ビーン (映画)

ウィキペディアから

ビーン』(原題: Bean)は、1997年に製作されたコメディ映画イギリスアメリカの共同製作。日本では1998年に劇場公開された。

概要 ビーン, 監督 ...
ビーン
Bean
監督 メル・スミス
脚本 リチャード・カーティス
ロビン・ドリスコル
製作 ピート・ベネット=ジョーンズ
エリック・フェルナー
ティム・ビーヴァン
製作総指揮 リチャード・カーティス
出演者 ローワン・アトキンソン
ピーター・マクニコル
音楽 ハワード・グッドール
撮影 フランシス・ケニー
編集 クリストファー・ブランデン
製作会社 ワーキング・タイトル・フィルムズ
タイガー・アスペクト・プロダクションズ
グラマシー・ピクチャーズ
配給 ポリグラム・フィルムド・エンターテインメント
ギャガ=ヒューマックス
公開 1997年8月1日
1998年3月21日
上映時間 89分
製作国 イギリス
アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $18,000,000[1]
興行収入 $251,212,670[1]
配給収入 11億5000万円[2]
次作 Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
テンプレートを表示
閉じる

解説

イギリスのITVで放送された人気コメディ番組『Mr.ビーン』の劇場版作品。舞台をアメリカのロサンゼルスに移し、ジェームズ・マクニール・ホイッスラーの名画『母の肖像』を巡って引き起こす騒動を描く。

ビーンの話すシーンが多いなど、テレビシリーズと比較してやや設定変更がみられる。また、過去にテレビシリーズで行なわれたコメディ(「マグカップを割ってしまったため仕方なく口の中でコーヒーを作って飲む」「中身の入ったエチケット袋を潰してゲロを撒き散らす」)も盛り込まれ、テレビシリーズでおなじみのミニやテディも、場面は少ないが登場する。ビーンがイギリス人ということもあって、チャールズ3世(当時皇太子)の風貌を揶揄するセリフがあるほか、随所にザ・ビートルズの楽曲が用いられている。

ストーリー

要約
視点
Thumb
『灰色と黒のアレンジメント-母の肖像』1871年 オルセー美術館

名画『ホイッスラーの母の肖像』がパリオルセー美術館から、アメリカのロサンゼルスにあるグリアソン美術館に展示されることになった。ロンドンのナショナル・ギャラリーの学芸員達は、とんでもないトラブルメーカーの警備員だが会長に気に入られているビーンを厄介払いするために、ビーンを美術の専門家に仕立ててロサンゼルスに派遣する。一方、グリアソン美術館の学芸部長であるデヴィッドは、ビーンを自宅に泊めることを提案するが、家族から猛反発を受ける。案の定、ビーンは空港に到着して早々に警備員が拳銃を持っているのに興奮し、拳銃を持っているふりをしているうちに空港を大混乱させてしまう。

翌日、ビーンは美術館に招かれるが、そこでも洗面所の蛇口をひねりすぎて股間を濡らしてしまったことをきっかけに美術館の面々からは変人と思われてしまった上、公開セレモニーでの本格的なスピーチを任されてしまう。デヴィッドは不安になりながらもビーンを自宅に連れ帰ったが、デヴィッドの妻子も実家に帰ってしまった。ビーンの希望で遊園地に行った2人だが、ビーンはそこでもアトラクションのプログラムを勝手に変更して警察の世話となる。帰宅した2人だったが、そこヘ突然グリアソン夫妻が訪ねて来る。デヴィッドはビーンに無理矢理料理を作らせるが、今度は電子レンジを爆発させる。デヴィッドはようやくビーンが美術の専門家でないことに気づく。

ようやく『ホイッスラーの母の肖像』が美術館に到着。警備手順の説明のためデヴィッドたちは部屋を出て行き、ビーンは1人絵の前に残されたが、絵に向かって洟を飛ばしてしまう。布巾で拭き取ろうとしたが、ポケットのペンが液漏れしていたせいで母の肖像の顔部分が汚れてしまう。ビーンはワゴンを装ったり、外壁を伝うなどして修繕室に到着し、シンナーでインクを取り去ることに成功したが、シンナーが強すぎて元の肖像まで溶け、さらに強くこすったことで顔の部分が完全に消え去ってしまった。絵が無いことに気づいたデヴィッドは慌てているビーンに詰問、顔が消えてビーンによって「ピノキオのお父ちゃんみたいな」落書きがしてあるのを見て狂乱してしまう。落胆した2人は、泥酔したまま帰宅。帰っていた家族にも呆れられ、離婚すらも仄(ほの)めかされてしまう。深夜、物思いにふけるビーンであったが、ケヴィンの「ポスター」という言葉を聞き、あることを思いつく。

深夜に美術館に忍び込み、傷めた絵画をポスターと差し替えるビーン。購入資金の出資者を招いたマスコミへのお披露目は無事に済んだが、続く「ビーン博士のスピーチ」は何の用意も出来ていなかった。それでも、ラングレー家に滞在して家族愛を学んだと語り、良いことを話した風に拍手喝采を浴びるビーン。

ラングレーの娘のジェニファーがバイク事故に遇った。会場から病院に駆けつけるラングレーとビーン。医者に化け、手術で患者の腹から銃弾を取り出したり、意識が戻らないジェニファーを偶然に覚醒させて感謝されるビーン。

ジェニファーを回復させたお礼に、もう一週間、ラングレー家に泊めてもらい、家族とドタバタながら楽しく過ごして帰国するビーン。彼の自宅には顔が変わったホイッスラーの原画が飾られていた。

キャスト

要約
視点
さらに見る 役名, 俳優 ...
役名 俳優 日本語吹き替え
VHSDVDフジテレビ日本テレビBD
Mr.ビーンローワン・アトキンソン広川太一郎滝口順平岩崎ひろし江原正士
デヴィッド・ラングレーピーター・マクニコル家中宏江原正士中尾隆聖納谷六朗
アリソン・ラングレーパメラ・リード杉村理加一城みゆ希佐々木優子相沢恵子
ジェニファー・ラングレートリシア・ヴェッセイかないみか松井菜桜子柚木涼香
ケヴィン・ラングレーアンドリュー・ローレンス高乃麗津野田なるみ亀井芳子
ジョージ・グリアソンハリス・ユーリン飯塚昭三川久保潔中村正小山武宏
エルマーラリー・ドレイク島香裕玄田哲章 島香裕
会長ジョン・ミルズ有本欽隆清川元夢城山堅
ニュートン将軍バート・レイノルズ富田耕生飯塚昭三小島敏彦
ウォルトン長官ピーター・イーガン八木光生上田敏也
ブルータス警部補リチャード・ガント大友龍三郎大平透池田勝沢木郁也
ウォルター・ハントリートム・マッゴーワン山野井仁龍田直樹西村知道
バトラー刑事クリス・エリス
ジェイコブソン医師デヴィッド・ドーティ遠藤純一島香裕
不明
その他
N/A寺内よりえ
達依久子
幸田夏穂
横尾まり
小山茉美
中嶋一成
小出悦子
桜澤凛
荒井静香
田尻ひろゆき
日野由利加
石森達幸
上田敏也
松井範雄
土師孝也
横尾まり
桐本琢也
滝沢ロコ
加藤亮夫
志村知幸
斉藤恵理
村上あかね
閉じる

吹き替えについて

原語でのビーンはテレビシリーズと同様、ほぼ言葉を発さず無音の状態だが、吹き替えではいずれもビーンの担当声優がそれぞれ無音の演技に独自にアドリブなどを加えている。

VHS・DVD版での広川太一郎は独自のアドリブを加え、他の吹き替えでの滝口順平江原正士は鼻歌を口ずさむといったビーンの行動を誇張する声の演技が入る。広川は後年、自身の演じた「しゃべり過ぎのビーン」に対して「本来のキャラクターのイメージと違うため嫌う人もいると思う」としつつ、他の吹き替えが存在することにも触れ「原作に忠実に吹き替えるのもあってよし、それをぶっ壊したものがあってもいいじゃないかということで、しゃべり過ぎのビーンをつくったんです」と話している[3]

  • VHS・DVD版:1998年8月21日発売のVHSに初収録。
  • フジテレビ版:初回放送2000年11月18日『ゴールデン洋画劇場』劇場版に未公開シーンを追加した特別版として放映。またTV版では劇中で使われたランディ・ニューマンの『I Love L.A』が主題歌として使用される。
  • 日本テレビ版:初回放送2002年6月21日『金曜ロードショー』一部が劇場公開版、フジテレビ版とは異なる内容で放映。飛行機の中で「中身の入ったエチケット袋を潰してゲロを撒き散らす」ではなく、ビーンが「アイマスクをつけて寝ながら隣の男性の股間に顔が行き怒られる」シーンとなっている。また、ラングレー一家が出ていった後、グリアソン夫婦が家を訪ねてくるシーンでは感謝祭の七面鳥をすぐに電子レンジに強引に押し込む前のエピソードとして、ビーンが具を詰めている途中で腕時計が肉の中に入ってしまい、顔を突っ込んで探して抜けなくなるというシーンが追加されている。(玉ねぎを持ってくるシーンで頭にコック帽に見立てた新聞の帽子を被っているのはこのシーンによる頭についた具の汚れを隠す為であることが示唆されている)
  • BD版:2012年4月13日発売のBDに初収録。配信にも使用。

スタッフ

  • 監督:メル・スミス
  • 製作:ピート・ベネット=ジョーンズ、エリック・フェルナー、ティム・ビーヴァン
  • 共同製作:レベッカ・オブライエン
  • 製作総指揮:リチャード・カーティス
  • 脚本:リチャード・カーティス、ロビン・ドリスコル
  • 撮影:フランシス・ケニー
  • 美術監督:ピーター・ラーキン
  • 衣裳:ホープ・ハナフィン
  • 編集:クリストファー・ブランデン
  • 音楽:ハワード・グッドール

日本語版

さらに見る 吹き替え, VHS・DVD版 ...
吹き替えVHSDVDBDフジテレビ日本テレビ
演出 中野洋志春日正伸木村絵理子
翻訳 高山美香松崎広幸
調整 山田利陽栗林秀年吉田佳代子
効果 N/AN/Aリレーション
録音 東京テレビセンターオムニバス・ジャパン
制作担当 稲毛弘之
佐藤雅之
プロデューサー 中嶋唯雄山形淳二大塚恭司
北島有子
野地玲子[4]
制作 ACクリエイトムービーテレビジョン東北新社
アミューズビデオNBCユニバーサルフジテレビ日本テレビ
閉じる

参考文献

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.