三井住友フィナンシャルグループ
三井住友銀行などを傘下に置く金融持株会社 ウィキペディアから
株式会社三井住友フィナンシャルグループ(みついすみともフィナンシャルグループ、英語: Sumitomo Mitsui Financial Group, Inc.)は、 東京都千代田区丸の内に本社を置く、メガバンクの三井住友銀行(SMBC)などを傘下に置く三井グループ・住友グループの金融持株会社。略称はSMFG。
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種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 指名委員会等設置会社[1] |
市場情報 | |
略称 | SMFG、三井住友 |
本社所在地 |
日本 〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 (三井住友銀行本店ビルディング) 北緯35度40分24.9秒 東経139度45分32.1秒 |
設立 | 2002年(平成14年)12月2日 |
業種 | 銀行業 |
法人番号 | 2010001081053 |
事業内容 |
銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理およびこれに附帯する業務 上記の業務のほか、銀行法により銀行持株会社が行うことができる業務 |
代表者 |
中島達(取締役兼代表執行役社長グループCEO) 工藤禎子(取締役兼代表執行役副社長) 百留秀宗(代表執行役副社長) 三上剛(代表執行役副社長) |
資本金 | 2兆3440億3800万円(2024年3月31日) |
発行済株式総数 | 普通株式:1,337,529,084株(2024年3月31日) |
売上高 |
連結:9兆3535億9000万円 単独:9368億1500万円 (2024年3月期) |
経常利益 |
連結:1兆4661億2800万円 単独:5393億7700万円 (2024年3月期) |
純利益 |
連結:9629億4600万円 単独:5451億1400万円 (2024年3月期) |
純資産 |
連結:14兆7999億6700万円 単独:6兆753億3300万円 (2024年3月期) |
総資産 |
連結:295兆2367億100万円 単独:19兆7458億9300万円 (2024年3月期) |
従業員数 |
連結:120,373名 単独:1,414名 (2024年3月期) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
主要株主 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.36% 株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.14% STATE STREET BANK 3.93%(計) JPモルガン証券株式会社 1.68% NATSCUMCO 1.53% JP MORGAN CHASE BANK385781 1.32% SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT 1.19% バークレイズ証券株式会社 1.18% (2024年3月31日) |
主要子会社 | 主要関連会社の項目を参照 |
関係する人物 |
西川善文(元社長) 奥正之(元会長) |
外部リンク | 三井住友フィナンシャルグループ |
特記事項:経営指標は、『第22期 有価証券報告書』(2024年6月21日)を参照。 |

東証プライム市場およびニューヨーク証券取引所(NYSE)上場企業であり、日経平均株価およびTOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[2][3][4]。上場銘柄としての略称は、単に「三井住友」としている。
SMFGを中核とする金融コングロマリットとしては「SMBCグループ」と称する。2018年3月まではグループ全体の名称も「三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)」と称していた[5]。なお、三井住友信託銀行を中心とした三井住友トラストグループとの間に資本的関係などはない。
概要
三井住友銀行(都市銀行)、三井住友ファイナンス&リース 、SMBC信託銀行 、三井住友カード(クレジットカード会社)、SMBCファイナンスサービス (ファクタリング、信販会社)、SMBCコンシューマーファイナンス(消費者金融会社)、日本総合研究所、SMBC日興証券などを傘下に置く。既存子会社と持株会社を設立した背景に、三井住友銀行の財務状況の改善がある。2005年から、SMFG社長・SMBC会長は旧さくら銀行(三井系)出身の北山禎介、SMBC頭取・SMFG会長は西川善文の後継者として有望視されていた奥正之、それぞれが就任した。
2007年は中期経営計画「LEAD the VALUE」の初年度にあたるが、規模では同グループを凌駕する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に通期純利益で肉薄する勢いであり、サブプライム問題で後退を余儀なくされたみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)を大きく上回る結果を残した。2009年5月には金融危機で経営難に陥ったシティグループから日興コーディアル証券(現:SMBC日興証券)、日興シティグループ証券(現:シティグループ証券)の事業を取得すると発表した[6]。
2011年4月現在、都市銀行と信託銀行を傘下とする金融持株会社ではりそなホールディングス(りそなHD)とともに全国銀行協会の持株会社会員ではなく、メガバンク系列で唯一の非加盟持株会社である。
提携関係
要約
視点
消費者金融部門はプロミス(現:SMBCコンシューマーファイナンス)に出資し[注釈 1]、合弁会社としてアットローンを設立した[注釈 2]。2006年5月にニッシン(事業者金融)の第三者割当増資80億円超を引き受け、中小企業向け無担保ローン市場にも参入した。
証券部門ではかつて大和証券との提携を図り、ホールセール証券を行う大和証券SMBCを共同出資で運営したが、2009年10月に日興コーディアルグループを買収・子会社化して大和証券との提携を解消した。
外資金融機関は、旧住友銀行時代よりゴールドマン・サックス(GS) と関係が深い。邦銀が海外進出に積極的だった1980年代後半に住銀はGSに出資したが、後年の金融不安を経て関係は逆転してSMFGの自己資本増強のための優先株発行1503億円をGSが引き受けた。年率4.5%の配当を25年間保証、普通株式へ転換条項[注釈 3]、SMFGがGSの投資業務損失を21億ドルまで信用補完、GSの債券13億ドルをSMFGが購入、と種々の条件が付与するGSに有利なものであった。交渉は金融当局の指導をうけて水面下で進められ、取引企業を引受先とする1兆円を増資したみずほFGとともに批判が多く上がった。
信託部門との関係
1990年代から2000年代にかけての金融ビッグバン以後、メガバンクグループが相次いで信託銀行を買収する中、三井住友FGは長らくリテールにも対応した信託部門がなかった。これは、ライバル会社であるが同根でもある中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行が、ともに信託銀行専業での存続にこだわり三井住友FGとは独立した経営を堅持してきたためである[注釈 4]。
その後、2013年10月に三井住友銀行がソシエテジェネラル信託銀行全株式をソシエテ・ジェネラル(フランス)から取得してSMBC信託銀行に改称させることで、初めて信託銀行の機能も有するようになった。また2014年12月には、シティバンク銀行のリテールバンク部門の事業譲渡を受けることで、体制を強化させている。
東海地区の基盤強化
東海銀行(後のUFJ銀行を経て、現:三菱UFJ銀行)および同行系列企業が圧倒していた東海地区の金融事情であるが、MUFG発足に伴う三菱系企業主導による再編でそれを嫌う旧東海銀行系企業のMUFGからSMFGへの異動が見られる。三井住友銀行も従来手薄だった東海地区(中京圏)の支店を順次開設していたり、新たに名古屋銀行とATM相互開放して手数料引き下げたりするなど基盤強化に務めている。
関西地区グループ会社の再編
SMBCの前身の一つである住友銀行は、在阪三大都市銀行(関西都銀)の一角を占めていた[7][注釈 5]。関西地区は、第二地方銀の関西アーバン銀行およびみなと銀行がグループ内に存在し、グループ全体で強固な基盤を有しており、歴史的な関わりも深く、取引先も多い[7][8]。その一方で、バーゼルⅢなどの国際的な金融規制の対象となっており、それらの規制強化により、資産の効率化による資本効率の向上が最重要課題となっていた[9][10]。この規制への対応という観点では、関西アーバン銀行および、みなと銀行という2つの第二地銀をグループに抱えることは重荷となっており、早々に両行を売却することで自己資本比率を0.5%程度に引き下げ、この課題をクリアすることが求められていた[9][10]。
2017年2月20日に日本経済新聞及び読売新聞などが、「りそな銀行を中心とするりそなホールディングスが設立する中間持株会社に関西アーバン銀行、みなと銀行、りそなホールディングスの完全子会社である近畿大阪銀行をぶら下げる経営統合を、三井住友フィナンシャルグループが検討している」[注釈 6][13][12][11][14]と報じた。また、同年2月25日に日本経済新聞が「三井住友フィナンシャルグループとりそなホールディングスは系列の関西の地銀3行を来春に経営統合することで大筋合意した」[7]と報じた。
2017年3月3日に、三井住友FG、りそなHD、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行各社は近畿大阪銀行、関西アーバン銀行および、みなと銀行の経営統合で基本合意した[15]。関西アーバン銀行、みなと銀行、近畿大阪銀行の3社がぶら下がる形で、新たに金融持株会社を設立させる[15]。金融持株会社はりそなHDの連結子会社となり、三井住友FGの持分法適用会社となる[15]。
2017年9月26日、統合計画についてりそなHD、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行の間で最終合意したこと、金融持株会社の社名を関西みらいフィナンシャルグループとすること、それぞれを公表した[16][17][18]。関西みらいFGは、東京証券取引所に上場している関西アーバン銀行および、みなと銀行と株式交換を行い、両行の既存株主に関西みらいFGの株式を割り当てるとともに、東京証券取引所に上場する予定[19]。同年11月14日、関西みらいFGが設立され[20]、今後段階を踏んで経営統合、システム統合並びに近畿大阪銀行および関西アーバン銀行の会社合併を行うことが公表されている[16][21][22]。2018年2月20日、りそなHDによる株式公開買付けに応じた結果、みなと銀行が連結子会社から持分法適用関連会社となった[23]。
沿革
要約
視点

参照:[24]
- 2002年12月2日 - 三井住友銀行(初代)の株式移転により、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)が発足。
- 2003年1月 - わかしお銀行の株式すべてを取得、同銀行を子会社化。
- 2003年2月1日 - 持株会社化実施に伴う、子会社の再編を実施。
- 三井住友FGが、子会社の三井住友銀行(初代)より三井住友カード、三井住友銀リース、日本総合研究所の4社の株式をすべて取得、直接子会社化。
- 三井住友FGが、中間持株会社の日本総研ホールディングズを吸収合併。
- 2003年3月17日 - 連結子会社のわかしお銀行が三井住友銀行(初代)を吸収合併(逆さ合併)、三井住友銀行(2代。現法人)が発足[25]。
- 2005年4月27日 - 連結子会社の三井住友カードがNTTドコモとの間で、おサイフケータイ関連事業に係る資本業務提携を締結[26]。
- 2005年7月11日 - 連結子会社の三井住友カードの一部株式を、NTTドコモに売却。
- 2006年9月1日 - 三井住友FGが株式交換により、SMBCフレンド証券を100%子会社化[27]。
- 2006年10月17日 - 三井住友FGが公的資金を完済[28]。
- 2007年10月1日 - 連結子会社の三井住友銀リースが住商リース(住友商事系)と合併、三井住友ファイナンス&リースが発足。
- 2008年10月1日 - カード事業を統括する中間持株会社として、SMFGカード&クレジットを設立。
- 2009年5月1日 - 三井住友FGがシティグループ(米国)との間で、日興コーディアル証券および日興シティグループ証券を三井住友FGに売却すること、並びに、シティグループとの業務提携を締結することで合意[29]。
- 2009年7月1日 - 連結子会社の三井住友銀行がオリックス・クレジットの株式51%を取得[30]。
- 2009年10月1日 - 連結子会社の三井住友銀行が、日興コーディアル証券を完全子会社化。
- 2010年10月18日 - 本社所在地を日比谷三井ビルディングより、(SMBC本店北館に移設された部門を除き)三井住友銀行本店ビルディングへ移転[31]。
- 2010年11月1日 - ニューヨーク証券取引所に上場(ADR)[32]。
- 2011年5月 - 中間持株会社のSMBCカード&クレジットがセディナの全株式を取得、同社を完全子会社化[33]。
- 2012年4月26日 - 連結子会社の三井住友銀行が、保有するオリックス・クレジットの全株式をオリックスに譲渡[34]。
- 2012年4月 - TOBにより、大手消費者金融のプロミス(現:SMBCコンシューマーファイナンス)を完全子会社化[35]。
- 2013年5月 - 連結子会社の三井住友銀行が、商業銀行Bank BTNP(インドネシア)の株式を取得[36]。
- 2013年7月24日 - 連結子会社の三井住友銀行が、ソシエテ・ジェネラル(フランス)傘下のソシエテジェネラル信託銀行を買収[37]。
- 2013年10月 - 連結子会社のソシエテジェネラル信託銀行が、SMBC信託銀行へ商号変更。
- 2014年12月25日 - 連結子会社のSMBC信託銀行が、シティバンク銀行のリテールバンク(個人向け)事業を買収[38]。
- 2016年7月 - 連結子会社の三井住友銀行が三井住友アセットマネジメント(現:三井住友DSアセットマネジメント)の株式を追加取得、同社を連結子会社化[39]。
- 2017年6月 - 指名委員会等設置会社へ移行[40]。
- 2018年1月1日 - 連結子会社のSMBC日興証券が、SMBCフレンド証券を吸収合併[41]。
- 2018年4月 - グループ全体の名称を「三井住友フィナンシャルグループ」から「SMBCグループ」へ変更[5]。
- 2019年4月 - 三井住友アセットマネジメントと大和住銀投信投資顧問の合併により、三井住友DSアセットマネジメントが発足[42]。
- 2020年7月 - 連結子会社のセディナがSMBCファイナンスサービス(初代)を吸収合併、SMBCファイナンスサービス(2代)へ商号変更。
- 2021年6月- フィリピンのリサール商業銀行に出資[43]。2022年11月には出資比率を4.9%から20%に高めると発表した。
- 2022年10月 - 三井住友フィナンシャルグループに対し、行政処分及び報告徴収命令が金融庁から出された[44]。
- 2023年7月 - 連結子会社の三井住友カードが、SMBCモビットを吸収合併[45]。
- 2024年4月1日 - 連結子会社の三井住友カードが、SMBCファイナンスサービスを吸収合併[46]。
- 2024年4月1日 - IT関連事業を統括する中間持株会社として、日本総研ホールディングスを設立[47]。
歴代社長
ブランディング
フレッシュグリーン | トラッドグリーン[5] |
2018年4月からグループ全体の名称を「三井住友フィナンシャルグループ」から「SMBCグループ」に改めており、ロゴもグループロゴとしては「三井住友フィナンシャルグループ」や「SMFG」の使用を止め、トラッドグリーンをベースにした「SMBC」「SMBC Group」に統一している[5][48]。
SMBCグループの上昇カーブを描くマークは「ライジングマーク」と名付けられており、「グループが提供する一層価値あるサービス、先進的・革新的なサービスにより、お客さま、株主、社会と共にグループが発展していく願い」が込められている[5]。
コーポレートカラーの2色のうち「フレッシュグリーン」は「若々しさ、知性、やさしさ」を、もう一方の「トラッドグリーン」は「伝統、信頼、安定感」を表現している[5]。
統合前の旧住友銀行は、住友財閥の社章が採用されていた(旧さくら銀行は旧太陽神戸三井銀行時代からさくらのマーク、旧三井銀行は1984年から五十嵐威暢による青地に白で楕円に「三」の字を基調としたマーク[49]を使用していた)。
主要関連会社
- 株式会社三井住友銀行 - 三大メガバンクの一角を占める大手都市銀行。わかしお銀行が三井住友銀行(初代)を吸収合併の上、現在に至る二代目法人(上記)。三井住友FG100%出資。
- 株式会社SMBC信託銀行 - 大手信託銀行。かつてはフランスのソシエテ・ジェネラルの傘下にあったが、2013年10月付で三井住友銀行の子会社となった(上記)。三井住友銀行100%出資。
- 三井住友ファイナンス&リース株式会社 - 大手総合リース会社であり、三井住友銀リース(三井住友FG系)と住商リース(住友商事系)の合併により発足。三井住友FGと住友商事の折半出資。
- SMBC日興証券株式会社 - 大手証券会社。2009年10月に旧日興コーディアル証券(現:シティグループ・ジャパン・ホールディングス)の全事業と、日興シティグループ証券(現:シティグループ証券)の一部事業を譲受け、現在に至る。三井住友FG100%出資。
- 三井住友カード株式会社 - 大手三社の一角を占める大手クレジットカード会社。1967年12月に旧住友銀行の関連会社として設立。2001年4月に現社名に変更後、2003年2月付で三井住友FGの子会社となった。三井住友FG100%出資。
- SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 -「プロミス」ブランドで知られる大手消費者金融。2004年9月に三井住友FGとの資本業務提携を締結後、三井住友FGによるTOBを経て、現在に至る(上記)。
- 株式会社日本総合研究所 - 五大シンクタンクの一角を占める大手シンクタンク。1969年2月に旧住友銀行より分離独立する形で設立。1989年12月に現社名に変更後、2003年2月付で三井住友FGにグループ入りした(上記)。
- 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 - 大手資産運用会社。三井住友アセットマネジメント(三井住友FG系)と大和住銀投信投資顧問(大和証券系)の合併により発足。三井住友FGを筆頭に(50.1%)、大和証券グループ本社(23.5%)ほか3社との共同出資。
脚注
関連項目
外部リンク
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