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本田技研工業のミニバン型乗用車 ウィキペディアから
オデッセイ(ODYSSEY、Odyssey、奥徳賽)は、本田技研工業が生産・販売する大型のミニバン型乗用車である。
ホンダが提唱した「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」の第1弾として1994年に発売され、ホンダの基幹車種のひとつに位置付けられている。
当時のホンダは、いすゞ自動車からビッグホーンのOEM供給を受け「ホライゾン」として細々と販売していた程度で、「RVを持っていないのが致命的」と言われるほどセダンおよびクーペ以外の車種展開に出遅れており、業績が低迷していた。
そんな中、厳しいコストの制約からアコードのプラットフォームを用いて開発されたオデッセイは、発売まもなく同社の業績を回復させるほどの大ヒットとなり、同時期に販売されていた他社の類似車種とともに低ルーフミニバンブームの火付け役となった。ボディサイズをアコードと同じ生産ラインに流せる限界のサイズとし、当時のワンボックスカーでは常識であった後席スライドドアを採用できなかったことによる感覚や、4輪ダブルウィッシュボーンによる走りの良さが評価され、日本での大ヒットにつながったとされる。ファミリー層のユーザーだけではなく、当時ホンダが生産していたスポーツモデルからの乗り換えユーザーからも人気を得た。
乗用車ベースのミニバンとしてセダンと同等の運動性能を持ち、3代目以降では「低床」「低重心」をキャッチコピーとし、セダンよりも広い室内空間を売りにしている。リアのドアに関しては、初代 - 4代目までは一般的なセダン型乗用車と同様の前ヒンジドアを採用していたが、5代目モデルではエリシオンとの統合によるさらなる低床化と車高アップに伴い、両側スライドドアに変更された。
3列目シートの床下収納機構がシリーズ通しての特徴で、3代目では電動格納式(一部グレードに標準装備またはオプション設定)のものも採用されていた。
1985年にプリモ店・ベルノ店・クリオ店の3チャンネル体制を成立させて以降の車種では初めて、全販売店で併売されるようになった車種である。
ホンダ・オデッセイ(初代) RA1/2/3/4/5型 | |
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前面(豪州仕様、初期型) | |
後面(豪州仕様、初期型) | |
概要 | |
別名 |
欧州 : ホンダ・シャトル(初代) いすゞ・オアシス |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1994年10月 - 1999年12月 |
デザイン | 岩倉信弥 |
ボディ | |
乗車定員 | 6 - 7名 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
F22B型:2.2L 直4 SOHC F23A型:2.3L 直4 SOHC VTEC J30A型:3.0L V6 SOHC VTEC |
変速機 | 4速AT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,830mm |
全長 | 4,750mm |
全幅 | 1,770mm |
全高 | 1,645-1,660mm |
車両重量 | 1,470-1,610kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 43万3028台[1] |
1994年10月20日に発表された(発売は翌10月21日)。
発売当初の月販目標台数は4,000台程度と控え目であったが、当時のミニバンとしては低めの全高や、アコード譲りの4輪ダブルウィッシュボーンによる走行性能、多人数乗り車=ワンボックスカーという世間の常識を覆したことにより予想外の大ヒットとなり、後に生産ラインが増強された[注 1]。シフトレバーは、コラムシフトを採用し、前席から後席へのウォークスルーを可能にしていた。
エンジンはF22B型のみの設定で、アコードに設定されていたVTEC仕様は後のマイナーチェンジの際に採用された。トランスミッションは「プロスマテック(TYPE II)」と呼ばれる4速ATが搭載された。増加した車重に対して最終減速比を高めたためエンジン回転数は若干高めであり、以後のモデルに対して燃費が劣る。
初期型モデルでは、ホンダの同排気量クラスの車としては珍しくタコメーターが標準装備されなかったため、発売開始から半年後にはホンダアクセスによる純正アクセサリーとして用意された[注 2]。グレード体系は「B」・「S」・「L」の3グレードで、「B」は7人乗り仕様のみ、「S」と「L」は6人乗り仕様と7人乗り仕様が選べる。
それまで、排気量2L以上の3ナンバー普通自動車クラスの販売台数では、長年の首位を維持していたトヨタ・クラウンを抜き去り、1995年には、12万5,590台の販売台数を記録。1994年には日本カー・オブ・ザ・イヤーの特別賞を、1995年にはRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。ヒットを後押ししたのはハード面だけでなく、当時、映画化された『アダムスファミリー』の出演者を総動員した販売戦略としてのソフト面での成功もある。
初代は北米や欧州でも発売されたが(欧州では「シャトル」という名前で販売)、アメリカ人の感覚では「(日本国内では大きいとされる3ナンバー車で、2.2Lエンジンが搭載されていても)小さい、狭い、非力」と判断され、よりパワフルなV6エンジン搭載モデルの登場を挟んで、ラグレイトが北米仕様の2代目オデッセイとなり、独自の進化を遂げている。また、欧州市場ではディーゼルエンジン車とマニュアルトランスミッション車の設定が無かったことが災いし、販売は振るわなかった。
日本国内では、日の丸自動車グループの日の丸リムジンがワゴンタクシーとして採用したほか(現在は2012年秋から4代目が採用されている)、北米では(現地のタクシーとしては)小排気量で非力だが燃費が良く荷物が積めて効率性に優れるとして、いすゞ自動車にOEM供給されたオアシスと併せてニューヨークのイエローキャブに採用されていた。
ホンダ・オデッセイ(2代目) RA6/7/8/9型 | |
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初期型 前面 | |
初期型 プレステージ 前面 | |
初期型 プレステージ 後面 | |
概要 | |
別名 | ホンダ・ラグレイト(北米仕様車の国内向け) |
製造国 | 日本 中国 |
販売期間 | 1999年12月 - 2003年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 6 - 7名 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
F23A型:2.3L 直4 SOHC VTEC J30A型:3.0L V6 SOHC VTEC |
変速機 | 4速AT / 5速AT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,830mm |
全長 | 4,770-4,835mm |
全幅 | 1,795-1,800mm |
全高 | 1,630-1,655mm |
車両重量 | 1,570-1,760kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 27万370台[3] |
1999年10月18日、同年10月23日から開催された第33回東京モーターショーで出品されるプロトタイプの概要を発表し[4]、12月2日にフルモデルチェンジを発表(発売は2.3L車(S・M・L)が翌12月3日、V6 3.0L車(VG・VZ)は少し遅れて2000年1月21日)。初代の大ヒットを受け、デザインやコンセプトなどは共通化されたが、先代よりスポーティー志向の走りとなった。
エンジンは先代の後期型と同様のF23A型とJ30A型の2種類だが、J30A型は200PSから210PSと若干のスペック向上が図られている。トランスミッションは4速AT(2.3L)と5速AT(3.0L)が適用された。シフトレバーはそれまでのコラム式からインパネに移動され、同じコンポーネンツを持つアヴァンシアと異なり、Sマチック付きのゲート式を採用。エンジンの種類に関わらず、それぞれ6人乗りと7人乗りが設定された。
中国やオーストラリアなどでも発売された。中国仕様のみリアバンパーの運転席(左)側にリアフォグランプを装備している。先代まで販売が行われていた北米地域では、代わりとしてより大型な現地生産車が「オデッセイ」の名称を引き継いで発売され、日本でも後に「ラグレイト」として販売が行われた。
二代目の北米市場向けオデッセイは、1998年から2004年にかけて主に北米向けの1999年モデルとしてカナダで最初に組み立てられ、1999年から2004年にかけて「ラグレイト」として日本に導入された。
前述のとおり、このモデルから北米向けが別車種となり、先代よりも大幅に大型化し、ヒンジ式リアドアの代わりにスライド式リアドア、V6エンジンを搭載した。スライドドアが標準装備され、EXトリムにはパワースライドドア(両側世界初)、ベースのLXトリムには手動ドアが用意された。他の多くのミニバンで採用されている革新的な床に折り畳めるリアシートを維持した。またEXトリムのオプションとして、ホンダ初となる衛星リンクナビゲーションシステムも導入された。
2004年モデルは、オートモーティブ インフォメーション システムズによると、第2世代オデッセイで唯一、5点中5点の信頼性評価を獲得した。IIHSは1999年から2004年にかけ、フロントオフセットテストでオデッセイにGood評価を与えた。
北米では力強いV6エンジン、4輪独立サスペンションによるハンドリング、広いキャビン、パワースライドドア(LXは手動スライドドア)、収納可能な3列目シートなどの装備が高く評価され、1999年から2003年まで、ミニバン部門でEdmunds.com EditorsのMost Wanted賞を連続受賞した。また、年次改良により2002年モデルからは240PSに出力が向上し、ATが5速化された。
ホンダ・オデッセイ(3代目) RB1/2型 | |
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中期型 前面 | |
中期型 後面 | |
車内 | |
概要 | |
製造国 | 日本 中国 |
販売期間 | 2003年10月 - 2008年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 7名 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | K24A型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC |
最高出力 | 160PS/5,500rpm |
最大トルク | 22.2kgf·m/4,500rpm |
変速機 | CVT / 5速AT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,830mm |
全長 | 4,765mm |
全幅 | 1,800mm |
全高 | 1,550-1,570mm |
車両重量 | 1,610-1,760kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数累計 | 25万1479台 |
2003年10月17日、フルモデルチェンジを発表(発売は10月24日)。新開発の低床プラットフォームにより、ミニバンとしては異例である機械式立体駐車場へ入庫可能の1,550mm(四輪駆動車は1,570mm)という低全高スタイルとしながら、3列シート7名乗車のシートレイアウトを実現した。車名ロゴは初代から継続されていた「ODYSSEY」から「OdyssEy」に変更された[注 3]。
エンジンは、アコードなどと共通のK24A型(標準:160PS、アブソルート:200PS)の2種類のみとなり、先代まで続いたV6エンジンを搭載した「プレステージ」を廃止した。「アブソルート」のエンジンはボア・ストロークは他仕様と同一であるが、プレミアムガソリン仕様に改められた上で圧縮比が高められている。トランスミッションは「M」と「L」のFFには7速マニュアルモード付CVTを、「アブソルート」や「S」および「M」「L」の4WD車には5速ATを搭載。また、上級グレードにはオプションで4代目アコードワゴンに採用されている電動式リアテールゲートが装備され、「L」には電動格納3列目シートが標準装備された。乗員定数は7人乗りのみ。タイヤ・ホイールは「アブソルート」が前後17インチホイールを、その他のモデルは前後16インチホイールが装着された。
ミニバンとは異なる運動性能やスポーティなデザインから、若年層やホンダが過去に生産していたスポーツモデルからの乗り換えユーザーに人気を博した。その一方で全高の低さに起因する開放感のなさを敬遠する向きもあり、当代モデルのキープコンセプトとして登場した4代目では、モデル末期頃における販売台数低下の原因ともなった。
ホンダ・オデッセイ(3代目北米仕様) RL3型 | |
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フロント | |
リア | |
概要 | |
製造国 | アメリカ合衆国 |
販売期間 | 2005年 - 2010年 |
ボディ | |
乗車定員 | 7/8人 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
J35A型(標準):3.5L V6 SOHC VTEC J35A型(VCM):3.5L V6 SOHC i-VTEC |
最高出力 |
標準: 244hp(247PS)/5,600rpm VCM: 244hp(247PS)/5,750rpm |
最大トルク |
標準: 240ft·lbf(33.2kgf·m)/5,000rpm VCM: 245ft·lbf(33.9kgf·m)/4,900rpm |
変速機 | 5速AT |
サスペンション | |
前 | ストラット式 |
後 | ダブルウィッシュボーン式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 118.1in(3,000mm) |
全長 | 201.0in(5,105mm) |
全幅 | 77.1in(1,958mm) |
全高 |
68.8 - 70.0in (1,748 - 1,778mm) |
車両重量 |
4,374 - 4,678lbs (1,988 - 2,122kg) |
2005年にモデルチェンジを実施した。グレードは「LX」、「EX」、「EX-L」、「Touring」の4つが設定された。
ボディサイズは全幅が38mm大きくなり、重量も増加したが、全長と室内空間は先代とほとんど変わらない。ボディ設計には2005年シビックから用いているACE(Advanced Compatibility Engineering)ボディデザインを取り入れ、サイドカーテンエアバッグやスタビリティコントロールを全モデルに搭載している。後部ドアウィンドウはサンシェードが内蔵されている。3列目のマジックシートは6対4に分割するデザインに変更され収納しやすくなった。その他デュアルグローブボックスや、先代ではスペアタイヤが入っていたスペースを利用した床下の回転収納が採用された。シフトレバーの配置はコラムシフトからインパネシフトに変更された。
エンジンは255hpに向上し(SAE[要曖昧さ回避]の新ガイドラインにより2006年モデルでは244hp SAE net)、「EX-L」と「Touring」のエンジンにはVCMが採用された。2005年モデルのEPA燃費評価は、VCM採用車が20/28mpg(City/Highway)で、VCM非搭載の「LX」、「EX」は18/26mpgである。EPAの2007年新基準では、VCM搭載車が17/24mpg、VCM非搭載車は16/23mpgとなっている。
i-VES(iN-Vehicle Entertaintment System)に変わってDVDベースの「リアエンターテイメントシステム」となった。「Touring」にはパワーテールゲートやがミシュランのランフラットPAXタイヤが装備されており、パンクしても125mile(201km)を走行できる。しかし、PAXタイヤの扱いには特別な設備や訓練が必要であり、入手性や価格、耐久性の問題もあり、2008年モデルではオプション設定に変更となった。
「EX」以上には「Plus-One」と呼ばれる補助席が2列目に用意されており、取り外しができる。
2008年、フェイスリフトが行われ、全モデルアクティブヘッドレスト、昼間点灯、デジタルオーディオプレーヤーポートが装備された。フロントグリルはアコードに似たデザインとなり、テールランプも変更された。これまではカーナビゲーション搭載車のみだったリアビューカメラが、ナビゲーション非搭載の「EX-L」にも用意され、インナーリアビューミラー内にモニターが内蔵された。「Touring」ではBluetoothがフルサポートされた。
2008年、2009年と2年連続でアメリカでのベストセラーミニバンとなっている。アメリカのコンシューマー・レポート誌でも、アメリカで販売されるミニバンの中で最もFun-to-driveな車であるとされた。
ホンダ・オデッセイ(4代目) RB3/4型 | |
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2008年10月初期型 アブソルート 前面 | |
2008年10月初期型 アブソルート 後面 | |
2008年10月初期型 室内 | |
概要 | |
製造国 | 日本 中国 |
販売期間 | 2008年10月 - 2013年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 7名 |
ボディタイプ | 5ドアミニバン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | K24A型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC |
変速機 | CVT / 5速AT |
サスペンション | |
前 | ダブルウィッシュボーン |
後 | ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,830mm |
全長 | 4,800mm |
全幅 | 1,800mm |
全高 | 1,545-1,565mm |
車両重量 | 1,600-1,690kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 7万2211台[7] |
2008年10月16日にフルモデルチェンジを正式発表(発売は翌10月17日)。月間目標販売台数は4,000台。
FCXクラリティに似たフロントマスクとなり、テールランプは、初代から継承してきた三角形から横長に変更され、尾灯は先代後期型のLEDから電球に変更された。また、4代目には新技術として、車両の挙動の乱れを安定方向にアシストする「モーションアダプティブEPS」や魚眼CCDカメラにより死角の低減や車庫入れなどの支援をする「マルチビューカメラシステム」を搭載する。また、初めてECONボタンが搭載された。
室内に関しては、1,220mmの室内高は変わらず、室内長は60mm拡大された。2列目シート座面裏を削り込み、3列目シートの足元空間を拡大し、後席ドアの開口部も広げられた。視界に関しては、Aピラーを30%細めて後退させることで改善。2-3-2のシートは全席で前方視界が確保できるよう、V字に配列した。荷室はフィット同様にスペアタイヤを廃止し(代わりにオデッセイでは初となるパンク修理キットを装備)、荷室床下のアンダーボックスを設置した。この恩恵もあり、車体重量は先代よりも軽量化された。
エンジンは3代目と同じくK24A型が搭載されるが、ハイオクガソリン指定の「Absolute(アブソルート)」が206PS(151kW)・23.7kgf·m(232N·m)(4WDは204PS(150kw)・23.5kgf・m(230N・m)、その他が173PS(127kW)・22.4kgf·m(220N·m))にパワーアップされる同時に燃費も向上され、特に「M」・「L」・「Li」のFF車は「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。また4代目では「アブソルート」を含め、全車「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得した。トランスミッションは従来同様FF車がCVT、4WD全車と「アブソルート」が5速ATとなる[注 5]。また、「アブソルート」を除くFF車のステアリング脇には、エンジン・CVT・エアコンの制御を燃費重視にする「ECON」ボタンが備わる。
外観やコンセプトなどを中心に3代目の特徴を色濃く残す一方、足まわりや車体剛性、ステアリング性能が磨かれており、特に走行性能は多くの車評論家・ユーザーから賞賛を受けた。3代目に引き続き車高を機械式立体駐車場に入庫可能な1,550mmに抑え、大都市圏の消費者を主なターゲットとした。しかし、モデル末期頃は大都市圏の消費者の間でいわゆる車離れが進んだこと、当代オデッセイはユーザーからステーションワゴンのような車だ、と認識されがちだったこと、また駐車場に制約の少ない地方都市ではその車高が敬遠され、全高が高いハイルーフタイプのミニバンに人気が集まるなど、販売面では苦戦を強いられ[8]当車の良い面があまり理解されないまま、次代モデルにバトンタッチした。
ホンダ・オデッセイ(4代目北米仕様) RL5型 | |
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ツーリングエリート | |
EX(フロント) | |
EX(リア) | |
概要 | |
製造国 | アメリカ合衆国 |
販売期間 | 2010年 - 2017年 |
ボディ | |
乗車定員 | 7/8人 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン | J35A型:3.5L V6 SOHC i-VTEC |
最高出力 | 248hp/5,700rpm |
最大トルク | 250ft·lbf/4,800rpm |
変速機 | 5速AT/6速AT |
サスペンション | |
前 | ストラット式 |
後 | ダブルウィッシュボーン式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 118.1in(3,000mm) |
全長 | 202.9 in (5,154 mm) |
全幅 | 79.2 in (2,012 mm)) |
全高 | 68.4 in (1,737 mm) |
車両重量 |
4,337 - 4,560lbs (1,967kg - 2,068kg) |
2010年2月シカゴオートショーにおいて次期オデッセイコンセプトを発表し、2010年秋より2011年モデルとして発売された[11]。生産はアメリカアラバマ工場(HMA)で行われる。
オデッセイとしては初めて、一から全てアメリカで開発を行ったため、開発チームでは「アメリカンオデッセイ」と呼んでいる。オデッセイのコアバリューを守りつつ、新たに室内の快適性と機能性、直感的使いやすさ、スタイリッシュで際立った外観の3つのテーマを追求したという。
ボディサイズはホイールベースこそ変わらないものの、全長5,154mm、全幅2,012mmとさらに大きくなった。スポーティーな外観とされ、全高が低くなったことでCd値も5.5%低減した。室内も広くなっており、1列目ではショルダールームが25mm増えている。
混雑した大規模駐車場にあって、100m離れていても他のミニバンやSUVと見分けが付くようなエクステリアデザインを目指し、稲妻をモチーフにしたベルトラインが採用された。
エンジンは先代に引き続きVCM仕様のJ35A型を採用している。トランスミッションは上位の「ツーリング」モデルでは、北米のホンダブランドで販売される車種としては初の6速ATが採用された。
ホイールサイズは先代より1インチ拡大され17インチ、上位モデルでは18インチとなり、ディスクブレーキも前後大径化された。可変容量パワーステアリング ポンプがホンダV6モデルとしては初採用された。
1列目から2列目のウォークスルー機能は、実際の使用率は非常に低いとの調査から、「EX」以上でセンタコンソールは折りたたみ式から取り外し式に変更された。これにより中央スペースに10ftの2x4スタッドも容易に積むことが可能となった。2列目シートは左右のシートがそれぞれ約38mm移動する「ワイドモード」を始めとする「3モード」デザインとなった(「LX」以外)。3列目ではスペアタイヤをフロントシート下部に移したことにより横幅が広がり、足元スペースも25mm増加した。シートはこれまでストラップとハンドルによる折りたたみだったものを、ストラップ一つでより簡単に折り畳めるようになった。パワースライドドア搭載モデルでは、開閉機構の改善により開口寸法が拡大し、乗り降りが容易になった。
「EX-L」以上には、ダッシュボード下部にエアコン冷風を利用した20ozペットボトル4本を収納できる「クールボックス」がある。上位モデルにはその他FM traffic、12スピーカーオーディオや、HDMI端子付16.2インチリアエンターテイメントシステムなどが新たに用意された。
2014年モデルではモデル中盤のリフレッシュが行われた。全グレードに6速ATが標準搭載となり、燃費が向上した。安全性についても次世代の衝突安全ボディ構造ACEを採用し、IIHSの安全性評価において、ミニバン初のTOP SAFETY PICK+を得た。
外観では黒で装飾した新デザインのヘッドライドやグリルを採用し、アルミニウムフードも新デザインとなった。リアもLEDテールライトがパイプ状に光る新デザインとなっている。サイドミラーはボディ同色となるほか、ドライバー側のミラーサイズを19%拡大し、視認性を向上させた。
インテリアもデザインのリファインが行われ、計器類のイルミネーションや照明も変更された。次世代のブルートゥース機能やPandraインターフェイスを標準搭載する。 「EX」以上ではLaneWatchブラインドスポットディスプレイ、「EX-L」以上では車線逸脱警報(LDW)、前方衝突警報(FCW)が追加される。
最上位ツーリングエリートモデルでは「HondaVAC」車載掃除機が搭載され、さらにオプションのアタッチメントとして車内で散髪が可能な「HondaHAIR」が用意される。
ホンダ・オデッセイ(5代目) ホンダ・オデッセイ アブソルート RC1/2/4/5型 | |
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2020年11月改良型 e:HEV ABSOLUTE EX | |
2017年11月改良型 HYBRID ABSOLUTE・EX Honda SENSING | |
概要 | |
別名 | ホンダ・エリシオン(2代目) |
製造国 | 日本 中国 |
販売期間 |
日本 2013年11月 - 2022年9月 (生産終了:2021年12月24日) 2023年12月8日 - (発表:2023年12月7日) |
ボディ | |
乗車定員 | 7・8名 |
ボディタイプ | 5ドアミニバン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
ガソリンモデル K24W型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC K24W型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC 直噴 ハイブリッドモデル LFA型:2.0L 直4 DOHC i-VTEC |
モーター |
H4型 交流同期電動機 (ハイブリッドモデルのみ) |
変速機 |
ガソリンモデル CVT (アブソルートは7速マニュアルモード付) ハイブリッドモデル 非搭載 |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット式 |
後 |
車軸式(前輪駆動) ド・ディオンアクスル式(四輪駆動) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,900mm |
全長 | 4,855mm |
全幅 |
1,800mm 1,820mm(アブソルート) |
全高 | 1,695-1,725mm |
車両重量 | 1,700-1,880kg |
その他 | |
2015年6月までの新車登録台数の累計 | 5万1074台[12] |
製造事業者 |
広汽本田汽車 (2023年12月改良モデル) |
2013年9月26日に5代目の公式ティーザーサイトを開設し、車両の一部仕様を公開した[13]。先行公開された写真では、歴代初となる両側スライドドアの採用と、8人乗りの設定が明らかになった。11月1日から発売を開始した[14]。
エクステリアは、2013年4月20日の上海モーターショーに出展されたコンセプトモデル「Concept M」に似たものとなっている[15]。3代目以来の設計思想となる「超低床プラットフォーム」が大幅に刷新された。フロアの骨格構造だけでなく、フロア下の燃料タンクの薄型化や排気システムのレイアウトの工夫等によって低床化を徹底。セカンドシートのステップ位置で高さを先代モデルから60mm下げた300mmとし、全高を140-150mm上げた。これは超低床プラットフォームの採用により、全高を高めてもオデッセイらしい走りを実現できると判断したためである[16]。また、大開口タイプのメッキフロントグリルを採用し、スポーツグレードの「ABSOLUTE(アブソルート)」ではフロントメッキグリルの真下にメッキバーを3本配置し、エアロバンパーやドアロアガーニッシュの下部にクローム調モールを配置した。リアのエンブレムはリアライセンスガーニッシュ上に移動し、一体成型デザインとなった。
インテリアは、インパネにソフトパッドを採用。3列目シートは3人掛けでリクライニング構造を3分割し、左右席と中央席でリクライニング角度を変えることで、各乗員の肩に触れることなく3名が座れるように工夫された。2列目シートは乗員人数によって異なり、従来からの7人乗り仕様はシートバックを倒すと連動でシートクッション前面の角度が持ち上がる構造となり、内蔵式オットマン・中折れ機構付シートバック・ロングスライド機構を備えたプレミアムクレードルシートが採用された。新設の8人乗り仕様は、6:4分割スライドシートが採用された。なお、「G」と「ABSOLUTE」のFF車は7人乗り仕様・8人乗り仕様の選択が可能で、EX系は7人乗り仕様のみ、「B」のFF車及び全グレードの4WD車は8人乗り仕様のみの設定である。また、EX系はメーカーオプションで本革シートの設定が可能である。
エンジンは、次世代環境技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」を投入し、新開発のK24W型を採用した。「アブソルート」は、これまでのプレミアムガソリン仕様から無鉛レギュラーガソリン仕様に変更した。同型エンジンを直噴化することによって、出力は標準の175PSから190PS(4WDは185PS)に向上した。組み合わされるトランスミッションはCVTとなり、併せてドライブ・バイ・ワイヤとCVTの協調制御「G-design Shift」を採用した。「アブソルート」は7スピードモード+パドルシフトが備わった。なお、燃費向上により、「B」は「平成27年度燃費基準」を、「B」を除くFF車・8人乗り仕様と4WD車は「平成27年度燃費基準+10%」を、FF車・7人乗り仕様は「平成27年度燃費基準+20%」をそれぞれ達成した。
足回りは、プラットフォームの刷新に伴い、形式を大幅に変更した。アームやロッド類などの剛性を強化し、前後にZFザックス製の振幅感応型ダンパーを採用した。その他、液封コンプライアンスブッシュの採用、リアダンパーマウントを入力分離式に、バネ下重量の低減など改良箇所は多岐にわたる。
装備面は、自動ブレーキによる支援で衝突の回避や軽減を図る「低速域衝突軽減ブレーキ」と前方に障害物がある状況でアクセルペダルを踏み込んだ場合に急な発進を防止する「誤発進抑制機能」で構成される「シティブレーキアクティブシステム」と、1列目シート用i-サイドエアバッグシステムとサイドカーテンエアバッグシステムをセットにした「あんしんパッケージ」を新たに設定した。EX系は、衝突の危険がある場合に回避や被害軽減を図る「衝突軽減ブレーキ(CMBS、E-プリテンショナー付)」をメーカーオプションに設定。「G・EX」・「ABSOLUTE」・「ABSOLUTE・EX」にはカメラで駐車枠を自動認識し、バックや縦列での駐車時にステアリングが自動で回転して運転操作をアシストする「Hondaスマートパーキングアシストシステム」もメーカーオプションに設定した。
タイプ体系は標準モデルと「ABSOLUTE」の2本立て構成を継続した。標準モデルはベーシックグレードの「B」、快適装備をプラスした充実グレードの「G」、上級グレードの「G・EX」の3タイプ。「アブソルート」は「G」の仕様内容をベースとした「ABSOLUTE」と、最上位モデルの「ABSOLUTE・EX」の2タイプ。
販売面では新たなユーザー層を取り入れるべく先代モデルまで続いたダブルウィッシュボーンから、高価格帯の車でありながらコンパクトカーで一般的な足回り形式へと変更したことや、オデッセイのコンセプト・アイデンティティのひとつであった低い全高から、いかにもミニバンらしいスタイルへと大幅に舵を切ったため、これまで同車を乗り継いできたユーザーからは結果的に敬遠される結果となり、メーカーの期待に反し、新規のユーザー獲の得増にはほとんどつながらなかった。
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ホンダ・オデッセイ(5代目北米仕様) RL6型 | |
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エリート(フロント) | |
エリート(リア) | |
概要 | |
製造国 | アメリカ合衆国 |
販売期間 | 2018年- |
ボディ | |
乗車定員 | 7/8人 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン | 3.5L V6 直噴SOHC i-VTEC |
最高出力 | 280hp/6,000rpm |
最大トルク | 262ft·lbf/4,700rpm |
変速機 | 9速AT / 10速AT |
サスペンション | |
前 | ストラット式 |
後 | マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 118.1in(3,000mm) |
全長 | 203.2 in (約5,161 mm) |
全幅 | 78.5 in (約1,993 mm)) |
全高 | 68.3 in (約1,734 mm)~69.6 in (約1,767 mm) |
車両重量 |
4,354 - 4,593 lbs (1,975kg - 2,083kg) |
2017年1月北米国際自動車ショーにおいて発表され、同年春より北米市場で販売予約が開始された。ホンダR&Dアメリカズで開発され、生産はアラバマ工場で行われる。
ボディー・シャシーとも新開発だが、ホイールベースは先代・先々代から据え置き。全長はわずかに延長されたが、全幅は0.7 in (約18 mm)狭められている。フロントヘッドライトおよびテールライトにLEDを採用し、先進感のあるシャープさを演出。空力性能にも優れた流麗なボディーラインや、スライドドアのレールをウインドウ下に隠すなどの細やかな配慮により、精悍でありながらもエレガントな外観に仕上げいる。
エンジンはV6 3.5Lを継続搭載するが、直噴化・VCM(可変シリンダーシステム)の搭載 により、先代モデルに対して最高出力で32hp、最大トルクで12 ft·lbf向上。トランスミッションはLE・EX・EX-Lには9速ATを新採用。また、上級グレードである「TOURING」「TOURING ELITE」ではホンダ車およびミニバンとして世界初採用となる10速ATを搭載した。
リアサスペンションは新開発。ステアリングフィールや乗り心地を向上させたことに加え、よりコンパクトに設計したことで、米国内で販売されるミニバンにおいてトップの荷室容量を確保している。また。可変ギアレシオ付きデュアルピニオンEPSを新採用したほか、ロック・トゥ・ロックの回転数を減らし、高い応答性と取り回しの良さを実現している。
2列目シートには中央席を取り外して、左右の座席を真横にスライドさせることができるマジックスライドを採用。2列目シートにチャイルドシートを装着した状態での3列目へのスムーズなアクセスや、2列目の座席を互いに離したり、近接させたりと、状況に応じたシート配置が可能となる。また、遮音ガラスや3層のドアシールを採用する等、徹底したノイズ低減で静粛性を追求した。
ドライバーが後部座席の乗員にスピーカーやヘッドフォンを通して話しかけることができる「Cabin Talk(キャビントーク)」を搭載。暗い室内でもダッシュボード中央の8インチ高解像度ディスプレイオーディオに、車載の赤外線カメラで後部座席の様子を映し出して見守ることができる「Cabin Watch(キャビンウォッチ)」も採用する等、ユーティリティ性能の向上を図っている。
安全面では、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や車線維持支援システム(LKAS)等を含む安全運転支援システム「Honda SENSING」をEX以上の主要グレードに標準装備。加えて、次世代ACEボディーや、運転席および助手席のニーエアバッグなどにより、最高水準の安心性能を実現している。
2023年にはツーリングのみの設定だったメキシコにブラックエディションが投入された[31]。
「長い冒険旅行」という意味の英語で、ギリシャ神話のオデュッセイアを語源とする。英語圏の発音は「アディシー(άdəsi)」が近い。
初代
2代目
3代目
4代目
5代目
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