※本項では排気量 50ccクラス(原動機付自転車 )のDio、排気量110ccクラスのDio110 それぞれについて解説を行う。
Dio
1988年 1月の発売[ 1] 以来、シリーズ車種として多数の派生モデルが登場し、2007年 10月発売の50cc最新モデル(2016年 生産終了)は第6世代にあたる。
ちなみに「ディオ」の車名はギリシア神話 における全知全能の神ゼウス の双子の息子(dioskuroi )に由来している。
初代-3代目モデルには空冷 2ストローク エンジン が採用され[ 2] [ 3] 、4世代目では水冷 4ストローク エンジンへと変更された[ 4] 。2003年 から廉価版 という位置づけで、同じく廉価スクーターであったトゥディ 同様に中国 の新大洲本田で生産し、空冷エンジン を採用した5代目モデルも誕生し[ 5] 、一時期は4代目と併売された。また、AF18/AF27は韓国 の二輪メーカーデーリムモーター においても生産された。
2ストロークエンジン を搭載するモデルは「SK50」という機種名が存在する。各モデルの愛称を含めた名称、および型式は以下の通りである。
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代
車名/愛称
機種名
型式
発売年
備考
初代
ディオ
SK50
A-AF18・A-AF25
1988-1990
特別限定カラーモデル仕様の「SP」、「Special Edition」、前輪ディスクブレーキ搭載の「SR」がある。
2代目
スーパーディオ
SK50M
A-AF27・A-AF28
1991-1997
1997-1999
前輪ブレーキを油圧ディスク式に変更した「SR」、8,000台限定で販売された「Special Edition」、スポーツグレード「ZX」、通勤や通学などの女性向けに丸みを帯びたモデル「Dio Fit」がある。
3代目
ライブディオ
SK50M
A-AF34・A-AF35
BB-AF34
1994-2002
前輪ディスクブレーキ搭載の「SR」、リアスポイラー採用の「ZX」、前後連動式ABSを搭載した「ST」、平成10年排出ガス規制に適合した「J」、最終モデル「S」がある。
4代目
スマートディオ
SKX50S
BA-AF56・BA-AF57・BA-AF63
2001-2007
前輪ディスクブレーキとアイドリングストップ機構を搭載の「Deluxe」、スポーティ仕様車としてライブディオ時代までのZXに相当するモデルでZを継承し4ストロークエンジンの意が込められた「Z4」がある。
5代目
ディオ
NSK50SH
BA-AF62
2003-2007
特別限定カラーモデル仕様の「Special Color」がある。
6代目
ディオ
NSK50SH
JBH-AF68
2007-2016
2011年に燃料ポンプとインジェクション、エンジンコントロールユニット(ECU)のセッティングが変更され低中速域でのトルクが改善したマイナーチェンジが施されたが型式は変わらず。1,000台限定の特別カラーモデル仕様の「Special」がある。
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2代目にはSR・ZXの他にオフロードモデル「XR BAJA 」をイメージとしたDio XR BAJA (ディオXRバハ )もラインナップされた[ 6] 。ブロックパターンタイヤやフロントディスクブレーキ、デュアルヘッドライトにハンドルガードなどを装備する。XR BAJA発売時にはSR及びZXは3代目に移行された。
3代目からは派生車種として、前カゴを装備しライトとウインカー をフロント下部に装着したDio Cesta (ディオ チェスタ )も発売され[ 7] 、6代目まで継続モデルとなった。1997年 には2代目ベースの派生車種であるDio Fit (ディオフィット )も発売された。[ 8]
初代-3代目にはディスクブレーキ を装備したSR 、2代目-3代目にはディスクブレーキに加えリアスポイラーが装備され馬力がアップされたZX 、同様に4代目ではZ4 というスポーツグレードがラインナップされた。なお、同社製スクーターの電子式燃料噴射装置 (PGM-FI)搭載は、スマートディオZ4が初となる。
AF63E型は水冷OHC4バルブエンジンにPGM-FIを搭載した。
af63 6代目はディオ・チェスタとともに2007年 10月30日にモデルチェンジされた[ 9] 。車体デザインは5代目とほぼ同様であるが、ベースとなったトゥディ (JBH-AF67) と同じく、PGM-FI搭載ならびに触媒 内蔵マフラー により自動車排出ガス規制 に対応させた。
50ccモデルのディオ、ディオチェスタ双方の日本仕様は2016年 に生産終了が公表された。
本モデルの生産終了により2017年以降、一般ユーザーが購入可能なホンダ製50ccスクーターは、タクト(8代目) ・ジョルノ(3代目) ・ダンク となった[ 10] 。
Dio110
JF31(初代)
概要 ディオ110(JF31), 基本情報 ...
ディオ110
(JF31)
基本情報 排気量クラス
小型自動二輪車 メーカー
本田技研工業 車体型式
EBJ-JF31 エンジン
JF31E型 107 cm3 空冷4ストロークOHC単気筒
内径×行程 / 圧縮比
50.0 mm × 55.0 mm / 9.5:1 最高出力
6.2kW 8.4ps/8,250rpm 最大トルク
8.7Nm 0.89kgm/6,500rpm 車両重量
103 kg
詳細情報
製造国 中国 (五羊-本田摩托(広州)有限公司 )
製造期間 2011年 -2015年
タイプ スクーター
設計統括
デザイン
フレーム アンダーボーン
全長×全幅×全高 1.845 mm × 0.670 mm × 1.090 mm
ホイールベース 1.255 mm
最低地上高 0.120 mm
シート高 0.755 mm
燃料供給装置 PGM-FI
始動方式 セルフ式(キック式併設)
潤滑方式 圧送飛沫併用式
駆動方式 Vマチック
変速機 無段変速式
サスペンション 前 テレスコピック式 後 ユニットスイング式
キャスター / トレール 26.30° / 83 mm
ブレーキ 前 シングルディスク 後 機械式リーディングトレーディング
タイヤサイズ 前 80/90-14 40P 後 90/90-14 46P
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 5.5 L
燃費
カラーバリエーション
本体価格 190,000円(税抜)
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM NSC110・BREEZE・Vision・Spacy/Fi/i
同クラスの車
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2011年 に本田技研工業よりグローバル向けモデル として、ニュー・スタンダード・コミューター(New Standard Commuter)から命名されたNSC110 [ 11] が発表された。この車両の日本向け仕様として、中国の五羊本田が現地モデルの优客110 (BREEZE )と共に製造することになり、Dio110 として同年7月18日に発売された[ 12] 。
PGM-FI 仕様の空冷4ストローク単気筒107cc エンジンに、14インチ 大径ホイールを装備したフラットステップ車体構成となっており[ 13] 、2011年10月9日に2011年度グッドデザイン賞 を受賞した[ 14] 。
JF58(2代目)
概要 ディオ110(JF58), 基本情報 ...
ディオ110
(JF58)
基本情報 排気量クラス
小型自動二輪車 メーカー
本田技研工業 車体型式
EBJ-JF58 エンジン
JF58E型 108 cm3 4ストローク空冷SOHC単気筒
内径×行程 / 圧縮比
50.0 mm × 55.1 mm / 9.5:1 最高出力
6.6kW 9.0PS/7,500rpm 最大トルク
9.3Nm 0.95kgf・m/5,500rpm 車両重量
100 kg
詳細情報
製造国 ベトナム (ホンダベトナム)
製造期間 2015年-
タイプ スクーター
設計統括
デザイン
フレーム アンダーボーン
全長×全幅×全高 1870 mm × 690 mm × 1085 mm
ホイールベース 1255 mm
最低地上高 130 mm
シート高 750 mm
燃料供給装置 PGM-FI
始動方式 セル・キック
潤滑方式 圧送飛沫併用式
駆動方式 Vマチック
変速機 無段変速式
サスペンション 前 テレスコピック 後 ユニットスイング
キャスター / トレール 26.30° / 83 mm
ブレーキ 前 油圧式ディスク 後 機械式リーディング・トレーリング
タイヤサイズ 前 80/90-14 40P 後 90/90-14 46P
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 5.2 L
燃費 (WMTC)55.6 km/L
カラーバリエーション
本体価格 212,000円(税抜)
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM NSC110・Vision
同クラスの車 スズキ・アドレス110
2017年 2BJ-JF58型
燃費 (WMTC)54.0km/L 本体価格 214,000円(税抜)
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2015年1月に当初は詳細な発売日は同年春頃として型式名EBL-JF58へモデルチェンジされることが発表された[ 15] が、同年2月27日に翌3月6日から発売することが正式に発売された[ 16] 。
本モデルからホンダベトナム で製造販売されている Vision を、日本仕様のDioとして生産することになり、車体デザインは全体的に踏襲されたもののフレームは軽量化されている。エンジンはACGスタータによるアイドリングストップ システムを装備した空冷108ccの新型「eSPエンジン」を搭載し、前モデルよりも低回転でピークに達するようセッティングが適正化され、燃費も向上している[ 17] 。
2017年4月7日には、同月14日発売で平成28年自動車排出ガス規制 に対応させた型式名2BL-JF58へのマイナーチェンジを発表[ 18] 。さらに車体色・価格が変更された。
JK03(3代目)
概要 ディオ110(JK03), 基本情報 ...
ディオ110
(JK03)
基本情報 排気量クラス
小型自動二輪車 メーカー
本田技研工業 車体型式
8BJ-JK03 エンジン
JK03E型 109 cm3 4ストローク空冷SOHC単気筒
内径×行程 / 圧縮比
47.0 mm × 63.1 mm / 10.0:1 最高出力
6.4kW 8.7PS/7,500rpm 最大トルク
9.0Nm 0.92kgf・m/5,750rpm 車両重量
96 kg
詳細情報
製造国 ベトナム (ホンダベトナム)
製造期間 2021年 -
タイプ スクーター
設計統括
デザイン
フレーム アンダーボーン
全長×全幅×全高 1870 mm × 685 mm × 1100 mm
ホイールベース 1255 mm
最低地上高 150 mm
シート高 760 mm
燃料供給装置 PGM-FI
始動方式 セルフ式
潤滑方式 圧送飛沫併用式
駆動方式 Vマチック
変速機 無段変速式
サスペンション 前 テレスコピック 後 ユニットスイング
キャスター / トレール 26.30° / 85 mm
ブレーキ 前 油圧式ディスク 後 機械式リーディング・トレーリング
タイヤサイズ 前 80/90-14M/C 40P 後 90/90-14M/C 46P
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 4.9 L
燃費 (WMTC)55.6 km/L
カラーバリエーション
本体価格 253,000円(税抜)
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM NSC110・Vision
同クラスの車
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2021年 2月25日に登場。エンジンのロングストローク 化などが盛り込まれた[ 19] 。
2023年 3月16日には、マイナーチェンジ が行われ、車体色が変更されるとともに、廉価版の「Dio110・ベーシック」も発売された。