しもきたは、東日本旅客鉄道(JR東日本)・青い森鉄道が八戸駅 - 大湊駅間などで運転している快速列車である。
上り4本・下り3本の運転で、運行区間は以下の3通りが存在する。
- 八戸 - 大湊:上り2本、下り2本
- 八戸 - 野辺地(野辺地 - 大湊は普通列車として直通[1]):上り1本、下り1本
- 野辺地 - 大湊:上り1本
2021年3月12日までは、野辺地から青い森鉄道線を西進し、青森駅まで運転する列車が1往復設定されていた。
- 1959年7月:盛岡駅 - 大鰐駅間を運行する準急列車「八甲田」の運行開始。
- 1961年10月1日:盛岡駅・鮫駅 - 大鰐駅間の準急「八甲田」を改称し準急「しもきた」誕生。上り列車のみ大畑駅 - 青森駅間運転。「八甲田」の名称は上野駅 - 青森駅間急行列車名称に採用される(「八甲田」については以降「東北本線優等列車沿革」を参照)。
- 1962年10月1日:準急「しもきた」の鮫編成を分離し、久慈駅 - 盛岡駅間を運行する準急「うみねこ」運転開始。
- 1965年10月:準急「しもきた」を「みちのく」に改称。
- 1966年10月1日:急行「うみねこ」廃止、盛岡駅 - 大鰐駅(上り)・碇ケ関駅(下り)間急行「しもきた」復活、運転開始(下り弘前駅 - 碇ケ関駅間普通列車)。
- 急行「しもきた」は弘前運転区(当時)のキハ58系気動車3両を基本編成(全車普通車自由席)とし、一部区間で付属編成を増結して運行した。盛岡駅 - 八戸駅間で2両、青森駅 - 弘前駅間では5両(うち1両はキロ28形・自由席グリーン車)の増結を行った。
- 1978年10月2日現在の盛岡駅 - 青森駅間の優等列車状況
- 寝台特急「はくつる」(上野駅 - 東北本線経由 - 青森駅)1往復
- 寝台特急「ゆうづる」(上野駅 - 常磐線経由 - 青森駅)7往復
- L特急「はつかり」(上野駅 - 東北本線経由 - 青森駅)6往復
- 特急「みちのく」(上野駅 - 常磐線経由 - 青森駅)1往復
- 急行「くりこま」(仙台駅 - 青森駅)2往復
- 急行「しもきた」(盛岡駅 - 青森駅 - 弘前駅・大鰐駅)1往復
- 急行「深浦」(八戸駅 - 青森駅 - 川部駅・五所川原駅)1往復
- 夜行急行「八甲田」(上野駅 - 東北本線経由 - 青森駅)1往復
- 夜行急行「十和田」(上野駅 - 常磐線経由 - 青森駅)2往復
- 1982年11月15日:L特急「はつかり」昇格により急行「しもきた」廃止
- 廃止時停車駅:盛岡駅 - 好摩駅 - 沼宮内駅(現・いわて沼宮内駅)- 一戸駅 - 北福岡駅(現・二戸駅)- 金田一駅(現・金田一温泉駅)- 三戸駅 - 八戸駅 - 陸奥市川駅 - 三沢駅 - 上北町駅 - 野辺地駅 - 浅虫駅(現・浅虫温泉駅)- 青森駅 - 浪岡駅 - 川部駅 - 弘前駅 - 大鰐駅(現・大鰐温泉駅)(下りは弘前駅 - 碇ケ関駅間普通列車)
- 1968年(昭和43年)10月1日:青森駅 - 鮫駅・大湊駅間で急行「なつどまり」運転開始(青森駅 - 野辺地駅間は併結運転)。運行開始当初、「なつどまり」は、大湊線内の途中停車駅は、陸奥横浜駅のみだった[2]。
- 1978年(昭和53年)10月2日:「なつどまり」を快速列車に格下げ(運転区間・併結運転はそのまま)。
- 急行時代の停車駅:青森駅 - 浅虫駅(現・浅虫温泉駅) - 小湊駅 - 野辺地駅 - 乙供駅 - 上北町駅 - 三沢駅 - 下田駅 - 陸奥市川駅 - 八戸駅 - 本八戸駅 - 陸奥湊駅 - 鮫駅
- 大湊線内停車駅:陸奥横浜駅 - 下北駅 - 大湊駅
- 1988年(昭和63年)3月13日:快速「なつどまり」を分割。大湊駅発着を快速「うそり」、鮫駅発着を快速「うみねこ」とする。青森駅 - 野辺地駅間における併結運転は上り列車のみ引き続き実施。「うそり」はキハ40系による3往復とし、大湊線内でのワンマン運転開始。
- 1993年(平成5年)12月1日:青森駅 - 大湊駅間の快速「うそり」をキハ100系による快速「しもきた」に名称変更。5往復に増発。
- 1999年(平成11年)5月:横浜町の「菜の花フェスティバル」に合わせて、1往復を「菜の花トレイン」としジョイフルトレイン「Kenji」で運転。
- 2000年(平成12年)
- 5月:「菜の花フェスティバル」に合わせ、前年と同様に1往復を「Kenji」で運転。
- 12月2日:1往復が小柳駅・矢田前駅に停車となる。
- 2001年(平成13年)5月:快速「しもきた」1往復をジョイフルトレイン「エーデルワイス」で運転。
- 2002年(平成14年)
- 7月:八戸駅 - 大湊駅 - 蟹田駅 - 八戸駅間臨時快速「きらきらみちのく」運転開始。
- 12月1日:東北新幹線八戸延伸に伴い、青森駅発着の1往復を八戸駅発着にする。また青森駅発着1往復が停車していた小柳駅・矢田前駅は通過となる。
- 2010年(平成22年)12月4日:東北新幹線新青森開業に合わせ、快速「しもきた」の八戸駅発着1往復から2往復に増発。これに伴い青森駅発着の「しもきた」は3往復から2往復に削減。青森駅発着は東青森駅、八戸駅発着は上北町駅・下田駅(1往復のみ)に新たに停車となる。
- 2013年(平成25年)3月16日:ダイヤ改正により、青森駅発着の快速「しもきた」のうち1往復を八戸駅発着とし、快速「しもきた」は八戸駅発着3往復・青森駅発着1往復となる。また青い森鉄道線内がワンマン化され、全区間ワンマン運転となる。
- 2017年(平成29年)3月4日:ダイヤ改正により、青森駅発着の快速「しもきた」が浅虫温泉駅 - 青森駅間で各駅停車となる。
- 2018年(平成30年)3月17日:同日実施のダイヤ改正で、青い森鉄道の電車による快速列車が廃止され、本列車が青い森鉄道線内で運行される唯一の快速列車となる。
- 2021年(令和3年)3月13日:同日実施のダイヤ改正で青森駅発着便が廃止され、新たに大湊線完結の上り列車が設定される。
出典
『東奥日報』1968年10月1日付け夕刊記事(『新青森市史通史編第四巻 現代』(青森市・2014年3月31日発行)441頁より)