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ラテン文字の10番目の文字 ウィキペディアから
大文字は、縦棒の下が左に曲がった形である。しばしば折り返す。フラクトゥールはで、書体によっては(I) と区別が付かない(あるいは、もともと異体字であったIとJの区別を設けていない)。このため、記号としては(J) を抜かすことがある((I) の次の記号に(K) を使う)。また、T の筆記体と紛らわしいが、フラクトゥールで T はのようであり、区別が付く。
小文字はミーンラインより下に書かれるが、ベースラインを越えて下に突き出す。このため、実質的な大きさはこれだけでも大文字と同等である。さらに、i同様、上に点を付ける。フラクトゥールは。文字の上部に付けるダイアクリティカルマークが付く場合、普通は点を付けないで、ダイアクリティカルマークのみを付ける。
ギリシャ文字の Ι(イオタ)に由来し、キリル文字の І, Ј と同系の文字である。元々は同一の文字で、基本形の I と、装飾として I の下部を伸ばして曲げた J の2形があった。例えば、ローマ数字の 23 が、XXIII ではなく XXIIJ と書かれた。
発音面では、ラテン語において語頭の I は半母音 [j] を表わしていたが、後期から次第に [j] を発声する際の舌の位置が上がって [dj] に変化しはじめ、古フランス語では [dʒ]、中期フランス語では [ʒ] となった。英語では、古フランス語の発音である [dʒ] が現在まで維持されている。
文字としての両者の区別は、1524年に始まる。en:Gian Giorgio Trissinoがイタリア語正書法について、口語的には別々の発音が文字では同一になっている事態を是正するため、母音 /i/ を I 、半母音 [j] を J と書き分けるよう提案した。同時に U と V の書き分けも提案され、時間はかかりつつも多くの言語に影響を及ぼした。 英語においては、1629年出版のジェームズ王欽定訳聖書が初めて I と J を区別したが、両者の混在は長く続き、18世紀のJohnsonの辞書でも I と J が同列に並べられていた。
文字 J は、半母音(硬口蓋接近音) [j] を表すのに用いられるほか、言語によっては以下のような音を表すのに用いられる。
東アジアの諸言語をラテン文字で転写する際には、[dʒ] の近似音を J で表すことが多い。有声音と無声音の区別がなく有気音と無気音を区別する言語では、無気音のほうに J が当てられる。その場合、J は無声音をも表すことになる。日本語のヤ行の子音等[j]の近似音は代わりにYで表すことが多い。
大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
J | U+004A |
1-3-42 |
J J |
j | U+006A |
1-3-74 |
j j |
|
J | U+FF2A |
1-3-42 |
J J |
j | U+FF4A |
1-3-74 |
j j |
全角 |
Ⓙ | U+24BF |
‐ |
Ⓙ Ⓙ |
ⓙ | U+24D9 |
1-12-35 |
ⓙ ⓙ |
丸囲み |
🄙 | U+1F119 |
‐ |
🄙 🄙 |
⒥ | U+24A5 |
‐ |
⒥ ⒥ |
括弧付き |
𝐉 | U+1D409 |
‐ |
𝐉 𝐉 |
𝐣 | U+1D423 |
‐ |
𝐣 𝐣 |
太字 |
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