ソーディアンマスター
ストーリーの進行上必ず仲間になる。「ソーディアンマスターの資質」とは「かつて人間が有していた言語を用いずに心で意思を疎通することが出来る能力」である(PS版のみ)。ドラマCDによるとこの能力は何らかの遺伝性によるものと説明されており、PS版でもマスターの一人・ウッドロウの素質が特定の血筋(王家)によって受け継がれているとソーディアンから説明がある。
スタン・エルロン (Stan Aileron)
19歳 / 身長172cm / 体重63kg / 一人称:俺
声 - 関智一
本作の主人公。ソーディアン・ディムロスのマスター。フィッツガルドの山村リーネで暮らしており、祖父のトーマスと妹のリリスがいる。羊飼いだったが、セインガルドの兵士として名を上げようと思い立ち家出同然に村を飛び出した。密航したダリルシェイド行きの飛行竜がモンスターの襲撃に遭った時、ディムロスと出会う。兵士だった祖父仕込みのものか、羊飼いであるにも拘らず剣の腕は中々のもの。ディムロスと出会ってからは戦いの中でさらに剣術に磨きを掛け、ディムロスの炎と自身の剣技を合わせた奥義を体得する。
性格は純粋な正直者で熱血漢。田舎育ちなので世間や一般知識に疎いのが多少コンプレックスだが常識は持ち合わせており、年下の仲間や気心の知れた友人には砕けた態度で接するが、それ以外の特に年長者など目上の人間には礼儀正しい実直な少年。
金髪を伸ばし放題にしたボサボサの長髪だが、一応スタンなりのこだわりによるもの。どこでも眠ることができる一方、非常に低血圧で寝起きが悪く、一度眠ると起こすのは至難の業。戦いの最中ですら眠らされるとなかなか起きない。ヒロインであるルーティとは恋愛関係というより相棒という感じで、よく軽口を叩き合う。異性としての魅力もあるようで、リーネ村村長の娘やフィリアから想いを寄せられている。
一方で興奮してディムロスに暴言を吐いてしまったり、尊大な態度を取る初対面のリオンに皮肉を言ったりと、良くも悪くも人間くささがある。ミクトランとの決戦後にディムロスから「選ばれた人間ではない」「かつて人々が持っていた意思疎通能力を始めから持っていた」と明かされた。
- PS2版
- 全体的に単純さや脳天気さが増しており、皮肉や嫌味をほとんど言わない、また意に介さない(気付かないだけの時も)。また、田舎者扱いとそれに対するコンプレックスも無くなった。髪の毛も羊が寄ってくるという理由で伸ばしており、特にこだわりはない。拍車の掛かった単純さからPS版よりも頭が悪く見えるが、その単純さゆえに時に物事の核心を見抜くことがある。歌が下手という設定も追加されている。シナリオ上ではリオンとの友情が重視されており裏切ったリオンとの戦いの後もPS版とは違い必死になって説得をする場面もある。
- 固有装具はガントレット。サポートタレントは薬草を一段階パワーアップさせ、自身のHPを回復する「寝押し」。
- 備考
- 啄木鳥しんき版ではルーティに騙されて財布を取られてしまい、宿屋の主人に荷物を没収されてしまったため財宝を探しに訪れた古代遺跡でディムロスと出会う。また、敵だったグレバムの境遇や自分を責めるフィリアの様子を見て号泣したり、フィリアの誕生日パーティーを提案し酔っぱらって「皆が好き」発言するなど、お人好しで仲間想いな面が強調されている。ルーティに好意を抱いている節が見られる一方、ルーティが知り合いのボブおじさんの荷物を丸ごとネコババしようとして自殺騒ぎになった際には、嘘をついたルーティに激怒して喧嘩別れしてしまう。セインガルド国王からのアクアヴェイルでの依頼で夢だった士官のチャンスを得るが、ルーティへの謝罪を優先してクレスタの街に行き、ルーティの真意を知る。その後勝手な行動で仲間に迷惑をかけたとして士官の褒美を辞退した。グレバムとフィリアの件やリオンの事が影響したのか、ヒューゴと対峙する際にはルーティの気持ちを気遣って彼女をマリアンの護衛に残したが、結果的にはルーティにヒューゴを見捨てて自分を救う選択をさせてしまい負い目を感じていた。4コマ漫画「グッドモーニングスタン君」では寝起きの悪さから仲間に毎回あの手この手で起こされている。
- 特典DVDのチャットドラマでは食べ物に意地汚いキャラクターになっている事がある。
- スタンの剣技は特にゲーム本編では語られなかったがドラマCDでは毎日羊飼いの仕事の合間に訓練していた事が語られている。また、セインガルドへ行きたいとは思っているのだが、経済面での計画は全くしていなかった。
- 『テイルズ オブ バーサス』にも登場。物語の前大会に出場していたが、決勝の最中に起きた事件によって盟友を亡くし、その復讐のために同僚のリオンや息子のカイルを置いて世界を旅している。また、ストーリーが単独で行動する物のため、一人で複数の相手を倒すなどかなりの実力者として描かれている。
ルーティ・カトレット (Rutee Kartret)
18歳 / 身長157cm / 体重46kg / スリーサイズ 83-56-83[1] / 一人称:あたし
声 - 今井由香、小松由佳(TOTR)
本作のヒロイン。ソーディアン・アトワイトのマスター。セインガルド王国の東部にあるクレスタの街出身のレンズハンターである少女。孤児院育ちで、経営が傾いてきた孤児院を存続させるためにレンズハンターになった。純粋に金目当てでレンズハンターになったため、レンズ絡みに限らず儲け話には目が無く、戦いの最中にもガルドを拾い集めるほど。金への執着心から犯罪行為に手を染めることもあり、セインガルド各地に手配書が配られている。通り名は「金の亡者」、「鬼のルーティ」、「強欲の魔女」。レンズハンターとして世界を渡り歩くだけあり、突き主体の剣術やアトワイトに拠る多彩な晶術など、戦闘技術も一通り体得している。
本来は優しく面倒見の良い性格で、孤児院の子供達にも姉として慕われている。しかし、レンズハンターになった経緯などから、現在はかなり現実的でキツい性格をしており、しばしば歯に衣着せない過激なセリフも見受けられる。その性格のため、スタンやリオンと言い争いになることもしばしば。いわゆるツンデレ的な言動が多く、特に第一部EDでは、怒る・泣く・照れ隠しをすると、その本領が遺憾なく発揮されていた。
実はヒューゴの娘でリオンの実姉。クレスタの孤児院に捨てられたのは、ヒューゴ(ミクトラン)にルーティを殺すよう命令された母・クリスが娘を護ろうとしたためである。その際にルーティのお守りとして添えられていたのが、ソーディアン・アトワイトだった。
- PS2版
- 全体的に丸い性格となり、過激な発言も鳴りを潜めた。スタンとは、両者の性格の変更もあり、PS版ほど口喧嘩などをすることも無くなり、スタンが一方的にからかわれているとも尻に敷かれているとも取れる関係になっている。また、気張る心をスタンに解きほぐされたり、逆に迷い落ち込むスタンの起爆剤になるなど、スタンとの仲が徐々に深まるイベントが複数追加された。
- 固有装具はグローブ。サポートタレントは移動中アイテムやガルドを発見する「宝探し」。
- 備考
- いのまたむつみの描いた林檎を頬張る彼女のイラストに由来して、林檎が好きという設定がある。
- 小説版や漫画版では、母親の形見であるペンダントを所持する(作品により細部が異なる)。
- 啄木鳥しんき版では孤児院の子供たちに「るー兄」と呼ばれている。強引な性格ながらも母性的な優しさが強調され、神殿に帰ろうとするフィリアを強引にフィッツガルドに連れて行ったり、フィリアの誕生日パーティーのために大金をはたいたりした。リオンとは息の合ったやり取りが多く、スタンやフィリアに「仲がいい」と言われていた。最後までリオンの気持ちに気付かなかったPS版とは逆に、不機嫌な顔や素直じゃない性格が自分に似ていると思うようになり、リオンが自分のように寂しかったのだと気付く。海底洞窟ではスタンに代わってリオンを説得した。ヒューゴに新世界への協力を隠喩的に頼まれた際にはその真意を見抜き、「一方的に切り捨てるだけのやり方には賛成できない」と反発した。ヒューゴとの決戦では重傷を負ったスタンとヒューゴのどちらを助けるかの選択を迫られ、迷った末にスタンを救う。ヒューゴの臨終の際は親子らしい会話を期待したものの、あっさりとした別れにやり場のない怒りを見せるが、復旧が進む中でヒューゴなりに自分やリオンを気にかけていたのかもしれないと思うようになった。おまけイラストでは長い髪にドレス姿の「良家のお嬢様」然としたルーティが描かれている。
- 他のシリーズ作品では、ルーティの衣装が何らかの形で登場する(『テイルズ オブ エターニア』:「盗賊の服」、PS3版『テイルズ オブ ヴェスペリア』:ジュディスのコスチューム、『テイルズ オブ グレイセス エフ』:ソフィのコスチューム、『テイルズ オブ イノセンス R』:イリアのコスチューム、『テイルズ オブ ベルセリア』:ベルベットのコスチューム)。
- ルーティ及びフィリアのバストはPS版の設定ではルーティの方が大きいが、『テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3』ではアーチェがルーティは「触るほど無い」、フィリアは「ミント並み」と設定とは逆のことを指摘している。
- 担当声優の今井が2018年に声優業から引退したため、『テイルズ オブ ザ レイズ』以降の新規収録では小松がキャスティングされている。戦闘ボイスなども小松によって新規収録されているが、設定で今井のものと切り替えることが可能。
リオン・マグナス (Lion Magnus)
16歳 / 身長159cm / 体重48kg / 一人称:僕
声 - 緑川光
ソーディアン・シャルティエのマスター。セインガルド王国の客員剣士で、オベロン社総帥ヒューゴの側近。16歳にしてセインガルド王国随一の剣の使い手であり、スタン、ルーティ、マリーの3人をたった1人で切り伏せてしまうほどの実力者。将来の七将軍の1人と目されている。
本名は"エミリオ・カトレット(ジルクリスト)"。ヒューゴとは血を分けた実の親子であり、ルーティの弟にあたる。"リオン・マグナス"は公に対して親子関係を隠すためにヒューゴが与えた偽名(「マグナス」は古語で「偉大」を意味する)。ミクトランの影響を受けていたヒューゴとは幼い頃から親子ではなく上司と部下として接し、また姉のルーティは彼が産まれる前にクレスタに捨てられ、さらに母親のクリス・カトレットはリオンを産んだ直後に亡くなったため、家族の愛情を受けずに育っている。
冷徹かつ複雑な性格で、他者に対し心を閉ざしている。しかしただ1人、どことなく母親の面影を持つメイドのマリアンにだけは心を開き、命を懸けて愛していた。それを知るヒューゴにマリアンの命を掌握されていたため、リオンはヒューゴの駒として動き続け、海底洞窟でスタン達の前に敵として現れ、真実を明かし躊躇無く攻撃するも敗北、直後濁流に飲まれ死を遂げる。PS版では、死後、ミクトランにより生ける屍にされ最終決戦前にスタン達と対峙させられる。『デスティニー2』にて、エルレインの力で蘇り、ジューダスとしてスタンと姉ルーティの子であるカイルを助ける事になる。
- PS2版
- 幾分丸くなり、冷酷な面が成りを潜め、捻くれた皮肉屋というよりは不器用な少年になった。また、ヒューゴとの親子関係は最初から明らかとなっており、リオン・マグナスの偽名も、客員剣士になった頃に自身で名乗り始めた設定になった。シナリオ上の変更もあり、マリアンが人質に取られるのが第2部冒頭となったため、第1部ではヒューゴの駒として動かされている自覚が無い。
- 船酔いしやすい設定が追加、描写多数あり(PS版では飛行竜に一度酔ったのみ)。また、背が低いことを気にする描写が追加され、それに関するサブイベントやチェルシーとのフェイスチャットがある。
- スタンの項で触れた通り、シナリオ上ではスタンとの関係性が重視されており、彼に対し何かと「僕は、お前みたいな能天気で図々しくて馴れ馴れしい奴が大嫌いだ」と反発する場面が多い。装備武器がシャルティエと逆手持ちの短剣の二刀流になっており、本作以降の作品に登場する際はこの戦闘スタイルをとることが多い。
- DC版ではリオンの視点で本編を進める「リオンサイド」があり、PS版、通常のPS2版では描かれなかったリオンの心情が強く描かれている。
- 固有装具は上記のとおり短剣。サポートタレントは戦闘に参加しているキャラクターの攻撃力を上昇させる「戦闘指揮」。
- 備考
- 複数回行われているテイルズ歴代キャラクターの人気投票では、1位2回、2位4回(詳しくは公式サイトを参照)にランクインし、2013年では一位三連覇を果たした『テイルズ オブ ヴェスペリア』のユーリと共に殿堂入りとなった。
- ドラマCDではセインガルド王国の七将軍直属である近衛団長を務めている。
- 啄木鳥しんき版ではシャルティエの説得で生きる道を選び、残っていた飛行竜で崩壊する海底洞窟から脱出し(スタンたちは海竜で洞窟から脱出しており、飛行竜の操縦方法はスタンと共にグレバムの元へ向かった際に覚えていた)、ダイクロフトへ上がった先でスタン達と合流した。ベルセリオスに乗っ取られたマリアンの誘惑に戸惑い、一度はスタン達と敵対しかけたものの、マリアンの真の声を聴き、彼女を斬ってベルセリオスから解放した。ルーティやウッドロウには本気で幽霊だと思われていたが、予期せぬ生還を喜ぶ仲間達に暖かく迎えられ、涙しながらマリアンの治療を頼んだ。その後はマリアンに仲間達への手紙を託し、エミリオ・カトレットとして償いの旅に出た。オリジナルのPS版に比べると年相応の幼さが強調され性格が丸くなっており、スタンたちに感化されて仲間や他人への気遣いが見え隠れするようになる。誕生日が人に祝ってもらう日であること自体を知らなかった。外伝エピソードでは幼少時にクレスタ付近でルーティと一度会っていた。初めて自分と同じ目線で向かい合おうとしたマリアンに対する愛情と(作者の外伝エピソードによる)、旅を通じて芽生えてきたスタンたちへの友情、父ヒューゴに対する複雑な想いが入り乱れており、ヒューゴへの憎悪は愛情を与えられない寂しさの裏返しとされていた。
- カスカベアキラ版では主人公。原作『テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット』のようにスタンたちとの旅の中で彼の成長を絵描くストーリーとなっている。また作中で幼少時代に本来左ききであるのを王国の剣術の基本の右手に矯正するようヒューゴに言われていたが、指導していたフィンレイの配慮で左手でタガーを使い剣術のカンを保つよう配慮され、それが2刀流の元となった。
- 『テイルズ オブ バーサス』にも登場。騎士国家フレスヴェルグの2大騎士団長の一人であり、『テイルズ オブ デスティニー2』のカイルと共にユグドラシルバトルに出場する。失踪した同僚・スタンについて、カイルも知らない何かを知っているらしい。今作ではスタンとは原作以上に良き友人同士として描かれており、称号の中には「ツンツンツンデレ」なるものがある。
- イラストや漫画などでは素手だが『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』や『テイルズ オブ バーサス』など、作品によって戦闘画面では白い手袋をしているデザインがある。
- 『テイルズ オブ ザ レイズ』では当初、救世軍側の戦力として登場。しかしそれは、マリアンを人質に取られていたからであり、事情を知った後は真にマリアンを助ける為に救世軍から離反、道中様々な事態に見舞われるも、「全員で生きて帰る」と約束したマリアンとスタンを信じ抜いて彼女を救出した。
- 他のシリーズ作品では、リオンの衣装がキャラクターのコスチュームとして登場する(『テイルズ オブ グレイセス エフ』:アスベル、『テイルズ オブ エクシリア』:ジュード、『テイルズ オブ ゼスティリア』:ミクリオ)。
フィリア・フィリス (Philia Philis)
19歳 / 身長162cm / 体重45kg / スリーサイズ 78-54-82[2] / 一人称:私(PS版:わたくし / PS2版:わたし)
声 - 井上喜久子
ソーディアン・クレメンテのマスター。ストレイライズ神殿で古代文明を研究しているアタモニ神団の司祭。生まれも育ちもストレイライズ神殿で、両親も敬虔な神官だった。慈愛の心を持つ芯の強い少女だが、犯した過ちに対して自分を責め続けてしまう面がある。アタモニ神への信仰心が強く潔癖症。神殿暮らしが長かったため世間知らずで天然ボケなところもある。神の眼を強奪しようと動いたグレバムを阻もうとしたが止められず、石像にされて動けなくなる。そのまま石像として神殿に放置されているところをスタン達に発見され、パナシーアボトルで石化を解かれた。身体が完全に石に変わる瞬間までの記憶はあり、石化が解けてからも肩こりや腰痛に悩まされていた。人間に戻った後はスタン達と行動を共にし、カルバレイスへの道中でクレメンテと出会う。スタンに恋心を抱いており、積極的になれない自分を不甲斐なく思っている。ルーティに対しては、スタンと言いたい事を言い合える仲であることを羨ましがりながらも、「私も負けたくない」と複雑な感情を抱いている。書物の読み過ぎなどで視力が低く、この世界では珍しい眼鏡愛用者。
武僧では無いため剣術や体術は不得手だが、クレメンテのマスターとなったことで晶術の才を発揮し、多彩な攻撃晶術を扱えるようになる。また、化学にも長けているようで、自分で調合した爆発する液体の詰まったビンを投げて戦う。なお、クレメンテのマスターになるまではメイスなどで応戦していた。
- PS2版
- 不衛生な場所に居続けると狂気的になったり(ゴミ山「トラッシュマウンテン」での戦闘では、ストレスのせいでブラストゲージが上昇し続け、その際のカットインも普段のものとは異なる)、髑髏マークの怪しげな薬品を持って不気味に笑うシーンが追加されるなど、調合・爆発物マニアの度合いが増したり、クイズマニアになったりと、コミカルな方向でPS版よりもキャラが濃くなった。視力の低さは並大抵ではなく、裸眼ではルーティとリオンは勿論のこと、スタンとマリーの区別はおろか、明らかに体型の違うコングマンとジョニーすら見分けられない。
- PS版ではクレメンテ入手前は杖を武器に戦うが、PS2版ではクレメンテ入手前は戦闘に参加せず、NPC扱い。
- DC版にて、料理に薬品を入れる傾向があることが判明。
- 固有装具はネックレス。サポートタレントは素材から回復アイテムを生成する「調合」。
- 備考
- 啄木鳥しんき版では幼い頃からグレバムの研究を手伝っていたという設定で、グレバムを肉親のように慕っていた。グレバムが神殿の人間を虐殺したため神殿唯一の生き残りとなっている。ファンダリアのイザーク王や多くの兵を手にかけたグレバムを前に、ファンダリア王子であるウッドロウのイクティノスを借りて彼を討った。自分だけが生き残ったことを責めており、傷心のあまり神殿に戻ろうとしたがルーティにフィッツガルドに同行させられた。フィッツガルドの桜公園でスタンに年齢を聞かれた日が19歳の誕生日だったことから、仲間たちとイレーヌに誕生日パーティーを開いてもらい元気を取り戻す。フィッツガルドでクレメンテの呼ぶ声を聴き、セインガルドに向かう途中でクレメンテと出会った。
- 『テイルズ オブ ジ アビス』の闘技場に『テイルズ オブ エターニア』のリッドらと現れ、また彼女をモデルにした人形が登場する(闘技場戦で勝つと落とす)。
- 『テイルズ オブ バーサス』にも登場。次の世界樹の神子を目指しており、コングマンと共にユグドラシルバトルに参戦する。『テイルズ オブ ファンタジア』のミントに教えを受けていた。
- カスカベアキラ版では石にされたが、じきに元に戻され、その後グレバムの神の目強奪の一件をセインガルドに報告に来た。
ウッドロウ・ケルヴィン (Woodrow Kelvin)
23歳 / 身長181cm / 体重68kg / 一人称:私
声 - 速水奨
ソーディアン・イクティノスのマスター。雪国ファンダリアの王子。剣術や弓術などの武芸に長ける一方、学問や政治力、統率力にも優れる人の上に立つ者に相応しい器の持ち主。しかし放浪癖があるのが玉に瑕で、よく城を抜け出しては弓の師であるアルバの元を訪ねている。父親であるファンダリア国王イザークがグレバムによって殺され、若くして王位を継ぐこととなる。なお、母親は幼い頃に病死している。設定によると年上のマリーに一目惚れして日に日に募る恋心を隠したまま旅を続けており、ダリスが死亡した場合はマリーに激情を吐露するが、ダリスにそっくりと言われながらも応じてはもらえなかった。また、41歳になった続編でも妻帯しておらず独身のままである。近接武器と弓の両方を装備できるキャラクターで、装備武器によって使用できる特技が異なる。
- PS2版
- ウッドロウがマリーに恋心を抱くような描写は削られ、偉大な父に対するコンプレックスと王位継承への不安・悩みがクローズアップされるようになった。さらに、博学のクイズマニアという設定も追加され、フィリアはよきライバルとなった。しかし2人とも「クイズ」は得意でも「なぞなぞ」は苦手。街の女性からはモテる。なお、アルバとの付き合いは20年に及ぶ。また、師アルバ以外の年上の人間にも敬語で話すようになった。
- 剣(イクティノス)と弓を同時に装備し、装備の変更なしで剣の技と弓の技を使い分けることができる。また、正式にパーティメンバーに加入する際のレベルが加入時期に相応の値になるなど、イクティノスを含めPS版で不便だった点が解消されている。
- 固有装具は長弓。サポートタレントはエンカウント率を減らす「警戒」。
- 備考
- PS版では「なに、気にすることはない」という台詞が多く、スタンにも真似されるほどだったが、PS2版では1度も口にしない。『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』のクエスト「ゴールデンビクトリー」ではボイス付でこの台詞がある。『テイルズ オブ ファンダム Vol.1』ではソーディアンマスターで唯一名前のみの登場。
- 啄木鳥しんき版では、強大な力を持つ神の眼がヒューゴの手に渡ったと聞きつけ、「第二のグレバムの誕生」を危惧してセインガルドのスタンたちの元を訪れる。ヒューゴの向かっているオベロン社の廃工場の場所がダイクロフトが沈められた場所であると知り、リオンとシャルティエが情報を漏らしたのではと疑いを向ける。海底洞窟の崩壊に巻き込まれたリオンを救出しようとするスタンを気絶させた。グレバムを討とうとするフィリアを「あまりに酷では」と止めようとしたり、リオンの死に落ち込むスタンを気遣ってセインガルド王からの使者を追い払ったり、スタンを突き放すルーティに抗議したりと情を訴える言動が多い。
- カスカベアキラ版では、民衆蜂起の首謀者として獄中に捕われていたダリスと交流があり、国家の民主的統治を訴える彼の意見に一定の理解を示している。後にグレバムの動乱によって出獄したダリスと対峙し、王位継承者としての責務を全うするべく一騎討ちを果たした。
ソーディアンマスター以外のメンバー
PS版では第二部においては任意加入である上、パーティメンバーの上限がソーディアン・マスターを含めて6人のため、必然的に影の薄いキャラだが、PS2版ではリリスを除きストーリーの進行上必ず仲間になるようになり、出番が増加した。
マリー・エージェント (Mary Agent)
24歳 / 身長170cm / 体重54kg / スリーサイズ 94-62-90[3] / 一人称:わたし
声 - 天野由梨
記憶喪失の女戦士。1年以上前、ルーティと出会ったときには自分の名前以外何も覚えておらず、旅をしている内に記憶が戻るかもしれないということでルーティと行動を共にしている。かなり脳天気で変わった性格で、「見るもの全てが新鮮で記憶喪失も悪くない」などと記憶喪失を楽しむほど。その一方、記憶喪失前から持っている剣(PS2版では短剣)を大事にしているなど記憶を取り戻したい気持ちもある。普段は穏やかだが剣の腕は確かで、ひとたび戦いとなると人が変わったように血気盛んになり、口調も荒々しくなる。また、料理が得意など、家庭的な一面もある。アイスキャンディーが好物で、所持しているとそれを食べているミニイベントが起きる。
本名はマリー・ビンセント(エージェントはルーティが付けた姓)。ファンダリア王国のサイリルに住む剣士ダリス・ビンセントの妻であり、1年以上前、サイリルがグレバム勢力の襲撃を受けた際、ダリスの手によって逃げ延びるが、その際に記憶喪失になっていた。マリーが料理が得意なのは元々主婦だったためで、得意料理はファンダリアの郷土料理「ビーストミートのポワレ」。
- PS2版
- ダリスの設定の大幅な変更(後述)のためサイリル襲撃の詳細や記憶喪失の経緯が異なり、ダリス死亡の可能性が無くなったため、ダリスとの熱愛ぶりが強調されるイベントが追加された。また、気配りの細やかさなどの家庭的な一面が色濃くなり、記憶が戻ってからは女戦士としての凛々しい一面なども覗かせるようになった。可愛い物が好きという設定も追加された。PS版では剣や斧など近接武器全般を装備できたが、PS2版では武器は斧に限定されている。PS版では固有イベントが多かったがそういったイベントは全てなくなり、料理絡みのイベントも料理システムの関係やリリスの存在で影を潜めた。また、ダリスが死亡するルートがなくなったため、PS版ではあったウッドロウとの関係もないかと思いきや、決戦前夜のイベントでウッドロウに意味深な発言をする。
- 固有装具はバンダナ。サポートタレントは宝石のランクを上げる「宝石練磨」。
- 備考
- ドラマCDでは、ベルセリオスが健在なら彼女がマスターになっていたかもしれないと言われていた。また、記憶喪失になったのも3年前にモンスター討伐に出向いた際に出くわした正体不明の一団が使った晶術の影響によるものになっている。
- 啄木鳥しんき版ではルーティと旅に出ていない。クレスタの街でスタンと喧嘩別れしたルーティと出会い、「ルーティは本当に一人でいいのか?」と問いかけてスタンとの和解を後押しした。
チェルシー・トーン (Chelsea Tone)
14歳 / 身長151cm / 体重39kg / スリーサイズ 75-53-79[4] / 一人称:私
声 - 渡辺菜生子
ウッドロウの弓の師であるアルバの元で暮らしている少女。口が達者で礼儀正しいが、子供扱いされることを嫌うためにことわざや四字熟語などを必要以上に使って大人ぶることがある。方向音痴で、アルバの家の周りの雪山でも簡単に迷ってしまう。得意な武器は弓矢(小弓)で3歳から修行している。祖父が弓の達人なだけに腕はかなり立ち、技の多彩さではウッドロウを軽く凌ぐ。ウッドロウに恋心を抱いており、ファンダリア王妃になるのが夢らしい。
元々はジェノスの名家に生まれた令嬢だが、幼少期にジェノスで流行した疫病(黒死病)により両親は死去し、以後祖父であるアルバの元で生活をしている。実母の死を隠していたために彼を嫌っていたが、真実を告げられた後は大切に思うようになる。
- PS2版
- 幼い頃は流行り病というものを理解出来ず、両親が死んだのは「自分が子供だったせい」だと思い込んでいた時期があり、それが必要以上に大人びた振る舞いをする遠因となっている。これに伴い、アルバが両親の死因を隠していたことや、幼少期にアルバを嫌っていたということも無くなった。また、当初は幼い自分から祖父アルバを奪う人間としてウッドロウを嫌っていたという設定が追加。これはアルバが幼い自分に構ってくれずにウッドロウの指導にかまけていたためである。
- ウッドロウの師匠の孫娘であるため、ハイデルベルグ城にいる大臣ダーゼンからも一目置かれた存在のようだが、城中にいる女性(玉の輿を狙う女性達で、劇中ではキャットガールのコスプレをしている女性のみ登場)の中には妬みからチェルシーを快く思わない者もいる。
- 32歳となった18年後(『テイルズ オブ デスティニー2』)でも本作と全く同じ格好をしており、PS2版にはその理由らしきサブイベントが用意されている。
- 固有装具はリボン。サポートタレントは種からアイテムを生成する「種育て」。
ジョニー・シデン (Johnny Shiden)
26歳 / 身長174cm / 体重61kg / 一人称:俺
声 - 山寺宏一
アクアヴェイル公国・シデン領当主の三男坊(兄は一人しか登場せず、もう一人は消息不明)。常に弦楽器を持ち歩き、リクエストがあってもなくても唄い出す明るく飄々とした吟遊詩人。幼馴染のエレノアに想いを寄せたものの、彼女の愛がもう1人の幼馴染フェイトに向いていることを察して身を引き、フェイトとエレノアを結び付けた。その後も彼女のことを想い続けていたが、トウケイ領主ティベリウスによって彼女が殺されて以来、身分を隠し吟遊詩人として復讐のチャンスを窺っている。しかし普段はそんな重い過去を微塵も見せず、飄々とした態度を取る。
弦楽器を奏でると共に歌を唄い、それで敵を攻撃したり味方を援護したりする不思議な技の使い手だが、晶術の類かどうかは不明。また、歌が上手いか下手なのかはよくわからないが、「独特」であることは確か。彼の歌は全てジョニー自身が作詞作曲したもの。ゲーム中に「人呼んで蒼天の稲妻たあオレの事さ」と言うシーンがあるが、実際に呼ばれているシーンは無い。
- PS2版
- 指導者としての大器を覗わせるイベントが多数追加、PS版では私怨のためであったティベリウス打倒にも、アクアヴェイル王族の責務としての一面が加わることとなった。エレノアとフェイトとの三角関係が微妙に変化しており、ジョニーが身を引いたのはエレノアの気持ちを察したからではなく、エレノアのフェイトへの告白を偶然耳にしてしまったためとなった。また、他者の内面への深入りや自身への詮索を嫌う道化のような振る舞いは、エレノアを失って荒れるフェイトを励ました際に浴びせられた暴言が原因となっている。ディムロスに「素人ではない」と言わせるほどの剣技の使い手だが、剣の使用はイベント時の一度のみ。第二部では仲間になるのがヒューゴを倒した後であり、他のキャラクターに比べて非常に遅くなっている。
- フェイスチャットの登場などによって歌詞も多数登場、声を担当した山寺宏一が熱唱している。また、アクアヴェイルでは割とファンが多い。スタンもその一人だが、ルーティやマリーは微妙な顔をしている。
- 固有装具は帽子。サポートタレントはエンカウント率とアイテム取得率が上がる「路上ライブ」。
- 備考
- 啄木鳥しんき版では、追い詰めたティベリウスに復讐しようと一度は剣を向けるが、自分の「本当の望み」に気付いたことから殺すことはやめ、国がしっかりするまで吟遊詩人は休業するとリオンに語っていた(愛用の弦楽器はティベリウス戦の時に破壊された)。また作中における彼の歌は下手という扱いになっている(作者による4コマなどでも度々それがネタにされている)。
- くおん摩緒版では、アクアヴェイル編が全面カットされたことによって未登場だった。
- ドラマCDとPS2版では、外殻完成後に空から墜落したスタン達を救出した(PS版のその役回りはフェイトが担当)。
マイティ・コングマン (Mighty Kongman)
39歳 / 身長190cm / 体重100kg / 一人称:俺様
声 - 玄田哲章
ノイシュタットの闘技場に君臨する格闘チャンピオン。本当はいかなる武器をも扱える多才な武芸者だが、チャンピオンとしてのプライドから武器を使うことを善とせず、鍛え抜かれた己の肉体のみを頼りに戦う。常に上半身は裸。右肩にハートと矢のタトゥーを入れている。いささか傲慢な性格だが、ノイシュタットでは「町のヒーロー」として絶大な人気を誇っている。彼は自分がノイシュタットの下級階層の憧れであり夢であることを常に自覚しており、永遠にチャンピオンでい続けるために更なる鍛練を重ね、自分を磨いている。
PS版の第一部では敵として登場するのみであり、第二部においてサブイベントをこなす事で初めて仲間として加入する隠しキャラクターの扱いとなっている。
出身地が資料によって異なっている。不明とセインガルドの二通り。[5]
フィリアに一目惚れして以降、彼女が想いを寄せるスタンを目の仇にしている。フィリアのほうはあまり関心がないようである。
『テイルズ オブ デスティニー2』の資料によれば、マイティ・コングマンという名前は自称しているリングネームであり、本名は非公開とのこと。
- PS2版
- 襲撃を受けたノイシュタットを守るためにスタン達に同行し武装船団に乗り込むなど、ノイシュタットのヒーローらしい硬骨漢としての一面を見せる。また、チャンピオンとしてのプライドだけでなく、「子供達の夢を守るため、無様に負けることだけは出来ない」という使命感も強くなっている。その他のイベントや台詞などの追加もあり、傲慢なチャンピオンでしかなかった印象もかなり薄まり、お茶目なムードメーカーへの変貌を遂げた。
- スタンとの仲も悪くなく、レンブラントとの戦い後に気落ちする彼に檄を飛ばす等、情にあつい面も描かれるようになった。
- PS2版ではノイシュタットの下層民出身となっている。そのためノイシュタットへのオベロン社の介入に反感を覚えており、イレーヌのことも快く思っていない。その一方、フィリアへのアプローチはかなり熱烈で、彼女を困惑させてしまう。
- 子どもの頃から闘技場に通っており、そこで戦うチャンピオンにあこがれていた。だが偶然にもそのチャンピオンが八百長試合をしていたことを知って悲しんだものの、自分はそんなことをしなくても自身の肉体と拳で戦うチャンピオンとなるのだと決めてその夢を実現させた。
- 昔、マギーおばさんに酷い目にあわされたらしく、「あいつだけはカンベンしてくれぇ」と普段の素振りが嘘のような弱気な態度を見せていたが、これはマギーがコングマン以前の闘技場チャンピオンだった設定が追加されたためである。このことは『テイルズ オブ デスティニー2』でも触れられる。
- 固有装具はベルト。サポートタレントは自身のパラメータを上昇させる「筋トレ」。
- 備考
- メインキャラクターの中で唯一オープニングムービーに登場していない。PS版『テイルズ オブ デスティニー』から7年後に発売された『テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3』のCMにて、ようやく初のアニメ登場を果たした。
- ドラマCDでは、フィリアではなくイレーヌのことが好きで彼女を慕っている(コングマン曰く「聖女」「女神様」)。
- 『テイルズ オブ バーサス』にも登場。騎士国家フレスヴェルグの格闘チャンピオンとして、フィリアと共にユグドラシルバトルに参加する。
- 『ケロロRPG 騎士と武者と伝説の海賊』では条件を満たすとタママがコングマンの技を覚える。
- 『テイルズ オブ エクシリア2』では変化衣装としてのみ登場。同作にゲスト出演しているスタン、ルーティと異なり、本人は登場しない。
リリス・エルロン (Lilith Aileron)
17歳 / 身長158cm / 体重47kg / 一人称:私
声 - 今井由香(PS版)、沢口千恵(ドラマCD、PS2版)
リーネの村に住むスタンの妹。ピンク色に白いエプロンドレスを着ている。料理が得意でエルロン家の家事を一手に引き受けており、スタンもリリスには頭が上がらないが、本人は少々ブラコン気味。寝起きの悪いスタンを起こすのは専ら彼女の役目であり、お玉でフライパンを打ち鳴らす「秘技・死者の目覚め」の考案者[6]。家で飼っている白ウサギは「ポテちゃん」という名前。
- PS2版
- 髪型が水色のリボンによるポニーテールになり、服装の露出度が上がり、ブラコンぶりが激化した。既婚者マリーを除く女性メンバー3人、特にルーティにはかなり厳しい牽制をしかけることとなる。白ウサギは飼っていない模様。サブイベントをクリアするとパーティメンバーとして加わり、おたまとフライパンを武器に戦う。ただし、隠しキャラクター扱いのため、仲間に入れてもメインストーリーのイベントでは登場しない。DC版では、リオンと出会っているイベントがある(ただし、名前まで聞いていない)。
- 固有装具はフライパン。サポートタレントは料理をパワーアップさせる「調味料の業」。
- 備考
- オープニングムービーには登場せず、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』のOPで初のアニメ登場を果たす。
- 『テイルズ オブ ヴェスペリア』にて「フライパンとおたまで戦う少女」の話が登場する。
- カスカベアキラ版では番外編に登場し、DC版で追加されたイベントを素地としたリオンとの出会い、共闘してモンスターを倒すというエピソードが存在する。
ソーディアンチーム
千年前の天地戦争にて誕生した、意思を持つ剣。ここではキャラクターとして説明する為、兵器としてのソーディアンの設定についてはこちらを参照。PS版ではディムロスを除き声優が設定されておらず、ドラマCDで初めて設定された。PS2版では戦闘中にアドバイスをしてくれたり、マスターの代わりに晶術の詠唱をしたりする。
ソーディアンには、もうひとつベルセリオスがあるが、それはパーティーメンバーではない。小説版ではいのまたむつみにより全員の姿が描かれている。
ディムロス (Dimlos)
声 - 置鮎龍太郎(PS版ゲストボイス、ドラマCD、PS2版)
その勇猛な戦い振りから「突撃兵」「核弾頭」などの異名で呼ばれた地上軍第一師団師団長、ディムロス・ティンバー中将の人格を投射したソーディアン。身幅の広い両刃の剣。天地戦争後はフィッツガルドに安置されていた。セインガルド王国の首都ダリルシェイドに輸送される途中、積まれていた飛行竜がモンスターの軍勢に襲われ、武器を探して倉庫に入ってきたスタンと出会うことになる。
晶術は炎属性だが剣自体の攻撃力も高く、晶術よりも白兵戦向き。マスターの剣技に自身の発火能力を組み合わせ、威力を倍化させることができる。
オリジナルメンバーのディムロスは猪突猛進然とした熱血漢だったようであるが、ソーディアンとなった彼の性格はどちらかといえばむしろ冷静で、直進しがちなスタンを諌める場面も見られる。
神の眼の破壊で他のソーディアンと共に時空の狭間を永遠に彷徨うはずだったが、リーネの村に落ちていたところをリリスに拾われる(『テイルズ オブ ファンダム Vol.1』)。
- PS2版
- 冷静でありつつも多少熱血さが残っており、スタンの流れに乗ってしまう時がある。特に「なまくら」「魔剣」と言われると激怒する。また、スタンが物知らずになった影響で、スタンに一般常識や四字熟語の意味を教えるシーンも多くなり、面倒見がよくなった。一人称が「私」(もしくは「俺」)から「我」(イベントで一度だけ「俺」)に変わっている。
- PS版ではアトワイトと深い仲にあるような描写は特になかったが、PS2版では『テイルズ オブ デスティニー2』の設定を踏襲して熱烈なカップルとなっている。もっとも、それはオリジナルのディムロスとアトワイトのことであり、ソーディアンのディムロスとアトワイトの間には特にそういった雰囲気は見られないが、とあるイベントでオリジナルのディムロスとアトワイトを映した映像が流れた時はうろたえていた。
- 戦闘面では、術攻撃力が高められた影響もあり、基本能力はソーディアン中で最高となっている。
- 備考
- 啄木鳥しんき版では飛行竜でセインガルドに護送されておらず、古代神殿で眠っていた時に財宝(ディムロスのこと)を探して迷い込んできたスタンと出会い、彼をマスターにして神殿のガーディアンを倒した。猪突猛進と言うほどではないが熱血漢であり、お人好しで天然ボケのスタンとはよく漫才のような会話を繰り広げている。
- 『テイルズ オブ ファンタジア』、『テイルズ オブ エターニア』、『テイルズ オブ ジ アビス』ではアイテム「S・D」として、『テイルズ オブ ザ テンペスト』では戦闘中の武器グラフィックとして登場している。
- 『テイルズ オブ バーサス』にもソーディアンとして登場。スタンの相棒として世界を回っている。『ケロロRPG 騎士と武者と伝説の海賊』でもケロロの武器として登場しており、「ソーディアン・ディムロス」としるされている。
- 『テイルズ オブ エクシリア2』ではオリジナルのディムロスの衣装がガイアスのコスチュームとして登場する。
アトワイト (Atwight)
声 - 宇和川恵美(ドラマCD、PS2版)
地上軍衛生兵長アトワイト・エックス大佐の人格を投射したソーディアン。刀身の短い曲刀。本作の時間軸にて登場するソーディアンの中で唯一、投射されている人格が女性である。
ソーディアンの中で唯一単独で回復系の晶術を使用可能で、治療、戦闘補助に長ける。水属性の晶術による遠距離攻撃も可能。曲刀であるにも拘らず斬攻撃より突攻撃に優れている。経歴は不明だがベルセリオス、シャルティエと同じくヒューゴの手元にあったのだが、クリス・カトレットがルーティをクレスタの孤児院前に捨てる際に持ち出され、傍らに添えられた。以後、ルーティの成長を見守ってきた。故にクリス・カトレットの遺品であり、ルーティの姉貴分。なお、小説版『テイルズ オブ デスティニー2』ではいのまたむつみが描いた彼女のイラストがある。
彼女はクレメンテの主治医であり、本来戦士ではないアトワイトがソーディアンチームに参加することになったのは敬愛するクレメンテがソーディアンチームに参加したからである。
シャルティエ (Chaltier)
声 - 石川英郎(ドラマCD、PS2版)
地上軍の第二師団分隊長ピエール・ド・シャルティエ少佐の人格を投射したソーディアン。護拳の付いた曲刀。地属性の晶術を得意とし、闇属性や戦闘補助の晶術も多少使用できるが、ディムロス同様剣自体の威力が高い白兵戦向きのソーディアンである。リオンを「坊ちゃん」と呼び、リオンからは「シャル」という愛称で呼ばれている。
リオンとは彼が幼少時の頃からの付き合いのため彼の孤独と優しさを誰よりも理解し、精神的支柱として彼を陰ながら、ずっと見守ってきていた。リオンが仲間を裏切った際に、ソーディアンとしての使命を放棄するなど、彼との絆は他のソーディアン達に比べはるかに強い。PS2版で彼が濁流に飲まれ死を遂げる際にも「僕のマスターは坊ちゃんです」と言い彼と運命を共にする。
天地戦争時代と性格や口調が変わっているらしく、ディムロスに指摘された(シャルティエはリオンの影響だと言っている)。オリジナルメンバーのシャルティエは臆病で消極的な性格で、他のメンバーに比べ自分だけ地位が低い事に萎縮して卑屈になっていき、結果、本来は選ばれるにふさわしい力の持ち主でありながら、ついに最後まで実力を十分に出し切れなかったのだと言われている。現存ソーディアンの中では唯一、ソーディアン研究所にてパワーアップせず、神の眼の破壊にも使用されなかった[7]。
- PS2版
- PS版では発見された場所などは不明だったが、PS2版では後にアクアヴェイルと呼ばれる第一大陸圏内に安置され、後にシデン家と深く関わりを持つ設定になっている。シデン家(ジョニーの家)の者によってアクアヴェイル内で発掘され、アクアヴェイルの宝剣として祀られていたが、約10年前にヒューゴの手の者によって盗まれている。
- どちらかと言えば常に余裕を感じさせる性格になっており、日記に不平不満を書き連ねていたオリジナルの雰囲気は全く無くなったといえる。オリジナルの体格は小柄(ディムロスの頭一つ分小さく、アトワイトよりやや大きい程度)でソーディアンチームのメンバーの中では最年少。また、頭髪の色や容姿が小説版や『テイルズ オブ デスティニー2』と異なる(金髪だったのが銀髪になっている)。
- DC版では、約10年前から宝剣として祀られるようになり、それ以前は重罪人の処刑に使われていたというエピソードが追加。なお、彼が宝剣として祀られるようになったのは、ジョニーがそう進言したからだと推察させるイベントが多数用意されている。また、フェイスチャットで他ソーディアンメンバーの不平不満をぶちまけているシーンもある。
- 備考
- 護拳の向きが逆になっている(いのまたむつみの設定画の時点で描かれていた)。西洋の曲刀の場合、使用者の指を守るために外側(刃に沿う感じ)に柄を覆う。
- 啄木鳥しんき版では、崩壊する海底洞窟とともに死のうとするリオンに対して彼の本心を語る形で説得をし、生きる道を選ばせたなど普段の気弱さとは逆に芯の強い部分を見せていた。またディムロスの晶術を「熱血根性丸出しの晶術」、クレメンテの晶術を「年甲斐も無くド派手な晶術」と評するなど毒舌な一面も覗かせる。神の眼を破壊する直前の別れの際には、リオンをもう「坊ちゃん」ではなく一人前の人間と認め、彼のお守り役としての役目を終えた。
- ドラマCDでは、「最後まで一人ぼっちは変わらずか」という死ぬ間際のリオンに「一人ぼっちじゃありません」と言っており、彼らの絆が強調されていた。また、リオンが一人で決断した時、ヒューゴ(本物)の手を振り払い姉達の加勢に行くといった彼を見て涙ぐむなど、ある意味親より親らしいところを見せている。
- カスカベアキラ版では、シャルティエ視点による天地戦争時代を題材にしたエピソードが語られている。その中では、生来の消極的な性格に加え、ソーディアンの構造的な問題である「人格の相互干渉」によってソーディアン・シャルティエの人格に不調和が生じ、自己の存在意義に思い悩むという姿が描かれる。しかし後に新たなマスターである幼少期のリオンと出会い、彼の成長を見守りながらともに過ごすことによって悩みが解消されていくこととなり、その恩義が転じて新しいマスターであるリオンへの強い忠誠心を形成するきっかけとなっている。
クレメンテ (Clemente)
声 - 八奈見乗児(ドラマCD、PS2版)
地上軍最高幹部の1人ラヴィル・クレメンテ老の人格を投射したソーディアン。ディムロス同様、身幅の広い両刃の剣。オリジナルの年齢を考慮して軽くて切れないようにしているので、見た目に反して剣自体の攻撃力は低い。その反面、他のソーディアンのように偏った元素属性を持たず(剣自体の属性はPS版では雷、PS2版では光)、攻撃晶術の威力とバリエーションはソーディアン随一。様々な属性の晶術による遠距離攻撃を得意とする。
天地戦争終結後は、地上軍の拠点ラディスロウや海竜「ベルナルド」と共に空中都市郡もろとも海底に沈められたが、「神の眼」強奪に際して目覚め、フィリアを自身のマスターに選んだ。
リトラー(後述)と交信できる装置が内蔵されているらしく、天空都市に侵入した際などにパーティ側とリトラー側の状況報告などを行っている。
温厚で博識な好々爺なのだが、時折女性陣にスケベな台詞を口にして困らせることがある。ルーティ曰く「女の敵」。フィリアをマスターに選んだのも「ぴちぴちの若い娘」なのが理由である。
イクティノス (Igtenos)
声 - 松野太紀(ドラマCD、PS2版)
地上軍の情報将校イクティノス・マイナード少将の人格を投射したソーディアン。細身の長剣。ディムロスを上回る刺突攻撃の性能を持ち、ディムロス、シャルティエと並び白兵戦向きのソーディアンで、晶術は風属性。天地戦争終結後はファンダリア王国の象徴として、王家に代々受け継がれている。天地戦争時の傷(破損)により眠り続けており、「神の眼」の強奪の際に目覚めることができなかった。その他の特殊能力も封印されており、物語の終盤に差し掛かったあたりでようやく使えるようになるため、育てるのには少々骨が折れる。
オリジナルメンバーであるイクティノスは冷静な人物だったようで、熱血漢で感情的になりがちなディムロスを快くは思っていなかったようであるが、戦いの中で協力体制をとるうちに少しずつ打ち解けていった。
- PS2版
- 代々ファンダリア王家の者がソーディアンマスターを勤めており、封印の処置をとっていた他ソーディアンと違い、人の中で活動を続けていた。先代のマスターはウッドロウの父、イザーク王。天地戦争時には破損しておらず、第一部の最終決戦時にグレバムによって「神の眼」のエネルギーを直接注ぎこまれ、コアクリスタルを損傷。会話が出来なくなるものの最低限の機能は保っており、第二部開始直後から武器として使える。
- なお、ドラマCD、『テイルズ オブ デスティニー2』、PS2版と「冷静な理論派」として描かれていたが、今までの一人称が「私」であったのに対し、PS2版では「俺」となっている。ストーリー中の言動もあいまって、PS2版でのイクティノスは冷静(というよりは無口に近い)でありつつも、若干ワイルドな性格となっている。ウッドロウへの呼称も、「様」(もしくは「殿」)が消えて対等の言葉遣いに変わった。
- 備考
- 啄木鳥しんき版ではコアクリスタルの損傷の設定が無く、最初から話すことができ、代々ファンダリア王家の者に仕え支えてきた。くおん摩緒版、PS2版も同様。