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日本の都市伝説のひとつ ウィキペディアから
トイレの花子さん(トイレのはなこさん)は、日本の都市伝説・学校の怪談の一種で、学校のトイレに現れるとされるお化けにまつわる怪奇譚[1]。
誰もいないはずの学校のトイレで、ある方法で呼びかけると『花子さん』から返事が返ってくる」というもの。赤い吊りスカートをはいた、おかっぱ頭の女の子の姿が最も有名である。白いワイシャツを着ているともいう[2]。それ以外の噂の詳細は、地方により異なる。
最もポピュラーな噂は
古くは1950年頃から流布されていた「三番目の花子さん」と呼ばれる都市伝説が原型であるとされる。1980年代頃から全国の子供たちの間で噂になり、第二次オカルトブーム真っ只中の1990年代には映画や漫画、アニメなど、様々な作品に登場した。
テレビ番組の収録中に花子さんとされる声が録音されたこともあるという[3]。
「花子さん」のルーツとして
などが語られる。埼玉県のある学校のゴミ捨て場、または東京都のある学校の体育館の裏に花子さんの墓があるとの説もある[5]。
また「柿の木から柿をもいで老人ホームに届けていた少女が、交通事故で死んだ後に霊となってその木の上に住み着いた」、という「柿の木の上の花子さん」という話も伝わる[5]。
霊となる前の生前の人物像については、本名は長谷川花子で1879年(明治12年)生まれ、牛乳が嫌いで白系の色も嫌い、赤系と青系の色が好き、学校では卓球部に所属、花粉症などの情報がある[5]。
バリエーションとしては、
などの話が伝わる。「花子さん」の噂は日本各地に広まっているが、これらの花子さんはすべて従姉妹同士との説もある[5]。
また、名前が「花子さん」以外の噂もあり
といったバリエーションがある。
花子さんの撃退方法として、遭ったときは100点の答案を見せると悲鳴を上げて消え去るという説もある[5]。
日本では江戸時代から昭和初期にかけて厠神(トイレの神)の信仰が盛んで、赤や白の女子の人形や、美しい花飾りを便所に供えることで厠神が祀られていた。戦後において厠神の信仰が廃れた後も、トイレに造花が飾られていることが多いのは、こうした風習の名残とみられている。トイレの花子さんの服が赤や白であること、名前が「花子」であるのは、こういった風習に由来するとの説もある[2]。
「トイレの花子さん」を扱った作品は非常に多く、マスコットキャラ的な登場も多い。ここでは、「花子さん」がメインの作品を挙げる。
1995年7月1日、松竹系公開。花子さんは悪霊ではなく子供たちの守護霊的存在として描写されており、終盤に変質者から子供たちを救うものの、直接登場はしない。日本国内においてビデオ化・LD化はされているが、DVD化はされていない(台湾では鬼娃娃花子2のタイトルでDVD化されている)。配給収入は4.5億円[12]。
1998年7月4日、東映系公開。舞台は中学校で、花子さんの伝説は出るものの、その実体は和人形の悪霊であった。タイトルは「新生」だが、前述の松竹版との関連は無く、子供向けを意識した上述の松竹版より本格的なホラー映画。キャッチコピーは「この学校の怪談が一番怖い。」。日本国内ではビデオ化・DVD化はされている(台湾では鬼娃娃花子のタイトルでDVD化されている)。同時上映は『ズッコケ三人組 怪盗X物語』。 今作はテレビ朝日系列で放送された「ミステリー体験ゾーン 本当にあった怖い話」にて高橋洋が脚本を務めた「呪われた人形」のリメイクでもあり、里美という主人公、悦子という霊能者、かつて存在した主人公の姉、蓋の裏にお札がある木箱に封印された和人形などの設定を流用している。
本格的なホラー映画であると同時に終盤では異能のバトルアクション的な展開となる。
また新キャラクターとして里美の親友の香苗、里美の幼馴染で霊能者の浩輔、カシマさんと演者にちなんだ鹿島玲子という名前の女教師の霊能者も登場する。後に高橋洋は『発狂する唇』、続編の『血を吸う宇宙』の脚本も務めるが、こちらも里美と悦子、里見の母親の名が流用されている他、続編では「呪われた人形」の設定がそのまま流用されている。
里美の親友というポジションは霊能者の間宮悦子から普通の女の子である沢口香苗に変わり、里美と仲良くなっていく悦子に嫉妬する描写もある。霊能者の柏木浩輔は里美の幼馴染で好意を寄せられている他、同じく霊能者である悦子と付き合っていたという過去も持つ。こちらは性格がぶっきらぼうで担任である矢部教師と度々衝突するが、彼を良い教師だと評価するなど天邪鬼な面も持つ。
ある中学校に花子さんの噂が存在したが、花子さんを見た者がいると誰かが死ぬと恐れられていた。倉橋里美は11年前に失踪した姉の倉橋かおりが通っていた中学校に親友の沢口香苗と共に入学し、やや疎遠になっていた幼馴染で霊能者の柏木浩輔とも再会する。校舎の裏手を香苗と共に歩いていた里美は中学校の社を見ていた霊能者の間宮悦子を目撃する。悦子が去った後、香苗と一緒に不気味な雰囲気が漂う社に近づき、そこで自分を呼ぶ姉の声を聞くが、それは里美にしか聞こえなかった。後日、里美は2年生のトイレの鏡の中に古い扉が映っているのを目撃し、小さい子供の影を見たところで気絶する。その後、里美は香苗と共に悦子に呼び出され、3人の2年生の女子生徒らから気絶する前の状況と自信が目撃したものを聞かれ、ありのままを話す。花子さんの噂をただの噂話ではないと信じる2年生のミホは里美達にあまり騒がないことを忠告するが、逆に悦子が裏手にある社の存在を問いただし、不気味な気配もあることを指摘する。それに対して2年生も不安になるが、里美は子供の霊ではないかという疑問を口にする。確認することを提案したミホと悦子は裏手にある社に里美らを連れ、社の錠前を破壊して扉を開けると奉納されている御神体の和人形を発見する。後日、里美と仲良くなる悦子に香苗は嫉妬してやけ気味に2年の女子トイレに向かい、花子さんを呼び出してしまう。その際、母を呼ぶ花子さんの声を聞いたことも悦子に伝えるとこっくりさんを決行してトイレの花子さんを呼び寄せて香苗に憑依させる。母親に会えず哀れな最期を迎えた花子さんを里美は優しく抱きしめ、悦子と悦子の友人2人はそんな花子さんを憐れむ。翌日、里美は新聞部が発見した11年前の記録ノートを手渡され、花子さんの噂と鹿島玲子という霊能者が話題となっていたことを知る。その後、里美達は社に花を手向けようとするが、御神体の和人形がいなくなり、悦子は焦りだす。
里美達の担任である矢部教師が社の錠前が破壊された事を話すと里美は自分が中を確認するためにやったと告白。人形の存在も話すとクラス中をざわつかせた。放課後、前日に社にいるところを目撃された浩輔は自信を疑った矢部教師の背中に前の学校から憑いてきた赤いジャージの少女の悪霊を目撃して警戒を強める。一方、里美は11年前の記録ノートにある鹿島玲子の名前が都市伝説の仮死魔霊子に似ている事を指摘する文章を発見する。翌日、ミホが2年の女子トイレで倒れているところを浅岡教師が発見するが、目覚めたミホは半狂乱で何かに怯えて錯乱する。軽い貧血で入院するが、校内は花子さんの噂と里美に続いて女子トイレで気絶していた事に騒然となっていた。それに対して苛立つ矢部教師は浩輔に本当に誰かが死ぬ事と矢部教師に幽霊が憑いている事を指摘される。それに対してこれまで不真面目な態度をとってきた浩輔の悪質な悪戯として激怒する矢部教師は里美に止められるが、クラス全員で2年の女子トイレに響く足音を聞く。女子トイレに向かった矢部教師はそこで赤いジャージの女子生徒の悪霊と遭遇して発狂してしまう。ミホに続いて入院することになり、事態を重く見た浅岡教師は学校の卒業生で同じく教師を務める鹿島玲子を非常勤講師として呼び出し、かおりの妹である里美とかおりの親友である鹿島は互いに11年前の失踪事件の当事者同士として初めて顔を合わせる。鹿島は同じく霊能者である浩輔とも出会い、トイレの花子さんとの壮絶な戦いが始まった。
友情出演として長野博が矢部教師役で出演しているが、今作では矢部教師が前の学校から憑いてきた悪霊(自殺した赤いジャージの女子生徒の霊)によって発狂させられるというやられ役となっている。また矢部教師を襲った悪霊のプロップ人形はテレビ朝日の『トリック 新作スペシャル(2005年)』で宇宙人のミイラという設定のゴム人形のウヌャニュペェィギュゥリュ星人として流用されている。
今作の花子さんの正体は中学校の社に御神体として奉納されていた和人形で、人形自体には悲惨な最期を迎えた花子さんの魂も里美の姉・倉橋かおりの魂も宿っておらず、文字通り人の形をしていながら魂のない人形に取り憑いた正体不明の魔物とされ、鹿島玲子に正体を問われた際は霊界に通じた社を開いてこれが返答だと言わんばかりに醜く歪んだ無数の老若男女の顔を見せつけた。これに対して浩輔は正体が誰でもない化け物である事を看破した。
表向きは学校の教師をしていた母親を探している最中、学校を間違えた挙句、変質者に殺された哀れな花子さんという噂を隠れ蓑にしており、本性を現した際は赤子の泣き声にも似た不気味な奇声を叫びながら媒介にしている和人形の顔を醜悪に歪ませる。また里美の不安な心や腹いせ気味に花子さんを呼び出した香苗の嫉妬心につけこんだり、決着をつけに来た鹿島を挑発するなど気性の荒さと狡猾な面の両方を併せ持つ。
かなり前から御神体として箱に封印されていたが、何らかの理由で封印が緩むと花子さんとして中学校で暗躍を開始。時折、人形の姿で校内を歩き回っていた。
間宮悦子にこっくりさんで呼び出された際は香苗に憑依して自身が母親に会えず、非業の死を遂げた少女であるという嘘で里美達を欺き、倉橋かおりに擬態して鹿島玲子の動揺を誘った他、矢部教師に憑いてきた少女の霊や霊界を通じて呼び寄せた無数の悪霊達を取り込んでパワーアップするなどトイレの花子さんとは程遠い邪悪な力の化身として猛威を振るった。2年生の女子トイレを霊界に通じる異次元の扉にしており、さらに力が増すと木造のトイレがある旧校舎に似せた異空間に変貌させることも可能。この力の余波は女子トイレに続く階段にも行き渡り、里美達を不安がらせた。終盤では間宮悦子に擬態して里美達を油断させ、里美を社に閉じ込めて顔がドロドロになった倉橋かおりの姿や顔を歪めた和人形の姿で里美に襲いかかるが、鹿島が捨て身の霊能力ですべての悪霊を吸収しようとした衝撃で社から弾き飛ばされた封印の札が貼られた箱の蓋を浩輔が拾った事で形勢が逆転。里美と鹿島の絶叫が響く中、札のついた箱の蓋をかかげた浩輔が箱に戻ることを叫び、無数の虫の群れのような姿となった悪霊達と共に再び封印された。最後は火葬場で里美、香苗、悦子、浩輔、鹿島、浅岡らが見守る中、焼かれながらもかおりの声で里美に悪あがきの命乞いをするが、僧侶と鹿島に姉ではない事を説得され、そのまま完全に消滅した。
正体が過去に死んだ誰でもなく、実体のない架空の存在が悪霊の正体であるという設定は高橋洋が脚本を務めた『女優霊』と同じである。
2016年7月2日公開。監督は鳥居康剛、主演は志田友美(夢みるアドレセンス)[14]。
1997年、製作・発売:ポニーキャニオン。「消えた少女の秘密」と「恐怖校舎」の2巻からなる
2007年、いじめを受けて自殺した「池谷花子」の亡霊という設定になっている。静岡県小山町と奥多摩でロケが行われた。後述の「ビギニング オブ トイレの花子さん イジメから始まる物語」に内容が酷似。
2011年、転校先の学校でいじめにあう主人公の周囲でいじめっ子たちが行方不明になる。前述の学校の都市伝説 トイレの花子さんに内容が酷似。
など。
全30巻
『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス)2014年7月号より連載中。著者はあいだいろ。
トイレの花子さんが少年の幽霊という設定になっている。
『月刊コミックブンブン』で連載された。原作はもぎひろむ、漫画は南条アキマサ。
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