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『プライミーバル』(原題:Primeval)は、インポッシブル・ピクチャーズが制作した、イギリスのSFテレビドラマ[1]。イギリスの各地に時空の亀裂が出現し、それを介して現代に侵入した古生物や未来生物に研究者らが対処する。人間同士の裏切り、殺人、イギリス軍の謀略をストーリーに組み込みながら、未知の生物と調査チームの戦いが描かれる[2]。
プライミーバル Primeval | |
---|---|
ジャンル | SFドラマ |
脚本 | エイドリアン・ホッジス |
監督 | ティム・ヘインズ |
出演者 | ダグラス・ヘンシャル、ジェームズ・マレーなど |
製作 | |
制作 | ITV |
放送 | |
放送国・地域 | イギリス |
公式ウェブサイト | |
シリーズ1(第1章) | |
放送期間 | 2007年2月10日 - 3月17日 |
放送分 | 45分 |
回数 | 6 |
シリーズ2(第2章) | |
放送期間 | 2008年1月12日 - 2月23日 |
放送分 | 45分 |
回数 | 7 |
シリーズ3(第3章) | |
放送期間 | 2009年3月28日 - 6月6日 |
放送分 | 45分 |
回数 | 10 |
シリーズ4(第4章) | |
放送期間 | 2011年1月1日 - 2月5日 |
放送分 | 45分 |
回数 | 7 |
シリーズ5(第5章) | |
放送期間 | 2011年5月24日 - 6月28日 |
放送分 | 45分 |
回数 | 6 |
ティム・ヘインズとエイドリアン・ホッジスが中心となってコンセプトを立案し、2007年2月にITVで第1章第1話「太古への扉」の放送が開始された[1]。2009年には同年に放送された第3章第10話「サイト333」の放送を以ての打ち切りが発表されたが、イギリス国内外の複数の放送局による出資を受け、打ち切りを回避して新たに2シーズン13エピソード分の続編制作が発表された[1]。第5章の続編は制作されなかったものの、カナダ版スピンオフ『ジュラシック・ニューワールド』(原題:Primeval New World)がインポッシブル・ピクチャーズとスペースにより制作され、2012年に放送された[1]。ただし、こちらは1シーズン限りで打ち切りとなった[3]。
日本では『恐竜SFドラマ プライミーバル』として2009年1月にNHK総合で第1章の公開が開始され、2か国語で放送された[2]。日本での放送にあたっては国立科学博物館の冨田幸光が古生物監修を担当した[4]。日本でのレギュラー放送は2010年に放送された第3章を以て終了したが[5]、2019年9月8日には日本テレビ『Hulu傑作シアター』で「太古への扉」が放送された[6]。
吹き替えの声優は「NHK放送版/DVD版」の順。
架空生物を中心に主な生物を挙げる。
動物学を専攻し科学ジャーナリストの経歴を持つティム・ヘインズは[11]、自然ドキュメンタリーシリーズ『ウォーキングwithダイナソー〜驚異の恐竜王国』(1999年)を計画・制作した際、BBCのテレビ番組プロデューサーとして彼自身としては初めてのテレビのブレイクスルーを起こした[12]。『ウォーキングwithダイナソー』は効果的な特殊効果を用いて恐竜を彼らの自然環境に生きる動物として描写した史上初の自然史シリーズであり[13]、イギリスのテレビ史においてもっとも視聴された科学番組となり、大成功を収めた[14]。『ウォーキングwithダイナソー』を制作しながら、ティム・ヘインズはこの技術を利用してSF番組を制作することを思いついた。BBCはこのアイディアを受け入れたが、ヘインズは新しいアイディアよりも知名度の高い作品を望んだため、アーサー・コナン・ドイルの『失われた世界』を原作に『ロストワールド 〜失われた世界〜』を制作した[11]。ヘインズによれば、『ロストワールド 〜失われた世界〜』の成功から、彼は『ウォーキングwithダイナソー』の技術を用いて「非常に面白いハリウッド風の物語」を創作できる可能性を見出した[15]。
番組の成功により、ヘインズは2002年に彼自身の最上級のテレビ制作会社インポッシブル・ピクチャーズの共同設立が可能となった[15]。『ロストワールド 〜失われた世界〜』の制作の後、ヘインズは『プライミーバル』のアイディアを思いついた。この時点でのタイトルは"Cutter’s Bestiary"であった[11]。彼のアイディアの源泉となった1つはレイ・ハリーハウゼンの古いSF映画であり、ヘインズはこれらに「確かな魅力」を感じていた[15]。この他のインスパイア元としては化石のゴーストリネージがあり、ヘインズは時間を跳躍する動物によりこれを説明できると想像した[16]。他に影響を与えた作品には『ジュラシック・パーク』と『キングコング』がある[17]。制作チームに関与していないコメンテーターからは、『プライミーバル』が『ドクター・フー』や『LOST』、『スターゲイト』、Quatermass (en) からのインスピレーションが示唆されている[18]。
ヘインズは他の作家と共同で脚本を書いたが、結局は何も得られなかった。当時Charles II: The Power and the Passion(2003年)で英国アカデミー賞を受賞したエイドリアン・ホッジスは、BBCのドラマ部門長であるローラ・マッキーと今後の作品の可能性について議論した。チャールズ・ディケンズの『荒涼館』のドラマ化を提案されたが、『デイヴィッド・コパフィールド』を既にドラマ化していたホッジスはこれを拒否し、『バフィー 〜恋する十字架〜』のような雰囲気の楽しいものを制作したいと主張した。そこでマッキーが "Cutter's Bestiary" を提案すると、ホッジスは題名を快く思わなかったものの、現代に恐竜が出現するというコンセプトを素晴らしいものであると考えた[11]。こうしてヘインズとホッジスが主体となってコンセプトを作り[1]、2003年頃にパイロット版が執筆された[8]。当初は1話90分のドラマにする方針が取られていた[11]。
ヘインズとホッジスは構想に着手した際、当時まだ復活していなかった『ドクター・フー』にも通じるものを作ろうと考えていた。しかし、当時ラッセル・T・デイヴィスが『ドクター・フー』の新シリーズを企画していたため、『プライミーバル』は『ドクター・フー』に雰囲気が似通っているという理由でBBCからキャンセルされることになった。これはヘインズが"Cutter's Bestiary"を設定してから4、5年後のことであった[11]。BBCにキャンセルされた後、ヘインズとホッジスはITVの委員ニック・エリオットに『プライミーバル』を打診した。エリオットはホッジスが制作した脚本を気に入り、復活した『ドクター・フー』の成功を再現したいという願いから、このシリーズに許可を出した[11]。また、ドイツのプロジーベンやフランスのM6からの『プライミーバル』へのさらなる資金援助が確保された[19]。
シリーズの制作が確約され、また複数の脚本が既に執筆されていた状態で[11]、2006年1月に[20]プロデューサーらは主演俳優のキャスティングに移った[11]。ホッジスとヘインズはニック・カッター役のダグラス・ヘンシュオールにはその役のために個人的にアプローチを取ったが、その他の俳優は通常のオーディションを通して配役が決定した[11]。ヘンシュオールの他に加わったキャストには、ジェームズ・マレー、アンドリュー・リー・ポッツ、ハンナ・スピアリット、ルーシー・ブラウン、ジュリエット・オーブリー、ベン・ミラー、マーク・ウェイクリングがいた[19]。
『プライミーバル』は、あまり深刻に捉えず[17]、大人も子供も楽しめるファミリー向けシリーズとして構想された。プロデューサーらは、単なる子供向け番組ではなくドラマも単体で成立するように工夫し、「PG-13の感覚」を目指した[15]。制作チームもまた「キッチンに恐竜が居る」と感じられるよう、多くのエピソードを親しみ深い環境に設定し、現代を感じさせる意図的な選択をした[16]。今週の悪役フォーマットに倣うことに加え、『プライミーバル』には生態系の破壊や環境保全といった深いテーマも組み込まれた[11]。
『プライミーバル』の監督の選出にあたり、ヘインズとホッジスは高い実績を持つ人物の採用を望んだ[16]。第1章のためアプローチされた監督はシーラ・ウェアとジェイミー・ペインであった。いずれの監督もアクションシーンの経歴を持たなかったが、ドラマを描写することへの経験があった[17]。シリーズのビジュアルスタイルは『海賊ブラッド』(1935年)や『ロビンフッドの冒険』(1938年)といったエロール・フリンの映画からインスパイアされた面もあった[17]。第1章の制作の間、タイトルは当初 Primaeval と綴られていた[21][22][23]。第1章の制作はITVにより2005年12月27日に告知され、「ブラックホールを通って先史時代に旅をする科学者についての6部作の叙事的長編」として宣伝された[23]。
第1章の成功に続き、2007年5月に『プライミーバル』は第2章が再委託され[24]、6月8日に告知された[25]。ウェイクリングを除き第1章のメインキャスト全員が第2章には復帰したほか、新たなメインキャストとしてカール・テオバルドとナオミ・ベントリーが参加した[25]。第3章は2008年1月30日に告知された[26]。ヘンシュオールは第2章と第3章の間に『プライミーバル』が「野望を単純化」していると感じ、第3章で降板した。そのため、第3章で意図されていたプロットは大幅なリライトを必要とし、ジェニー・ルイス(演:ルーシー・ブラウン)とヘレン・カッター(演:ジュリエット・オーブリー)のストーリーラインも左右された。主演はダニー・クイン役のジェイソン・フレミングが引き継いだ[11]。第3章での新たな登場人物は、ライラ・ロス、ベン・マンスフィールド、ベリンダ・スチュワート=ウィルソンが演じた[27]。
第3章の成功にも拘わらず、放送後、財務上の理由で『プライミーバル』は2009年6月15日に打ち切られた。これは世界金融危機の煽りを受けてITVが倒産の危機に瀕していたためである[11]。ITVは第4章の再委託を拒否し、製作会社であるインポッシブル・ピクチャーズは1エピソードあたり60万ポンドの制作費削減[28]やライバルチャンネルへの番組販売[29]といった様々な手法を取ろうとした。打ち切りの理由はおそらく主に予算への影響であった[30]。『プライミーバル』の制作費は1シリーズあたり数百万ポンドに上り、またインポッシブル・ピクチャーズの独立制作であったため、ITVは利益の全てを請求することが不可能であった[31]。第3章の制作の間、プロデューサーは『プライミーバル』が第4章で復活しないことを全く予期していなかった。その後のインタビューでは、中止の危機を知っていたらこれほど多くの登場人物の運命を不安定にはしなかっただろうと述べられている[32]。
打ち切りから3か月後、『プライミーバル』は再委託された。シリーズの復活がなされたのはインポッシブル・ピクチャーズの対処によるものであり、シリーズはITVおよびUKTVを加えた共同制作となり(コストシェア)、BBCワールドワイドとプロジーベンからの追加の資金援助も提供された。この対応により13話の新エピソードの制作が確保され、これらは第4章と第5章に分割された。第4章はITVとその後はUKTVが所有するチャンネルWatchで放送され、第5章はWatchで初放送された[33][34]。制作チームは、前シリーズのプロットを解決して『プライミーバル』をさらに発展させられることから、2つのシリーズをさらに制作できることを喜んだ[35]。第4章と第5章の制作費は合わせて1500万ポンドであった[36]。
第3章のキャストは大部分が第4章および第5章に復帰することが告知されていたが[33][37]、複数人の俳優の離脱や第3章で過去に取り残された人物がいたことから、制作にあたって新たな登場人物として複数人をキャスティングする必要があった[11][38][39]。ライラ・ロスとジェイソン・フレミングもまた、さらなるシリーズの全話に出演することが不可能であった[40]。結果として、第4章と第5章には新たに複数の主要人物が登場し、それぞれキアラン・マクメナミン、ルース・カーニー、ルース・ブラッドリー、アレクサンダー・シティグが演じた[41][42]。最終的に、2012年にITVで第5章が放送された際のレーティングは低く、第6章への更新はなされなかった[43]。ただし、制作陣とキャストはシリーズの継続に興味を示していた[44][45]。
シリーズ | 告知 | 撮影 | 撮影期間 | 最初の初放送 | 最後の初放送 | 出典 |
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第1章 | 2005年12月27日 | 2006年5月 - 8月 | 約4か月半 | 2007年2月10日 | 2007年3月17日 | [23][46] |
第2章 | 2007年6月8日 | 2007年6月 - 9月 | 約3か月 | 2008年1月12日 | 2008年2月23日 | [24][25][47] |
第3章 | 2008年1月30日 | 2008年中盤 - 後半 | 約半年 | 2009年3月28日 | 2009年6月6日 | [26][48][49] |
第4章 | 2009年9月29日 | 2010年3月22日 - 6月26日 | 3か月 | 2011年1月1日 | 2011年2月5日 | [33][50][51] |
第5章 | 2010年7月 - 11月 | 約4か月 | 2011年5月24日 | 2011年6月28日 | [33][52][53] |
『プライミーバル』の第1章から第3章までの視覚効果は、ロンドンに拠点を置く視覚効果会社フレームストアにより製作された。フレームストアの採用は、ヘインズおよびインポッシブル・ピクチャーズとの長期に及ぶ共同制作会社であり、『ウォーキングwithダイナソー』やその他の『ウォーキングwith』シリーズをかつて製作していたためである。視覚効果の監督には、『プライミーバル』に高度に野心的な効果が求められたことから、クリスティアン・マンズが採用された。各エピソードの効果の製作には約13週、アニメーションに8週、光学合成に6週、照明に3週を要した[54]。最も予算を要する部分である光学合成には予算の半分が割かれた[16]。通常、複数のエピソードは同時に製作される。フレームストアは『プライミーバル』のために15人のアニメーターと15人の合成者を含む60人のクルーを動員した。これはシリーズの撮影スタッフと同等の規模であった。『プライミーバル』の製作ペースは速かったため、効率的な製作のためには大規模なクルーが必要であった。第1章の効果は2006年4月中に開始し、9月に完了した[54]。
プロデューサーは当初、時空の亀裂がどのように見えるか、具体的なアイディアを持っていなかった。ホッジスの脚本において、彼は時空の亀裂について単純に「空中で煌めいている」とだけ記載していた。デザインはヘインズと効果チームによって製作された。最終的なデザインが破砕されたガラスのようになったのは、人が通過するシーンで、断片が徐々に大きくなり、最終的に向こう側の世界へ踏み出すというイメージがあったためである[16]。
当初フレームストアは第4章の制作にも参加することを告知していたが[50]、結局制作に参加することはなかった。代わりに第4章と第5章の視覚効果を担当したのはThe Millであった[55]。ヘインズによれば、制作陣がThe Millを採用したのは、The Millが高精細度ビデオでの撮影に長けていたためであった[56]。『プライミーバル』の人形やアニマトロニクスを含む操演は、かつて『ウォーキングwith』シリーズや『プレヒストリック・パーク 〜絶滅動物を救え!〜』でインポッシブル・ピクチャーズと共同制作を行ったCrawley Creaturesが担当した[57]。
『プライミーバル』第1章から第3章までの主作曲家はドミニク・シェラーであった[58][59]。シェラーはトラックの作曲に10日を費やし、録音して各エピソードのためにミックスすることにさらに3日を費やした。彼は電子音楽と伝統的なオーケストラのハイブリッドである音楽を作ることを選択したが、これについて舞台の都市性と登場人物の態度が影響を与えたとコメントしている。シェラー曰く、CGIを用いる番組の特性上生物のスコアのテーマは不完全なイメージに基づくことが多く、創造的な挑戦だったという。彼は生物の絵や監督の説明だけでその生物の感触を掴めることもあると述べ、また最終的な外見や質感が音楽に大きな影響を与えることがあると述べた[59]。『プライミーバル』のテーマ曲の作曲にあたり、テーマ曲が人類が太古の過去と繋がるという重大な機会を反映していること、また生物そのものが危険かつ素晴らしいという威厳、および冒険が中心であることをシェラーは主張した[59]。第1章のためのシェラーのオリジナルのスコアは75分に及び、これは2011年9月20日にCDとデジタルでリリースされた。タイトルはPrimeval: Original Television Soundtrackであった[58][59]。
第3章では、シェラーのテーマに合わせてジェームズ・ハニガンが新たな音楽を書き下ろした[60]。また、第1章と第2章では、アンガス・モンクリフがオーケストレーター、シンセプログラマー、トランペット奏者を務めた。彼は第3章の4話分で35から40分の新曲の作曲、制作、ミキシングも担当した[61]。第4章と第5章ではスティーヴン・マッケオンが主作曲者を担当した[62]。
『プライミーバル』に登場した先史時代の生物は根本から科学に根差しているが[40]、意図的に完全には科学的に正確なものではないように設定されており、よく大きさが誇張され、より恐ろしく見えるようにされている[54]。映画的な観点から、現実の動物よりも知能を高く設定し、肉食動物が誰をどう襲うかを決定するなど、より個性を付与することもよく行われた[16]。科学的な厳密性に拘泥せず、むしろ科学を創造的思考のためのインスピレーションに用いるという決定は、『ウォーキングwith』シリーズで科学的厳密性を追求せざるを得なかったヘインズがそうした制約から解放されたかったためになされたものである。具体的な架空のデザインとしては、ゴルゴノプスの発達した犬歯が2本ではなく4本になっている点が挙げられる[40]。現実の先史時代の生物に加え、『プライミーバル』には複数の架空の生物も登場しており、その中には未来生物もいる[54]。未来の動物を登場させるという決定は第1章のプリプロダクションでなされたものであり、時空の亀裂が過去と現代を接続するのであれば論理的に現在と未来を繋げることもあるという考えに基づいている[16]。『プライミーバル』で最も象徴的な未来生物は、繰り返し登場している未来の捕食動物であり[63]、これは巨大な地上棲の捕食性のコウモリである[64] [65]。
架空のデザインに改造されているものの、先史時代の生物はほとんどの場合で実際の生物に酷似している。これはデザイン上の判断というだけでなくアニメーターの作業効率を考えた判断でもあり、実際の生物の方が架空生物よりも簡単に生体力学を解明して説得力のあるアニメーションにできることが多いためである。また、生物の行動や能力を決定するために、登場する動物の科学的な仮説も往々にして用いられた[40]。例えば、テロケファルス類のある属には毒があった可能性があり[66]、これは『プライミーバル』に登場した有毒のテロケファルス類の基礎として用いられた[40]。
生物のモデルを作成する過程には最初にコンセプトアートワークを製作する必要があり、ダレン・ホーレイは数多くの生物のコンセプトアートワークをデザインした[16]。ホーレイはITVにより番組が委託される前という非常に初期の段階からプロジェクトに参加しており、ヘインズがBBCに提出したCutter's Bestiaryの初稿のためのコンセプトスケッチを製作した。また、ホーレイは完成したモデルのテクスチャマップもデザインした。彼のデザインは引き続き使用されたが、彼は第3章を最後に『プライミーバル』での作業を中止した。
ホーレイがコンセプトアートワークを作成した後、そのデザインに基づいて彫刻家が粘土でマケット(模型)を製作した。これらは高解像度のレーザースキャナーでコンピューターに取り込まれた[16]。
サブタイトルは日本に輸入された際に命名されたものであり、第1章から第3章まではNHK、第4章以降はhuluによる。
話数 | エピソードタイトル | 初回放送日 | メインの生物 | 脚本 | 監督 |
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第1話 | 太古への扉 | 2007年2月10日(イギリス) 2009年1月2日(日本) | ゴルゴノプス類 スクトサウルス コエルロサウラヴス | エイドリアン・ホッジス | シーラ・ウェアー |
第2話 | 恐怖の巨大グモ | 2007年2月17日(イギリス) 2009年1月2日(日本) | 巨大グモ アースロプレウラ | エイドリアン・ホッジス | シーラ・ウェアー |
第3話 | 海の怪物 | 2007年2月24日(イギリス) 2009年1月3日(日本) | モササウルス ヘスペロルニス | エイドリアン・ホッジス | シーラ・ウェアー |
第4話 | ドードーの悲劇 | 2007年3月3日(イギリス) 2009年1月3日(日本) | ドードー 寄生虫 | リチャード・カーティ ベブ・ドイル | ジェイミー・ペイン |
第5話 | 空飛ぶ殺し屋 | 2007年3月10日(イギリス) 2009年1月4日(日本) | プテラノドン アヌログナトゥス | クリス・ラング | ジェイミー・ペイン |
第6話 | 未知なる獣 | 2007年3月17日(イギリス) 2009年1月4日(日本) | 未来の捕食動物 ゴルゴノプス類 | エイドリアン・ホッジス | ジェイミー・ペイン |
日本では、第1話「ラプトル襲撃」の放送日まで、第1章が1日1話ずつ放送された。第1章第6話「未知なる獣」と第2章第1話「ラプトル襲撃」が同日に放送された。
話数 | エピソードタイトル | 初回放送日 | メインの生物 | 脚本 | 監督 |
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第1話 | ラプトル襲撃 | 2008年1月12日(イギリス) 2009年8月27日(日本) | ラプトル | エイドリアン・ホッジス | ジェイミー・ペイン |
第2話 | オフィス街の霧 | 2008年1月19日(イギリス) 2009年9月3日(日本) | 巨大ミミズ | エイドリアン・ホッジス | アンドリュー・ガン |
第3話 | 森に潜む牙 | 2008年1月26日(イギリス) 2009年9月10日(日本) | スミロドン | リチャード・カーティ ベブ・ドイル | ジェイミー・ペイン |
第4話 | 水底に響く声 | 2008年2月2日(イギリス) 2009年9月17日(日本) | 未来のサメ 未来の水生霊長類 | キャメロン・マカリスター | ジェイミー・ペイン |
第5話 | 砂漠の遭難者 | 2008年2月9日(イギリス) 2009年9月24日(日本) | 巨大サソリ | ベン・コート キャロライン | アンドリュー・ガン |
第6話 | 罠 | 2008年2月16日(イギリス) 2009年10月1日(日本) | コロンビアマンモス 未来の捕食動物 | ポール・コーネル | ニック・マーフィー |
第7話 | 陰謀の果て | 2008年2月23日(イギリス) 2009年10月8日(日本) | 未来の捕食動物 スミロドン 巨大サソリ スクトサウルス ラプトル | エイドリアン・ホッジス | ニック・マーフィー |
第3章はNHK総合での放送とBSでの一挙放送があったため、併記する。
話数 | エピソードタイトル | 初回放送日 | メインの生物 | 脚本 | 監督 |
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第1話 | ナイルの魔獣 | 2009年3月28日(イギリス) 2010年7月11日(NHK総合) 2010年8月2日(BS) | プリスティカンプサス | スティーブ・バイリー | トニー・ミッチェル |
第2話 | 幽霊の棲む館 | 2009年4月4日(ITV) 2010年7月18日(NHK総合) 2010年8月2日(BS) | カムフラージュビースト | ジェームズ・モーラン | シーラ・ウェアー |
第3話 | 奇襲 | 2009年4月11日(ITV) 2010年7月25日(NHK総合) 2010年8月3日(BS) | ディイクトドン | マイク・カレン | トニー・ミッチェル |
第4話 | Gレックス暴走 | 2009年4月18日(ITV) 2010年8月1日(NHK総合) 2010年8月3日(BS) | ギガノトサウルス | ポール・マウスレイ | マーク・エベレスト |
第5話 | カビ人間の脅威 | 2009年4月25日(ITV) 2010年8月22日(NHK総合) 2010年8月4日(BS) | 殺人カビ | キャサリン・リンストラン ポール・マウスレイ | マーク・エベレスト |
第6話 | 災いの使者 | 2009年5月2日(ITV) 2010年9月5日(NHK総合) 2010年8月4日(BS) | フォルスラコス科 | ポール・フォーレル | シーラ・ウェアー |
第7話 | ドラゴンと騎士 | 2009年5月9日(ITV) 2010年9月12日(NHK総合) 2010年8月4日(BS) | ドラコレックス | アンドリュー・ロッテンバリー | リチャード・カーソン・スミス |
第8話 | 絶望の世界 | 2009年5月16日(ITV) 2010年9月19日(NHK総合) 2010年8月5日(BS) | メゴプテラン 未来の捕食動物 | キャメロン・マカリスター | リチャード・カーソン・スミス |
第9話 | 未来から来た女 | 2009年5月23日(ITV) 2010年9月26日(NHK総合) 2010年8月5日(BS) | エンボロテリウム 未来の捕食動物 | ポール・フォーレル | マシュー・トンプソン |
第10話 | サイト333 | 2009年6月6日(ITV) 2010年10月3日(NHK総合) 2010年8月4日(BS) | メゴプテラン 未来の捕食動物 ラプトル アウストラロピテクス・アファレンシス | スティーブ・バイリー | マシュー・トンプソン |
第4章からは日本でテレビ放送されていない。放送日はイギリスのものだけを指す。
話数 | エピソードタイトル | 初回放送日 | メインの生物 | 脚本 | 監督 |
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第1話 | 偶然の帰還 | 2011年1月1日 | スピノサウルス | ポール・モウスリー | マーク・エベレスト |
第2話 | 闇に潜む恐怖 | 2011年1月2日 | カプロスクス | スティーブ・バイリー | マーク・エベレスト |
第3話 | ファイアウォール | 2011年1月8日 | ツリークリーパー | デビー・オタス | シーラ・ウェアー |
第4話 | ダイナソー・スクール | 2011年1月15日 | テロケファルス | ポール・ジャスティンバーガー | シーラ・ウェアー |
第5話 | 伝説の怪物 | 2011年1月22日 | 迷歯類 | エイドリアン・ホッジス ジョン・フェイ | ロバート・クイン |
第6話 | ジェニーの結婚 | 2011年1月29日 | ヒエノドン | マシュー・パークヒル | ロバート・クイン |
第7話 | それぞれの使命 | 2011年2月5日 | フォルスラコス科 | ポール・マウスリー | マーク・エベレスト |
話数 | エピソードタイトル | 初回放送日 | メインの生物 | 脚本 | 監督 |
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第1話 | 新しい夜明け | 2011年5月24日 | 巨大甲虫 | クリス・ラング | マーク・エベレスト |
第2話 | 震える海 | 2011年5月31日 | プリオサウルス 獣脚類 | スティーブ・バイリー | ロバート・クイン |
第3話 | ロンドン連続殺人事件 | 2011年6月7日 | ラプトル | ポール・マウスリー ギャビー・アシュハー | ロバート・クイン |
第4話 | 生存率ゼロ | 2011年6月14日 | 未来の甲虫 | ヘレン・レイナー | ロバート・クイン |
第5話 | 終焉のはじまり | 2011年6月21日 | ツリークリーパー ティラノサウルス | ミッチェル・A・ウォーカー | シーラ・ウェアー |
第6話 | 希望の光 | 2011年6月28日 | 未来の捕食動物 | エイドリアン・ホッジス スティーブ・バイリー | シーラ・ウェアー |
『プライミーバル』はその初放送の間に熱狂的な反応を受け[15]、批評家と視聴者の両方にヒットした[54]。また、シリーズは世界的なオーディエンスに対しても成功をおさめ、30か国を超える国々で放送された[59]。例えば、特に人気のあった国としてはアメリカ合衆国[54][67]と大韓民国がある[40]。『プライミーバル』は番組がそうでないものに偽装しないことが賞賛され[68]、また古典的なSFへのオマージュも評価された[69][70][71]。後のコメンテーターには『プライミーバル』がそのポテンシャルを完全に実現することは出来なかったと見る者もいたが[72]、本シリーズは最高傑作のイギリスSF作品の1つとして記憶されており[73]、カルトシリーズとして説明されることもよくある[74][75][76]。
第1章の登場人物が十分に洗練されたものではなく脚本のいくつかも陳腐であるとする批評家も居たが[77]、『プライミーバル』は『ドクター・フー』の盗作という初期の批判を覆し、本作が独自のものであるという賛同を得ることに成功した[78][79]。第1章はその全体的なストーリーアーク[78]、および繰り返しの無いことが賞賛された[77]。特殊効果の質に関する意見は分かれた[78][80]。Film School Rejects のロブ・ハンターはシリーズを高く評価し、「『Xファイル』以来の最高の週替わりの怪物番組」と評価した[80]。第2章の評価について第1章よりも低調であり、第1章と比較した際の効果の高低[81][82]、登場人物や脚本の洗練性については意見が割れた[81]。第2章後半、特に二部作のフィナーレについては、普遍的に肯定的な評価が得られた[83][84]。
『プライミーバル』の第3章は高く評価された。批評家は第3章の話数が多かったために広大な特徴づけと登場人物の洗練が可能になったと結論し、スリルとサスペンスの感覚が増し、登場人物の動きに連続性が生じ、拡張された中心の物語も良いとした[39][85]。ジョン・パートウィーがドクター役を演じていた頃の『ドクター・フー』(1970年 - 1974年)と比較し、変化するチームのダイナミクスを好意的に解釈する批評家もおり[86][87]、『プライミーバル』で最も優れた年であったと考える者もいた[85][88]。対照的に、第4章の評価は割れており、新たな登場人物の導入や¥[89][90]、中心となるストーリーアークの速度[91]、およびその解決方法が批判された[92]。第4章の効果はそれまでの『プライミーバル』で最高という評価を受けた[89][93][94]。第5章は『プライミーバル』が「高らかに去っていく」として批評家から賞賛された[95]。特に称賛を浴びたのは最後の2エピソードであった[96][97][98]。
『秘密情報部トーチウッド』や『ドクター・フー』の製作総指揮を務めていたラッセル・T・デイヴィスは、2007年に『プライミーバル』の第1章が放送された後、内容自体は素晴らしいものであると賞賛しつつ、キャストが白人のみで構成されている点を批判した[99] 。しかし、デイヴィスの批判には反発もあった。これは、彼が当時『ドクター・フー』第3シリーズにシリーズ史上初となる黒人のレギュラーコンパニオンとなるマーサ・ジョーンズ役でフリーマ・アジェマンをキャスティングしたばかりであることと、同様の指摘が過去の『ドクター・フー』の歴史にも当てはまってしまうことによる[100]。WhatCultureでの『プライミーバル』第4章第1話のレビューに際し、ダン・オーウェンもまた『プライミーバル』のキャストに人種的な多様性がないことを指摘し、また敵であるフィリップ・バートンをスーダン生まれのアレクサンダー・シティグが演じることについてステレオタイプのアジア人の悪役として描写されることを危惧した[101]。しかし、シティグの演技は後に称賛を浴び、批評家からは「あまりにも多くのクリシェを避けた」と評価された[102]。『プライミーバル』第2章にキャスティングされたナオミ・ベントリーは、第2章を通して隠れた敵であることが明かされた[103]。第3章ではライラ・ロスが演じる非白人の主要人物が登場したが[104]、第4章と第5章の撮影期間が長かったためロスがシリーズに復帰することはなかった[105]。
『プライミーバル』は、女性キャラクターの描写についても批判を浴びることがあった。Strange Horizonsでの第1章のレビューにおいて、イアイン・クラークは最終的に男性が女性を救う形になるように女性キャラクターの強さが調整されていると批判した。彼はヘレン・カッターが自立した興味深く強い存在であると認めつつ、好きになるのが難しい存在として描かれていることを指摘した[77]。第1章はハンナ・スピアリットが下着を晒す場面がプロットに数多くある点も批判を受けた[104]。スピアリットによれば、それらのシーンは1つのブロックで撮影された後に第1章全体に拡散された。そういったシーンが数多く存在する点には両プロデューサーも衝撃を受け[106]、後のシリーズでそういったシーンが撮影されることはなくなった[107]。スピアリットの演じたアビー・メイトランドと、ルース・ブラッドリーの演じたエミリー・マーチャントは、共に後のシリーズで強力な女性キャラクターとしてより肯定的に受け入れられた[108][109]。
『プライミーバル』のレーティングは良い水準でほぼ安定していた[11]。第1章第1話「太古への扉」の視聴者数は700万人を超え[110]、ITVでの『プライミーバル』のスロットの通常の視聴者数を100万人以上上回った[111]。ITVが『プライミーバル』を委託したのは『ドクター・フー』の成功ゆえであり[11]、複数のコメンテーターもITVがライバルシリーズの制作を試みていることを考えていたが[73][72][112]、『プライミーバル』のキャストとクルーは『ドクター・フー』の競合相手としてシリーズを心に描いてはいなかった[11]。2007年のインタビューにてダグラス・ヘンシュオールは、『プライミーバル』のフォーマットが完全に異なることを指摘し、『ジュラシック・パーク』や『インディ・ジョーンズ』シリーズの影響を受けながら、むしろ『特攻野郎Aチーム』になぞらえた[113]。2021年のインタビューでは、ヘンシュオールは『ドクター・フー』を打倒することは不可能だったと述べ、ホッジスもそれに同調した。ホッジスは、もし『ドクター・フー』を打倒できればそれは偉業であるが、ただ「上手くやりたかっただけ」だったと語った。ヘインズ曰く、『プライミーバル』はベーオウルフやシンドバッドのような著名な題材が存在しなかったため、テレビ放送に漕ぎ着けることができたのは幸運であった。また、『ドクター・フー』新シリーズと競合する時期に放送されており、時間帯が近ければ視聴者を奪われることもあった。ヘンシュオールはこの点を根拠に、『プライミーバル』はもう5年遅くNetflixなどストリーミングサービスが発達した時代に放送すべきだったと主張し、ホッジスも予算の多少を理由に同様の主張をした[11]。
第3章の平均視聴者数は1エピソードあたり約500万人であった。第1章および第2章と比較するとこの値はやや下がったものであるが[30]、コメンテーターとITV自体はこの数字をまだ成功した範疇として考えていた[30][114]。打ち切りと復活の後に制作されたシリーズでは、視聴者数はより深刻に落ち込んだ。第4章の視聴者数は約400万人であり[110]、幾分下落したものと考えられた[115]。Watchで放送された第5章の平均は約50万人であった。地上波であるITVでの放送と比較すれば絶対数は少ないが、他のデジタルチャンネルと比較すれば成功した部類であり、むしろ『プライミーバル』はその年のWatchで最大視聴者数の番組となった[44]。なお、ITVでの第5章第6話「希望の光」の視聴者数は138万人であり、『プライミーバル』史上最低視聴者数であった[116]。
Series | エピソード番号 | 平均 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |||
1 | 7.09 | 6.29 | 6.17 | 5.81 | 6.46 | 6.52 | N/A | 6.39 | ||||
2 | 6.32 | 6.05 | 6.27 | 6.39 | 6.33 | 6.44 | 6.20 | N/A | 6.29 | |||
3 | 5.89 | 4.94 | 3.28 | 4.97 | 5.20 | 5.27 | 5.34 | 5.13 | 4.97 | 4.95 | 4.99 | |
4 | 4.45 | 3.29 | 4.17 | 4.15 | 4.21 | 3.83 | 4.09 | N/A | 4.03 | |||
5 | 2.55 | 1.77 | 1.85 | 1.59 | 1.79 | 1.38 | N/A | 1.82 |
年 | 賞 | 部門 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|
2007 | TV Quick Award | Best New Drama | ノミネート | [118] |
2008 | サテライト賞 | Best Television Series, Drama | ノミネート | [118] |
視覚効果協会賞 | Outstanding Performance by an Animated Character in a Live Action Broadcast Program, Commercial, or Music Video | ノミネート | [118] | |
2009 | 英国アカデミー賞テレビ部門 | Best Visual Effects | ノミネート | [118] |
2010 | サターン賞 | Best DVD Television Release | ノミネート | [118] |
カナダでは2007年4月4日[119]、ドイツでは2008年6月11日[120]に第1章第1話「太古への扉」が放送された。
アメリカにおいてはBBCアメリカで2008年8月9日[121]、Syfyで2009年4月10日に第1章第1話が放送された。合衆国内での放送を皮切りに世界的に視聴者を拡大したとされる[122]。
日本では2008年9月にNHKが第1章の放送権を得て[123]、NHK総合にて『恐竜SFドラマ プライミーバル』という邦題で放送されることが10月17日に発表された。第1章の全6話が、2009年1月2日から4日にかけ、1日2話ずつ3日連続オンエアされた[124]。第1章本編には登場しない恐竜の文字がタイトルに入っているが、視聴者にドラマの内容を分かりやすくするために内容を確認したうえであえて行ったという[125]。
2009年8月7日から第1章[122]、同年8月28日から第2章がNHKオンデマンドにて配信開始[126]。また、8月24日にはテーマ曲が着信メロディとして配信された[127]。
2009年8月27日から同年10月8日まで、同じくNHK総合とBSハイビジョンにて第2章がオンエアされた。地上波では、第2章の放送に先駆けて第1章の再放送が1日1話ずつ行われ、第2章第1話「ラプトル襲撃」は第1章第6話「未知なる獣」の3時間後に放送された[128]。また、「ラプトル襲撃」の放送直前には特別番組「30分でわかる!プライミーバル」が放送された[129]。
2010年1月、第1章と第2章の再放送および第3章の初放送が報じられた[130]。第3章は2010年2月に「オレたち肉食男子?」というキャッチコピーと共に、古生物のみを登場させた日本語版ポスターが製作された[131]。4月4日に始まった第1章と第2章の再放送を経て、第3章は7月11日にNHK総合で放送を開始した。放送時間は木曜日の20時から日曜日の朝へ変更され[130]、10月3日まで放送された。また、8月1日から8月4日にかけてBSにて第3章が一挙放送された。なお、BS『Shibuya Deep A』では視聴者が第3章の吹替に挑戦する企画が行われた[132]。
第4章および第5章は日本国内では放送されていないが、Huluなどで全5シリーズの日本語字幕版が提供されている。Huluでの配信はBBCとのパートナーシップによるものであり、2012年2月17日に配信決定が報じられた[133]。2019年9月8日には日本テレビ『Hulu傑作シアター』で「太古への扉」が放送され、約9年ぶりの地上波放送となった[134]。
『プライミーバル』はオリジナル小説がリリースされている。オリジナル小説に登場する調査チームはテレビシリーズのアピソードの間の時系列上に位置しており、場所とシチュエーションは新たなものが用意されている。また、そのストーリー展開は予算の都合上テレビシリーズでは実現できなかったものであった[27]。小説 Extinction Event がその例であり、テレビシリーズの物語に壊滅的な打撃を与えないよう、全体的な連続性に注意を払いながら執筆された[27]。
2011年9月15日、『プライミーバル』のカナダ版スピンオフ『ジュラシック・ニューワールド』がカナダのテレビチャンネルスペースで放送されることが明かされた。『ジュラシック・ニューワールド』はオムニ・フィルム・プロダクションとインポッシブル・ピクチャーズ、およびベル・メディアとの共同制作であった。制作はブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島で2011年冬に開始された[135]。物語はオリジナルシリーズから続いていないものの[136]、世界設定は共有されており、カメオ出演もある[44]。また、オリジナルの『プライミーバル』よりも暗く、年上向けで、怖ろしい作風が目指された。『ジュラシック・ニューワールド』は1シリーズ13エピソードを放送した後、レーティングが芳しくなかったことを踏まえて打ち切られた[137]。
2009年5月15日、『プライミーバル』をアメリカで映画化する計画が告知され、ワーナー・ブラザースは6桁の契約で映画化の権利を獲得したと報じた。『ジュラシック・パーク』の恐竜要素と『LOST』のタイムトラベル要素を結び付けたものとして発表され、アキヴァ・ゴールズマンとケリー・フォスターにより制作される予定であった[74]。脚本はジェフ・ピンクナーによる執筆が予定され、ヘンズとホッジスはその脚本の内容によっては決定をキャンセルする権利を保有した[138]。テレビシリーズと異なり、映画版はアメリカ合衆国を舞台にする予定であり[139]、オリジナルシリーズのテーマとアイディアに基づいて独自の路線を歩むものとされていた。登場人物は全て新キャラクターとして予定されていたが、オリジナルシリーズの登場人物と類似する役割を担い、原作キャラクターと対応する予定であった[138]。ワーナー・ブラザースによると2010年に制作開始予定であったが[140]、脚本は2011年段階でいまだ改稿中であった[138]。最終的に、実現には至っていない[141]。
Cubicle 7は2011年5月11日に『プライミーバル』の第1章から第3章に基づくロールプレイングゲームをリリースした。これにはギャレス・ハンラハンが執筆した288ページのルールブックが付属した[142][143]。2013年12月18日には、第4章に基づき、128ページの本と共に拡張版 Companion がリリースされた[144]。Companion の拡張版である Evolution は第5章を原作としており、2014年7月2日にリリースされ、128ページの本が付属した[145]。
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