オール讀物新人賞(オールよみものしんじんしょう)は、株式会社文藝春秋が発行する小説誌『オール讀物』の公募新人賞である。

1952年に設置された。当初の名前はオール新人杯であり、1960年下期の第17回目からオール讀物新人賞に名称を変更[1]2008年の第88回を前に規定が変更され、オール讀物推理小説新人賞と一本化された[2]。応募枚数は、400字詰原稿用紙50枚以上100枚以内[3]。応募締切は、例年6月20日。『オール讀物』11月号誌上で発表される[3]。賞は、当選作に正賞と賞金50万円が与えられる[3]。応募原稿は、未発表のものに限る[3]

従来は郵送による応募に限られていたが、2018年の第98回からはWebでも応募の受付を開始した[4]

2021年の第101回からは、歴史・時代小説に特化したオール讀物歴史時代小説新人賞へリニューアルした[5]

受賞作一覧

第1回から第10回

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回(年)受賞者受賞作
第1回(1952年)受賞南條範夫「子守りの殿」
第2回(1953年)受賞八坂龍一「女郎部唄」
第3回(1953年)受賞白藤茂「亡命記」
第4回(1954年)受賞松浦幸男「宝くじ挽歌」
第5回(1954年)受賞柳田知怒夫「お小人騒動」
第6回(1955年)受賞池田直彦「二潡港(あるとんかん)」
第7回(1955年)受賞胡桃沢耕史[注 1]「壮士再び帰らず」
第8回(1956年)受賞寺内大吉「黒い旅路」
森葉治「傍流」
第9回(1956年)受賞福永令三「赤い鴉」
第10回(1957年)受賞来水明子[注 2]「寵臣」
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第11回から第20回

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回(年)受賞者受賞作
第11回(1957年)受賞小田武雄「紙漉風土記」
第12回(1958年)受賞田中敏樹「切腹九人目」
第13回(1958年)受賞酒井健亀「窮鼠の眼」
第14回(1959年)受賞高橋達三「匙(ローシカ)」
第15回(1959年)受賞滝口康彦「綾尾内記覚書」
第16回(1960年)受賞幸川牧生「懸命の地」
第17回(1960年)受賞中村光至「白い紐」
第18回(1961年)受賞作なし
第19回(1961年)受賞野火鳥夫「灌木(ブッシュ)の唄」
第20回(1962年)受賞稲垣史生[注 3]「花の御所」
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第21回から第30回

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回(年)受賞者受賞作
第21回(1962年)受賞原田八束「落暉伝」
第22回(1963年)受賞武田八洲満「大事」
早崎慶三[注 4]「紐付きの恩賞」
第23回(1963年)受賞作なし
受賞辞退原英作「星のない男たち」
第24回(1964年)受賞明田鉄男「月明に飛ぶ」
第25回(1964年)受賞中川静子「幽囚転転」
第26回(1965年)受賞今村了介「蒼天」
第27回(1965年)受賞富永滋人「ぼてこ陣屋」
第28回(1966年)受賞菅野照代「ふくさ」
第29回(1966年)受賞山村直樹「破門の記」
第30回(1967年)受賞土井稔「隣家の律儀者」
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第31回から第40回

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回(年)受賞者受賞作
第31回(1967年)受賞作なし
第32回(1968年)受賞豊田行二「示談書」
第33回(1968年)受賞川崎敬一「麦の虫」
高森真士「兇器」
第34回(1969年)受賞黒岩竜太「裏通りの炎」
会田五郎「チンチン踏切」
第35回(1969年)受賞前田豊「川の終り」
第36回(1970年)受賞古屋甚一「潮の齢」
第37回(1970年)受賞稲村格「はしか犬」
第38回(1971年)受賞藤沢周平「溟い海」
第39回(1971年)受賞石井博「老人と猫」
第40回(1972年)受賞平忠夫「真夜中の少年」
難波利三「地虫」
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第41回から第50回

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回(年)受賞者受賞作
第41回(1972年)受賞川村久志「土曜の夜の狼たち」
第42回(1973年)受賞作なし
第43回(1973年)受賞中林亮介「梔子の草湯」
葉狩哲「俺達のさよなら」
第44回(1974年)受賞榊原直人「仏の城」
第45回(1974年)受賞醍醐麻沙夫「「銀座」と南十字星」
第46回(1975年)受賞楢山芙二夫「ニューヨークのサムライ」
相沢武夫「戊辰瞽女唄」
第47回(1975年)受賞加野厚志「天国の番人」
第48回(1976年)受賞小野紀美子「喪服のノンナ」
瀬山寛二「青い航跡」
第49回(1976年)受賞桐部次郎「横須賀線にて」
山口四郎「たぬきの戦場」
第50回(1977年)受賞軒上泊「九月の町」
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第51回から第60回

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回(年)受賞者受賞作
第51回(1977年)受賞堀和久「享保貢象始末」
小松重男「年季奉公」
第52回(1978年)受賞小堀新吉「兄ちゃんを見た」
黒沢いづ子「かべちょろ」
第53回(1978年)受賞原田太朗「鶏と女と土方」
恢余子[注 5]「二人妻」
第54回(1979年)受賞澤哲也「船霊(ぶなだま)」
岡田信子「ニューオーリンズ・ブルース」
第55回(1979年)受賞佐々木譲鉄騎兵、跳んだ
第56回(1980年)受賞大久保智曠「百合野通りから」
佐野文哉「北斎の弟子」
第57回(1980年)受賞寺林峻「幕切れ」
第58回(1981年)受賞吉村正一郎「石上草心の生涯」
第59回(1981年)受賞海庭良和「ハーレムのサムライ」
第60回(1982年)受賞佐野寿人「タイアップ屋さん」
村越英文「だから言わないコッチャナイ」
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第61回から第70回

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回(年)受賞者受賞作
第61回(1982年)受賞竹田真砂子「十六夜に」
森一彦「シャモ馬鹿」
第62回(1983年)受賞城島明彦「けさらんぱさらん」
二取由子「眠りの前に」
第63回(1983年)受賞作なし
第64回(1984年)受賞三宅孝太郎「夕映え河岸」
第65回(1985年)受賞桐生悠三「チェストかわら版」
第66回(1986年)受賞渡辺真理子「鬼灯市」
第67回(1987年)受賞味尾長太「ジャパゆき梅子」
第68回(1988年)受賞崎村亮介「軟弱なからし明太子」
第69回(1989年)受賞高橋和島「十三姫子が菅を刈る」
第70回(1990年)受賞大江いくの「制服」
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第71回から第80回

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回(年)受賞者受賞作
第71回(1991年)受賞大内曜子「光の戦士たち」
第72回(1992年)受賞高橋直樹「尼子悲話」
月足亮「北風のランナー」
第73回(1993年)受賞高木功「6000フィートの夏」[注 6]
第74回(1994年)受賞片野喜章「寛政見立番付」
第75回(1995年)受賞宇江佐真理幻の声
第76回(1996年)受賞乙川優三郎「藪燕」
第77回(1997年)受賞山本一力「蒼龍」
第78回(1998年)受賞三咲光郎「大正四年の狙撃手(スナイパー)」
第79回(1999年)受賞平安寿子「素晴らしい一日」
第80回(2000年)受賞大西幸「相思花」
三田完「櫻川イワンの恋」
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第81回から第90回

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回(年)受賞者受賞作
第81回(2001年)受賞山本恵子「夫婦(めおと)鯉」
第82回(2002年)受賞桜木紫乃「雪虫」
第83回(2003年)受賞志川節子「七転び」
竹村肇「パパの分量」
第84回(2004年)受賞永田俊也ええから加減
第85回(2005年)受賞野田栄二「黄砂吹く」
第86回(2006年)受賞乾ルカ「夏光」
小野寺史宜「裏へ走り蹴り込め」
第87回(2007年)受賞奥山景布子「平家蟹異聞」
島崎ひろ「飛べないシーソー」
第88回(2008年)受賞坂井希久子「虫のいどころ」[注 7]
柚木麻子「フォーゲットミー、ノットブルー」
第89回(2009年)受賞緒川莉々子「モモタン」[注 8]
森屋寛治「オデカケ」
第90回(2010年)受賞立花水馬「虫封じ〼(マス)」
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第91回から第100回

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回(年)受賞者受賞作
第91回(2011年)受賞佐藤巖太郎「夢幻の扉」
第92回(2012年)受賞木下昌輝「宇喜多の捨て嫁」
第93回(2013年)受賞香月夕花[注 9]「水に立つ人」
平岡陽明「松田さんの181日」
第94回(2014年)受賞榛野文美「花村凜子の傘」
第95回(2015年)受賞松田幸緒「中庭に面した席」[6]
第96回(2016年)受賞佐々木愛「ひどい句点」[7]
嶋津輝「姉といもうと」
第97回(2017年)受賞三本雅彦「新芽」[8]
第98回(2018年)受賞榛原浩「母喰鳥」
第99回(2019年) 受賞 由原かのん 「首侍(くびざむらい)」
第100回(2020年) 受賞 高瀬乃一 「をりをり よみ耽(ふけ)り」
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第101回から第110回

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回(年)受賞者受賞作
第101回(2021年) 受賞 出崎哲弥 「装束(しょうぞく)ゑの木(き)」
第102回(2022年) 受賞 米原信 「盟(かみかけて)信(しん)が大切」
第103回(2023年) 受賞 小林尋 「かはゆき、道賢(どうけん)」
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選考委員

脚注

外部リンク

関連項目

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