、そして充実したアフターフォローを構築しようとした。
当時はまだ「壊れないが、あくまで安物の大衆車」とのイメージが強かった日本車に、日本国外の高級車市場への参入余地はないというのが自動車業界の定説であったが、トヨタは新たなテストコースの建設を始めとした開発体制・品質基準を策定し約5年間にも及ぶ長い開発期間を経た後、1989年(平成元年)9月に初代LSを発売した[5]。
トヨタの目論見通り、レクサスが掲げるコンセプトは好評をもって迎えられ、LSは発売初年度だけで約11,600台、ESの約4,700台と合わせると、レクサス全体で約16,300台を売り上げ、大衆車メーカーによる高級車市場参入の成功例となった。特に、LSの持つ静粛性と内外装の組上げ精度は、他のメーカーにも大きな衝撃を与えた。またレクサス開発の中で培われたノウハウは、トヨタにとっても大きな収穫となった。
機能性とシンプルさを重視したレクサスのデザインは、落ち着きや品の良さを希求した反面、トヨタブランドと共に「退屈で地味」という印象を抱かれることもあった。そのため21世紀以降はモータースポーツに参戦したり、スポーツモデルの「F」を発表するなど方針を転換してきている。
1989年のブランド設立以来、レクサスは主に北米の高級車マーケットにおいて一定の地位を築いた一方、ヨーロッパなどではメルセデス・ベンツやBMWといった強豪相手に苦戦を強いられたほか、日本でも根強い輸入車人気の影響もあり、高級車マーケットの中心は依然としてそれら欧州車の独擅場にあった。
当初はユーザー趣向の違い等の理由から、日本国内でのレクサスブランド展開予定はなく、日本国外でレクサスブランドで販売される車種は日本向けに仕様変更やグレードの見直しをした上で、トヨタブランドから別名称で販売されていた。
しかし、実態は同一車種でありながら、ユーザーが求める要素に国内外で徐々に乖離が生じていた。日本では、トヨタブランドの代表的な高級車クラウンを筆頭とする、日本の一般ユーザーの趣向に基づく車種階層に組み込まれたため、例えばLS(日本名セルシオ)ではショーファードリブン(運転手付き)用途での使用も多かった一方、海外ではあくまでオーナー自ら運転することが前提のドライバーズカーが基本コンセプトであり、双方のニーズに対応させることが困難となってきていた[6]。
一方、日本では長く続いた平成不況を一旦脱し、後に「いざなみ景気」と呼ばれる景気回復期に差しかかりつつあった経済情勢も受け、2005年から日本国内でもレクサスブランドを展開することが2003年2月にトヨタ自動車から正式発表された。それを契機に、後述するデザイン基本理念「L-finesse(エルフィネス)」といったブランド再構築が行われ、全世界で通用する日本発の高級車ブランドとして新生「レクサス」を展開し、今後の経済成長が見込まれるアジア圏ほかを含めた展開を目指すこととなった。
レクサスブランドの日本導入に際して、それまで国内でトヨタブランドで販売されていた車種は、以下の通りレクサスブランドの全世界統一名称・品質基準を適用し、順次レクサス販売店での取扱いに移行する形で廃止された。
なお、ランドクルーザー(LX)、ランドクルーザープラド(GX)、ハリアー(RX)の各車種については、レクサス版の日本導入以降もトヨタ版の販売を継続している。
2012年6月にはトヨタ自動車の社内組織改編が行われ、従前の「レクサス本部」が社内カンパニーに近い「レクサスインターナショナル」へ改組された。デザインや開発、マーケティングなどの機能が統合強化され人員も倍増されるなど、レクサスブランドにおけるヘッドクオーターとなる[7]。
また、翌2013年4月には「レクサスインターナショナル」のほか、トヨタブランドの「第1トヨタ」(日本・北米・欧州を所管)・「第2トヨタ」(新興国を所管)および「ユニットセンター」(部品の企画開発や生産技術・生産機能を集約)の計4つのビジネスユニットが設置され、第1トヨタ・第2トヨタ・ユニットセンターはそれぞれを所管する副社長を事業責任者とする大幅な組織改編が行われたが、レクサスインターナショナルについては「日本発のグローバルプレミアムブランドとしてのイメージ確立に向けた変革が急務」との認識から、トヨタ自動車社長の豊田章男自らが事業責任者となる別格の位置付けがなされた[8]。
更に、「レクサスは、品質はいいけど退屈」というネガティブイメージを払拭すべく[9]、ブランド価値の刷新を開始。「クルマに留まらない驚きと感動の提供」という新たな提案として、超電導ホバーボードのコンセプトモデルやラグジュアリーヨット「LY650」を発表[10]している。
上述のようにアメリカで始まったブランドではあるが、日本で正規販売される車はすべて日本国内で製造されている[11](元町工場、田原工場、トヨタ自動車九州)こともあり、左ハンドル車の正規販売は存在せず、国内の日本車同様にハンドルの右側のレバーはウインカー、左側はワイパーとなっている(一部に個人で並行輸入された個体も存在する)。
国産車ブランドとしては珍しくV8エンジンを国内向けにも多数ラインナップしており、2017年時点でその数6車種にも上る[12]。
ブランド名称である「レクサス(LEXUS)」の由来は、「ラグジュアリー」と「最先端テクノロジー」を表す造語である[13]。ブランド名を決定する際に「アレクシス」や「レクシス」が候補に挙がったが「レクサス」に決定した[13]。ブランドの立ち上げに関わったニューヨークの広告会社は、「レクサス」の名称には特定の意味はないとしている[14]。 一方では「"Luxury Exports to the U.S." (アメリカ合衆国への高級輸出品)の略」という説や[15]、ドイツ語の「Luxus(贅沢)」からの造語という説もある[16]。
エンブレムは横楕円に「LEXUS」の「L」の字であり、これも決定までには真円にLの字を三日月風に模したものや真円にLの字に模したものが候補に挙がっていた。
なお、販売店や広告などで使用されるブランドロゴは、従前はゴールド基調の色合いであったが、先進性や洗練性を強調する狙いから、2013年末までに順次プラチナ基調の色合いへ変更された[17]。
日本国内で正規販売された車種では、車検証での車名はすべて「レクサス」となっているが、それ以前に日本へ並行輸入された車では「トヨタ」「レクサス」「LEXUS」が混在している。
またスポーツモデルの「F」では「LFA」、「F」、「F SPORT」でそれぞれ異なった、3つの「F」のロゴを使用する。
レクサス独自のデザイン基本理念として「L-finesse(エルフィネス)」というキーワードを持つ。「L」は「Leading edge=先鋭」、「finesse」は「人間の感性や巧みの技の精妙」を意味し、シンプルでありながら先進的かつ深みのあるデザインを目指すというものである。L-Finesseは、以下の三つの要素の統合により日本らしさを体現させるものとされた[18]。
このように「L-finesse」は抽象的な理念であり、特に全車種共通のデザインアイコンなどは設定されない。しかし日本の伝統的な美の特徴は、華美な装飾要素を取り除きシンプルにすることとの解釈に立ち、知的かつ先進的という視点は明確にされており、各車種ごとの個性の中でこの考えに基づいたデザインがされている[18]。
具体的には、エクステリアにおいては「レゾリュートルック(毅然とした見た目)」と称される、フロントグリルをヘッドライトより低い位置に配したシャープな表情のフロントマスクや、フロントからリアにかけてサイドウインドウ上部を一本に貫くシルバー色のモール、白色LEDを用いたリアナンバー灯(CTを除く)などに各車種の共通点を見出すことができるほか、G-Link(テレマティクスサービス)対応のカーナビゲーションシステムを搭載した車両には、ルーフ後端にフィン形状の通信アンテナが装着される。インテリアでは、ダッシュボードなどに使われるソフトパッドがトヨタブランド車とは異なるレクサス専用のシボ加工を施した手触りの良いものとなっているほか、カーナビゲーションシステムをパソコンのマウスのように手元で操作できる「リモートタッチ」がRX(3代目モデル)から採用されている。
また、全世界で共通デザインとすることが基本方針とされている。なお、LS(3代目モデル)やRX(3代目モデル)などに装着されるLEDヘッドライトに関しては、各国の法規に適合しないシンガポール、中国といった一部の国々向けの仕様には装着されていない。
その後、「L-finesse」に対して「いろいろ説明をしなければ理解できないような非常にわかりにくい訴求」との反省があり[19]、レクサスのデザインには「高級車らしい押し出し感が弱い」「特徴がなく退屈」「トヨタブランド車との違いが分かりにくい」などの評価がついて回ったことから、BMWの「キドニーグリル」やアウディの「シングルフレームグリル」のように個性的かつ一目でレクサスと分かるような全車種共通のデザインアイコンを導入する方針への転換が図られた。
先にIS FやHS、CTで採用されていた、逆台形のアッパーグリルと台形のロアグリルを繋げた「スピンドル形状」(スピンドルとは紡績機の糸を巻き取る軸(紡錘)の意)のフロントマスクをベースとし、さらに存在感を強めたデザインにリファインされた「スピンドルグリル」が2012年発売のGS(4代目モデル)から採用され、以後に発売される他車種にも順次展開されている。
なおトヨタ自動車は豊田自動織機が源流であるため、ブランドのルーツである紡績をイメージしたとも言われているが、メーカー側はこの説を否定している[20]。
また、その他の共通デザインアイコンとして、エクステリアでは「L」の文字をあしらったデザインのLEDフロントポジショニングランプやリアランプなど、インテリアでは前述の「リモートタッチ」のほか、LED自発光指針を用いたアナログ時計なども順次展開されている。
車種名は基本的に、由来となる英語表記の頭文字であるアルファベット2文字と、エンジン排気量あるいは社内測定値による同等のパワーを発揮するエンジンの排気量(自然吸気)を表す3桁数字との組み合わせで表記される。具体的には、ハイブリッドユニットを搭載する「GS450h」の場合、搭載されるガソリンエンジンはV型6気筒3500ccであるものの、電気モーター出力を加味することによりV型8気筒4500ccエンジン搭載モデルと同等以上の出力を発揮する計算となるため、プラス1000ccの「450h」という表記となる。特定のスポーツモデル(F SPORTを除くハイパフォーマンスモデル)に関しては、排気量相当の3桁数字がなく、車種名中に「F」を組み合わせたものとなる。
ハイブリッドユニット搭載モデルの車種名末尾には「h」、プラグインハイブリッドモデルの車種名末尾には「h+」、ディーゼルエンジン搭載モデルの車種名末尾には「d」、ロングホイールベースモデルの車種名末尾には「L」、またコンバーチブルタイプの車種名末尾には「C」が追記される。ターボチャージャー搭載モデルの車種名末尾には従来は「t」が追記されていたが、2017年度から発売・フルモデルチェンジ及びマイナーチェンジするモデルのターボ車に関しては命名規則が変更になり[21]、同等出力を発揮する自然吸気エンジン排気量相当の数字のみになる(例:NX200t→NX300)。電気モデルの車種名末尾には「e」が追記される[22]。
このほか特定の四輪駆動モデルではリアの車種名エンブレムに「AWD」、DIRECT4搭載モデルは「DIRECT4」と付記されるほか、各車種のハイブリッドモデルについてはフロントとリアのブランドエンブレムおよび、車種名エンブレムの3桁数字と「h」の部分がブルー基調の専用カラーとなり、リアドア下部に「HYBRID」(マルチステージハイブリッド車は「MULTI STAGE HYBRID」)のエンブレムが装着される。電気自動車の場合はリアドア下部のエンブレムが「ELECTRIC」となる[22]。
2021年にフルモデルチェンジしたNXからは、後部の「Lマーク」がバラ文字ロゴの「LEXUS」に変更になった[23]。
レクサス車の開発キーワードは「I.D.E.A.L.」(アイディアル・理想)である。以下の5つの要素で構成される。
また、商品化における基準として、約500項目に細分化された達成基準「レクサス MUSTs(マスツ)」が設定されている。これは数値目標のほかに、カップホルダーの開閉感覚といったようなものも含められている。また、「レクサス専用部品はトヨタブランド車には使用しない」「最新技術は基本的にレクサスから先行投入する」ことも基準に定められている。
プラットフォームについては、いくつかの車種でトヨタブランド車と共通のものをベースとし、エンジンについてもトヨタブランド車と同一型式のものが多く搭載されているものの、溶接方法の変更等のレクサス独自の部分改良がおこなわれ、高い品質管理基準に基づき生産されている。
こうした大衆車ブランドと高級車ブランドでのプラットフォーム共有は欧州車メーカーではごく一般的なことであるが、レクサスの日本展開時は「トヨタ車の外観を変えて値段を高くしただけ」と消費者の理解を得られないことがあった。トヨタ側もそのような課題点を認識しており、2012年以降は前述のようなデザイン刷新に留まらず、同年発売のGS(4代目モデル)ではそれまでトヨタ・クラウン系と共通だったプラットフォームをやめ、レクサス専用のものを新規開発し採用していた。
2012年から始まったコモンアーキテクチャー戦略「TNGA」においては、レクサスブランドを含めた開発・共通設計化が行われている。
2015年のグローバル販売台数は約65万2,000台(前年比112%)で、3年連続で過去最高実績を更新した[24]。高級車ブランドとしては、BMW(約190万5,000台)、メルセデス・ベンツ(約187万2,000台)、アウディ(約180万3,000台)に次ぐ世界第4位である。2019年には世界累計販売台数1000万台を達成[25]。
北米における高級車のブランド別販売台数では、1999年から2010年まで11年連続でトップを維持していたが、2011年は東日本大震災の被害による減産や、極度の円高による輸出採算悪化の影響もあり、BMWとメルセデス・ベンツに抜かれ3位となりトップの座を明け渡した。その後、2015年はメルセデス・ベンツを抜き返し、BMWに次ぐ2位であった[26]。
なお、北米での販売においてはESや、高級クロスオーバーSUVの先駆けとなったRXなど比較的安価な車種が過半を占めている現状であり、LSやGSなど、より高価格帯となる車種の販売強化を目指している。その他の車種についても、標準装備品(カーナビゲーションの有無など)の違いなどもあり、押しなべて日本国内向けより安価な価格設定がされている。
JDパワーの米国自動車初期品質調査SM(VDS)において、ブランド別ランキングでは2009年まで15年連続のトップであった。その後2010年はポルシェにトップの座を奪われたが、2011年・2012年は2連連続でトップに返り咲いている。また、セグメント別でも常に上位を占め、特にLSとLXは数度にわたり1位を獲得している。2012年はLS、ES、RXがそれぞれのセグメントで1位となった。
コンシューマー・レポートによればブランド別の信頼度順位を発表し、レクサスは1位を獲得した[27]。
2015年の日本国内販売台数は約48,000台(前年比109%)であり、2005年の国内展開開始以来、過去最高を更新した。
日本においてレクサスブランドが開設された当初、約1年間の取扱車種はGS、IS、SCの3車種のみで、これらは主要市場である北米で展開されていたレクサス8車種のうち販売台数でそれぞれ5位、7位、8位(2005年)という非主流モデルであったが、開業後1年間の販売実績でアウディやボルボの日本国内販売台数を上回った。
2006年10月に最上級車のLSを発売した直後はLSの好調な受注によって販売台数が急増したが、各車種の新車効果が徐々に薄れる中でリーマン・ショックが端緒の世界同時不況で国内消費も低下し、2008年の国内販売台数は前年比25.5%減の25945台であった。日本人特有の舶来品信仰が依然として根強く、店舗数や車種が少なく、トヨタブランドの高級車種と比して割高感が強く、原則値引きなしのワンプライス販売で、直接顧客先に出向いて営業を行わない販売方法などが販売不振の原因に挙げられた。
エコカー補助金などの追い風で2009年発売の3代目RXは2010年に6552台、HSは同年に14247台と販売効果が見られて2010年に3万台以上の販売台数を回復し、翌2011年はCTが20704台の好調な販売実績を受けて国内展開開始以来最高となる42,365台を販売した。新車購入者のうち輸入車からの代替は2割程度に留まっており、2012年以降は走行性能やデザインの一新を図ったモデルチェンジで輸入車市場を牙城にかける計画である[28]。
47都道府県全てに販売店が設置され、ショールーム、商談ルーム、オーナー専用のラウンジ、外観などが全ての店舗で高級感あるデザインで統一されており、初めて来訪する店舗でも判別しやすい。店舗数は2015年で全国約170店舗ほどで、青森県・岩手県・秋田県・山形県・山梨県・福井県・鳥取県・島根県は各県に1店舗しかなく販売不振の一因とも指摘された。
2017年より、木目とスピンドルを基調としたデザインの新世代店舗にリニューアルしている。
「レクサスとトヨタは別ブランド」であるため、トヨタブランドの各販売チャネルであるトヨタ店・トヨペット店・トヨタカローラ店・ネッツ店・トヨタモビリティ店などでは新車を販売せず、オイル交換やタイヤ交換など軽作業以外の整備もトヨタブランド店の整備工場では原則扱わない[29]。
店頭の接客は小笠原流礼法を基礎にした独自の接客マナーを徹底し、高級ホテルや百貨店のコンシェルジュからも研修を受けてサービスを展開している。納車時には記念写真撮影やノベルティグッズ贈呈などのセレモニーが行われ[30]、納車後はレクサスが主催するコンサートやゴルフコンペなどのオーナー限定イベントへ招待するなどのサービスが行われている。
ユーザーの裾野拡大およびリセールバリュー維持の観点から認定中古車(CPO:Certified Pre-Owned)の販売も積極的に行い、全国どの在庫車も最寄りのレクサス販売店で購入することが可能で、CPO専門店は全国に6店舗ある。販売店のほかに広く一般向けのギャラリーが、東京都内は港区青山と高輪、愛知県内は名古屋市中村区名駅・ミッドランドスクエア内に設置されている。2019年から、トヨタモビリティ東京管轄のレクサス店舗にて、独自の認定中古車「LTPO(レクサス東京中古車)」[31]を設定し、更なる裾野拡大を図っている。
タクシー用途としては、東京都内などでLSやHSなどの個人タクシーが存在する。また、法人タクシーでは、同じく都内に営業拠点を置く国際自動車や東京MKタクシーなどがハイヤー用途でLSを運用している他、群馬県のサイトウ観光(東洋タクシー)はハイヤー・タクシー兼用としてHSを複数台運用している。
2008年6月、LS600hLが新たな内閣総理大臣専用車として導入された(従来のトヨタ・センチュリーも継続して併用される)。
欧州での販売台数は、メルセデス・ベンツやBMW、アウディといった、歴史に根差した高いブランド力と豊富な車種構成、密な販売網を持つ現地メーカーより大きく下回るが、ハイブリッド車の認知拡大などにより徐々に販売を増やしている。事実、2006年の欧州における販売台数は車種の追加やブランドイメージの浸透、発売国の追加などにより5万1000台と前年より倍増しており、販売台数の記録を10年連続で更新していることになる[34]。2015年の欧州販売台数は約64,000台(前年比120%)と過去最高を更新した[24]。
ロシアでは、富裕層の増加に伴い首都モスクワを中心としてレクサスの販売が好調であり、2007年にはトヨタ自動車全体における新車販売額でのトップとなった。
モナコでは、2011年にLS600hLが元首たるモナコ大公アルベール2世の公用車として採用され、コーチビルダーの手によってランドーレット仕様に改造されている。この「LS600hL ランドーレット(LS600hL ランドレー)」は同年7月2日の大公成婚パレードで使用され、また2012年のモナコグランプリでは、アルベール2世自らが運転しフォーメーションラップに登場した。なお、2013年のモナコグランプリでは、アルベール2世が個人的に所有しているIS Cを妃であるシャルレーヌが運転し登場している。
シンガポールの初代首相リー・クアンユーが、自家用車をメルセデス・ベンツからレクサスに乗り換えた逸話がある。韓国では、それまで実施されていた日本車の輸入禁止措置がWTO加盟に伴い1998年に解除され、2001年に韓国トヨタによってレクサスの販売が開始された。2005年には、それまで輸入車販売のトップだったBMWを上回り、ブランド別輸入車販売台数の1位となった。台湾でも、2005年から輸入車ブランドの1位である[35]。
現在まで発表されているコンセプトカーは以下のとおり。
最先端技術を盛り込んだ高性能な、かつ派手ではない落ち着いた雰囲気の市販車を顧客に提供することを第一に掲げていたレクサスは、資金を研究開発に費やしていたためモータースポーツにおいて、レクサスブランドを標榜したワークス活動はほとんどしてこなかった。しかし21世紀に入ってからは性能一辺倒だけでなく高級車に不可欠なブランド力を高めるため、積極的にモータースポーツへ関わっている。
1999年にグランダム・ロードレーシングが主催するモトローラカップ(現在のCTSC)のスポーツクラスに、「チームレクサス」として2台のGS400を投入したのが、現在確認できる最も古いレクサスのワークス活動である。また2001年のBTCC(英国ツーリングカー選手権)では複数のプライベーターがIS200を採用している[39]。
2002年にデイトナ24時間レースに代表されるロレックス・スポーツカー・シリーズ(グランダム)のDPクラスにエンジン供給を開始。2006〜2008年にチップ・ガナッシ・レーシングがデイトナ24時間を3制覇する成功を収めている。また2008年にはシリーズのドライバーズタイトルも制した。
2010~2013年にはオフロードレースのバハ1000にもLX570で参戦。市販車フルサイズトラック部門で3度の優勝を経験した。
2005年のニュルブルクリンク24時間レースには、ハイブリッドカーのSUVであるRX400hを参戦させて注目を集めた。2008年には豊田章男率いるGAZOO Racingが、プロトタイプの開発を目的としてLF-Aでニュルブルクリンク24時間レースに参戦。以降VLN(ニュル耐久シリーズ)を含めたニュルのレースにIS250、IS F、CT200h、RC、RC F、LFA Code X、LC500などを投入し、現在に至るまで参戦を続けている。
日本においてはレクサス店が本格的に展開を開始した頃の、2006年からのトヨタブランドでのSUPER GT・GT500活動をレクサスブランドのSC430に切り替えた。SC430は2013年までに3度のドライバータイトル、4度のチームタイトルを獲得した。2014年からはDTM(ドイツツーリングカー選手権)との車両規格統一に伴う新車両規定導入に合わせる形でベース車両をRC Fに変更。2016年にドライバー・チームの2冠に輝いた。2017年からはLC500に変更して参戦し、同年と2019年に2冠を獲得している。2020年からはベース車両がトヨタ・スープラに戻ることが決まったため、レクサスでのGT500活動は2019年限りで終了した。
GT300クラスでは2009年にウェッズスポーツがIS350で2冠を獲得した以外は目立った動きはなかったが、2015年からFIAのグループGT3規定のRC Fも開発して参戦を開始。FIAのホモロゲーションを取得した2017年からは米IMSA、欧州GTオープン、2018年からはブランパンGTシリーズなどでもセミワークス参戦を開始し、それぞれで優勝を挙げている。その後欧州では2020年末にワークスサポートを終了したが、日米では参戦が続けられている。
ワークス活動以外では、スーパー耐久やドリフトでもレクサスを見ることができる。D1仕様のSC430が東京オートサロン2008に登場、ハチロクの後継として2008年シーズンお台場戦からDRoo-Pより吉岡稔記が乗っている(V8の3UZ-FEから、直4の3S-GEに載せ替え、エアロはトムスになっている)。またSUPER GT・GT300クラスにも2008年よりRACING PROJECT BANDOH・TEAM TAKEUCHIがIS350を用いて参戦している。2010年から前年までヴェロッサ で参戦していた廣田友和がGS350改でD1に参戦している。
ワンメイクレースとしては、インタープロトシリーズと併催されているCCS-R(IS-Fのサーキット専用仕様)レースがある。
自動車以外ではレッドブル・エアレース・ワールドシリーズに参戦する室屋義秀とサポート契約を結び[40]、2016年からは日本大会におけるナショナルパートナーとしてオフィシャルカーを提供している[41]。室屋はレクサスが参戦するレースにおいて、レクサスのロゴを掲示したエクストラ EA-300SCでのデモ飛行を行っている。室屋は2017年に同シリーズでワールドチャンピオンとなった。
レクサス創設当初は「The Relentless Pursuit of Perfection」、2013年4月までは「The Pursuit of Perfection(完璧への飽くなき追求)」というコピーが使われていた。
日本国内では、2005年の開業当初は「微笑むプレミアム」、2009年から2012年にかけては「この道と語り、この星を想う。」というコピーも用いられていた。
2012年からは、車そのものではなく「ラグジュアリーなライフスタイルのブランド」を志向した販売戦略を行っている。デザイン・映像・建築・アート・食・ファッションなどとのコラボレーションも積極的に展開する。2016年発表の「ランドセル」[42]や2017年発表の「高級ボート」はその一例である[43]。
2013年からは、レクサス初の全世界統一ブランドキャンペーンとして「AMAZING IN MOTION」をキャッチコピーとした。コンセプトは「ユーザーの期待を超える驚きと感動を提供する」である。「AMAZING IN MOTION」は2016年まで使われ、2017年からは「EXPERIENCE AMAZING」を使用している。
2023年からは、アウトドアスタイルを志向した新戦略「OVERTRAIL PROJECT」を開始。キャンプイベントの開催や、水素燃料を活用したバーベキュー調理や4輪バギーのコンセプトモデルの発表を行っている。
レクサスブランドの体験・広報スペースとして、2013年8月30日に東京の青山にオープンした。その他にアラブ首長国連邦のドバイの計2か所にある。ただしアメリカのニューヨークは閉業した。 「都市とつながり、人と人、人とクルマが交わる」をテーマに、デザインやアート、ファッション、カルチャーなどを通じて、レクサスの車そのものではなく「レクサスブランドが持っているプレミアムな価値観」を展示する場所としている。
東京は、1階がノルウェー発のコーヒーバー・FUGLENとコラボしたコーヒースタンドとクルマカルチャー×ライフスタイルの新しい魅力を提案するガレージ、2階がフードディレクターの田島大地が監修したビストロと、レクサスのクラフトマンシップに共鳴する「若き匠」とのコラボレーションにより生まれたグッズを扱ったショップ「CRAFTED FOR LEXUS」になっている。2013年10月からは、J-WAVEのラジオ番組「LEXUS AMAZING MOMENT」の公開収録も行われる。
2018年3月29日、東京ミッドタウン日比谷内に、もう一つのブランド体験・広報スペース『LEXUS MEETS...』をオープンした[44]。全世界向けの「INTERSECT BY LEXUS」よりも間口を広げ、プレミアムな価値観を身近に体験できるスペースとしている。
三越伊勢丹および三越伊勢丹トランジットとの協業であり、様々なジャンルのセレクトグッズとレクサス車の展示を行う「STEER AND RING」、プレミアムな世界観を食で表現した「THE SPINDLE」、レクサス車フルラインアップを実際に試乗できる「TOUCH AND DRIVE」の3ゾーンに分かれている。
2024年4月18日に、和スイーツと日本各地の魅力を楽しむカフェラウンジとしてリニューアルオープンした[45]。今回のリニューアルでは、クルマが走り見つめてきた『道』をモチーフにし、モリゾウこと会長の豊田章男の想いの詰まった空間に生まれ変わった。カフェのメニューも一新され、試乗体験は従来のショートコース(最大90分)に加え、最大7時間まで利用できるロングコースが新設された。
テレビ番組
ラジオ番組
テーマパーク
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