農業・食品産業技術総合研究機構

日本の茨城県つくば市にある国立研究開発法人 ウィキペディアから

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国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(のうぎょう・しょくひんさんぎょうぎじゅつけんきゅうきこう、英語: National Agriculture and Food Research Organization, NARO)は、茨城県つくば市観音台三丁目に本部を置く農林水産省所管の国立研究開発法人。コミュニケーションネーム(通称)は農研機構(のうけんきこう)[1]。本部と5つの地域農業研究センター、7つの研究部門、3つの重点化研究センターからなる。

概要 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 正式名称 ...
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
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国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構本部(茨城県つくば市)
正式名称 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
英語名称 National Agriculture and Food Research Organization (NARO)
略称 農研機構、研究機構
組織形態 国立研究開発法人
本部所在地 日本の旗 日本
305-8517
茨城県つくば市観音台3丁目1-1
北緯36度1分41.7秒 東経140度6分8.3秒
法人番号 7050005005207 ウィキデータを編集
予算 742億円 (2021年度)
人数 3266人(2023年時点)
理事長 久間和生
設立年月日 2006年4月
所管 農林水産省
下位組織

本部
食農ビジネス推進センター
農業情報研究センター
北海道農業研究センター
東北農業研究センター
中央農業研究センター
西日本農業研究センター
九州沖縄農業研究センター
果樹茶業研究部門
野菜花き研究部門
畜産研究部門
動物衛生研究部門
農村工学研究部門
食品研究部門
生物機能利用研究部門
次世代作物開発研究センター
農業技術革新工学研究センター
農業環境変動研究センター
高度解析センター
遺伝資源センター
種苗管理センター

生物系特定産業技術研究支援センター
提供サービス 農業技術事典
ウェブサイト www.naro.go.jp ウィキデータを編集
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一般向けの見学施設として「食と農の科学館」を本部に併設し、無料公開している。

経緯

2001年4月に、農林水産省に属する試験研究機関のうち農業研究センター、果樹試験場、野菜茶業試験場、家畜衛生試験場、畜産試験場、草地試験場、北海道農業試験場、東北農業試験場、北陸農業試験場、中国農業試験場、四国農業試験場、および、九州農業試験場の合計12機関を整理統合し、農業に関する技術上の試験及び研究等を行う「農業技術研究機構」として発足した。

2003年10月1日の特殊法人改革に伴い、農林水産省所管の「生物系特定産業技術研究推進機構(生研機構)」と統合して「農業・生物系特定産業技術研究機構」と改称、さらに2006年4月1日、同研究機構に「農業工学研究所」及び「食品総合研究所」を統合するとともに、廃止された「農業者大学校」の機能を受け継ぎ「農業・食品産業技術総合研究機構」として発足した[2]

その後、2011年に事業仕分けにより農業者大学校が廃止され[3]、2016年に農業生物資源研究所農業環境技術研究所種苗管理センターと合併するとともに、内部研究所が研究部門として再編され[4]、現在の体制に至る。

産業技術総合研究所とのなりたちの違い

産業技術総合研究所(産総研)の場合は、旧工業技術院において企画及び監督を行う本院と、工業技術院傘下の研究所を全て含めて産総研の形にまとめ、その後、独立行政法人化した。農研機構の場合は、企画及び監督を行う機関である農林水産技術会議、および同事務局をそのまま農林水産省の機関として存置し、傘下の試験研究機関のみを整理統合して独立行政法人化した。このため当法人の本部機能は、独立行政法人化により新たにつくられたものである。

また、産総研と違い、農林水産省にあった全ての国立試験研究機関を一つの法人にまとめているわけではない。農林水産省傘下の試験研究機関に由来する独立行政法人は、当法人以外に、国際農林水産業研究センターがあり、他に林野庁所管の森林研究・整備機構水産庁所管の水産研究・教育機構がある。さらに、旧農業総合研究所は、農林水産省の施設等機関である農林水産政策研究所として残されている。

役割

南北に細長く、地域ごとに特有な気候風土を有する日本の特質を踏まえ、各地域の多様な気候風土にあわせた農業生産技術の開発や、地域に特有な農業資源を高度に活用するために5つの地域農業研究センターがある。各研究部門と重点化研究センターでは、それぞれの分野での基礎的・基盤的な技術開発を行う。

また、研究開発とビジネスの橋渡しを行う食農ビジネスセンター、農林水産省の競争的研究資金の分配を通じた産官学連携を行う生物系特定産業技術研究支援センター、国としての植物の品種登録や種苗管理を担う種苗管理センターを内部組織として有する。

2019年、蜘蛛の糸より強力なミノムシの糸を、真っ直ぐ長く連続的に採糸することに成功した[5]。同年に研究成果の対外発信を担う『農研機構技報』(年4回刊行)を創刊した[6]

2020年5月、人工知能(AI)研究用スーパーコンピュータ「紫峰」(しほう)と、機構外の研究者も分野横断的に利用できるデータベース「NARO Linked DB」の稼働を本格開始した[7]

現在の体制での内部組織

組織再編以降現在の内部研究組織。カッコ内に旧体制での組織名称を記載する

この他に本部に管理・技術支援などを行う組織がある。

基盤技術研究本部

  • 農業情報研究センター
  • 農業ロボティクス研究センター
  • 遺伝資源研究センター(ジーンバンクを含む)
  • 高度分析研究センター

セグメントⅠ

セグメントⅡ

セグメントⅢ

セグメントⅣ

種苗管理センター

生物系特定産業技術研究支援センター

以前の内部組織

2016年度の再編以降の内部組織。カッコ内に旧体制での組織名称を記載する。

  • 食農ビジネス推進センター
再編に伴い、民間企業や農業法人のニーズに応じた研究開発、成果移転を推進する活動や食農ビジネスの創出に向けた先進的な手法開発を行う専門の組織として新設[8]

地域農業研究センター

研究部門

重点化研究センター

研究基盤組織

  • 高度解析センター(各部門・センターの解析支援)
  • 遺伝資源センター(ジーンバンクを含む)

2016年度の再編以前の組織体制

内部研究所

当法人における「農業技術研究業務」を担う。

地域研究センター

生物系特定産業技術研究支援センター

略称は「生研センター」。「農業機械化促進業務」「民間研究促進業務」「基礎的研究業務」を担う。

不祥事

  • 関東信越国税局の税務調査を受けて不適正な経理処理が行われていたことが発覚した。これを受けて2014年3月28日同機構は関与した研究者5名と及び取引代理店に厳正な処分を行ったことを公表した[9]
  • 取引先の女性社員にセクハラ行為などをしたとして職員の男(56)が2019年4月24日付けで懲戒解雇されている。入札情報の一部漏洩も発覚した[10]
  • 免許取り消し中にもかかわらず神奈川県内の道路を無免許で運転して逮捕された研究員が2019年7月18日付けで懲戒解雇されている[11]

脚注

外部リンク

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